旧OVA版2期の後半の感想となります。
ストーリー的にはラインハルトが皇帝に即位するまで。
ただ2期後半の主役はヤンの方かと個人的には思います。
ヤンは今一歩のところで歴史を変えることができたのですから。
ヤンの決断は賛否両論だと思います。
少なくともヤンが政府の停戦命令を無視して攻撃すれば同盟は救われました。
ただそれはヤンらしくないですからね。
個人的にはヤンの決断を支持します。
まあ、ヤン的にはこの決断のせいでさらに厄介事を背負いこむことになりますけど、ヤンの性格からすると仕方ないですねえ。
旧OVA版2期前半の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第27話~第35話の感想「前代未聞の要塞VS要塞」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第36話「雷鳴」の感想 「フェザーンよりもラインハルトの方が一枚上手」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第37話「幼帝誘拐」の感想 「幼帝が誘拐されて一番得をする人が共犯です」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第38話「矢は放たれた」の感想 「銀河帝国正統政府発足でラインハルト激おこです」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第39話「ひとつの旅立ち」の感想 「ユリアンとの挨拶でヤン艦隊の人々の人となりがわかりますね」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第40話「ユリアンの旅・人類の旅」の感想 「今回は歴史のお勉強回です」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第41話の「作戦名『神々の黄昏』」感想 「ボルテックの寝返りで同盟とフェザーンは大ピンチ?」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第42話「鎮魂歌への招待」の感想 「またユリシーズが敵を連れてきた」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第43話「ギャラルホルンは鳴った」の感想 「用兵家たちの知恵比べ回です」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第44話「フェザーン占領」の感想 「フェザーンが占領され愚者が一人退場しました」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第45話「寒波到る」の感想 「フェザーンが占領されて同盟軍がブラックな職場に」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第46話「ヤン提督の箱舟隊」の感想 「ヤンがイゼルローン放棄しましたけどそれ以上にロイエンタールの言動や野心が…」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第47話「自由の宇宙を求めて」の感想 「ペテン師の弟子はやっぱりペテン師でした」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第48話「双頭の蛇~ランテマリオの決戦~」の感想 「またラインハルトの完勝の邪魔をするペテン師」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第49話「闇が深くなるのは…」の感想 「地球教とラインハルト奇病、それぞれのフラグが立ちました」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第50話「連戦」の感想 「ヒャッハー!!帝国軍を狩ろうぜ」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第51話「バーミリオンの死闘(前編)」の感想 「とうとう始まる直接対決!でも今回のメインはヤンの求婚ですぜ」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第52話「バーミリオンの死闘(後編)の感想 「ラインハルト撃破まであと一歩」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話「急転」の感想 「あと一歩でラインハルトを討ち取れたのに」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第54話「皇帝万歳!」の感想 「物語の一区切りですけどフラグ立ち過ぎ」
銀河英雄伝説【旧OVA版】第36話「雷鳴」の感想 「フェザーンよりもラインハルトの方が一枚上手」
感想(ネタバレあり)
今回はフェザーンの陰謀の全体像がわかり、それを材料にラインハルトと交渉するところがメインでしたね。
まあ、ラインハルトの方が一枚上手でしたけど。
策士策に溺れるを実践してしまった?
フェーザーンはラインハルトと交渉の機会を持つため、自分たちの手駒であるランズベルク泊とシューマッハ大佐が帝国に侵入したことを密告します。
犯人が疑われるのを避けるために密告することは小説などで良くありますけど、頭が切れる相手だとすぐにそれが看破されてしまう恐れが。
でも今回フェザーンは看破されると見越して密告しています。
「ラインハルトなら看破するだろう」。
看破できないならそれぐらいの男に過ぎないと明らかに上から目線で言っているようなもの。
ビッテンフェルトが当時者なら確実に怒るところだと思います。
たぶんラインハルトも良い気持ちはしないでしょう。
しかしラインハルトはフェザーンの思惑に乗り、フェーザーンから派遣されている高等弁務官ボルテックと会談します。
ボルテックはルビンスキーの補佐官だった男であり、今回の件のために帝国駐在の高等弁務官に横滑りしてきました。
だからプライドも高いでしょうし、今回フェザーンも筋書き通り進んでいますから、自信満々だったはず。
でもボルテックはラインハルトを甘く見過ぎました。
ボルテックは自分たちの手の内、つまり皇帝を誘拐したうえで皇帝を同盟に亡命させて、ラインハルトが同盟討伐の兵を挙げる大義名分を作る手助けをすると示したうえでフェザーンの権益を認めさせようとします。
しかしラインハルトはそれを簡単に受け入れません。
それどころか逆にラインハルトはフェザーン回廊の自由航行権を要求します。
帝国領と同盟領を行き来するためには、イゼルローン回廊かフェザーン回廊を通過するしかありません。
このうちイゼルローン回廊には同盟軍のペテン師が居座り、先日も帝国軍が敗北したばかり。
いくらフェザーンが戦争の口実作りの手助けをしても簡単にイゼルローン回廊の突破はできないのです。
その一方フェザーン回廊通過は帝国軍には大変魅力的な話ですけど、フェザーン側からしたらフェザーンの権益を侵される恐れがありますし、帝国軍が居座るとそれこそフェザーン政府の力が削がれる恐れがあります。
完全に形勢逆転、ボルテックは全身から汗が吹き出します。
そう狼狽振りは明らか。
勝敗は決しました。
今回の件、ボルテックが考えたのか、それともルビンスキーが考えたのかわかりませんけど、完全に策士策に溺れる結果となりましたね。
過去に捕らわれる人間がここにも
前回フラグが立ってましたけど、ヒルダがアンネローゼが隠遁生活を送っている山荘を訪れました。
アンネローゼはまだその美貌を維持していますけど、世捨て人同然の状態です。
それは自分のせいでキルヒアイスを死なせてしまったと考えているから。
自分がキルヒアイスに「ジーク、弟と仲良くしてやってね」と言ったばかりに。
結果的にキルヒアイスの未来を奪ってしまったと今でも悔いているのです。
あれは全部ラインハルトとオーベルシュタインが悪いのですけど、アンネローゼの性格からすれば自分のせいだと思ってしまうのですよね。
いつまでも過去を悔いていても何も始まらない。
個人的にはそう思いますけど、アンネローゼはそんな風に思えないのでしょう。
でも結局アンネローゼに何かあったらラインハルト大きなショックを受けて、キルヒアイスが死亡した直後のような廃人となってしまいます。
ラインハルトが廃人となると帝国人民すべてを不幸にする。
そのことを自分の言葉でアンネローゼに伝えるヒルダ。
結果アンネローゼも折れて、ヒルダのお願いを聞き入れます。
今回はヒルダの功績が大ですね。
ラインハルトさえもアンネローゼを説き伏せることができなかったのにヒルダは部分的とはいえそれを成し遂げたのですから。
ヒルダって優秀で、空気読めて、そして気配りができる女性です。
ラインハルトが秘書官に抜擢するのもわかりますね。
そりゃあ原作者の田中先生もヒルダを秘書官ぐらいの地位にしておくのが勿体ないと思えてきたのでしょう。
そしてヒルダは最終的に…。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第36話を視聴し終わって
今回はここで終了。
戦闘シーンなどはありませんでしたけど、重要な回でした。
次回はとうとう皇帝誘拐です。
果たして成功するかどうか、次回も目が離せませんね。
今回のまとめ三行
- フェザーンの陰謀は皇帝誘拐
- ラインハルトがボルテックを論破
- ヒルダがアンネローゼの説得に成功
銀河英雄伝説【旧OVA版】第37話「幼帝誘拐」の感想 「幼帝が誘拐されて一番得をする人が共犯です」
感想(ネタバレあり)
今回のお話は皇帝の誘拐。
いよいよランズベルク伯とシューマッハ大佐が実行します。
ノイエサンスーシの知識があるランズベルク伯。そして実行部隊として有能なシューマッハ。
この二人を実行犯にすることを思いついたルパートケッセルリンクって結構有能だと思いますわ。
シューマッハがフェザーンへ支援を要請する(フェザーンが裏切らないように)
詳細に計画を練るランズベルク伯とシューマッハ大佐。
どうやらランズベルク伯が秘密の抜け穴を知っているらしく、それを伝って宮廷に潜入することになります。
ランズベルク伯は結構自信ありそうですけど、シューマッハは誘拐の成功率を上げるためにいろいろな策を練ることに。
その一つが陽動作戦。
フェーザーンの工作員に破壊工作なりを行わせて憲兵隊の目を宮廷から遠ざけようとします。
実際のところシューマッハは陽動よりもフェザーンを介在させるところに重きを置いていたようですけど。
シューマッハは敵(ラインハルトや憲兵隊)より味方(フェザーン)の方を疑っているようです。
そりゃあ実行犯なんて誘拐が成功すれば消される可能性がありますし、またフェザーンが裏切って誘拐成功の後ラインハルトたちに密告すれば自分たちがスケープゴートにされてしまいます。
でもフェザーンが今回の誘拐に陽動とはいえ関与すればフェザーンも簡単にシューマッハたちを裏切れなくなりますね。
シューマッハは有能すぎる。
仮にシューマッハがフェザーンを裏切り、ラインハルトの元に逃げ込んだら、ラインハルトは喜んで旗下に加えたかもしれません。
ラインハルトって裏切り者は嫌いですが、シューマッハの場合はフェザーンに嫌々皇帝誘拐の実行犯にさせられたのですからね。
まだラインハルトも情報酌量の余地があると考えると思いますわ。
皇帝誘拐は結構楽勝だった
誘拐実行の日。
簡単に宮廷に侵入した二人は皇帝エルゥイン・ヨーゼフ2世と対面。
でもこの皇帝様、ぬいぐるみを痛め付けて耳を引きちぎるような悪ガキに育っています。
どうせ神聖不可侵だから周りの大人がまともに教育しなかったのでしょうけど、こんな暴力的な性格が外に漏れたらいっきにゴールデンバウム朝が傾くでしょうね。
まあ既にラインハルトによって王朝は骨抜きにされているから、皇帝の所業が悪いことが洩れれば、ラインハルトの簒奪が楽になると思いますわ。
ランズベルク伯とシューマッハは力づくで皇帝を連れ去り、どうやら宮廷の外への逃亡に成功します。
一方の宮廷は大騒ぎ。
侍従が皇帝が誘拐させたことを警備責任者のモルト中将に言わなかったせいで捜索開始が遅れてしまいます。
捜索がもうちょっと早ければ結果が変わったのかもしれないのに。
騒ぎはラインハルトの元にも伝わります。
でも全く動じないラインハルト。
ラインハルトは今回の件を知りながら憲兵総監のケスラーに何も言ってませんから、皇帝誘拐を黙認したも同然。
事実上共犯のようなものです。
また皇帝が誘拐されて同盟に亡命すれば同盟進攻への大義名分を手に入れることができますので、ラインハルトはウハウハですね。
モルトに責任を取らせなければいけないことでちょっと憂鬱になってますけど。
結局気付いたのはケスラーとロイエンタールだけ
皇帝誘拐は招集された提督たちに知らされます。
7歳の子供が誘拐されたという話でだけで皇帝が誘拐されたと認識する提督たち。
やっぱり優秀な男ばっかりですね。
ただ今回の件にラインハルトが関与していると看破したのは描写からケスラーとロイエンタールだけみたいです。
もともとランズベルク伯とシューマッハの潜入のことを知っていたケスラーは気付いてもおかしくありません。
ロイエンタールは今回の誘拐で一番得をするのは誰かということを論理立てて考え、ラインハルトが怪しいと睨んだみたいですね。
やっぱりロイエンタールは頭が切れます。
今回はここで終了。
皇帝誘拐は成功しましたけど、予定通り同盟に亡命させることができるのでしょうか?
次回が楽しみですね。
今回のまとめ三行
- シューマッハがフェザーンを間接的関与させる
- 皇帝誘拐成功
- ロイエンタールはラインハルトの関与を気付いた?
銀河英雄伝説【旧OVA版】第38話「矢は放たれた」の感想 「銀河帝国正統政府発足でラインハルト激おこです」
感想(ネタバレあり)
今回は皇帝の同盟亡命からラインハルトの宣戦布告までのお話でした。
そりゃあ皇帝を誘拐されたら取り返して、誘拐した奴らを懲らしめようとしますよ。
まあ、ラインハルトの場合は誘拐される可能性が高かったのに特別何もしなかったのですから、本来文句言う資格はないのですけどね。
フェザーンでは親子喧嘩が発生しそうな予感
帝都では憲兵隊などが血眼になって捜索しているのを尻目に皇帝一行はフェザーンの亡命船で悠々脱出。
あとは気軽な船旅だと言いたいところですけど、躾けをされていない皇帝陛下がご乱心。周りに当たり散らします。
これが敬愛する皇帝陛下の真の姿、門閥貴族どもがこの姿を見たらどう思うでしょうか?
普通なら幻滅するでしょうけど、権力術数に長けた門閥貴族どもですから操りやすいガキだとほくそ笑むかもしれませんね。
フェザーンでは皇帝誘拐が成功してルビンスキ―は満足そう。
その一方補佐官のケッセルリンクは、帝国駐在の高等弁務官であるボルテックがしくじったのではないかとルビンスキーに吹き込もうとします。
ケッセルリンクにとってボルテックはルビンスキーの跡目を争うライバル。
少しでもルビンスキーのボルテックに対する心象を悪くしようとしているのですけど、実際ボルテックはしくじってしまいましたからね。
でもその言をルビンスキーが受け入れないと悟ったケッセルリンクはこれ以上は自分の心象が悪くなると思って話を打ち切ります。
しっかり相手の表情やしぐさから話の止め時を判断できるケッセルリンクは優秀ですわ。
そのケッセルリンクさん、何とルビンスキーの愛人であるドミニクさんを寝取ったようです。
ルビンスキーとケッセルリンクは親子ですけど、ドミニクを介して兄弟になってしまっているようです(下ネタ)。
つ~か、よく親父の女に手を出せましたね。
ドミニクがルビンスキ―に密告する可能性だったあるのに。
さてケッセルリンクはドミニクに地球教の司教であるデグスビイの篭絡を命じます。
たぶんフェザーンを裏から支配する地球教を使ってルビンスキーの追い落としを画策するのでしょう。
追い落としと書けば壮大な感じがしますが、要は自治領主の地位を巡る親子喧嘩ですからね。
フェザーン市民にとってはいい迷惑ですわ。
でもドミニクさんを信頼していいのでしょうか?
