旧OVA版の後半の感想記事まとめとなります。
帝国と同盟で勃発した内乱。
その内乱を利用して帝国内で覇権を確立したラインハルト。
その一方ラインハルトは失ってはいけないものを失ってしまいました。
それも自分のミスで。
私は同盟贔屓ですが、さすがにラインハルトが気の毒に思います。
仮にラインハルトがここであのキャラを失わなければ同盟との共存もありえたかもしれません。
ラインハルトもあのキャラもアンネローゼを救うのが第一だったはずなので。
第1期前半の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第1話~第16話の感想「同盟の没落とラインハルトの栄達」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第17話「嵐の前」の感想 「ヤンと因縁のある人物が祖国分裂工作のため同盟に帰還」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第18話「リップシュタットの密約」の感想 「帝国で内乱が勃発しラインハルトは鎮圧へ」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第19話「ヤン艦隊出動」の感想 「同盟でクーデター発生!そしてその首謀者は…」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第20話「流血の宇宙」の感想 「頭を使って石器時代の勇者を罠に嵌めます」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第21話「ドーリア星域会戦そして…」の感想 「クリスチアン大佐の愚行がスタジアムの虐殺を引き起こす」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第22話「勇気と忠誠」の感想 「貴族ってほんと身勝手ですね」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第23話「黄金樹は倒れた」の感想 「戦争を早く終わらせるためには仕方が無かった?」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第24話「誰ための勝利」の感想 「このクーデターの勝利者は結局トリューニヒトかも」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第25話「運命の前日」の感想 「親友との間の隙間風が仇に」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第26話「さらば遠き日」の感想 「一番失ってはいけないものを失いました」
銀河英雄伝説【旧OVA版】第17話「嵐の前」の感想 「ヤンと因縁のある人物が祖国分裂工作のため同盟に帰還」
感想(ネタバレあり)
ある意味溜め回みたいなお話です。
恨みや嫉妬は怖いですねえ。
ヤンは何も悪くないのに。
エル・ファシルの脱出で明暗を分けたヤンとリンチ
大将に昇進。そしてイゼルローン要塞の司令官と駐留艦隊司令官を兼務することになったヤン。
帝国はこの2つの役職を兼務させなかったために大失敗しましたが、同盟は同じ轍を踏まないようです。
しかしまあヤンも偉くなったものですね。
本人は自覚が無いようですけど。
そんなヤンがトントン拍子に出世した始まりはエルファシルの脱出行を成功させたから。
第1話から結構な頻度で語られていたエルファシル。
今回その詳細な内容がフレデリカとユリアンの会話の中で明らかにされました。
上司であるリンチ少将に見捨てられたヤンがそのリンチを囮にして逃げたというのがエルファシルの脱出行だったみたいです。
そして軍としてはリンチがやった敵前逃亡という不名誉を薄めるためヤンを厚遇したと。
その一方リンチはヤンに囮にされた挙句帝国の捕虜に。
さらに敵前逃亡という不名誉のため捕虜の中でも白眼視されている様子。
そういうこともあり自暴自棄になっているみたいですね。
ハッキリ言って自業自得ですがリンチ自身自分が悪いことをやったという自覚が無いようです。
まあ、他人に責任をなすり付けないと自我が保てないのかもしれません。
リンチを使って同盟軍を分裂させるのがラインハルトの戦略
リンチを尋問するオーベルシュタイン。
どうやらリンチを使って何か同盟に仕掛ける様子です。
その内容は同盟軍内の不穏分子を煽って同盟軍を分裂させること。
こんな指令命懸けですから普通ならもうちょっと考えると思いますけど、失うものがないリンチはこれを受け入れます。
まあ、後からわかりますが、リンチにとって帝国軍少将という位はどうでも良かったよです。
ただ道を外していない人間に恥をかかせること。
これが彼の目標になっていた模様。
ホント見下げた男です。
ヤンはラインハルトの策略を看破してたけど権限がないので注意喚起しかできない
リンチを同盟に潜入させるために実施されたのが捕虜交換。
一応新帝即位による恩赦みたいですけど、同盟はこれを受け入れます。
何といっても返ってくる捕虜には選挙権があります。
そして捕虜の家族にも。
選挙で勝たなきゃただの人である政治業者はこの票の誘惑に勝てません。
ここまで考えて捕虜交換を申し出たのならラインハルトはホント化物です。
まだ20代なのに。
しかしヤンだけはこの捕虜交換にきな臭いものを感じたようです。
というかラインハルトの策略をほぼ看破しています。
でも悲しいかな、ヤンは前線の一司令官に過ぎません。
ヤンにはラインハルトの策略を潰すだけの権限がないのです。
もっとヤンに権限があれば。
そう思わずにはいられませんけど、権力を縛って専横を防止するのが民主主義。
こればっかりは仕方ありませんわ。
ヤンは事前に命令文をゲット
捕虜交換の式典に参加するためハイネセンに戻ったヤン。
そして何かあった時のためにヤンは捕虜交換の式典に出席することを隠れ蓑にして、宇宙艦隊司令長官になったビュッコックじいさんと会うことにします。
そしてヤンはこの時、
「同盟内部で反乱がおこった時はこれを鎮圧せよ」
という正式の命令書を受領します。
ヤンの制度を逸脱しない性格には脱帽しますわ。
その頃同盟の某所ではリンチに踊らされた同盟軍の高級軍人による謀議が開かれています。
少なくともその謀議に参加している人2人は声で誰だからわかるのですけど。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第17話を視聴し終わって
今回はここで終了。
タイトル通り嵐が起こる前って感じがしたお話でしたね。
次回は帝国側のお話。
リヒテンラーデ・ローエングラム枢軸に反対する門閥貴族たちがやっと暴発するようです。
今回のまとめ三行
- ラインハルトの廃物利用
- 恩赦による捕虜交換
- 同盟内でうごめく策謀
銀河英雄伝説【旧OVA版】第18話「リップシュタットの密約」の感想 「帝国で内乱が勃発しラインハルトは鎮圧へ」
感想(ネタバレあり)
今回はヒルダと他の貴族の対比がわかりやすいですね。