今のところケッセルリンクに従っていますが、女性って意外と2枚舌ですからしっかり用心しないと…。
同盟と銀河帝国正当政府の和解が成立
平和を謳歌しているイゼルローン要塞。
部下たちが働いている中、司令官は暇そうです。
そこに自由惑星同盟最高評議会から重大発表が。
内容は以下の通り。
- 銀河帝国の皇帝が亡命してきた
- 同盟が皇帝の亡命を受け入れた
- 皇帝とその取り巻きが銀河帝国正統政府を作った
- 同盟と銀河帝国正当政府が手を組む
- 正統政府の軍務尚書としてメルカッツを就任させる
邪悪なゴールデンバウム朝を倒すために多大な犠牲を出して帝国と戦ってきた自由惑星同盟。
それが何の因果か銀河帝国の皇帝が亡命してきて、その皇帝を守ってラインハルトが支配する帝国と戦うことになるとは…。
ポプランは激怒していましたけど普通だったら同じように怒りますよね。
ヤンも不満があるでしょうけど、それ以上に戦略上の視点で今回の亡命劇はダメだと思っているようです。
分裂した敵の一方と手を結び、残った一方の敵を共に滅ぼすのは戦略の常道。
でも今回銀河帝国正統政府を発足させた連中には実力というか戦力がゼロ。
せいぜいメルカッツの名声に惹かれて少しは人員が揃うかもしれませんけど、それだけでは到底ラインハルト率いる帝国軍に適うはずはありません。
それなのに皇帝の亡命を受けいれ、銀河帝国正統政府の樹立を後押しした同盟の政治家どもはアホかと言いたいですね。
まあフェザーンがいろいろ手を回して、同盟の政治家どもが受け入れるしかないように細工したのでしょうけど。
そして何より今回のことで同盟とラインハルトの間で和平を結ぶという最善の策を取れる道がなくなりました。
ヤンの予想通り、ラインハルトは事実上同盟に対して宣戦布告。
またヤンが苦労することになりそうです。
メルカッツも引き抜かれそうですし。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第38話を視聴し終わって
今回はここで終了。
同盟政府はラインハルトに出兵する口実を与えてしまいましたね。
まあ、口実なくてもラインハルトだったら攻めてきそうな気がしますが、少なくとも皇帝奪回を旗印にすることで帝国軍の士気は間違いなく上がることでしょう。
一方同盟は世論は真っ二つになるでしょうね。
銀河帝国の皇帝なんて悪の権化。処刑してしまえと思う国民だってたくさんいるでしょうから。
最前線のヤンがまた苦労しそうな気配です。
しかし実際は…。
次回以降の展開楽しみですわ。
今回のまとめ三行
- 銀河帝国正統政府成立
- メルカッツがヤンから引き離される
- ラインハルトが宣戦布告
銀河英雄伝説【旧OVA版】第39話「ひとつの旅立ち」の感想 「ユリアンとの挨拶でヤン艦隊の人々の人となりがわかりますね」
感想(ネタバレあり)
ラインハルトの激おこが同盟にどう作用したか?
またその余波がユリアンに影響を与えか?がよくわかるお話でした。
要はユリアンがとばっちりを受けたということになります。
それにしてもヤン艦隊のメンバーで個性豊かと思いますわ。
ユリアンとの別れの挨拶や対応がそれぞれの個性が現れていて興味深かったです。
トリューニヒトもレベロも考え方に問題あり過ぎ
ラインハルトが皇帝誘拐に激おこ。
そして皇帝を誘拐した門閥貴族の残党と共に同盟も潰すと宣言しましたけど、トリューニヒトをはじめ同盟政府の首脳は余裕しゃくしゃく。
だってイゼルローン要塞は難攻不落だし、同盟軍随一のペテン師が司令官として守っているから。
さすがにこれにはジョアンレべロではありませんけど、皮肉の一つでも言いたくなりますね。
数か月前、ヤンを査問会に掛けていびっていたの誰でしたっけ?
(直接いびったのは前の国防委員長でしたが裏で糸を引いていたのはトリューニヒト)。
トリューニヒトの面の皮の厚さにはうんざりしますが、その一方ジョアンレべロのヤンを警戒心は常軌を逸してます。
確かにヤンが権力を欲したら簡単に同盟を手に入れるかもしれません。
しかし可能性があるからと言って、処罰する訳にはいきませんし。
このレべロの考え方が将来ヤンと対立する原因になるのですけど、フラグになっているとは気付きませんでした。
もちろんホアンルイみたいに楽観視し過ぎるのも問題ですけどね。
考えてみるとレべロとホアンルイが行動を共にしていれば良い方向に歴史が変わっていたのかもしれませんわ。
同盟贔屓の私として残念なことです。
ユリアンへフェザーン駐在武官の辞令が下る
ラインハルトの攻勢に対して同盟政府も形ばかりの体制強化に乗り出します。
実態は自分たちの子分を軍の要職に付ける一方、ヤンの力を制限することですけど。
その結果、クブルスリー大将が統合作戦本部長を退任し、代わりにドーソン大将が就任。
メルカッツがヤンの元を離れて銀河帝国正統政府軍務尚書就任。
そしてユリアン・ミンツがフェザーン駐在武官就任。
え?
この前正規の軍人になったばかりのユリアンが外国の駐在武官になるの?
ちょっと出世し過ぎじゃね?
しかしヤン離れができていないユリアンはこの人事にご立腹のようです。
ユリアンはヤンに撤回を求めますけど、国防委員会が決めた人事に軍人が口出ししてはいけません。
口出ししたらヤンが自分の信念「軍人は政治や人事に口出ししない」を曲げることになってしまいます。
ユリアンが軍属のままだったら、ヤンの権限でどうにでもなりましたけど、今のユリアンは正式な軍人。
ユリアン自身が望んだこととはいえ、完全に仇となりました。
ただ軍人のキャリアとすれば駐在武官に選ばれるのはエリートコースですし、ユリアン自身ずっとヤンの元にいますから、一度ヤンの元を離れることによって人間的な成長ができるかもしれません。
ヤンもそのことを考えたと思います。
だからユリアンを行かせることにしたのでしょう。
それにヤン自身、帝国がフェザーン回廊を通って攻めてくる可能性を真剣に考えて、一度信頼できる人間にフェザーンの様子を見てもらいたいと思っていたみたいですし。
そういう諸々の事情から最終的にユリアンもこの人事に同意して、ユリアンはフェザーンに赴くことになります。
ユリアンとの別れに際してのヤン艦隊メンバーの行動
イゼルローンを離れることになり、ユリアンはヤン艦隊の面々に別れの挨拶を行うことに。
個人的にはユリアンが各々のところに挨拶しに行くこの一連の場面が今回の見どころだと考えます。
- 浮気するなと釘を刺す
- スパルタニアンの操縦より教えたいことがあったと宣う者
- 自分の従兄弟がフェザーンにいると言う者
- 肩を叩いて激励する者×2
- ローゼンリッターの隊員章を贈る者
- ユリアンが離れている間要塞とヤンのことは自分が守るとフラグを立てる者
- 自分の軍用ナイフを貸す者
- ユリアンがいない間はヤンの寝首を取ることはしないという者
- 幸運の道具を贈る者
- 聞かれてもいないのに自分のヤン艦隊での役割を言う者
ホントそれぞれの個性が出ています。
でもその中で一番ユリアンに役立つことを言ったのが、ユリアンが現状一番嫌っているバクダッシュだったというは皮肉ですわ。
そして別れの時、ユリアンは旅立ちます。
果たしてこの別れがどういう風に影響するのか?
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- ヤンの存在が同盟政府を堕落させる
- ユリアンとの別れを惜しむヤン艦隊の人々
- ユリアンがフェザーンへ
銀河英雄伝説【旧OVA版】第40話「ユリアンの旅・人類の旅」の感想 「今回は歴史のお勉強回です」
感想(ネタバレあり)
今回は「ユリアンと一緒に人類の歴史を学ぼう」という回です。
まあ本編とは直接関係ないのですけど、ここまで本編には出て来ない歴史を綿密に作り上げている作品もそんなにないと思います。
衆愚政治がルドルフ・フォン・ゴールデンバウムという独裁者を生む
銀河連邦を成立させた人類は新たな黄金期を迎えます。
しかしそれも長くは続かず、利権を漁る政治業者が権力闘争に明け暮れる衆愚政治に陥ってしまうことに。
こういう時に望まれるのが世界を刷新してくれる英雄。
いつの時代も同じですね。
そしてこの時代にも英雄が降臨しました。
その者の名前はルドルフ・フォン・ゴールデンバウム。
この時はまだ普通の市民のはずなのにもうフォンって名前に付いています。
ルドルフは軍人として武勲を重ね、少将で退役すると政界に進出。
英雄を求めていた民衆はこの若き英雄に陶酔し、ルドルフ率いる一派はどんどん力をつけて最終的にルドルフは首相に就任します。
そこでルドルフが首相として社会を変革し、然る後に政界を引退していれば民衆は幸せだったのかもしれません。
でもルドルフは首相になっただけでは満足せず、不文律で兼任が認められなかった大統領職にも就任し、終いには終身執政官、そしてとうとう神聖不可侵な皇帝を名乗ることになります。
明文化されていないことを悪用して兼任したところは、どっかの国の総統様そのままだし、議会政治を悪用して皇帝名乗ったのは、某英雄の甥っ子と同じです。
世界史学んでいた人達はニヤッてするでしょうね。
さて皇帝になったルドルフは少しづつ恐怖政治に移行していきます。
そしてその恐怖政治はルドルフが死んでも終わらず、民主共和派の人々には暗黒の時代が続くことに。
英雄が独裁者へ。
よくあるパターンですわ。
帝国の圧政を逃れた者たちによって自由惑星同盟が建国される
ルドルフやその子孫による圧政。
しかし暗黒の時代から新しい希望が生まれることもあります。
辺境の惑星で強制労働に従事していたアーレ・ハイネセンという青年は、子供たちがドライアイスで遊んでいたところから天然のドライアイスを使って宇宙船を建造することを思いつき実行に移します。
そしてドライアイスの船ができるとハイネセンは40万人の人々とその船で逃亡。
途中立ち寄った惑星でちゃんとした恒星間移動ができる宇宙船を建造し直してさらに辺境に逃亡します。
逃亡の途中、ハイネセンが事故死、
ハイネセンの後を継いでリーダーになったグエン・キム・ホアも老齢で失明した時、ようやく居住可能な惑星を発見、その惑星を根拠地と定め、逃亡してきた人々は自由惑星同盟を建国します。
最初の国民は16万人。
一連の逃亡で24万人の死者を出しましたけど、何とか逃亡に成功したのです。
後に長征1万光年と呼ばれるこの逃亡劇。
まんまお隣の国の長征のパクリですね。
さて、建国された同盟は急速な発展を遂げます。
周りは未開の惑星だらけ。
まさにフロンティアが転がっている状態ですからどんどん発展しないのがおかしいのです。
そして同盟建国から約1世紀、帝国と同盟がとうとう遭遇。
同盟を討伐するために帝国はヘルベルト大公が指揮する大艦隊を派遣しますけど、同盟軍の包囲殲滅戦の前に壊滅してしまいます。
これがいわゆるダゴンの殲滅戦であり、後年アスターテ星域でパエッタ、パストーレ、そしてムーアの三提督がこの再現を狙っていましたね。
結果は帝国軍に各個撃破されて金髪の儒子の昇進を助けることになりましたけど。
ダゴンの殲滅戦の結果、不満を持つ帝国臣民が同盟に逃亡、同盟も逃亡してきた人間を積極的に受け入れましたからどんどんと人口が増えていきます。
でもここでちょっとツッコミを。
自由惑星同盟の建国時の人口が約16万人。
それから帝国と遭遇するまで約1世紀ありましたけど、どれだけ多産を奨励しても1億人超えるのは無理ですよね。
それなのに現在の同盟の人口は130億…。
亡命者多すぎだろ(-_-メ)
つ~か、帝国も亡命を止める気なかったんでしょうね。
人口増えて帝国と対抗できる力を持った同盟ですけど、その結果銀河連邦みたいに衆愚政治に陥ってしまいます。
民主共和政治ってやっぱり構造的欠陥があるとしか思えませんね。
一方帝国ではラインハルトが独裁者としてドメスティックに腐敗を一層して臣民が生活しやすい環境に。
果たして帝国と同盟、どっちがマシなのでしょうか?
そんな風に考えてしまいますわ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第40話を視聴し終わって
今回はここで終了。
本編でしっかり描かれる訳でもないのに歴史が詳しすぎ。
そして今回の話を見ていると民主主義って結構ダメそうな気がしてきますわ。
今回のまとめ三行
- ルドルフが権力を握ったのは民衆が英雄を望んだため
- アーレ・ハイネセンがいなければ同盟の成立は無かった?
- 最良の専制政治VS最悪の民主政治の構図に
銀河英雄伝説【旧OVA版】第41話の「作戦名『神々の黄昏』」感想 「ボルテックの寝返りで同盟とフェザーンは大ピンチ?」
感想(ネタバレあり)
今回は帝国、同盟、そしてフェザーンでの話が同時進行しました。
内容的には帝国軍による同盟領侵攻にどう対処するかということですけど、それぞれの思惑などが見え隠れして見応えのある話だったと思います。
誰だってフェザーン回廊から侵攻するとは予想できません
ラインハルトはフェザーンの駐帝国高等弁務官ボルテックを自分たちに寝返らせて、フェザーン回廊を帝国軍の支配下に置くことを画策します。
たぶん皇帝誘拐の折り、「しくじったことをルビンスキーにバラす」とオーベルシュタイン当たりに脅迫されて寝返ったのでしょうけど、それ相応の地位と名誉が得られるのなら寝返るのも仕方ないですね。
たぶん私が同じ立場ならボルテックと同じく寝返ると思います。
もちろん地球教の情報も提供して身の安全も一緒にはかるでしょうけど。
この段階ではボルテックは地球教のことを帝国軍に漏らしていませんよね。
一切のしがらみを切る気があるのならここで地球教のことを話しておけばいいのに。
地球教とのパイプを残して自分がラインハルトから切られる場合の備えにするつもりだったのでしょうか?
ちなみにラインハルトとオーベルシュタインのボルテックに対する評価はかなり低いです。
ルビンスキーより御しやすいと思われるの仕方無いですけど、オーベルシュタイン曰く「不平派の連中を黙らせる力量すらもない」と。
散々な評価ですな。
ラインハルトやオーベルシュタインから見れば、ボルテックなんて道具に過ぎませんから。
ユリアンが気になるフェザーンの首脳部
さて侵攻されるとは考えてもいないフェザーン。
ルビンスキーもケッセルリンクもボルテックの動きに警戒し始めているようですけど、さすがに寝返ったとまでは考えていない様子。
そんな二人の話題に上るのは今度フェザーンに赴任することになったユリアンのこと。
ケッセルリンクはユリアンをヤンの七光りだと過小評価しているようです。
後ろ盾なくここまで登りつめたケッセルリンクから見れば、ヤンの名声を利用しているように見えるユリアンに対しては嫉妬みたいな感覚を覚えるのでしょう。
一方ルビンスキーはユリアンが武勲を上げていることを考慮してそれなりに評価しているようです。
「自分たちの手駒として利用できないか?」ルビンスキ―はそう考えていそうな気がしますね。
ラインハルト以上にルビンスキ―は手駒を作って利用するが上手いので。
シャフト、シューマッハなどルビンスキ―が利用した人物はたくさんいます。
ヤンはラインハルトの戦略を看破したけど同盟には戦力がいないので阻止できなさそう
最後は同盟です。
政府首脳も一般市民もイゼルローン要塞とその司令官であるペテン師が何とかしてくれると高を括っています。
ヤンの存在が同盟の堕落を進めることになる。
ビュコックが予測するようにヤン自身不本意でしょうね。
人事を発令してもらうために首都星ハイネセンまで来たユリアン。
そのついでにヤンから託された親書を宇宙艦隊司令長官であるビュコックに渡しに行きます。
宇宙艦隊司令部に向かう途中、ユリアンとマシュンゴが見たのは荒れ果てた同盟の現状。
物資不足で配給制ってもう敗戦濃厚じゃね~かと思ったことでしょう。
戦争によって社会基盤が崩壊しつつあるということがよく分かる場面だと思います。
ビュコックと久しぶりに対面するユリアン。
その際ビュコックから、ユリアンの今回の人事がトリューニヒト直々のもので事情を知らない人間からはユリアンがトリューニヒトのお気に入りと見なされていると聞かされます。
これに対してユリアンはすぐに「自分はヤン・ウェンリー派です」と大声で反論。
人格的に周りの人間の影響を受けているのがよく分かりますね。
さてヤンの親書には「帝国軍がフェザーン回廊を通って侵攻してくるかもしれない」書いてありました。
これを見た時ビュコックは何を思ったのでしょう?
また不吉な予測しおってと思ったか?
これが現実化すればまずいと思ったか?
ともかく現状、フェザーン回廊から侵攻されたら同盟は対処できません。
国内には第1艦隊とヤン艦隊以外まともな戦力は残っていないのですから。
結局ヤンにしてもビュコックにしても頼りは「フェザーンの反帝国派による蜂起しかない」という結論に達します。
軍人が民衆の頼らなければいけないのは軍人としてトンデモナイ屈辱でしょうねえ。
ロイエンタールの反骨心がどんどん上昇中
帝国による同盟領侵攻作戦は「神々の黄昏」と呼称されることになります。
その一方、ロイエンタールはイマイチ乗り気ではありません。
と、いうか完全に反対。
ラインハルトにも皮肉を言ったのでミッターマイヤーが心配する始末です。
その場面は何とか矛を収めましたけど、ロイエンタールの中で何かが変わり出した感じがします。
ロイエンタールは帝国を変えてくれると考えてラインハルトに与しましたが、ラインハルト、というよりはオーベルシュタインがラインハルトの覇業のためにロイエンタールやミッターマイヤーが嫌うような人物を登用しようとします。
その一人がラング。
解体された社会秩序維持局の局長であった人物です。
覇業のためには社会秩序維持局のような秘密警察があった方が便利。
それにラングは職務に忠実で私腹を肥やさなかったため、オーベルシュタインもコイツは使えると思ったのでしょう。
そのためラングは新たに設置される内国安全保障局の局長として復権します。
後にロイエンタールを仇敵と付け狙うことになるラング。
ここでラングが登用されなければ歴史は変わったかもしれませんね。
いや、やっぱりロイエンタールの野望自体は止めることができるず、結局ああいう結果になるのは避けられなかったのかも。
ロイエンタールの野望に火をつけたのはラインハルトその人。
キルヒアイスが死んだ後、ラインハルトがロイエンタールの野望に火を付けるような言葉を投げかけなければ。
そう思わずにはいられませんわ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第41話を視聴し終わって
今回はここまで。
どんどん先が気になってしまいますね。
ラインハルトの戦略、ロイエンタールの野心、そして同盟の運命。
フラグがいろいろ立ちましたが、最終的にはすべて回収することになります。
この41話の時点で残り69話分残っていますからね。
先はまだまだ長いです。
今回のまとめ三行
- フェザーン回廊から同盟領に侵攻するつもり
- 作戦の名前が仰々しい
- ロイエンタールの仇敵キタ――(゚∀゚)――!!
銀河英雄伝説【旧OVA版】第42話「鎮魂歌への招待」の感想 「またユリシーズが敵を連れてきた」
感想(ネタバレあり)
今回は前半がユリアンのフェザーン赴任、後半が神々の黄昏作戦始動のお話でした。
いよいよラインハルト率いる帝国軍による同盟侵攻作戦が始まります。
フェザーンの経済状況を確認するユリアン
フェザーンへの赴任の途中、ユリアンはフレデリカとの会話を思い出します。
「自分はヤンが好きだ」と話すフレデリカ。
フレデリカがヤンにほの字であることはこれまでの行動である程度推測できていましたけど、ここまではっきりと言ったのはたぶん初めてではないでしょうか?
ユリアンは事実上ヤンの息子のようなものですからまずは周りを固めにはいったのかもしれません。
女性って怖いですわ。
フェザーンに到着したユリアンとその護衛のマシュンゴ。
まずは同盟の弁務官事務所に挨拶に行きますけど、みんなトリューニヒトの息が掛かっている人間ばかり。
つまりここにはマシュンゴ以外ユリアンの敵しかいないようです。
そんなユリアンは私服に着替えて情報収集へ。
洋服屋に入って値段交渉するユリアン。
ヤンの家の家計を預かっていたのでかなりの倹約家なのかもしれませんが、たぶんフェザーン人がどんな対応を取るか見るために吹っかけたのでしょうね。
値段交渉はあっさり却下されますけど、服を気に入ったのか購入してしっかりと領収書を貰います。
経費で落とす気満々。
同盟の税金がユリアンの私服に。
さて、フェザーンは治安も経済も安定しているらしく、街には丸々太った猫が闊歩しています。
野良猫でも太っているということはそれだけ物資が豊富にある証拠。
物資の配給が行われている同盟本国とはエラい差ですね。
感覚的には1980年代後半の共産圏から資本主義国に来た感じと同じではないでしょうか?
あの頃は資本主義諸国、特に日本はバブル真っ只中で物が溢れている一方、共産主義諸国では物資の欠乏から配給に並ぶ人々の姿がニュースになっていましたからねえ。
今の若い人では知らないでしょうけど。
この場面を見るとこればかり思い浮かべてしまいます。
ユリアンが噂をばら撒いてフェザーンを牽制
次の日はユリアンのフェザーン赴任をお祝いするパーティ―が開かれます。
そのパーティ―の中で銀河帝国がフェザーン回廊に侵入するかもしれない触れ回るユリアン。
最初笑っていたフェザーン人たちもその危険に思いを巡らせ始めた様子。
ケッセルリンクがユリアンを窘めることでこのお話が終わりになりますけど、ケッセルリンクは結構まずいと思ったようですね。
でもいつの間にケッセルリンクやルビンスキーも帝国軍がフェザーン回廊を通過することを許容したのでしょうか?
まあラインハルトからフェザーン回廊の通過を要求されたとボルテックから報告があったのかもしれませんが、そこのところがアニメ版では触れられていません。
そのためこの部分はちょっと分かりづらいですね。
ケッセルリンクによるルビンスキ―追い落としの策謀は順調?
さてユリアンの歓迎パーティ―を抜け出したケッセルリンク。
向かった先にいたのは地球教の司教であるデグスビイ。
以前ケッセルリンクがドミニクにデグスビイの弱みを握れと依頼していましたがどうやら成功していたみたいですね。
デグスビイはこの世の快楽を味わい、もう抜けせそうにありません。
ケッセルリンクの狙いは地球教を味方にしてルビンスキーを蹴落とすことと思っていましたが、デグスビイに地球教の総大主教を蹴落とせと使嗾していますから古い権威主義をすべて一緒に潰そうとしているのかもしれませんね。
デグスビイには一笑に伏されてしまいますけど。
神々の黄昏作戦始動
帝国では神々の黄昏作戦の詳細が提督たちに明かされ、イゼルローン回廊方面の司令官にロイエンタール、フェザーン方面はラインハルトが直々に指揮を執ることになります。
別動隊を指揮する人間はそれなりに統率力があり、ヤンと互角に戦える人間しかダメです。
そうすると帝国ではラインハルト以外だとミッターマイヤーとロイエンタールだけ。
またミッターマイヤーは戦略よりも戦術の方に優れているような感じなので、消去法でロイエンタールに決まったと思います。
この頃はまだラインハルトはロイエンタールを無条件で信用していたのでしょうね。
ロイエンタールの方は自分の中の野心に苦悩している感じですけど。
一方同盟では国防委員会と軍部との合同会議を開いています。
イゼルローン要塞とヤンの存在のためにあまり心配している様子がありません。
そんな会議で一人フェザーン回廊の警戒を主張するビュコック。
でも周りはトリューニヒトの子分ばかりで誰もビュコックの味方をしません。
宇宙艦隊司令長官であっても味方がいないとどうしようもないみたいですね。
そしてとうとう神々の黄昏作戦が開始されます。
イゼルローン回廊を哨戒中の戦艦ユリシーズ。
艦内では艦長がどうしてしかめっ面なのか部下たちが馬鹿話をしています。
ホント呑気です。
そんな呑気な雰囲気の中レーダーに敵影。
帝国艦隊がイゼルローン回廊に大挙侵入してきたのです。
ちなみにこのユリシーズ。
前回哨戒しているときにガイエスブルク要塞と遭遇しています。
ムライ参謀長が言うようにユリシーズが哨戒に出ると敵を連れてくるような感じがしますね。
もちろんこれは結果論ですけど。
次回はヤンとロイエンタールの死闘のお話。
まさか白兵戦まで発生するとは。
今回のまとめ三行
- ユリアンがフェザーンで風説の流布
- 神々の黄昏作戦開始
- またユリシーズが哨戒に出て敵を見つけてきた
銀河英雄伝説【旧OVA版】第43話「ギャラルホルンは鳴った」の感想 「用兵家たちの知恵比べ回です」
感想(ネタバレあり)
今回はヤンとロイエンタールという稀代の用兵家たちの知恵比べ回です。
ただちょっと作画がイマイチなのが残念ですけど。
しかしまあ、帝国軍の旗艦に白兵戦を仕掛けるなんて。
ローゼンリッタ―って本当に命知らずだですわ。
総司令官が白兵戦するという斜め上の展開
ロイエンタール率いる帝国艦隊はイゼルローン要塞正面に陣取るとすぐに攻撃を開始します。
当然要塞主砲トールハンマーの射程外から攻撃するだけなので要塞には傷一つつかないはずです。
個人的にはそのまま攻撃させておけばいいと思いますけど、ヤンは何を思ったのか艦隊を出撃させます。
ヤンとしては後方に回りこまれて同盟本国との補給線を断たれるのを恐れたのか、ロイエンタールに秘策があるかもしれないと恐れたのかのかもしれませんけど、ちょっとここで艦隊を出撃させるのはどうなんでしょうかねえ。
今までの話でイゼルローンに肉薄するためにはトールハンマーを無力化しなければいけません。
そして要塞の無力化に成功したのは、ヤンがシェーンコップたちを潜入させて要塞自体を無力化した時と、第5次イゼルローン攻略戦でシドニーシトレ大将が行った並行追撃による敵味方入り乱れての乱戦に持ちこんだ時の2回しかありません。
現在の状況では前者は無理ですので、帝国軍が狙うのは後者。
だとすると艦隊出撃させるのは禁じ手のはずなんですけど。
ちょっとこの場面、ヤンがしくじった感じがしますね。
でもすぐに対応するのがヤンの凄いところ。
乱戦に持ちこまれたことを逆用してロイエンタールを嵌めようとします。
まず自分の旗艦であるヒューベリオンを出撃させて耳目をすべてヒューベリオンに集中させると、その間にロイエンタールの旗艦トリスタンに強襲揚陸艦で殴りこむという何か将来的にまた出てくるような手段を用います。
「ロイエンタールの旗艦の周りに護衛艦はいないのかよ」と突っ込みたくなりますけど、ともかくヤンの策は成功。
逆にロイエンタールは白兵戦をやるはめに。
それも相手はローゼンリッターとシェーンコップ。
シェーンコップは要塞防御指揮官の癖にまだ前線に出て戦っています。
いい加減リンツやブルームハルトに任せればいいのにと思いますけど、シェーンコップから見たらまだまだ任せることができないのかもしれませんね。
シェーンコップはたまたまロイエンタールと遭遇。斧で殴り掛かりますけど、ロイエンタールもすかさず反撃。
その間に帝国兵が駆けつけシェーンコップは泣く泣く撤退します。
でも外は帝国軍の艦が集まっているでしょうにどうやって強襲揚陸艦はイゼルローン要塞に帰りついたのでしょうか?