自分で情勢を分析しラインハルト陣営に付いた方が良いと決断するヒルダ。
一方ブラウンシュバイク公たちに付いた方が良いと分析することなく盲目的に考えた普通の貴族たち。
まあ内戦が終わった後、どっちが正しかったか明らかになりますが、バカ貴族が多かったおかげでラインハルトもゴミ掃除する手間が省けて良かったと思います。
ヒルダの説得でマリーンドルフ家はラインハルト陣営へ
多くの門閥貴族が一致団結する中、マリーンドルフ伯家の令嬢ヒルダは父親を説得し、マリーンドルフ伯家がラインハルト陣営に付くことを納得させます。
いやはや怖いお嬢さんです。
味方が少ないうちに旗幟を鮮明にしておけば厚遇されるし、他の貴族との連帯しないことをラインハルトに告げることによって自分たちが切り捨てられる可能性を低くする。
ホント嫌味なほどに頭が切れます。
こんな女性と結婚する旦那さんは大変だと思います。
下手すると早死にするかもしれませんね(意味深)。
まあどっかの誰かさんが早死にするのはヒルダのせいではありませんけど(フォロー)。
リップシュタット連合成立!そしてすぐにオーディンから逃亡
ブラウンシュバイク公やリッテンハイム侯を始めとする門閥貴族たちは園遊会と称してリップシュタットの森に参集、そこでリップシュタット連合を成立させます。
でも実態は寄り合い所帯の野合でまともにやりあってもラインハルト陣営に勝てません。
そこでブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯は無い知恵を絞って、宿将として名高いメルカッツ上級大将を連合軍の総司令官にします。
メルカッツ自身は明確に総司令官への就任を拒絶しましたがブラウンシュバイク公の説得(脅迫)に屈し、総司令官になることを承諾。
ここでメルカッツがラインハルト陣営に飛び込めばたぶん歴史が変わっていたのでしょうけど、そこまでの決断をメルカッツはできませんでした。
後の展開を知っている同盟ファンの私としてはちょっと複雑な気持ちです。
一方ブラウンシュバイク公の部下であるフェルナ―大佐は独断でラインハルト暗殺を謀ります。
大規模内戦やるより暗殺で終わらせる方が手っ取り早いのは確かですけど、そんなことラインハルト陣営だってわかっているとどうして考えないのでしょうかね。
案の定逆撃食らってラインハルト陣営が行動を起こす大義名分を与えてしまうことに。
ブラウンシュバイク公やリッテンハイム侯は民間船を盾にして何とか帝都オーディンを脱出。
フレイヤ星系にあるガイエスブルク要塞に逃げ込みます。
ラインハルトは敵を怒らせる天才です
この動きに対し、ラインハルトは皇帝から正式にリップシュタット連合軍討伐の勅令と帝国軍最高司令官代理の権限を得ることに成功。
そしてついでに公文書に載せるリップシュタット連合軍の名称を賊軍とします。
ラインハルトは貴族たちを怒らせる術をよく知っていますね。
それを効果的に使うラインハルトってホント鬼畜外道です(褒め言葉)。
ラインハルトは討伐軍を率いて帝都を出発します。
賊軍が籠るガイエスブルク要塞に向けて。
果たしてどんな運命が待ち受けているのでしょうか。
続きが気になりますわ。
今回のまとめ三行
- 帝国側ヒロインがキター
- 貴族たちの野合が成立
- 賊軍が籠るガイエスブルク要塞へ
銀河英雄伝説【旧OVA版】第19話「ヤン艦隊出動」の感想 「同盟でクーデター発生!そしてその首謀者は…」
感想(ネタバレあり)
今回は同盟で発生したクーデターとその鎮圧のためヤンが出撃した話がメイン。
ラインハルトの策略が見事に決まり、同盟軍同士が戦う事態が起こってしまいます。
ラインハルト恐るべしですわ。
天才軍師フォーク准将が犯罪者に転落
始まって早々同盟軍の元軍師フォーク准将が登場です。
第14話でビュコックに言い負かされて予備役に入れられていましたけどどうやら現役復帰したい様子。
それなら手続きを踏めばいいのに時間が掛かるから統合作戦本部長に直訴です。
フォーク自身、「自分は特別だ」と思い込んでいるのでしょうね。
もちろん本部長のクブルスリー大将はそんな直訴撥ね付けますが、ここでフォークご乱心。
何とクブルスリー大将を拳銃で撃ってしまいます。
アホです。
これで犯罪者になってしまいました。
たぶんこれ以降もう登場することは無いでしょう。
最初見た時はそう思っていたのですが、まさか後々再登場することになるなんて。
まあ、道具扱いされて簡単に始末されちゃうのですけどね。
首都星ハイネセンでもクーデター発生!そしてその首謀者は?
さてクブルスリー大将が撃たれた直後、同盟領内で反乱が続出します。
まあ全部同盟内部の反対派が仕組んだことなんですけど。
そんな反乱が続く状況の中、ヤンの頼れる先輩キャゼルヌ少将がイゼルローンに着任します。
たしか16話で辺境の補給基地へ左遷されたはずですけどあっという間に最前線へ赴任です。
最初この話を見た時、もしかしてキャゼルヌも同盟内部の反対派のシンパで、ヤンを監視するために送り込まれたスパイかもと思っていました。
まあ全然スパイでは無かったのですけど(本当のスパイは第21話で出てきます)。
キャゼルヌが着任したのと同時にヤンは4か所の反乱鎮圧をドーソン大将から命じられます。
いろいろ理由を説明していましたけど、ドーソンは30代で大将に昇進したヤンを妬んで反乱鎮圧を命じてきたみたいです。
ちなみにドーソンはトリューニヒト派。
器の小さい人間が集めっていますねトリューニヒト派は。
面倒な仕事ですけど、上官から命じられたらやらなきゃいけません。
ヤンが善後策を練るため幕僚たちと会議していたその時、とんでもないニュースが。
首都星ハイネセンでクーデター発生。
クーデターを起こしたのは救国軍事会議を名乗る軍人たち。
クーデターが起こっただけでもショックなのに、その首謀者がフレデリカの父グリーンヒル大将だったなんて。
誰がクーデターを起こすか人物まではわかりませんでしたが、クーデターが起こるところまでは予測していたヤン。
17話でハイネセンに戻っている間に「クーデターが起こった時は鎮圧せよ」という命令書をビュコックから貰っていたので、心おきなくクーデター鎮圧ができます。
当然ヤンは救国軍事会議から来た参加要請を拒否。
イゼルローン駐留艦隊を率いてクーデター鎮圧のため首都星ハイネセンに向かいます。
でもイゼルローン駐留艦隊っていつの間にかヤン艦隊という名称を与えられていたのですね。
意外とヤンも優遇されています。
一方救国軍事会議側をヤン艦隊迎撃のため第11艦隊を向かわせることに。
帝国領侵攻作戦で戦力が激減している同盟軍の同士討ち。
同盟軍がさらに弱体化してしまいます。
こうなるように仕組んだラインハルト怖いですわ。
グリーンヒル大将がクーデターの首謀者になったのは?
最後のシーン。
グリーンヒル大将が亡くなった奥さんにの墓に花を供えるとこでクーデターに参加した理由を語っています。
グリーヒル大将が西郷隆盛にダブって見えるのは私だけでしょうか?
自分でもバカなことだとはわかっている。
しかし自分が参加してコントロールしないと大変なことになってしまうかもしれない。
だからあえてクーデター首謀者という汚れ役をひきうけた。
そんな感じでしょうか?
結果的にグリーンヒル大将が首謀者になってもコントロールできず、悲劇が起こってしまうのですけどね。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第19話を視聴し終わって
次回は帝国側の話。
ラインハルト嫌いの急先鋒オフレッサー上級大将が大活躍(?)する回です。
次回も楽しみですね。
今回のまとめ三行
- キャゼルヌがイゼルローンに着任
- 首都星ハイネセンでクーデター
- ヤン艦隊が反乱鎮圧のためハイネセンへ
銀河英雄伝説【旧OVA版】第20話「流血の宇宙」の感想 「頭を使って石器時代の勇者を罠に嵌めます」
感想(ネタバレあり)
今回の話は2部構成ですね。
前段がアルテナ星域会戦、後段がレンテンベルク要塞での白兵戦です。
レンテンベルク要塞での白兵戦ではラインハルト嫌いの急先鋒オフレッサー上級大将が登場。
ミッターマイヤーとロイエンタールの部下たちを地獄に叩き込むことに。
オフレッサーを倒すためミッターマイヤーとロイエンタールが知恵を絞って考えた作戦とは?
理屈倒れのシュターデンと疾風ウォルフの対決は?
前々回ガイエスブルク要塞に逃げ込んだ貴族連合軍。
まずは全体会議を開き、当面の戦略を決定するようです。
最初に盟主ブラウンシュバイク公が意中の戦略を披露します。
しかしその戦略だと確固撃破される恐れがあるとメルカッツが批判。
盟主であるブランシュバイク公の意見を公然と批判するメルカッツはやはり肝が据わっていますね。
まあこういう性格だからこそ、実績だけで言えば元帥に昇進していてもおかしくないのに、未だに上級大将なんでしょう。
さて次に意見を披露したのはメルカッツと共にアスターテ会戦を戦ったシュターデン大将です。
シュターデンの戦略、それは帝都を強襲し皇帝の奪取するというもの。
それを苦々しく聞くメルカッツ。
メルカッツもその作戦を一度は考えたようですが、デメリットの方が大きかったのであきらめたのです。
この作戦を実施すれば成功する確率は高い。
しかしリップシュタット連合軍は利害だけでくっついている烏合の衆です。
もし皇帝の身柄を手に入れたら、今度は皇帝を巡って内部分裂する可能性が。
メルカッツが危惧したのは、こんなところでしょうか。
ただでさえ勝てるかわからないのに、内部分裂したら絶対に勝てませんからね。
メルカッツが諦めたのも頷けます。
でも結局この案が採用され、言い出しっぺのシュターデンが艦隊を率いて出撃することに。
もちろんこの動きはラインハルト陣営も把握しており、ラインハルトはミッターマイヤーに迎撃を命じます。
典型的な確固撃破でアルテナ星域会戦の勝敗が決まる
両軍が対峙したのはアルテナ星域。
ミッターマイヤーは広大な機雷原を作り上げ、シュターデンが動けないように仕向けます。
シュターデンは士官学校時代に教官としてミッターマイヤーに戦術理論を教えていたそうですが、ミッターマイヤーからは「理屈倒れのシュターデン」という芳しくないあだ名を付けられていたみたいです。
理論が優れているが実践ができない。
そんな評価なんでしょうね。
さてシュターデンの艦隊には貴族の子弟も参加しているます。
その中でもヒルデスハイム伯は対峙したままの現状が気にくわないみたいで、他の貴族たちとシュターデンを突き上げることに。
胃を押さえながら対応するシュターデンが何か可哀想になってきました。
まさに中間管理職の悲哀って感じでしょうか?
シュターデンが動かないのは積極性がないからではありません。
ミッターマイヤーに付け入る隙が無いからシュターデンも動けないのです。
最終的にヒルデスハイム伯を抑えきれなくなったシュターデンは、艦隊を二分。
そしてミッターマイヤー艦隊を挟み撃ちする作戦を立案し実行に移します。
しかしこの動きはミッターマイヤーに筒抜けであり、ミッターマイヤーは当然に各個撃破。
疾風ウォルフの二つ名は伊達ではありませんでした。
哀れ敗退したシュターデンはレンテンベルク要塞に逃げ込みます。
ただし胃潰瘍が悪化し、しばらくは戦場に立てなさそうですが。
野蛮人VS帝国の双璧
シュターデンが逃げ込んだだけなら無視しても良いのでしょうけど、レンテンベルク要塞はガイエスブルクに侵攻する主要航路にあるので無視できません。
攻略せずに放置すればいずれ後方をかく乱される可能性がありますので。
ただレンテンベルク要塞の占拠には一つの難題があります。
実はこのレンテンベルク要塞には装甲擲弾兵総監のオフレッサー上級大将が籠っているのです。
オフレッサーと言えばラインハルト嫌いの急先鋒であり、白兵戦では無敵の勇者と言われている御仁。
あくまで原始時代の勇者(野蛮人)という評価みたいですけど。
ラインハルトは、ミッターマイヤーとロイエンタールにレンテンベルク要塞の攻略を命じます。
ミッターマイヤーロイエンタール両人ともこの命令は受けたくなかったでしょうね。
ホントならこんなところ攻略せず艦砲かなんかで要塞ごと宇宙から消滅させるのが一番だと思いますが、たぶん艦砲ぐらいなら破壊できないのでしょう。
設定的に(後にルジアーナ造兵廠をミッターマイヤーが攻撃した時は艦砲とミサイルで潰した場面があるのですけどね)。
オフレッサーを罠にハメて捕らえる
どうにかレンテンベルク要塞に強行突入し、要塞の中枢部を目指すミッターマイヤーとロイエンタールの部下の前にオフレッサーが立ちはだかります。
強い。
それも圧倒的に。
もう何やっても勝てません。
たぶん三国志の呂布並に無敵です。
どんどん死体の山を築いていくオフレッサー。
余裕が出てきたのかオフレッサーはラインハルトに向けての罵詈雑言まで吐く始末。
完全に売り言葉なんですけど、それを聞いた金髪の儒子さん大激怒。
ラインハルトも沸点低すぎ。
大激怒したラインハルトはミッターマイヤーとロイエンタールにオフレッサーを生け捕りにすることを命じます。
難題です。
殺すことだって困難なのに生け捕りにしろなんて。
でもミッターマイヤーとロイエンタールは歴戦の名将。
頭を使ってオフレッサーを罠に掛けます。
その罠とはO・TO・SHI・A・NA(落とし穴)。
もったいぶった割にはシンプルです。
でもそんなシンプルな罠にひっかかるオフレッサーって…。
オフレッサーがいなくなったら残りは雑魚ばかり。
レンテンベルク要塞はラインハルト陣営が占領しました。
オフレッサーは裏切者として始末される
生きたまま捕えられたオフレッサー。
あれだけラインハルトに汚い言葉を吐いたのですから処刑が通常パターンのはずです。
しかしオーベルシュタインの進言でオフレッサーは何をされる訳でも無く放免されます。
当然オフレッサーはガイエスブルク要塞に帰還しますが、そこで待っていたのは貴族たちは冷たい目。