ホント疑問です((+_+))
予定通り戦線は膠着しロイエンタールは援軍を要請
その後はロイエンタールが艦隊を小規模に分けて何度も繰り出しイゼルローン要塞をちょこまかと攻撃しますけど、また乱戦に持ちこまれるのを恐れたのかヤンは艦隊を出撃させず要塞の砲塔やトールハンマーで反撃するだけにとどめます。
その結果戦線は膠着。
ロイエンタールは帝国本国に救援を要請します。
これは自然な流れですけど、すべてラインハルトの脚本通り。
援軍の要請を待っていたラインハルトはミッターマイヤーらをイゼルローン回廊に派遣します。
もちろんミッターマイヤーが行くのはイゼルローン回廊ではありませんけど…。
まさかこのミッターマイヤー艦隊の目的地がイゼルローン回廊ではなく、もう一つの回廊なんて誰も予想できなかったでしょうね。
「帝国軍はイゼルローン回廊を突破しないと同盟領に侵攻できない」。みんなこの常識に囚われているので。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第43話を視聴し終わって
今回はここで終了です。
ヤンとロイエンタールの知恵比べ。
艦隊戦からの白兵戦という熱いシチュエーションですけどホント作画が残念です。
私が視聴しているのはDVD版。
これでもオリジナルに比べると作画がマシになっているのですけど、それでもところどころ見るに耐えないところがあります。
手直しするならもうちょっと全面的にやってほしかったですね。
まあだからこそアニメ版を再び作ることになったのかもしれませんけど。
今回のまとめ三行
- ヤンVSロイエンタール
- シェーンコップが歴史を変えるのに失敗
- いよいよ帝国軍がフェザーン回廊へ
銀河英雄伝説【旧OVA版】第44話「フェザーン占領」の感想 「フェザーンが占領され愚者が一人退場しました」
感想(ネタバレあり)
今回はフェザーンを帝国軍が軍事占領し、その混乱の最中ルビンスキ―とケッセルリンクの親子喧嘩が集結。
そしてユリアンの逃避行が始まるという内容でした。
ケッセルリンク呆気なかったですねえ。
ルビンスキ―の方が一枚も二枚も上手でしたわ。
フェザーン最後の日に親子喧嘩が決着する
ミッターマイヤー率いる帝国軍の来襲。
ルビンスキーとケッセルリンクはすべてを悟ったようです。
二人ともフェザーン回廊通過を帝国軍に認めるつもりだったようですが、それはイゼルローン回廊で帝国軍が苦戦した後のこと。
たぶん通行権を帝国へ高く売りつけるつもりだったのでしょう。
しかしそれもご破算です。
子分だったはずのボルテックが裏切り、帝国軍が予定よりも早く襲来してきた。
そしてそのうち帝国軍の武力を背景に権力者としてボルテックが乗りこんでくるはず。
ただボルテックはすぐにボロを出す。
ここまではルビンスキーとケッセルリンクの考えは一致。
でもそのボルテックを倒す役割を果たすのは誰か?
もちろん二人とも自分こそ、その役目に相応しいと思っているみたいです。
そしてここぞとばかりにルビンスキーを排除しようとするケッセルリンク。
ルビンスキーへ銃を向けますけど、ルビンスキーは余裕綽々。
それどころか「ルパート」とケッセルリンクをファーストネームで呼ぶ始末。
これにはケッセルリンク大激怒。
ファーストネームで呼ぶのは親しい間がらの人間だけ。
ルビンスキーはケッセルリンクの父親ですけど、権力と金を優先して自分と母親を捨てた憎い男。
大激怒して当然です。
もちろんそれをルビンスキーも分かっているはず。
でもルパートと呼びかけるのを止めません。
もう完全に喧嘩売っています。
ケッセルリンクもケッセルリンクもさっさと銃を撃てばいいのに、撃たずに言い返すだけ。
最後はケッセルリンクはルビンスキーの警護隊に撃たれてジエンド。
ケッセルリンクさんここで退場です。
実はケッセルリンクさんの情報、ドミニクを通じてすべてルビンスキーに筒抜け。
親父の女を寝取ったと思ったらまだ親父と通じていたというオチです。
ケッセルリンクはドミニクに遊ばれただけだったということですね。
ケッセルリンクの死亡後、警護隊の1人からこれからどうするかとルビンスキーが聞かれます。
冷笑ばかり浮かべるルビンスキーが一瞬だけ感情を露わにした顔を。
やはり自分の息子の死に何か思うところがあったのでしょうかねえ。
ユリアンの逃避行が始まる
フェザーンに進駐した帝国軍。
自治領主府、警察、放送局そして航路局などフェザーンの要衝の制圧を行います。
もちろん同盟の弁務官事務所も制圧の対象。
でも帝国軍が到着したときはもぬけの殻状態。
おまけに銃の自動発射装置でおちょくられる始末です。
そして一番大事な同盟の情報は全く入手できず。
制圧の司令官は踏んだり蹴ったりです。
これをを行ったのはもちろんユリアン。
帝国軍来襲を知ったユリアンが同盟の弁務官ヘンスロ―から許可を貰って一連の処置を行ったのです。
しかしユリアンは駐在武官で一番の下っ端。
普通ならもっと上の人間がやらなければいけないのに。
これだからトリューニヒト派は。
さて情報の消去を終わった後、ヘンスロ―の元へ報告に戻ったらヘンスロ―を置いて他の人間は逃げ去っていました。
ヘンスロ―に懇願されてヘンスロ―と共に逃亡することになるユリアンとマシュンゴ。
偉い荷物を背負いこみました。ただこれも駐留武官のお仕事ですからねえ。
でもヘンスロ―にも使い道がありました。
それは金づるです。
ヘンスロ―の金を使ってフェザーン脱出の算段を整えるユリアン。
フェザーンに来る前にヤンから結構な金額のお金を貰っていますけど、それを使わずヘンスロ―の金を使うユリアン、しっかりしてますわ。
ユリアンが見つけてきたのがフェザーン人のマリネスク。
ボリス・コーネフと共に第1期からちょくちょく登場していた人物ですけど、44話にしてようやく本編に絡むことに。
そしてマリネスクに逃亡の手助けをお願いするユリアン。
果たして成功するのでしょうか?
ラインハルトが銀河を手に入れるまであと一歩
一方の帝国軍。
ミッターマイヤーは布告を出して市民に対する暴行と略奪行為などを禁止するとともに、フェザーン商人の便乗値上げなども禁止させます。
まさに疾風ウオルフ。
この期に乗じて儲けようとしたフェザーン商人の機先を制します。
まあ物価が上がるとその非難は帝国軍に向かいますので、便乗値上げをさせないのも司令官の大事な仕事かもしれませんね。
またミッターマイヤーは婦女暴行を行い金品まで奪った帝国軍の兵士を許さず、すぐに処刑して綱紀粛正も忘れません。
この銀河英雄伝説ってどうしようもない指揮官がたくさん出てきますけど、その対極にあるのがこのミッターマイヤーですね。
ここまで模範的な指揮官いません。
このミッターマイヤーを配下にできただけでもラインハルトは果報者だと思います。
そのラインハルトもフェザーンに到着します。
そしてラインハルトが向かった先は航路局。
ここには同盟領の詳しい航路データが蓄えられています。
つまり同盟のアドバンテージである地の利を無効化したも同然なのです。
同盟領の航路データを見ながら友との約束を想うラインハルト。
こういうシーン見るとジークカイザーと叫びたくなるかもしれませんね、帝国贔屓の人は。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第44話を視聴し終わって
今回はここで終了。
フェザーンを占領したことで、同盟侵攻の足掛かりを得ることができました。
同盟軍が誇るペテン師はイゼルローン要塞に釘付けですし、同盟の制服が一歩近づいた感じですね。
これで帝国軍も油断してくれればいいのですが、油断するのは二線級以下の雑魚提督ぐらいですから。
帝国軍は人材揃い過ぎでチートです。
メルカッツだけでなく、あと数人同盟に優秀な提督分けて欲しいですわ。
今回のまとめ三行
- フェザーン占領
- 親子喧嘩はハゲ親父の勝利
- ユリアンはフェザーン脱出を準備
銀河英雄伝説【旧OVA版】第45話「寒波到る」の感想 「フェザーンが占領されて同盟軍がブラックな職場に」
感想(ネタバレあり)
今回はフェザーン占領に対する同盟のリアクションの話です。
当然同盟は大混乱ですけど。
でもこういう時に人って覚醒するのですよね。
今回で言えば国防委員長のアイランズ。
ただの政治業者と思っていたのに覚醒し過ぎですわ。
政治業者がまともな政治家に覚醒
新年のパーティ―でお祭り気分の帝国軍。
ペテン師はイゼルローン要塞に閉じ込めているし、同盟軍には兵力無いし、勝ったも同然と考えるのが普通です。
ただ帝国軍首脳部は楽観視していません。
同盟軍が窮鼠になる可能性があり、どうやって撃退するかいろいろ思案したようです。
その結果導き出されたのが双頭の蛇。
兵力を分散したように見せかけて、各個撃破を目論む同盟軍が双頭の一方を襲ったら、その背後からもう一方の頭で攻撃するという意味だと思います。
しかし現状帝国軍は圧倒的優位。
そんな小細工しなくても良いと思いますけどね。
首都星ハイネセンに進撃すれば嫌でも迎撃に出てくるでしょうから。
さて一方の同盟政府。
フェザーンが占領されたとの情報が入って来て大混乱です。
とても新年を祝う気分ではないでしょう。
議会では最高評議会議長以下閣僚たちが対策を練っていると思ったら、肝心の議長であるトリューニヒトが議会をバックレ。
さっさと責任放棄して雲隠れです。
おそらく天性の感が働き、今は逃げた方が良いと判断したのではないでしょうか。
さすがの一言です(棒読み)。
そういえば救国軍事会議によるクーデターの時も逃げ回って漁夫の利を得てましたね。
今回も同じこと考えているのでしょうか?
議長がバックレたのですから議会がグチャグチャになっても不思議ではありません。
ところが議長の腰巾着と思われていた国防委員長のアイランズが覚醒。
議会を上手く誘導して同盟の瓦解を食い止めます。
そればかりか天敵だったはずのビュコックの元を訪れて協力を要請するまでに。
こっちは良いの方の手のひら返し。
本当の危機に直面して政治業者が政治家になったのです。
危機に直面した時どういう行動を取るかによって人の評価は変わります。
小説版では確かアイランズに関して「半世紀の惰眠を貪ったけど、半年の覚醒で後世に名を残した」という類の記述があったと思いますが、こうならなかったならアイランズの名前は歴史に残らなかったでしょうね。
イゼルローンを放棄させて兵力活用
ただアイランズが覚醒しても同盟軍の兵力が劇的に増える訳でありません。
同盟軍による帝国領侵攻作戦前には、同盟軍は10個艦隊を擁していました。
しかしアムリッツア会戦とその前哨戦で出撃しなかった第1艦隊、第11艦隊、そして出撃した後再編されたヤン艦隊以外はほぼ消滅。
その後クーデター騒ぎで第11艦隊も崩壊。
結果ヤン艦隊以外で残っているまともな戦力が第1艦隊のみというお寒い状態です。
さすがにこのままではどうしようもないので統合作戦本部は各星系の守りを放棄。
兵力を搔き集めて第14艦隊と第15艦隊を再編成します。
艦隊司令にはモートン提督とカールセン提督が任命されますけど、この二人は士官学校を出ていない非主流派。
こんな緊急事態にならないと有望な人材を活用できないなんて同盟軍もだいぶ官僚化が進んでいたのですね。
さて同盟軍としては近い将来、確実に来襲するであろう帝国軍を迎撃するために準備を始めますけど、時間が無いために同盟軍がブラック職場化してしまい、倒れる人続出状態。
とうとう総参謀長とビュコックの副官まで倒れてしまいます。
倒れた人材は使えませんので倒れた総参謀長と副官を更迭して新たな人物を登用します。
それがチュンウーチェンとスールだったのですけど、まさかのこれが大当たり。
災い転じて福となすといった感じでしょうか。
まあ優秀な人材が帝国に偏り過ぎなのでこれぐらいは大目に見てもらわないと。
さて総参謀長になったチュン少将、イゼルローン要塞の放棄を提案します。
今のままならイゼルローンを死守したヤンの名声は上がりますけど、ヤン艦隊自体遊兵化してしまい同盟軍になんら益がないと。
ビュコックはこの意見を採用し、事実上イゼルローン要塞の放棄が決定。
ヤンには好きにしていいよと言いますけど、当然ヤンもイゼルローン要塞放棄に傾きます。
準備が一応整った同盟軍はハイネセンを進発、帝国軍迎撃に向かいます。
一方帝国軍の先陣が同盟領へ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第45話を視聴し終わって
今回はここで終了。
まあこれ以外にも銀河帝国正統政府の反応なんかもありましたけど、あんなもん付けたしですから注目する必要ありません。
同盟が負けたら問答無用で潰される存在ですし。
さて同盟軍と帝国軍との決戦は近いです。
果たしてどういう結果になるのか、次回以降も楽しみですね。
今回のまとめ三行
- 帝国軍はハッピーニューイヤー
- 同盟政府は大混乱
- 同盟軍がようやく本気出す
銀河英雄伝説【旧OVA版】第46話「ヤン提督の箱舟隊」の感想 「ヤンがイゼルローン放棄しましたけどそれ以上にロイエンタールの言動や野心が…」
感想(ネタバレあり)
今回のメインはヤンがイゼルローン要塞を放棄するところ。
ただイゼルローン要塞の放棄より目が行くのは「ロイエンタールの言動と野心」ですよね。
第26話のラインハルトとの会話の後、何かが変わってしまったロイエンタール。
「キルヒアイスが生きていれば」と思いたくなりますわ。
帝国軍に勝利するために敢えてイゼルローン要塞を放棄
同盟軍宇宙艦隊司令部より「好き勝手やっていいよ」という訓令文がヤンの元へ送られてきます。
それを見たヤンはイゼルローン要塞を放棄を決定。
すぐ部下達に伝えました。
ムライやシェーンコップは翻意を促しますが、ヤンの決意は変わりません。
ヤンとしては同盟軍唯一の勝機を逃さないためヤン艦隊を自由に動かせるようにしたいみたいです。
ヤンが勝利できるかもと思っている理由。それは「ローエングラム公が独身」だから。
初め聞いたときは何のこっちゃと思いましたけど、後々その真意がわかります。
あと数話待ちましょう。
魔術師ヤンの被害者がまた一人増えた
さてヤンが要塞に固執しないだろうというのは一流の将帥たちの一致した意見。
ラインハルトもロイエンタールも同じ意見ですけど、所詮戦術家に過ぎないレンネンカンプには理解できないようです。
レンネンカンプ曰く、「イゼルローン要塞を死守しれば武名が上がるのにわざわざ放棄する訳ない」と。
ヤンの性格を考えれば「名より実を選ぶ」というのは視聴者ならわかります。ただレンネンカンプはヤンの人となりがわかりませんからね。
それにレンネンカンプはあくまで「武人の範疇でしかものを考えることができない人物」ですし。
そりゃあロイエンタールから侮蔑の目で見られますわ。
ロイエンタールは簡単に要塞を放棄させないように嫌がらせみたいな攻撃を続きます。
さすがにこのままだとまずいと思ったのか、ヤンはアッテンボローが立案した作戦を認可してレンネンカンプ艦隊に痛撃を与えます。
その作戦とは古い輸送船に爆発物を仕掛けて輸送船を拿捕しようと近づいた帝国軍もろとも木っ端みじんにしようというもの。
この作戦でレンネンカンプ艦隊は2000隻もの損害を出し、さすがにレンネンカンプも大人しくなります。
この作戦により、帝国軍としては要塞から輸送船が大量に出てきてもまた策かもしれないと思って近づこうとしないでしょう。
たぶん作戦を認可したヤンもそのことを考えていたと思います。
結果的にヤン艦隊は帝国軍の妨害を受けることなく、イゼルローン要塞を放棄して同盟領方面へ逃走します。
ただ放棄する際いろいろ要塞に仕掛けてきたようですね。
爆弾以外にも。
これが明らかになるのはヤンがイゼルローン要塞を再奪取するとき。
まあこの話は後々することになるでしょう。
何か今回はこういうのばっかりな気が。
「ならばおまえも国を奪ってみろ」というセリフはロイエンタール自身に向かってのものだった?