実はオフレッサーが放免された後、オフレッサーの部下たちがほとんど処刑され、それが帝国領内で中継されたようなのです。
当然無事に帰ってきたオフレッサーは疑われることに。
そうオフレッサーは嵌められたのです。
それを悟ってブラウンシュイク公に縋りつこうとするオフレッサー。
オフレッサーの狂騒に恐怖したブラウンシュイク公はオフレッサーの殺害を命じ、公爵の懐刀であるアンスバッハ准将がオフレッサーを射殺します。
オフレッサーは裏切り者として処刑。
貴族連合はそのように公表しました。
もしラインハルトが処刑していればオフレッサーは最期までラインハルトに抗した勇者して名声が残ります。
しかし味方である貴族連合が処刑したとなれば、オフレッサーは命惜しさに寝返った裏切り者として汚名が残るのみ。
オーベルシュタインってホント怖いです。
ここまで考えていたのですから。
でもこのことでミッターマイヤーとロイエンタールはオーベルシュタインのやり方に少なからず疑念を持ったみたいな感じがします。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第20話を視聴し終わって
今回はここで終了。
オフレッサーが少し可哀想に思えてきました。
レンテンベルク要塞で勇戦したのに最期は味方に殺されるなんて。
そしてオーベルシュタインの智謀恐るべしです。
次回のタイトルは「ドーリア星域会戦そして…」。
同盟の側の話になります。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第20話のまとめ三行
- 理屈倒れのシュターデンが疾風ウォルフに敗北
- 原始時代の勇者が籠るレンテンベルク要塞へ
- 裏切り者として粛清される
銀河英雄伝説【旧OVA版】第21話「ドーリア星域会戦そして…」の感想 「クリスチアン大佐の愚行がスタジアムの虐殺を引き起こす」
感想(ネタバレあり)
今回は前半がドーリア星域におけるヤン艦隊と第11艦隊の激突。
そして後半では「スタジアムの虐殺」と呼ばれる最悪の事態が描かれます。
この虐殺はヤンにも同盟にも大きな傷を残します。
あの人が死ななければ、同盟のトップとなって同盟の命数がもうちょっと伸びたかもしれませんので。
そしてヤンと再婚するという未来だってありえたかもしれないのに。
第11艦隊を脱出したバグダッシュが重要な情報を持ってくる
反乱鎮圧のため首都星ハイネセンを目指すヤン艦隊。
行き掛けの駄賃ではありませんが、そのままにしておけば補給線を断たれる恐れがあった惑星シャンプールの反乱部隊を撃滅します。
と言ってもほとんど陸戦隊のお仕事ですので、働いたのはシェーンコップ率いるローゼンリッターばかり。
でもシェーンコップって確か要塞防御指揮官になっていたはず。
あんたは要塞に残らなきゃいけなかったんんじゃなかったの?と思わずにはいられません。
おまけに反乱部隊鎮圧のご褒美たくさんもらっているし。
色男は爆発しろ。
さてそのシェーンコップらが艦隊に帰還するのと同時期、第11艦隊からバクダッシュ中佐が脱出しヤン艦隊に合流します。
そのバクダッシュは重要な情報をヤンに伝えます。
「ヤン艦隊を迎撃するため第11艦隊がハイネセンを出撃した」と。
重要な情報を持っていたバグダッシュ。
そんなバグダッシュをシェーンコップは疑います。
確かにタイミングが良すぎますからね。
いくら出撃でバタバタしているとはいえ、出撃した第11艦隊から脱出ってできるのでしょうか?
ヤン艦隊を奇襲するために極秘に出撃したでしょうに。
結局クロと判定したシェーンコップはバクダッシュが仮眠を取っている隙に冷凍睡眠モードにベッドを設定し、何もできないようにします。
第11艦隊が片付くまでは。
さすがシェーンコップ良い仕事をします。
ヤンと話さなくても意思疎通できている感じがしますね。
ドーリア星域でヤン艦隊と第11艦隊の艦隊決戦が発生する
ヤン艦隊と第11艦隊はドーリア星域で激突することになります。
ヤンと第11艦隊司令のルグランジュ中将は、交戦前に士気を上げるためそれぞれ演説しますが、これが両極端。
ヤンは個人に重きを置いた演説をした一方、ルグランジュは国家を重視した演説をします。
両方の演説とも聞くべき点はあったと思いますが、やっぱり両方とも極端すぎると思いますね。
人がいなければ国家は成り立たないし、国家が無ければ人の生活は不便になりますから。
まあ、戦絶の目的は士気の向上。
その点に絞ればヤンの方に軍配が上がると思いますわ。
会戦自体は奇襲に成功したヤン艦隊の独壇場。
グエンバンヒューの中央突破により艦隊を2分された第11艦隊は、各個撃破の対象になってしまいます。
元々同盟最大級の機動戦力を誇るヤン艦隊です。
その数を生かした戦いを許した時点で勝敗は決していました。
第11艦隊は2桁にまでうち減らされてしまい万事休す。
ルグランジュ自身は責任を取り拳銃で自決しました。
潔ぎよいと思われる方もおられるかもしれませんが、まだ部下が残っている以上自決するべきでは無かったと個人的には思います。
グリーンヒル大将の人選ミス!クリスチアン大佐の愚行がスタジアムの虐殺を引き起こす
第11艦隊敗北の知らせはすぐにハイネセンに伝わります。
唯一の機動戦力だった第11艦隊を失った救国軍事会議はかなり追い詰められることに。
そしてさらにダメ押しというべきことが。
なんとハイネセンスタジアムに市民数万人が集まり、救国軍事会議を非難する集会が開かれるようなのです。
集会の首謀者は評議会議員のジェシカ・エドワーズ。
そうヤンの親友だったラップの元婚約者であり、たぶんヤンの想い人。
こんな時期に反政府集会が開かれたら暴動に発展する可能性があります。
救国軍事会議としては集会を開かせないようにしなければいけません。
ここで話が分かる人間を派遣すればよかったのですけど、救国軍事会議はクリスチアン大佐を派遣。
でもこの人、話が全く通じない頭が固い典型的な軍人。
こんなやつ派遣しても穏便にすむわけがありません。
グリーンヒル大将は派遣する人選を間違えました。
こいつ派遣するくらいならトリューニヒトと裏で繋がっていたベイ大佐の方がまだマシだったのかも。
クリスチアンの非道に怒った市民たちは立ち上がり、集会はそのまま暴動に発展。
最終的に死者の数は2万人に達しました。
そしてその死者の中にはジェシカも…。
でもこの暴動、ジェシカたち集会を開こうとした側にも問題があったような気がします。
確かに集会の自由は同盟憲章で保証されているようですけど、救国軍事会議は明確に「同盟憲章の無期限停止」を公言していました。
また軍人って市民の方を向いていませんから、救国軍事会議を非難するようなことをすれば救国軍事会議側が武力鎮圧してくることも容易に想像できるはず。
そう考えると私はジェシカがやったことを素直に称賛はできません。
ただ一つだけはっきりしたことがあります。
市民からも懐疑的な目で見られていた救国軍事会議は完全に弾圧者となってしまったということです。
どれだけ崇高な理想を掲げてもこうなってしまってはもう終わりです。
ハイネセンで起こった暴動とジェシカの死はヤン艦隊にも伝わります。
ヤンの胸中を考えると…。
今回はここで終了。
来週は帝国側のお話に移ります。
今回のまとめ三行
- ヤンを暗殺するためスパイが潜入
- ドーリア星域でヤン艦隊と第11艦隊が激突
- スタジアムの虐殺でジェシカが死亡
銀河英雄伝説【旧OVA版】第22話「勇気と忠誠」の感想 「貴族ってほんと身勝手ですね」
感想(ネタバレあり)
今回は貴族連合軍の戦力を大きく削ることになります。
貴族たちを煽って巣穴から引きづり出したラインハルト陣営が見事です。
そしてブラウンシュバイク公を助けたのに逆に疎まれ始めたメルカッツが可哀想に感じましたわ。
貴族連合軍がようやく勝利を勝ち取る
負け続けの貴族連合軍。
流石にこのままではまずいと考えた総司令官のメルカッツは自ら前線に出張ってきます。
そんなメルカッツとシャンタウ星域で激突したのはロイエンタール。
ロイエンタールは敵艦隊に粘りが出たことに気付き、メルカッツが前線に出てきたことを認識します。
偉大な敵ほど倒しがいがあるとは全然考えないロイエンタールはさっさとシャンタウ星域を捨てて撤退。
形の上では貴族連合軍初めての勝利となりました。
もちろんロイエンタールが逃げただけですのでメルカッツ自身は勝ったとは全く思っていないのですけど、自尊心だけは強い貴族たちは勝った勝ったと大はしゃぎ。
たかだか1回勝っただけでこれほど喜ぶとは安い奴らです。
リッテンハイム侯が無残な最期を遂げる
ガイエスブルク要塞に帰還したメルカッツは、要塞内に係留されている艦艇が少なくなっていることに気付きます。
実は副盟主のリッテンハイム侯がここいらで点数を稼ごうと5万隻の艦隊を率いて勝手に出撃したのです。
そのリッテンハイム侯の狙いは辺境星系で貴族連合側を叩いているキルヒアイスの別働隊。
リッテンハイム侯自身は赤毛の子分と戦うのは物足りないとか言っていましたが、キフォイザー星域でメッタメタに負けて味方見捨ててガルミッシュ要塞に逃げ込む始末。
ここなら安泰と思ったら、見捨てた部下に自爆されて要塞指令室ごとゼッフル粒子でドボン。
哀れリッテンハイム侯はここで退場となりました。
まあロクに艦隊戦をしたことないのに数だけを頼りに戦おうとするからこうなるのですけど。
煽られた簡単に釣り出される貴族がバカ過ぎる
副盟主の無様な死。
こんな大きな宣伝材料は滅多にありません。
人の神経逆なですることに定評がある金髪の儒子さんはここぞとばかりに悪態ついて貴族たちを激怒させます。
さらにミッターマイヤーに命じて挑発させる念の入れよう。
これに怒った若い貴族たちはメルカッツの命令を無視して出撃してミッターマイヤーを追い払います。
さすがに命令無視されたメルカッツは出撃した貴族を処分しようとしますが、身内に甘いブラウンシュバイク公のとりなしでうやむやに。
そんなことが数回続くうちに貴族たちはメルカッツの命令を全く聞かなくなります。
ホント馬鹿ですわこいつら。
そしてとうとうブラウンシュバイク公でさえメルカッツの命令を無視して自分で出撃してしまいます。
ラインハルトはこの時を待っていたのです。
大軍で要塞に籠城されてしまっては時間が掛かりますし、貴族連合とリヒテンラーデ公が勝手に手打ちする可能性だってゼロではありませんから。
今まで貴族たちを挑発したり逃げる演技をしたりしていたミッターマイヤーはかなりうっぷんがたまっていた様子。
そのうっぷんを貴族連合軍にぶつけます。
哀れ貴族連合軍。
予め潜んでいたラインハルト旗下の提督たちの艦隊にドつき回されます。
あとちょっとでブラウンシュバイク公の旗艦ベルリンも轟沈…というところで要塞で留守番をしていたメルカッツの艦隊が到着し何とかブラウンシュバイク公の救出に成功。
盟主の戦死だけは免れることができました。
そしてメルカッツに助けられた以上ブラウンシュバイク公も大人しくなるだろうと思ったら、ブラウンシュバイク公はメルカッツに逆切れ。
「どうしてもっと早く救援に来なかったのか」と。
オイオイ、メルカッツの命令無視して出撃したのアンタだろう。
メルカッツ自身はこうなることを予測していたらしく、ブラウンシュバイク公への怒りが収まらない副官のシュナイダー少佐にこう言います。
「ブラウンシュバイク公は病気なのだ。
その病気を育てたのは500年にも及ぶ貴族の特権そのものなのだ。
そうだな、その意味で言うと公爵も被害者なのかもしれない。
100年前ならあれで通じたのに不運な人だ」と。
メルカッツから見たらブラウンシュバイク公は怒る相手ではなく、同情する相手でしかないようです。
メルカッツが去った後シュナイダー少佐は以下のようにつぶやきます。
「ブラウンシュバイク公は不運な人かもしれない。
だが、その人に未来を託さなければいけないのはもっと不運では無いのか」。
ホントその通りだと思います。
たぶんこれはシュナイダー自身ことでなく、自分の意思とは無関係に参加を強制されたメルカッツのことを思って言った言葉だと思いますが。
メルカッツはこのあとシュナイダーの助言で流浪の人生を送ることになるのですけど。
それはまた未来のお話です。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第22話を視聴し終わって
次回はいろいろと議論を巻き起こしたヴェスターラントのお話です。
ヴぇスターラントへの攻撃をラインハルトがもっと明確に阻止しようとすれば、銀河の歴史も大きく変わったでしょうに。
そう思わずにはいられません。
今回のまとめ三行
- リッテンハイム侯が自滅
- 貴族たちがメルカッツの命令を聞かなくなる
- メルカッツはもっと不運
銀河英雄伝説【旧OVA版】第23話「黄金樹は倒れた」の感想 「戦争を早く終わらせるためには仕方が無かった?」
感想(ネタバレあり)
今回はラインハルトが難しい問題に直面する回です。
そして結果的に今回の話がラインハルトを変えてしまう切っ掛けになります。
ラインハルトが明確に阻止命令を出していれば、キルヒアイスと言い合いになることはなかったでしょう。
そしてキルヒアイスだけに許された銃携帯の特権を奪うことも。
銃さえあれば暗殺者を簡単に止めることができたのに。
甥っ子が殺されたから報復で熱核兵器を使って殲滅だ!