さてヤン艦隊が夜逃げして空っぽになったイゼルローン要塞。
当然ロイエンタール率いる帝国軍が拾って、仕掛けられていた爆弾を処理して事無きを得ますけど、ロイエンタールは何か腑に落ちない様子。
何か仕掛けられていても自分が被害者にならないのならいいかと思うロイエンタール。
あんたそう思うならトコトン調査しろよ、例えばメインじゃない指令所のコンピューターとか。
そして最後の場面、物資をちょろまかした士官をロイエンタール自ら処刑しますけど、この士官が処刑される前に言った一言が胸に刺さります。
「ローエングラム公も国を奪う悪党ではないか」。
それに対するロイエンタールの答えは「ならばお前も国を奪って見ろ」。
そして処刑が終わった後にもう一度、「そうだ。ならばお前も国を奪って見ろ」と心の中で独語するのです。
2回目はロイエンタール自身に向けた言葉でしょう。
最初はキルヒアイスを失い変わってしまったラインハルトに対する失望だったのかもしれませんけど、もうこの段階では野心に変わってしまっています。
今回振り返ってみれば、生まれてきたのだから可能な限り…と夢の中で思ったり、自身を獲物を狩ってしまわない猟犬に例えてみたり、ロイエンタールの叛意を表すような言動や思考が多かったように思います。
実際ことが起こるのはまだ先ですけど、もうロイエンタール自身、この段階で自分の野心をコントロールできなくなってきている感じですね。
次回はフェザーン脱出を企てるユリアンの話です。
次回も楽しみですわ。
今回のまとめ三行
- ヤンがイゼルローン要塞放棄を決める
- レンネンカンプが策に嵌り大損害
- そうだ。ならばお前も国を奪ってみろ
銀河英雄伝説【旧OVA版】第47話「自由の宇宙を求めて」の感想 「ペテン師の弟子はやっぱりペテン師でした」
感想(ネタバレあり)
今回のメインはユリアン。
フェザーン脱出には成功しましたが、同盟領に逃げ込む直前でピンチに。
しかしユリアンはヤンの一番弟子。
ヤンのやったことを応用してユリアンが危機を脱することに成功する。そういうお話になります。
イゼルローン要塞奪取の手法を応用して危機脱出
フェザーンに潜伏し、同盟本国帰還のチャンスを待つユリアン。
そのユリアンが外出したとき、フェザーンにいたラインハルト一行と遭遇します。
車のガラス越しでしたが目が合うユリアンとラインハルト。
アニメではよくあるベタなシーンですね。
ユリアンは偶々近くにいたマリネスクに誘われてマリネスクの客という男と出会います。
男の名前はデグスビイ。
そうケッセルリンクが女と金と薬で篭絡した地球教の司教。
まだ生きていたようです。
マリネスクとしてはユリアンを運ぶだけでは採算が合わないので、デグスビイを含む地球教の人間も運んで帳尻を合わす算段の模様。
「ロクなことにならない気がしますけどねぇ」と最初見た時思いましたけど、結局何も起こりませんでした。
さてデグスビイがマリネスクの手引きでフェザーンを脱出するという知らせはなぜか潜伏中のルビンスキーの耳にも入ります。
腐っても元自治領主。
いろいろな情報が集まっているのでしょうね。
そのデグスビイのことから自分が殺した息子のケッセルリンクの話に。
ケッセルリンクを騙していたドミニクからかなり辛辣なことを言われても冷笑しているルビンスキー。
自分の息子を殺したことを何とも思わないくらいのタフな精神がなければフェザーンの自治領主なんてできなかったのでしょうね。
そりゃあ激高しやすかったケッセルリンクではルビンスキ―に勝てませんわ。
ヤンの策を焼き直してピンチを脱出するユリアン
そのルビンスキーの代わりにフェザーンの代表の座についたボルテック。
早速帝国に媚を売る政策を実施します。
帝国軍の戦闘用艦艇にフェザーン人を乗せて帝国軍の臨検に協力させ、密航者を取り締まる政策を実施したのです。
フェザーン人だったら同じフェザーン商人の顔などを知っているので旅券の偽造などをすぐに見破ることができます。
また帝国軍が知らないフェザーン人だけが知っている秘密のルートなどにも網を張ることができるでしょう。
ただこれをやったらフェザーン人の恨みを買うでしょうけど、ボルテックにしてみればそんなこと屁にも思っていないのでしょうね。
最近世間を賑わせていた某都知事みたいに。
そんなボルテックの政策の割を食ったのがユリアンたち。
折角フェザーンを脱出したのに網を張っていた帝国軍の駆逐艦に発見されてしまいます。
万事休す。
誰もそう思っている中、ユリアンだけは冷静です。
かつてヤンがイゼルローン要塞を落とした手法をマリネスクたちに説明するユリアン。
説明したのは当然実行するから。
そしてこの策が見事にハマり、のこのこ出てきた駆逐艦の艦長を人質にして呆気なく駆逐艦を占領。
その手際の良さといったらイゼルローン要塞奪取を実際に行ったシェーンコップも舌を巻くかもしれません。
ペテン師の弟子はやっぱりペテン師だったと思わずにはいられませんね。
あと今回ラインハルト命のショタ、エミールが初登場しました。
声をやっているのは置鮎龍太郎さん。
置鮎さんてこんなショタ声もできたのですねえ。
まあでも20年以上前の作品ですから今は無理かも。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第47話を視聴し終わって
今回はここで終了。
次回は帝国軍と同盟軍がランテマリオ聖域で激突するお話です。
アムリツァ会戦以来の同盟と帝国の大規模な艦隊決戦。
地の利は同盟軍、戦力は帝国軍が有利ですが、どういう結果になるのでしょうねえ。
今回のまとめ三行
- ユリアンたちがフェザーンを脱出
- ケッセルリンクを消したことに何ら後悔がないルビンスキー
- ペテン師の策を応用してペテン師の弟子が危機脱出
銀河英雄伝説【旧OVA版】第48話「双頭の蛇~ランテマリオの決戦~」の感想 「またラインハルトの完勝の邪魔をするペテン師」
感想(ネタバレあり)
さあ、同盟軍と帝国軍の決戦です。
地の利を有する同盟軍、圧倒的な兵力を誇る帝国軍。
勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか?
まあ、戦力が違いすぎて地の利ぐらいでは劣勢を跳ね返すのはほぼ無理ですけどね。
同盟軍新兵の蛮勇が帝国軍を翻弄する結果に
兵力で劣る同盟軍の戦略。
それは帝国軍を分断して各個撃破を図ることです。
帝国軍も想定しているこの手を使うしかありません。
何しろ同盟軍は3個艦隊3万2000隻に対して、帝国軍は7個艦隊10万隻以上。
帝国軍のセリフから兵力の差は約5倍みたいですので、実際の帝国軍の兵力は15万隻以上と推定されます。
とても正面からぶつかって勝てる相手ではありません。
そのため同盟軍の宇宙艦隊司令長官のビュコックは、各個撃破しようとミッターマイヤー艦隊に襲い掛かります。
でもここで意外な状況に。
新兵が多い同盟軍は予想に反して余力を残さず帝国軍に突っ込んだため、帝国軍が適切な対処ができなくなったのです。
この状況って第3次ティヤマト会戦の第11艦隊に似ていますよね。
あの会戦で第11艦隊は他の艦隊との連携せず、持てる力をすべて帝国軍にぶつけて帝国軍を翻弄しました。
まあ結果的にラインハルトの逆撃を被って第11艦隊は司令官以下多大な損害を出してしまいしたが。
その時第11艦隊の暴走を止めることができなかったのが、当時第5艦隊司令だったビュコック。
あの時と同じような状況になるとはホント皮肉です。
でも今度はビュコックもしっかりと暴走を止めます。
暴走した2つの分艦隊を通常位置に戻らさせることに何とか成功させるビュコック。
しかしやられっぱなしだった帝国軍もこの気を逃さず反撃。
ミッターマイヤー艦隊だけでなく他の帝国軍艦隊も殺到してきたため、ビュコックは各個撃破を放棄します。
ビッテンフェルトの攻撃力がチート過ぎる
ビュコックが選択した次善の策。
それはランテマリオ星系第1惑星の軌道上まで後退して負けない戦いに徹することです。
ビュコックとしてはここで時間を稼ぎ、ヤン艦隊が来援することに最後の望みを託します。
もちろんそんなことは帝国軍も承知していますのでさっさとかたをつけるべく、包囲殲滅戦を仕掛けます。
しかし同盟軍が立てこもったランテマリオ星系第1惑星の軌道上はエネルギー潮流が流れており、艦艇が簡単に渡ることができません。
つまり同盟軍はエネルギー潮流に四苦八苦している帝国軍を潮流の外から狙い撃ちすればいいだけ。
さらに同盟軍は帝国軍の艦艇の動力部分だけを狙って攻撃。
動けなくなった帝国軍の艦艇を盾代わりに使うという策まで用いて時間稼ぎに徹します。
ここにきてラインハルトも決着を付けるべく予備兵力であるビッテンフェルト艦隊を投入します。
予想通りエネルギー潮流で進撃速度が落ちて狙い撃ちされるビッテンフェルト艦隊。
普通の艦隊ならエネルギー潮流を渡り切ることに全力を尽くしますけど、攻撃こそ命であるビッテンフェルト艦隊は潮流の中で反撃。
ビッテンフェルト艦隊の反撃に同盟軍は大損害を被り、反撃するだけの戦力を喪失してしまいました。
どんだけ攻撃力高いんだビッテンフェルト艦隊は。
もう完全にチートです。
思えばビッテンフェルト艦隊はヤンでさえ手を焼いた相手です。
ビッテンフェルト艦隊を正面から受け止められたのは、惑星リューゲンで彼らと戦ったウランフ中将率いる同盟軍第10艦隊ぐらいなもんです。
それ考えるとあの時ウランフが戦死したのは痛かったですわ。
帝国軍に傾いた流れを押し戻したのはやっぱりペテン師でした
このままいくと同盟軍は壊滅し、帝国軍の完勝となるのは時間の問題…と思った時、奴が現れます。
そうイゼルローン要塞を捨てたあのペテン師です。
当然今回も最後の最後に出てきて同盟軍の全面崩壊を防ぎます。
第4次ティヤマト会戦、アスターテ会戦、アムリッツア会戦、そして今度のランテマリオ会戦。
これで4度目。
4度も完勝の邪魔をされたラインハルト。
喧嘩っ早いラインハルトでなくてもムカつきますわ。
またそれだけではありません。
最後の最後でフェザーンに行っていたあの人がヤン艦隊に合流するし。
これって帝国軍に傾いていた流れを完全に押し戻すだけの効果があります。
まあ物語だからこうしないとダメなんでしょうけど、帝国軍のファン方からすればイライラする状況でしょうね。
ヤンに美味しいところを持って行かれたので。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第48話を視聴し終わって
今回はここで終了。
ヤン艦隊は首都星ハイネセンに向かい、帝国軍は惑星ウルヴァシ―を占領して根拠地とします。
果たして戦局はこの先どっちに転ぶのでしょうか?
次回が楽しみです。
今回のまとめ三行
- ランテマリオ聖域で同盟軍と帝国軍が激突
- ビッテンフェルト艦隊はチート
- ユリアンが帝国軍の駆逐艦を手土産に帰参
銀河英雄伝説【旧OVA版】第49話「闇が深くなるのは…」の感想 「地球教とラインハルト奇病、それぞれのフラグが立ちました」
感想(ネタバレあり)
今回のメインはヤン艦隊に同盟軍残存勢力とメルカッツ率いる銀河帝国正統政府軍が合流し、人的にヤン艦隊がパワーアップしたことですけど、同時にいくつかフラグが立ちました。
ヤンとラインハルト両方に死亡フラグが立つなんて。
年金のために頑張るアニメの主人公は見たことない
同盟を存続させるためにはどうするか?
ヤンが出した結論は戦術的勝利を積み重ねて最終的に戦略的勝利を勝ち取る。
つまり戦場でラインハルトを倒すと。
ローエングラム公(ラインハルト)は独身。
これが最大の狙い目。
ヤンが以前から何回か言ったことですけど、今回ようやくその意味が語られます。
ラインハルトに妻子がいれば、仮にラインハルトが死んでも部下たちはその妻子を盛り立てて一致団結できる。
しかし実際妻子がいないのでラインハルトが死ねば部下たちの忠誠がいなくなってしまい、おそらく仲違いを始めるだろうと。
要はナンバー2がいないことが狙い目ということです。
妻子がいなくてもナンバー2がいればそのナンバー2を中心に帝国軍が纏まるかもしれないので。
昔キルヒアイスが生きていた頃、オーベルシュタインはナンバー2不要論をラインハルトに説いていましたけど、このナンバー2不要論が結果的にヤンを助けることになるかもしれません。
オーベルシュタインはナンバー1が失った場合のことまで考えていたのでしょうかねえ。
でも実際のところ、戦場でラインハルトを倒すのは難題です。
だってラインハルトは敵の総大将。戦場に出てこないが普通なのです。
しかしラインハルトは部下が不甲斐ないと自分で何とかするタイプ。
部下がヤンに負け続けると絶対に自分で何とかしようと思うはず。
そうヤンは見立てているようです。
普段やる気がないヤン元帥(今回大将から昇進しました)ですけど、今回ばっかりは頑張らなければいけません。
ラインハルトを倒して同盟を存続させないと年金が貰えなくなるので。
こういうことを真面目に言うところがヤンの面白いところですけど、実際はヤンの気持ちはどんなんでしょうねえ。
仮にラインハルトを倒して同盟を存続させたら、それはトリューニヒトの政治生命を助けてやることになります。
トリューニヒトは、たぶん同盟が助かれば、しばらく帝国軍が攻めてくることもないので安心してヤンを排除しようとするでしょう。
ヤン自身そうなることは薄々予想しているはずです。
でも帝国に支配されるよりはまだマシと考えているのでしょうか?
アニメ版でも原作でもこの辺のことは語られていないので推測するしかありませんけど。
ヤンとユリアンの再会!そして語られる地球教のこと
さてヤンは駆逐艦を奪取して帰還したユリアンと久しぶりの食事です。
ヤンもユリアンも何かうれしそうな顔しています。
もう普通の親子って感じもしますね。
そんな楽しそうなお食事会ですけど、ユリアンは結構大事な話をします。
ひとつはヤンの親友ボリス・コーネフのこと、もうひとつは地球教のこと。
特に後者は最重要です。
ユリアンはベリョースカ号に乗船していた地球教の司教であるデグスビィから、地球教のこととフェザーン上層部のことを聞いたらしく、それをヤンに伝えます。
これまでヤンと全く関係無かった地球教がヤンと絡む出すフラグですよね、これって。
最終的に地球教はユリアンの不倶戴天の敵になりますけど、まだこの時は知りません。
まあ、ユリアンがここで地球教の話をヤンにしなったとしてもどうせ地球教はヤンを狙っていたでしょうけど。
それにしてもあのデグスビィってお喋りだったのですね。
いくら相手がコミュ力の塊のようなユリアンだったしても大事なこといろいろ漏らしすぎです。
一応デグスビィは病死したようですけど、口封じで殺されたのでと思ってしまいます。
ラインハルトに病気フラグが立つ
その一方帝国軍には、イゼルローン要塞を奪取したロイエンタールとレンネンカンプが合流します。
これで帝国軍は将兵2000万戦闘用艦艇18万隻というトンデモナイ戦力になりました。
ちなみに同盟軍が帝国領に侵攻した時の戦力は将兵3000万戦闘用艦艇8個艦隊20万隻でしたからそれにほぼ匹敵します。
それに対して同盟軍はヤン艦隊15000隻プラス第14、第15両艦隊の残存戦力だけ。
ほとんどムリゲーですけど、ここからがヤンの腕の見せ所です。
そういえばラインハルトが発熱して休養を取る描写もありましたね。
まだ医学生でもないエミールに将来ラインハルトの侍医にしてやるという空手形の発行も気になりましたけど、それ以上にラインハルトが発熱したことが重要です。
後々ラインハルトが体調面を崩す描写が増えていきますけど、今回初めて病気のフラグが立ちました。
この病気に関しては後々いろいろなことに影響を与えることになりますけど、最初見た時はそうなるとは思ってもみませんでしたわ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第49話を視聴し終わって
今回はここで終了。
戦いの間のインターバル回でしたけど、ヤンと地球教、ラインハルトの奇病、二つのフラグが立った重要な回だったと思います。
主人公達に死亡フラグって不吉すぎるでしょ。
次回からはヤン艦隊の帝国軍狩りが始まります。
一体どの提督がペテン師の犠牲になるのか?
次回も見逃せませんわ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第49話のまとめ三行
- ヤンの目的はラインハルト倒して帝国軍を空中分解させること
- ヤンが地球教に注目する端緒をユリアンが作る
- ラインハルトの奇病の兆候が
銀河英雄伝説【旧OVA版】第50話「連戦」の感想 「ヒャッハー!!帝国軍を狩ろうぜ」
感想(ネタバレあり)
今回のお話はラインハルトを引きづり出すためにヤンが頑張るお話。
艦隊のダブルヘッダーなんてポプランでなくても愚痴を言いたくなりますわ。
ヤンは最初に帝国軍の輸送艦隊を襲撃
ラインハルトを戦場に引きずり出すには、部下の提督たちを破ってラインハルトを怒らせるしかない。
そう考えたヤンは帝国軍に対する攻撃を開始します。
当然強い奴は狙いません。
49話でヤンがシェーンコップに言った通り、強い奴と戦うとたくさんの犠牲が出ますし何より効率が悪くなりますから。
そして強くない敵として最初に目を付けられたのは、帝国軍の輸送艦隊。
アムリッツァ会戦では帝国軍キルヒアイス艦隊の攻撃により、同盟軍の輸送艦隊が襲われ全滅していますが、今回は帝国軍と同盟軍の攻守が入れ変わっていますね。
またアムリッツァ会戦の時の同盟軍輸送艦隊の司令官は油断しきってましたが、今回の帝国軍の輸送艦隊の司令官も油断しきってあくびまでしています。
まさにフラグ。
たぶんヤン自身は輸送艦隊の司令官が誰であるか知ってて攻撃した訳ではありませんけど、結果的に無能な奴だったのでヤン艦隊はいらん損害を出さずに済みした。
ちなみにこの輸送艦隊の司令官はゾンバルト少将。
フェーザーンで開かれた新年を祝うパーティ―で、トゥルナイゼンとミューラーの悪口を言っていた奴です。
他人の功績を認めない奴ほど実戦では役に立たないという公式は今回も成立しました。
まあ輸送艦隊なので、ヤン艦隊に狙われたらまともに交戦なんかできないでしょうけど、少なくともすぐに味方に連絡していれば、味方の来援でヤン艦隊を拘束できたかも。
そして少なくない損害をヤン艦隊に与えることができたかもしれませんね。
しかしゾンバルトはそれをせず、ヤン艦隊に好き勝手にやられただけで終了。
さらにゾンバルト自身は生き残るという醜態をさらすことに。
もともとこの輸送任務はゾンバルトが自分で志願した任務。
さらに、「失敗したら綱紀粛正のために自分の命指し出すよ」と自分でフラグ立ててますから、救い様がありません。
ラインハルトはゾンバルトに自裁を命じて、ゾンバルト少将の人生はここで終了となりました。
ある意味ザマァですわ。
艦隊戦のダブルヘッダー発生!!
さて今回の件でラインハルトはヤン艦隊が同盟制圧の足かせになることを強く実感します。
そのためシュタインメッツにヤン艦隊の捜索を命じることに。
ここで大事なのはシュタインメッツが受けた命令は、あくまでヤン艦隊の所在を探すという捜索であること。
つまりヤン艦隊を見つけたら無理に戦闘する必要は無いのです。
ラインハルト自身、ヤン艦隊の所在が分かれば全軍を挙げて討つと言っていますし。
ただシュタインメッツとしてはヤン艦隊殲滅という武勲に目が眩んだのでしょうねえ。
この頃になると最大の武勲=ヤンの首という認識でしょうから、シュタインメッツ自身出世するためには
是が非でもヤンの首が欲しい。
その結果、ヤン艦隊を見つけた時点でラインハルトに報告する一方、シュタインメッツ艦隊はヤン艦隊が待ち受けるライガール星系とトリプラ星系の中間宙域に向かいます。
ここは通常航路から外れているらしいのでその時点でヤンの罠である可能性が高いのですけど、武勲しか見えないシュタインメッツはあえて無視したのかもしれません。
それと帝国軍の提督って若い提督が多く、自分の能力に自信をもっていますから、たぶんシュタインメッツも自分ならヤンを倒せると思ったのでしょう。
でも残念ながらヤンの方がやっぱり一枚上手でした。
ブラックホールの前面に陣取るヤン艦隊。
凸形陣の陣形を取っています。
これに対してシュタインメッツ艦隊は包囲殲滅するために凹形陣を取ることに。
シュタインメッツやその幕僚たちは、ヤンが背水の陣を敷いて、後背から攻撃を受けないようにしている。
また味方をあえて不利な状況において士気を鼓舞しようとしていると考えましたけど、残念ながらヤンの狙いは違いました。
ヤンの狙いはあくまで敵陣の中央突破。
そして背面展開して帝国軍を逆にブラックホールに追い落とすつもりだったのです。
最初から凸形陣を敷いたのは、シュタインメッツ艦隊に凹形陣を敷かせて中央突破をしやすくするためだったようですね。
まんまと騙されたシュタインメッツは再度の形成逆転を狙って今度は自分たちが密集陣形を敷いてヤン艦隊中央を突破しようとしますが、艦隊が密集した途端、ヤン艦隊の十八番、ピンポイント攻撃がシュタインメッツ艦隊にさく裂します。
これを防ぐ手立てがないシュタインメッツは散開を命じますけど、そうすると今度はヤン艦隊から圧迫を受けてズルズルとブラックホールに押しこまれるだけ。
万事休す。
シュタインメッツは交戦を諦め、被害が出るのを覚悟でヤン艦隊前面で回頭してブラックホールから脱出します。
ここで勝負あり。
ヤン艦隊の勝利です。
しかし喜んでいる時間はありません。
シュタインメッツからの連絡でラインハルトはレンネンカンプ艦隊を派遣してきたのです。
ヤン自身はすぐに逃げるつもりでしたが、迫ってくるのがレンネンカンプ艦隊だと知るとまた何かを思いついたようです。
レンネンカンプ艦隊がヤン艦隊がいる宙域に達するとヤン艦隊はわざとらしく撤退を開始。
レンネンカンプはすぐに追撃を命令しますけど、すぐにその命令を撤回し、距離を保つよう改めて命令します。
でも短時間で命令が変わると当然現場は混乱します。
その混乱を見逃さず、ヤン艦隊は逆襲に転じ、レンネンカンプ艦隊はそのまま潰走。
その間にヤンは本格的に逃げ出して戦闘終了。
結果ヤン艦隊は勝ち逃げに成功しました。
レンネンカンプはイゼルローン要塞攻略戦でヤンとアッテンボローの仕掛けた罠にはまり、2000隻の損害を出しています。
だからわざとらしい撤退が罠であると思ったのでしょうねぇ。
なまじ同じ失敗をしないタイプだったことが仇となった感じです。
でも長い目で見るとヤンの方が失敗したことになりますねえ。
今回のことでレンネンカンプはかなりヤンを恨むようになってしまい、
このことが後にヤンの年金生活を潰すきっかけとなるのですから。
結果的に今回は艦隊決戦のダブルヘッダーとなった訳ですけどそれにポプランが不平を言います。
命を張っていますから不満を言うのは分かりますけど、アスターテ会戦では帝国軍は実質トリプルヘッダーだった訳ですからねえ。
第6艦隊との戦いは後方から襲っただけでそれほど消耗しなかったでしょうけど、第4艦隊と第2艦隊との艦隊戦は正面からぶつかったので帝国軍も心身ともに消耗したはずです。
途中でタンクベッド睡眠をとっても。
まあこういう不満を自由に言えるのが民主国家の良いところです。
専制国家の帝国ではこんな批判は表だってできないでしょうから。
まさにビバ!!デモクラシーですわ。
ラインハルトがいよいよヤンの前に出てくる?
ヤンと戦い敗北したシュタインメッツとレンネンカンプにラインハルトは冷たく当たります。
いわゆるけん責処分というやつですね。
これぐらいで済むなんて二人ともついてます。
アムリッツァ会戦で失敗したビッテンフェルトはキルヒアイスがいなければたぶん自決されられていたでしょうから。
それに直前にゾンバルトは1回の失敗で自裁させられましたし。
その後ヤン艦隊の被害者リストにもう一人記載される者が出てきます。
それはワーレン。
輸送艦隊を潰されたことでワーレンは同盟軍の補給基地を襲って物資を奪うことをラインハルトに提案して認可されます。
そしてワーレンが出撃すると運良く(?)同盟軍の輸送船団を発見。
輸送艦多数の奪取に成功します。
しかしこんな偶然起こる訳ありません。
当然すべてヤンの仕掛けた罠。
輸送船の中は液体ヘリウムでいっぱい。
敵が潜んでいると考えたワーレンが輸送船を攻撃すると大爆発を起こし、ワーレン艦隊は陣系が崩れるぐらいに大混乱。
そこにヤン艦隊がやってきて一撃を食らわせてワーレン艦隊は大損害を食らい、すぐにワーレンは潰走して戦闘終了。
今回もヤン艦隊の勝利です。
でもこの策ってイゼルローンでヤンとアッテンボローがレンネンカンプを引っ掛けた奴を少しアレンジしただけですよね。
それをワーレンが知らなかったって。
帝国軍では戦訓の共有が進んでいないのでしょうか?
それともワーレンが怠惰だっただけ?