前回の貴族連合軍の敗北で貴族たちの力がかなり低下してしまいました。
その結果貴族たちの領地では反乱が起こっているみたいです。
ブラウンシュバイク公の領地であるヴェスターラントもその一つで、公爵を甥っ子を殺害して駐留軍を追い出しました。
これに公爵は大激怒。
ヴェスターラントの領民を殺戮するため熱核兵器での地上攻撃を腹心のアンスバッハ准将に命じます。
地上で熱核兵器を使うのは過去人類が滅亡に瀕して以来ご法度となっており、アンスバッハも公爵に再考を促します。
ただ身内を殺されたら怒り狂うのは当然ですからね。
それにブラウンシュバイク公は領民なんて虫けら以下ぐらいにしか思っていないでしょうし、いくら再考を促しても無駄でしょう。
また多くの貴族の前で言ったことを家臣の進言で撤回すると威信が低下すると思ったのかもしれません。
結局公爵は発言を撤回せずヴェスターラントへの熱核兵器での攻撃が決定します。
公爵の決断は当然とばかりにほくそ笑むフレーゲル男爵がめっちゃムカつく。
決定の後アンスバッハはひとり呟きます。
「ゴールデンバウム王朝もこれで終わった。自らの手足を切り取ってどうして立っていられるだろう」と。
ごく当然の言葉ですが言ってはいけない言葉でもあります。
こんなもん誰かに聞かれたら密告の対象になりますし、士気が落ちる可能性だってありますから。
案の定すぐに密告されアンスバッハは幽閉されてしまいます。
ただでさえ低能揃いの貴族連合軍の中でマシな部類だったアンスバッハの幽閉で混乱するのは必至でしょうね。
ラインハルトが明確に阻止命令を出していれば歴史は変わったかもしれない
ヴェスターラントへの攻撃の件はラインハルトの耳にも入ります。
さすがにラインハルトもこの攻撃を阻止しようとしますがそれをオーベルシュタインが反対。
オーベルシュタイン曰く「このまま攻撃させれば貴族連合軍を支えていた層の離反を促すことができ、ガイエスブルク要塞攻略が容易になる」と。
オーベルシュタインの言っていることも正しいですけど、民衆を切り捨てると後が怖いですからねぇ。
実際この後の話で取り返しのつかないことになりますし。
結局ラインハルトは判断を留保し、直前まで考えることにします。
結果論ですが、ここでラインハルトは明確に阻止命令を出すべきだったと想います。
ラインハルトの支持基盤は一般市民です。
一般市民は自分達を守ってくれる英雄の味方。
一般市民を守らなければ、一般市民は英雄を英雄とは思わず離反していくことでしょう。
それをよくわかっていたのが一般市民階級出身のキルヒアイスです。
後にキルヒアイスはこのヴェスターラントの一件でラインハルトと口論することになります。
そしてそれが切っ掛けで…。
ラインハルトが阻止するか攻撃を見逃すか迷う。
こうなることはオーベルシュタインの想定の範囲内。
オーベルシュタインは嘘の攻撃時間をラインハルトに教えることでラインハルトが攻撃阻止できないようにしていたのです。
こうしてヴェスターラントは熱核兵器で焼き払われ、数百万の民衆が犠牲になりました。
この惨劇はオーベルシュタインが派遣していた強行偵察艦によってばっちり撮影。
むごい映像が帝国全土に配信されて、オーベルシュタインの予想通り貴族連合軍を支えていた層は一気に離反、ガイエスブルク要塞は孤立してしまいました。
こんなことするとラインハルトのオーベルシュタインに対する評価下がり、下手をすると粛清の対象になってしまう恐れがあるに、ラインハルトのために敢えてやってしまうオーベルシュタイン。
覇者を支えるためには自分を犠牲にするのをいとわないと勤まらないのでしょうね。
リップシュタット連合軍の落日
孤立したガイエスブルク要塞では形勢逆転を狙って艦隊戦で雌雄を決するべきという意見が大勢を占めます。
籠っていてもジリ貧ですからこの意見は正しい個人的には思いますわ。
出撃してもラインハルトの敵では無いですけど。
結果的に軽くあしらわれた貴族連合軍は終了のお時間。
フレーゲル男爵は腹心のシューマッハ大佐を殺害しようとして逆に大佐を慕う兵士たちに射殺されますし、行き場を失ったメルカッツはシュナイダー少佐の進言を受け入れ、自由惑星同盟への亡命を決意します。
たぶんここでメルカッツが降伏していれば、ファーレンハイトみたいにラインハルトは自分の旗下に加えていたでしょう。
ただこの状態ではラインハルトがどういう処遇をするか分かりませんから、亡命という選択肢を選ぶのは仕方ありませんね。
そしてブラウンシュバイク公。
悪運強くガイエスブルク要塞に逃げ込みます。
ここに至って公爵はラインハルトとの和平をお考えの様子。
終いには自分娘をラインハルトに差し出すことまで言いだします。
ラインハルトが公爵を許す訳ないのですけど、悪あがきしてくれるブラウンシュバイク公は見ていて滑稽ですね。
最後はアンスバッハに毒入りにワインを無理やり飲まされあえないご最期。
アンスバッハは公爵の遺体に何か細工をするようです。
「ゴールデンバウムは倒れた、だが次にくる王朝がローエングラム朝とまだ決まった訳では無い」。
アンスバッハの言ったこの言葉。
気になります。
時代が変わることをミッターマイヤーとロイエンタールが認識する
すべての戦闘が終わり、特殊EDへ。
ガイエスブルク要塞に続々とラインハルトの艦隊が進駐していきます。
一番に乗り込み貴族たちが持ち込んだ美術品の類を兵火から守ろうとする髭の紳士(メックリンガ中将)はさすが芸術提督の二つ名を持つ男。
仕事が早いです。
要塞に残っていた貴族たちは根こそぎ拘禁され、少しでも心証を良くするつもりかミッターマイヤーやロイエンタールに愛想笑いをする始末。
こんな性根だから貴族たちの時代が終わるのです。
ロイエンタールの言ったように
「奴らの時代は終わった。これからは俺たち(ラインハルト陣営)の時代だ」になるのでしょうね。
何事も無く進むのだったら…。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第23話を視聴し終わって
ここで今回のお話は終了。
帝国側の内戦はこれで終わりですが、本当の悲劇はここから始まります。
ヴぇスターラントの攻撃を阻止していれば、そしてアンスバッハの降伏を認めなければ。
まあこれらは後のお話ですが。
今回のまとめ三行
- ヴェスターラントに熱核攻撃
- ブラウンシュバイク公が自裁
- リップシュタット連合軍(貴族連合軍)が壊滅す
銀河英雄伝説【旧OVA版】第24話「誰ための勝利」の感想 「このクーデターの勝利者は結局トリューニヒトかも」
感想(ネタバレあり)
今回で救国軍事革命も終わりです。
ただやっぱり最後の最後で残念な結果になりました。
このクーデターで排除したかったトリューニヒトが最終的に勝者のようになってしまったので。
一方、ヤンの元に亡命者がやってきます。
ヤンと共にずっと戦い続けることになるその軍人とは?