ともかくワーレンもやられたことでさすがのラインハルトも我慢できなくなっています。
部下の提督たちもそれに気付いて善後策を練りますけど良い案が浮かびません。
と言いたいところですけど、結局ビッテンフェルトが提案したヤン艦隊を無視してハイネセンに向かうというものがたぶん一番効果があるのですけどねえ。
まあ、帝国軍の提督たちはヤンの性格を知りませんのでまさかそんな手でヤンを無力化できるなんて想像できないのでしょうけど。
そんな提督たちにラインハルトは自分を囮にしてヤン艦隊をやっつける策を披露します。
わざわざワインと大量の紙を使って策を説明するところがラインハルトらしいですね。
たぶんラインハルトがこの策に自信があるのでしょう。
そして行動に移る帝国軍。
ロイエンタールだけが物騒なことを考えていますけど。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第50話「連戦」を視聴し終わって
今回はここで終了です。
さあ次はとうとうヤンとラインハルトの直接対決です。
ラインハルトは自信満々ですが、今度の相手は同盟のペテン師です。
正直戦術家としてはヤンの方がラインハルトより優秀だと思いますから、ラインハルトの策も…。
今回のまとめ三行
- ラインハルトの部下をやっつけてラインハルトを怒らせる作戦発動
- ヤンはゾンバルト、シュタインメッツ、レンネンカンプ、そしてワーレンを撃破
- ラインハルトがヤンを罠にはめる策を考える
銀河英雄伝説【旧OVA版】第51話「バーミリオンの死闘(前編)」の感想 「とうとう始まる直接対決!でも今回のメインはヤンの求婚ですぜ」
感想(ネタバレあり)
ラインハルトとヤン。
アスターテ会戦以来直接対決が始まります。
ただ今回のメインはヤンのフレデリカに対する求婚でしょう。
最終決戦前のプロポーズ。
今までずっと見てきた視聴者からすれば「遅すぎだろ」と思わずにはいられません。
まあ、プロポーズするだけまだマシと思う人もいるでしょうけど。
フレデリカの気持ちに気付いていながらヤンが踏みきれなかった理由
ヤンの元にラインハルトとその部下たちが一斉にガンダルヴァ恒星系を進発したという情報が届きます。
「これは罠である」とヤンも認識してますが、同時にヤンにとっては待ち待った瞬間でもあるのです。
ヤンの基本戦略は「ラインハルトを戦場で倒し、帝国軍が内部分裂している間に同盟を再建すること」。
そのためにはどうしてもラインハルトを前線に引きずり出す必要があります。
そして前線引きずり出すには、ラインハルト自慢の部下たちに連戦連勝してラインハルトのプライドを傷つけて怒らせるしかない。
そう考えて前回ヤンはシュタインメッツたちを撃破しました。
それが功を奏し、ようやくラインハルトを前線に引きずり出すことに成功したのです。
おそらくヤンがラインハルトと戦端を開いた途端、ミッターマイヤーたちが転進してヤンの後背を襲うのは確実。
でもこのチャンスを逃すとたぶん次はありません。
だからこそヤンは今回にすべてを掛けることにしたのです。
一番信用しているユリアンが反対しても…。
さてヤン自身、ずっとやらなければいけないと思いながら踏ん切りが付かなかったことの決着を付けることにします。
それはフレデリカへの求婚。
ヤン自身フレデリカの気持ちに気付いていたようですけど、それに答えるべきかどうか悩んでいたようです。
他人がどう考えようと「英雄は大量殺戮者である」。
これがヤンの認識。
ヤン自身、英雄と呼ばれるたびに自分は大量殺戮者であるという気持ちが大きくなり、結果自分だけ幸福になっていいのか?と自問自答した結果、ずっとフレデリカの好意に答えることができなかったみたいです。
個人的には「英雄=大量殺戮者」であったとしても、それと自分の結婚は別もの。
フレデリカの好意に答えれば少なくともフレデリカは幸せになることができる。そう考えるべきであったと思います。
まあ当然これだけでなく、ヤンはジェシカ・エドワーズのこともずっと胸に痞えていたのでしょうねえ。
ともかく、今回ようやくヤンはフレデリカに求婚します。
魔術師ヤンと呼ばれる御仁にしては回りくどいプロポーズをしますけど、元からヤンのことが大好きなフレデリカに依存はありません。
フレデリカはヤンの求婚を受け入れ万事OK。
この後は当然(以下略)。
いや直接的な描写はなかったですよ(汗)。
でも半日しかない休暇中ですよ。
そしてその後はラインハルトとの死闘がまっているのですから、その前には当然…と考えるのが普通と思いますけどね(ゲスの勘ぐり)。
ユリアンの初恋は終わった?
ヤンの態度からヤンがフレデリカに求婚することを感じ取ったユリアンはキャゼルヌと一緒にお酒を飲んでいます。
ユリアン自身、フレデリカに淡い想いを抱いていたのです。いわゆる初恋って奴。
さすがにそれを表に出すようなことはしませんでしたけど、キャゼルヌにはバレてたようです。
キャゼルヌとしてはヤンとフレデリカが結婚した後のユリアンのことが心配のようです。
さすがにユリアンがこれからもヤンと同居する訳にはいきませんし。
そこでキャゼルヌの家に来ないかとユリアンを誘います。
キャゼルヌとしては、ユリアンが一人暮らしをして悪い虫(女)が付いてしまうとユリアンと自分の娘であるシャルロットを結婚させるという野望が潰えてしまいます。
そこでこの際同居してユリアンを囲い込もうと考えたのでしょう。
でもユリアンはその申し出を断ります。
ユリアンはこの戦いが終わったら、地球を訪問したいと思っていたのです。
フェザーンを脱出する時に地球教の司教であるデグスビィから地球のことを聞いて興味を持ったのでしょう。
でも地球があるのは帝国領。
ユリアンはどうやって地球に行くつもりだったのでしょうねぇ。
ヤンVSラインハルトの直接対決が始まる
さてヤン艦隊とラインハルトの直営艦隊はバーミリオン星系で戦闘を開始します。
ラインハルトは味方が転進してくるまで時間を稼げばたぶん勝ち。
一方ヤンはそうなる前に総旗艦ブリュンヒルトを撃沈し、ラインハルトを討ち取らなければなりません。
そのためヤンが密集体形を取ったのに対して、ラインハルトは何十もの陣を敷いて、ヤン艦隊に疲労を強いる作戦を実行に移します。
そういえば今回の話からだいぶんグロい場面が出てくるようになりました。
もちろん戦争をメインにした話ですからそういう系統の場面が出てきてもおかしくありませんけど、いきなり内臓が出てきたり、熱風で焼かれるが場面が連続して出てくると面食らいますわ。
3期以降さらにグロい場面があるので2期のうちに耐性を作ってもらおうとしたのかもしれませんけど(そんな訳ない)。
銀河英雄伝説第51話を視聴し終わって
今回はここで終了。
戦闘自体はまだ序盤ですので、グロい場面が出た以外はあっさり目です。
しかし次回はそうはいきません。
逆転の逆転で同盟びいきの視聴者も帝国びいきの視聴者もヤキモキさせられることでしょう。
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- ヤンがフレデリカに求婚
- バーミリオン会戦開始
- 連続でグロい場面が描かれる
銀河英雄伝説【旧OVA版】第52話「バーミリオンの死闘(後編)の感想 「ラインハルト撃破まであと一歩」
感想(ネタバレあり)
前回バーミリオン星域で激突したラインハルトとヤン。
今回は一気に戦いの帰趨が見えてきます。
戦術面ではヤン>ラインハルトだったようですね。
ラインハルトの作戦にまんまとハマってしまうヤン艦隊
ラインハルト率いる帝国軍が敷いた縦深陣をなかなか突破できないヤン艦隊。
でもようやく第1陣の突破に成功。
ここまで掛かった時間は3日。
たった1つの陣を突破するのに時間が掛かり過ぎです。
いくら途中で休息をとったにしても。
突破に活気づくヤン艦隊ですがすぐに帝国軍第2陣が立ちはだかります。
当然これを突破しようとするヤン艦隊。
今度は第1陣より早く突破できますけどすぐに第3陣が。
もう際限がありません。
こんなことを続けたら心も身体も疲れてしまいます。
でもそれがラインハルトの狙いですけどね。
ラインハルトは味方の艦隊が戻ってくるまで時間を稼げばいいのです。
それにいざとなったら艦隊見捨てて逃げてもOK。
だって戦力はまだたくさん残っていますから。
ラインハルトさえ生存ならばいくらでも復讐戦可能なのです。
一方同盟軍は、残っている戦力の大半をヤンに預けてますから、ここでラインハルトを討ち漏らしたら後がありません。
そういうこともさらにヤン艦隊の将兵を疲労させてしまう理由となっているでしょうね。
イワン・コーネフが戦死しポプランがコーネフの死を悼む
このままではラチがあかないのでヤンは幕僚たちと会議を始めます。
そこで発言するユリアン。
ホントはフェザーン駐在武官が意見を述べて良いような場所ではありませんけど、ユリアンはヤン艦隊の身内ですからねえ。
もちろん誰も非難することはありませんし。
そのユリアンは、ラインハルトの意図と戦術をしっかりと認識できているようです。
それを基にヤンは戦術を再構築します。
でもこの間にヤン艦隊の主要メンバーに戦死者が。
空戦隊のエースの一人、
イワン・コーネフが帝国軍の巡航艦の砲撃を受けて戦死してしまったのです。
出撃前、コーネフは趣味のクロスワードパズルをしていて、丁度ポプランが話しかけてきた時解いていた問題の答えが「funeral」。
つまり葬式。
見事なまでの死亡フラグ。
それをあっさりと回収してしまいました。
これまでドッグファイトは同盟軍の方が有利に戦いを進めることが多かったですけど、それはポプランが編み出した集団戦法のおかげ。
個人技に頼ることが多かったドッグファイトにポプランが3機で1機をタコ殴りにする戦法を導入して戦いを有利に進めてきました。
でもさすがに何回もやられていたら帝国軍だって対策を練ります。
今回のバーミリオン会戦では、帝国軍も3機1組で同盟軍のスパルタニアンを追い込み、戦艦の艦砲でとどめを刺すという戦術で対抗してきたようです。
結果、ドッグファイトは帝国軍有利で進み、コーネフ戦死というヤン艦隊には補うことが難しい大損害を出すことに。
コーネフ戦死の報を聞いたとき、いつも陽気なポプランが怒気を露わにします。
ポプランを演じている古川登志夫さんは、ポプラン以外にもうる星やつらのあたるやパトレイバーの遊馬などを演じており、陽気なキャラクターを演じさせたら右に出る者がいないほどの上手い声優さん。
私はそんな陽気な役の古川さんの演技ばかり見ていますので、今回みたいに古川さんの怒った演技を見るとそのギャップに驚かされます。
今回もポプランの怒気を溜めたような演技は「死の悼む気持ちと悔しさと寂しさ」が重なり合っていることが上手く表現されており、ホント声優さんってすごいと感じさせられました。
ラインハルトの決定が裏目に!そして戦況は同盟有利へ
さて、ユリアンの意見を参考にしてヤンは一つの策を思いつきます。
ユリアンの策を実行するためにヤン艦隊は一度後退。
そして小惑星帯の中に潜まさることに。
しばらくするとヤン艦隊が再び動き出し、帝国軍の陣の外側から回りこむような動きを見せます。
この時ラインハルトはユリアンが看破した通り、24の薄い陣を敷いて、それを左右からスライドさせてヤン艦隊にぶつけていました。
しかしヤン艦隊が外側から回りこもうとするとこの策では対応できません。
それに小惑星帯にはまだヤン艦隊の別動隊が潜んでいる可能性もあります。
さてどうするか?
ここでヒルダがいれば適切な助言をしたかもしれません。
しかし今回はラインハルトの命で彼女はブリュンヒルトに乗船してないのです。
近くにいるのは政略に長けているけど、戦術はイマイチのオーベルシュタインだけ。
そのオーベルシュタインの意見を入れて、小惑星帯から出てきたヤン艦隊に陣形を再編して襲い掛かります。
しかしこっちのヤン艦隊はおとり。
数が1万隻に見えたのは小惑星を牽引していたため。
おとりの方に向かった帝国軍を尻目に、小惑星帯に潜んいたヤン艦隊の本隊が総旗艦ブリュンヒルトめがけて突撃を開始します。
おとりに引っかかった帝国軍は慌てて戻ろうとしますけど、背中を見せた途端おとり艦隊が襲い掛かり大混乱。
やっとのことでヤン艦隊本体を補足したと思ったら、いつの間にかヤン艦隊の包囲下におかれて一気に包囲殲滅される危機に。
ラインハルトの危機をミュラーが救う(ただし一時的に)
「してやられた」
この一言にラインハルトの悔しさがにじみ出ています。
でも部下たちは諦めません。
ラインハルトさえ生き残ればいくらでも挽回可能。
ラインハルトをシャトルに乗せて脱出させようとしますけど、そこに迫る同盟軍の戦艦。
主砲口が蒼く光り、主砲がブリュンヒルトに突き刺さると思った瞬間、横からの砲撃を食らって同盟軍の戦艦はあえなく撃沈。
そうこの時ラインハルトが待っていた味方の提督の一人が戻ってきたのです。
戻ってきたのはリューカス星域の補給基地攻略に向かっていたミュラー。
誰もが一番に戻ってくるのは疾風ウオルフの二つ名を持つミッターマイヤーと思っていましたけど。
実はミュラーが向かったリューカス星域の補給基地の司令のカクラン大佐が基地の物資を民需用として使うことを条件に武装解除に応じたのです。
基地攻略にかかる時間が無くなったためにこれほど早く戻ってこれたという訳。
もしカクラン大佐がミュラー艦隊相手に抵抗していればかなり高い確率でラインハルトは戦死していたでしょう。
結局このカクラン大佐の判断がラインハルトの命を助けることになったのです。
とは言ってもミュラーと共に戻ってきたのは艦隊の約60%。
通常帝国軍の1個艦隊は1万5000隻から2万隻ぐらいですから、戻ってきたのは約9000隻から1万2000隻。
最低の9000隻でもトンデモナイ数です。
数を頼りにミュラーはラインハルトの目の前まで攻めてきていたヤン艦隊を押し返します。
その乱戦のさなか、ヤン艦隊は第14艦隊司令のモートン中将を失います。
でもヤンの攻勢は止まりません。
ミュラーがヤン艦隊に包囲されたラインハルトの直営艦隊を救おうとしたために逆にヤンの罠にハマって、直営艦隊とともに包囲殲滅される危機に陥ってしまうことに。
ここのミュラーの判断はちょっといただけませんね。
ミュラーの一番に守らなければいけないのはあくまでラインハルトの命。
最悪ラインハルトさえ守ることができればラインハルトの直営艦隊が壊滅してもいいのです。
だからミュラーとしては直営艦隊を見捨てて、ラインハルトと共に戦場を離脱すべきだったと思います。
もちろんそれをやればラインハルトの不興を買うことになるでしょうし、将兵からの人気も激落ちでしょう。
でも帝国の臣民のためにはそうするべきだったと思います。
ミュラー艦隊の来援を計算に入れてなかったヤンですが、ミュラー艦隊の抵抗を排除して今一度ラインハルトが乗る総旗艦ブリュンヒルトを味方の砲撃範囲に捉えます。
そして最後にヤンが砲撃命令を出そうとする瞬間で今回は終了です。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第52話を視聴し終わって
いいところで切りやがりました。
でもラインハルトの死は時間の問題のはずだったのですけど。
まあ次回になればわかりますので続きは次回の感想で。
ミュラーの参戦がなければ確実にラインハルトを討ち取れていたのですけどねえ。
今回のまとめ三行
- バーミリオンの死闘は続く
- ミュラーの来援でラインハルト助かる
- また形勢が逆転してラインハルトが再び危機に
銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話「急転」の感想 「あと一歩でラインハルトを討ち取れたのに」
感想(ネタバレあり)
前回帝国軍の総旗艦ブリュンヒルトを追い詰めたヤン。
あと一撃でラインハルトを討ち取れる。
そこまでラインハルトを追い込んだのにこんな結果になるなんて。
ヤンが政府の停戦命令を無視したら?