頼みの綱のアルテミスの首飾りもヤンの前には無力だった
第11艦隊を破ったヤン艦隊は首都星ハイネセンに迫ります。
機動戦力を失った救国軍事会議の頼みの綱はハイネセンの防空衛星アルテミスの首飾り11個だけ。
第6話でマクシミリアンフォンカストロフがフェザーンから買っていたのと同じ物です。
あっちは指向性ゼッフル粒子で簡単に潰せましたがヤンはどんな手段を使って潰すのでしょうか?と思ってたら、氷の塊をアルテミスの首飾りにぶつけるという大胆手段。
どうしてレーザーやミサイルを浴びると氷の塊が壊れないかその理論はわかりませんが、ともかくアルテミスの首飾りをすべて破壊してしまいました。
一応あれ国有財産なんですけどね。
まあ一つでも残していれば攻撃される恐れがあったから味方に犠牲を出さないために仕方無かったもかもしれませんが。
頼みの綱だったアルテミスの首飾りをすべて潰された救国軍事会議は戦う意思を喪失。
ヤンに対して降伏することを決めますが、その前にこのクーデターがラインハルトに仕組まれたという証拠を隠滅することに。
それはつまりこのクーデター話をグリーンヒル大将のところに持ち込んだリンチを殺害するということです。
汚いとも思いますけど、クーデターが帝国の金髪の儒子に思想されたなんて屈辱ですからね。
少なくとも「崇高な理念を実現するためクーデターを起こした」と後世に残したかったのでしょう。
でも残念ながらリンチも簡単にやられるつもりがなく、リンチの逆襲の結果グリーヒル大将はブラスター(レーザー銃)で殺害されてしまいました。
その直後、他の軍人たちの十字砲火の前に隣地は倒されてしまいましたが。
アーサー・リンチの生涯って何だったのでしょうね?
エル・ファシルの件がなければ同盟の高級軍人としてそれなりの人生を全うできたかもしれないのに。
たった一つの間違いが人生を狂わせ、誰に恥をかかせたいというクズのような目的のために故国へ戻ってきた。
救いようがないです。
例え間違いを犯してもリンチのようにはなりたくないですわ。
救国軍事革命の勝者は逃げ回っていたトリューニヒト?
同盟の戦力を減らしただけのクーデターはこれで終わりました。
崇高な使命を帯びてやったのでしょうけど、残ったのは一般人の軍部に対する不信感だけな感じがします。
あと救国軍事会議の捕縛の網をかいくぐって逃げ回っていたトリューニヒトが素知らぬ顔で帰ってきたのもムカつきますわ。
普通なら責任取って辞任すべきだと思いますけど、そのままなんですよねトリューニヒト。
自分に批判的な軍人たちをすべて消すことに成功したという事実だけを見れば、このクーデターの真の勝利者ってトリューニヒトかもしれません。
ヤンを頼って帝国の高級軍人が亡命してきた
クーデターを鎮圧したヤンはすぐにイゼルローンに帰還することになります。
その気になればヤン艦隊の軍事力を背景に首都星に居座ることだってできますけど、それをやらないのがヤンの美点です。
後にビュコックは欠点であり限界といってましたけど。
そんなヤンの元に帰還する前にイゼルローンから大変な情報が伝えられます。
なんと帝国軍のメルカッツ上級大将が亡命してきたのです。
普通ならスパイかと疑うと思いますが、ヤンは疑うこと無くメルカッツを受け入れることに。
同盟にもメルカッツの人となりが伝わっているのでしょうか?。
帝国軍の宿将。実直な性格とかが。
それに帝国軍の上級大将という幹部クラスの人間がスパイとしてわざわざ潜入する訳ありませんからね。
スパイにするには勿体ないですから。
スパイ云々はともかく帝国軍に比べて人材難の同盟に取ってこの亡命は福音ですね。
同盟の優秀な軍人たちの大半はアムリツァで戦死してしまったので。
今回はここで終了。
次回は帝国側のお話です。
今回のまとめ三行
- ヤンがクーデターを鎮圧
- グリーンヒル大将が死亡
- メルカッツが同盟に亡命
銀河英雄伝説【旧OVA版】第25話「運命の前日」の感想 「親友との間の隙間風が仇に」
感想(ネタバレあり)
親友同士の喧嘩。
しかしその喧嘩が取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう。
今回のストーリーを説明するとこんな感じです。
一般人の親友同士ならば大事にならないのですけど、ラインハルトもキルヒアイスも帝国軍の高級軍人ですからね。
仲違いしただけでその影響は大きいのです。
ヴェスターラントの一件がラインハルトとキルヒアイスの仲を裂く
キルヒアイスはラインハルトの本隊と合流するため、ガイエスブルク要塞を訪れます。
久しぶりにキルヒアイスの会えて嬉しいラインハルト。でもキルヒアイスがヴェスターラントの件を聞いてきたことで顔が険しくなってしまいました。
確かにあの時オーベルシュタインにラインハルトは騙されたのですけど、逡巡したせいで時間を浪費したのは事実で。
何よりオーベルシュタインにしてやられたことをキルヒアイスに知られたくないため、あたかも自分が決断したように言ってしまいます。
親友だからこそ自分がしてやられたこと知られたくない。
キルヒアイスがいなければダメな自分を認めたくない。
そんなところでしょうか。
でもそのせいでキルヒアイスとラインハルトの間に隙間風が吹いてしまいます。
ロイエンタールやミッターマイヤーが心配するほどに。
キレイごとばかり言うキルヒアイスに対する反発もあったのでしょう。
ラインハルトはオーベルシュタインの助言を聞き入れ、それまでキルヒアイスにだけ認められていた武器の携帯特権の剥奪してしまいました。
式典でアンスバッハの罠が炸裂
翌日ラインハルトはガイエスブルク要塞で改めて勝利の式典を開きます。
勝利の式典といっても勝者の度量を示すようなもの。実質貴族連合軍に参加した将官たちを恩赦するのが目的みたいです。
この式典に出席するため銃を携帯したまま式典会場に入ろうとしたキルヒアイスは警備兵の止められ、自分だけに認められていた特権が無くなったことを知ります。
ホントならラインハルトの口から伝えるべきことですけど、変な反発心のためにラインハルトは自分で伝えなかったのでしょうね。
もし二人でもっと話す機会があったなら…今更ながら言っても仕方がありませんけど、
同盟ファンの私でもそう思ってしまいます。
さて式典は始まり、まずアスターテ会戦でラインハルト旗下で戦ったファーレンハイトが許され、その上ラインハルト陣営の末席に加わることを認められます。
優秀なものは敵であっても取り立てるラインハルトの度量を示す良い例ですね。
そしてファーレンハイトの次に入ってきた男。ブラウンシュバイク公を自裁させたアンスバッハ准将です。
敵の総大将の亡骸をもっての降伏。
皮肉を大声で浴びせたビッテンフェルトも大人げないですけど、普通の感覚の持っているなら上司を売って栄達を図る人って嫌ですよね。
たぶんラインハルトもそういう気持ちだったと思いますけど、ブラウンシュバイク公の腹心だったアンスバッハを許すことで自分の度量を示す良い材料にしたかったのでしょう。
でもそれが仇になりました。
ラインハルトと旗下の提督たちが見つめる中、アンスバッハはブランシュバイク公の亡骸からなんと小型のランチャーを取りだし、ラインハルトめがけてランチャーを発射したのです。
第23話でアンスバッハはブラウンシュバイク公の遺体を医務室に運ばせていたのですけど、この細工をするためだったのです。
でも普通「敵の総大将の亡骸は死因を調べるために事前に調査するんじゃね?」と思うのは私だけでしょうか。
ちょっと警備がザルでしたね、ここは。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第25話を視聴し終わって
今回はここで終了。
ホント良いところで終わってくれます。
ラインハルトがキルヒアイスの特権を奪わなければ簡単に処理できたんですけどね。
ラインハルトの決定が最悪の結果を呼ぶことになります。
次回はさらば遠き日。
もうタイトルで内容が予想できますわ。
今回のまとめ三行
- キルヒアイスがラインハルトに合流
- ラインハルトとキルヒアイスの対立
- アンスバッハによるラインハルト暗殺の実行
銀河英雄伝説【旧OVA版】第26話「さらば遠き日」の感想 「一番失ってはいけないものを失いました」
感想(ネタバレあり)
銀英伝(旧OVA版)1期の最終話。
今回で一区切りとなります。
前回アンスバッハがブラウンシュバイク公の遺体の中に隠していた銃器でラインハルトを暗殺しようとしたところで終了。
その後どうなったかが多くの方が気になっているはず。
結果を書けば、アンスバッハのラインハルト暗殺は失敗します。
ただしアンスバッハはラインハルトの半身を奪うことには成功しました。
ラインハルトの半身。
それはラインハルトの物理的な半身を意味するのではありません。
正直ラインハルトにとっては自身の肉体の半分を奪われた方がまだマシだったかも。
それくらい今回ラインハルトが奪われたものは大きかったのです。
キルヒアイスの肉体がラインハルト暗殺を失敗させる
ブラウンシュバイク公の遺体の中に小型のランチャーを隠し、そのランチャーでラインハルト暗殺を図ったアンスバッハ。
瞬時に動いたキルヒアイスはアンスバッハに体当たり。
その結果ランチャーの射角が狂い、狙いが逸れてラインハルトに命中しませんでした。
キルヒアイスグッジョブです。
しかしラインハルト暗殺に執念を燃やすアンスバッハは他にも武器を隠し持っていました。
それが指輪に仕込んだレーザー。
もみ合うちにそのレーザーがキルヒアイスの首にヒット。
動脈が損傷したのかキルヒアイスの首からは大量の血が吹き出してしまいます。
ここでようやく他の提督たちがアンスバッハを取り押さえますが、アンスバッハは歯に仕込んでいた毒薬で自裁。
そしてキルヒアイスは、「宇宙を手に入れてください」という言葉を最期に永眠することになります。
仮にキルヒアイスが今までと同じく拳銃を携帯していたら…。
仮にもっとブラウンシュバイク公の遺体の検査をしていれば…。
仮に捕虜の引見なんてしなければ…。
後悔の種は尽きませんがどんなに後悔してもキルヒアイスは戻ってきません。
ラインハルトは自分の決定によって自分の半身を失ったのです。永遠に。
ラインハルト不在でもリヒテンラーデ公との権力闘争には勝たなければいけない
キルヒアイスを失ったラインハルトはキルヒアイスの遺体のそばから離れません。
ラインハルトからは覇者の面影が無くなり、生きる屍のようです。
ラインハルトだけならもうこのままでもいいかもしれません。
でも彼に忠誠を誓い彼に運命を託した提督たちにしたらたまったものではありませんからね。
ラインハルトがこのまま破滅すれば、当然その部下である彼らも破滅するのですから。
結論の出ない会議を提督たちが行っている最中、オーベルシュタインが提督達の前に現れます。
そしてオーベルシュタインは提督達へ提案しました。
キルヒアイス暗殺の首謀者として潜在的な敵であるリヒテンラーデ公を排除するように。
貴族連合軍がラインハルトに滅ぼされた以上、ローエングラム=リヒテンラーデ枢軸の目的は達せられました。
当然次はラインハルトとリヒテンラーデの権力闘争となります。
貴族連合という共通の敵がいたからこそ、組んだだけ。もともとラインハルトもリヒテンラーデ公も相手のことを道具としか見てませんので。
リヒテンラーデ公側もラインハルト排除を狙っているはず。
だったらリヒテンラーデ公をキルヒアイス殺害の主犯に仕立てて処分してしまう。
リヒテンラーデを排除する名分にキルヒアイス殺害を使うことで、リヒテンラーデ排除の正当性を主張する。
こんなことを思い付くオーベルシュタインってマジで恐しい。
このように頭が切れるのでミッターマイヤーやロイエンタールたちが余計警戒するのですけどね。
ラインハルトの変化がロイエンタールの運命を変えた?
リヒテンラーデ公排除を提督たちに任せる一方、オーベルシュタインはラインハルトを立ち直らせることができる唯一の存在、姉のアンネローゼに連絡を取ります。
普通なら誰もやりたがらない役。
それを平然とやってのけるオーベルシュタインって得がたい存在だと思います。
このような人材、ラインハルト陣営には他にいませんからね。
オーベルシュタインが手筈を整え、アンネローゼと会話をするラインハルト。
この時の会話の一部はわざと聞こえないような演出がされていますが、ラインハルトが質問に対するアンネローゼの答え、たぶん誰でも予測できますよね。
アンネローゼと話して吹っ切れたのかラインハルトに表面上覇気が戻ってきます。
でも同時にわずかに残っていた温かみが消え失せたようにも感じます。
以前は冷酷さと温かみが両立していたよう感じでしたが、もう冷酷さしか残っていないような…。
リヒテンラーデ公を捕らえた報告をするロイエンタールも何か感じたのでしょうね。
変わってしまったラインハルト。
つまりキルヒアイスの死はそれだけ大きかった。
仮にロイエンタール自身が死んだら、キルヒアイスの時のようにラインハルトは喪失感を覚えるのか?
ある意味キルヒアイスへの嫉妬とも思えますが、同時に自分はたやすく切り捨てられる存在とも思えてきたのでしょう。
母親に殺されかけた過去を持つロイエンタール。
だからこそラインハルトの変化に反応してしまったのかもしれません。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第26話を視聴し終わって
今回はここで終了。
次回27話以降が第2期シリーズとなります。
第2期シリーズは要塞対要塞、同盟領への侵攻、そしてラインハルトとヤンの直接対決など1期以上に見どころ満載です。
銀河の歴史はまだ4分の1が終わった程度。
まだまだ続きますよ。
2期前半の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第27話~第35話の感想「前代未聞の要塞VS要塞」
今回のまとめ三行
- キルヒアイスがラインハルトを守るために自分を犠牲にする
- 潜在的な敵を配下の提督たちが排除
- 宇宙を手に入れるためラインハルト再始動