ヤンがブリュンヒルトに対する攻撃命令を出そうとしたまさにその時、通信兵が首都星ハイネセンからの超高速通信を受信してヤンに伝えます。
その内容は停戦命令。
あと一歩、いやあと半歩で同盟軍が勝てる状況にあるのに。
ここでヤンの判断に注目が集まりますが、ヤンはハイネセンからの停戦命令に従います。
フレデリカとユリアン以外はたぶん内心不満でしょうけど、ヤンの命令に不服を言うような者は…一人いました。
不良中年のシェーンコップ。
ここぞとばかりにヤンを扇動しようとします。
ここで政府の命令を無視すれば、ラインハルトの命、宇宙、そして未来の歴史を手にすることができると。
悪魔のささやきのようなシェーンコップの言葉。
ヤンでなければシェーンコップの言葉に従ったかたもしれません。
でもヤンは違います。権力に興味が無いヤンはやんわり拒絶しました。
仮にヤンがシェーンコップの提案を受け入れてラインハルトを討ち取ればどうなっていたのでしょうか?
おそらく帝国軍は本国に帰るより、まず仇であるヤンの討ち取ろうとする可能性が高いと思います。
だって帝国軍の将帥たちはラインハルトのおかげで今の地位にあるのですから、冷静な判断より私情を優先させることでしょう。
ロイエンタール以外は。
そして仮にヤンが帝国軍の将帥たちを全部打ち破っても今度は同盟政府が立ちはだかります。
帝国軍の脅威が無くなった以上、ヤンに軍権を預ける必要はありません。
どうにかしてヤンの追い落としを謀るでしょう。
権力者って自分の地位を脅かす者を極度に恐れますし、何とか排除しようとしますから。
例えば前漢を建国した劉邦は、項羽撃破に功があった名将の韓信を情け容赦なく粛正してますし。
たぶんヤンも政府から粛正されると思います。
で、ヤンが政府を返り討ちにしたとして今度は地球教がチョッカイ出してくるでしょう。
結局ラインハルトを倒してもヤンの未来は明るくはありません。
ヤン自身が望まない血まみれの戦いがさらに続いていただろうと個人的には思います。
帝国軍で一番優秀な戦略家はヒルダかも
バーミリオン星系でヤン艦隊が有利に戦いを進めている。
この情報はたぶんハイネセンにも伝わっていたはずです。
だってハイネセンからの通信をヤン艦隊が傍受できるのですから、当然逆にヤン艦隊から発信された通信だってハイネセンで受信できるはず。
ではどうしてハイネセンの同盟政府は帝国軍との停戦を決断したのでしょう。
実は3日前、ミッターマイヤー艦隊をヒルダが訪れたのがすべての始まりでした。
ヒルダ曰く、このままだとラインハルトは一生で一度の経験(たぶん死ぬこと)を体験することになるだろう。
今からバーミリオン星系に向かっても4日かかり、到着した時には戦闘は終了している。
そしてヤン艦隊はいずれかに逃げ去った後である可能性が高い。
しかし今ミッターマイヤー艦隊がいるところから同盟の首都星ハイネセンは2日の距離しかない。
だったら同盟政府を脅してヤン艦隊に停戦を命令させた方が良い、と。
臣下のくせにラインハルトは負けると言い放ったばかりか、ラインハルトの命令に背けと言ってのけるヒルダって豪気ですよねえ。
ヒルダの提案にミッターマイヤーは納得。隣の星系にいるロイエンタールと共にハイネセンに向かうことにします。
ロイエンタールは、その心に中で野心が見え隠れしていましたが、少なくともそれを外に漏らすようなことはしませんでした。
でも何人かはロイエンタールの叛意に気付いていたらしく、ヒルダとミッターマイヤー旗下のバイエルラインはあからさまにロイエンタールを警戒感を出していましたね。
まあヒルダは洞察力に優れたキャラですのでロイエンタールの野心に気付いていてもおかしくはありませんけど、何でバイエルラインは気付いたのでしょうねぇ。
それがホントに不思議です。
武人特有の勘なんでしょうか?
アイランズもビュコックもトリューニヒトを止めることができず
ミッターマイヤー艦隊とロイエンタール艦隊合計3万隻は同盟の首都星ハイネセンに殺到。
その制宙権を確保します。
同盟はラインハルト打倒のため戦力をすべてヤンに預けたのが裏目に出ました。
しかし冷静に考えたらランテマリオ会戦に参加した第1艦隊の残存戦力ってヤン艦隊に加わっていませんよね。
ヤン艦隊がハイネセンを出発する時、同行したのは第14第15両艦隊の残存戦力だけみたいな描写があったと思いますけど。
ランテマリオ会戦で半壊したとしてもまだ第1艦隊って7000隻あまりが健在なのでは?
まあ、結局7000隻いても相手がミッターマイヤーとロイエンタールならば焼け石に水でしたけどね。
ミッターマイヤーは同盟政府に対して即時停戦するように要求。
またそれを飲ませるために同盟軍の統合作戦本部を攻撃してこれを破壊します。
ミッターマイヤーが言うには、為政者(政治を行う者)は市民の家を焼かれても眉ひとつ動かさないが政府関係の建物を壊されると大人しくなると。
ヒルダは同盟政府の決断を促すため、最高責任者の罪は問わないということを付けたすようミッターマイヤーに進言します。
これは威力ありますよねえ、特に政治権力維持にしか興味が無いトリューニヒトみたいな輩には。
そして案の定、トリューニヒトは飛びつきます。
一応体裁のために市民の命を守るためだと言いますけど、トリューニヒトの言葉を会議に出席している人間誰一人として信じていないでしょうね。
停戦を受諾するといったトリューニヒトに再考を促すアイランズ。
覚醒した政治家は元のボスに対しても容赦ありません。
否、元のボスだからこそ、
その晩節を汚さないようにと再考を促したのかもしれませんね、表面上は。
これに対してここぞとばかりにアイランズが最低の政治業者であったことの言い放つトリューニヒト。
嫌な野郎です。
アイランズはあんたのためを思って忠告しているのに(表面上は)。
トリューニヒトの罵倒に対して怯むアイランズですけど、それでも説得を止めません。
自分たちが帝国軍に殺されてもラインハルトを倒したヤンが同盟を再建してくれると。
まあね、確かに戦いがあのまま推移したら少なくともラインハルトを討ち取ることはできたでしょうけど、果たしてヤンは同盟を再建しようとしたでしょうか?
ヤン自身は以前政治を汚水処理場に例えて、無くては困るが近寄りたくないと言い放った御仁です。
到底自分から同盟を再建しようとはしないのではないでしょうか?
最低限政治を動かす人間が必要になりますけど、主な政治家ってたぶんハイネセンに集まっているでしょうし。
果たしてヤンと上手くやっていけて、なおかつ同盟を再建をやってのける人材が眠っているのかちょっと疑問です。
アイランズがヤンの名前を出した途端、トリューニヒトはヤンの非難を言い始めます。
ヤンがアルテミスの首飾りのうちいくつかを壊さないで残していればこういう事態にならなかっただろうと。
もしヤンがアルテミスの首飾りを一気に壊して救国軍事会議のやる気を奪わなければとっくの昔にテメーは最高評議会議長の地位を追われていただろうに。
トリューニヒトの責任転嫁に対して今まで黙っていたビュコックが言葉は発します。
政治家は権力を持て遊び、軍人はアムリッツアのような投機的な冒険にのめり込んだ。
そして市民すら政治を政治業者に任せて主体的に参加しようとしなかった。
その結果、同盟は命数を使い果たしたと。
また民主国家が崩壊するのはすべての市民の責任であると。
たぶんビュコックはこの言葉の中に「一回同盟が滅んでヤンに再生してもらう方が良い」という自分の本心を含ませていたのではないでしょうか?
個人的にはそう思います。
演説の時は終わった。
今は行動する時、ビュコックはトリューニヒトの決断を覆すために物理的手段に訴えます。
でもこれはたぶんトリューニヒトに読まれていたのでしょう。
ビュコックがトリューニヒトを捕まえる前に兵士と地球教徒が部屋に侵入。
ビュコックたちを拘禁します。
しかしまあ、地球教はどこまで政権中枢に入りこんでいるのでしょう。
いくらトリューニヒトとコネクションがあってもそう簡単に同盟の運命を決する会議をしている施設に入りこめないでしょうに。
そしてハイネセンからヤン艦隊に停船命令が発せられました。
楽をしたいはずなのにどんどん厄介ごとを背負いこむヤン
ヤン自身が停戦を受け入れたことで艦隊内は抗戦派と停戦派にわかれて大激論。
抗戦派はヤンに再考を求めるべく直訴すると息巻きますけど、たぶんヤンの決断は変わらないでしょうねえ。
ヤン本人は強い信念とか否定するくせにヤン自身が一番頑固なんですから。
さて停戦するとしてもヤン艦隊には頭の痛い問題があります。
それはメルカッツの存在です。
メルカッツはリップシュタット戦役でラインハルトと敵対し、その後同盟に亡命。
そして銀河帝国正統政府が樹立されるとその軍務尚書になった人物です。
名将コレクションが趣味のラインハルトといえども無罪放免にはできません。
甘くして流刑、普通なら自裁辺りが適当な処分となるでしょう。
どっちにしてもメルカッツに未来はありません。
メルカッツ自身はそれを受け入れる覚悟があるようですけど、メルカッツ命のシュナイダーは納得できないでしょう。
どうすればいいのか?
ヤンはメルカッツに艦から降りるように言い放ちます。
もちろん宇宙服を着て文字通り艦の外に出すという意味ではなく、何隻かの艦艇をつれて艦隊から離脱してくれと。
ヤン曰く、ヤンは同盟政府の命令に従う義務があるが、銀河帝国正統政府の人間であるメルカッツは同盟の命令に従う義務はない。
また同盟政府はたぶんメルカッツをスケープゴートにするだろうから早く逃げてもらわないと困る。
そしてこのままだと同盟の軍事力は帝国の命令で削られるだろうからその同盟の軍事力の一部をメルカッツが温存してくれ。
つまりロビンフットの冒険の動くシャーウッドの森をメルカッツに託すると。
「メルカッツの身を守るため」と「同盟の戦力を温存するため」という二つの理由でヤンの決断を評価する人は結構いるでしょう。
しかしこれは業務上横領ですからね。
だって艦艇は国家の資産であって艦隊司令官に勝手に処分できる権能はありませんから。
譲渡するにはちゃんとした契約書が必要です。
まあ、後にこういう契約書をしっかり作る人が出てきますけどそれは後のお話。
ヤンの言葉にヤン艦隊の幕僚たちは色めき立ちます。
だって「ヤン自身が主体となって同盟を立て直す」という意思表示したのも同然ですから。
だったらなんでさっきラインハルトを倒さなかったんだよと言いたいところですけど、それがヤンの限界なんでしょう。
ヤンの決断に好感をもったのか、ポプランとリンツがメルカッツと行動を共にすると発言します。
当然ポプランもリンツも自分だけで行動する訳ではありません。
リンツはローゼンリッター連隊の一部を同行させますし、後の話でわかりますけどポプランは自分の空戦隊を同行させたようです。
上司の思いつきで付き合わされるリンツとポプランの部下たちは可哀想な感じもしますけどねえ。
会議が終わり、ヤンとフレデリカは二人きりに。
結局ヤンは苦労を背負いこむ決断をしましたけど、フレデリカは好意的。
だってフレデリカはヤンがすることがどうしようもなく好きなんですから。
ホント見せつけてくれますわ。
この後二人でチューしたみたいだし。
場面代わってブリュンヒルトの艦橋。
どうしてこうなったかようやくわかったランハルト。
自虐的に私は勝利を譲られたのかと独語します。
まあ結果的にそういうことですけど、最終的に目標を達成できた方が本当の勝者です。
バーミリオン会戦自体はヤンの勝利ですけど、帝国VS同盟という観点からは帝国が勝利したのですから、最終的な勝者は帝国軍、つまりその最高権力者であるラインハルトとなるのです。
ただ今回の戦いでわかったこともあります。
現状戦術面では、ヤン>ラインハルトであるということです。
バーミリオン会戦は囮艦隊に引っかかったことはかなり運の要素も入ってきますけど、やっぱり結果がすべてですから。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話を視聴し終わって
次回はラインハルトの即位です。
ここで終わればかなりキレイに終わる感じがしますけど、それ以降も銀河の戦いは続きます。
私の感想を書く旅もまだまだ続きます(まだ半分にも到達してません110話は長すぎる)。
次回のお話も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 政府からの停戦命令
- トリューニヒトは地球教のおかげで命拾い
- ラインハルト=乞食(ラインハルト自身の感覚)
銀河英雄伝説【旧OVA版】第54話「皇帝万歳!」の感想 「物語の一区切りですけどフラグ立ち過ぎ」
感想(ネタバレあり)
今回は第2期の最終話、そしてローエングラム王朝が成立する大事なお話となっております。
まあそれ以上にフラグが立ち過ぎて不穏な空気が流れる話でもありますけど。
レンネンカンプを高等弁務官にするのは止めた方が良いと思いますけどね。
ラインハルトとヤンの最初で最後の会談
同盟軍と帝国軍の停戦が成立した後、バーミリオン星系にはぞくぞくと帝国軍が集まってきます。
ヤンがフレデリカ、キャゼルヌ、シェーンコップたちと朝食を食べている時点で帝国軍の艦艇は4万隻を超えている模様。
この時ヤン艦隊で戦える艦艇は3000隻あまり。
分艦隊レベルの戦力しか残っていないのは衝撃的です。
バーミリオン会戦直前には、第14第15両艦隊の残存戦力を含めて2万隻弱の艦艇を有していたはずですけど。
もし停戦が破られたらさすがにヤンでも逃げるしかないでしょうね。
たぶん逃げられないでしょうけど。
前回離脱することが決まったメルカッツやポプランたちは既にいずこかへ逃亡したそうです。
艦艇60隻、将兵1万人あまり。
数万隻単位で艦隊戦するのが通常であるこの銀英伝の世界ではささやか過ぎる数ですけど、主目的はメルカッツの命を守ることですのでまあこれでいいのでしょう。
でもこのメルカッツたちのある行動がヤンの身に災いをもたらすことになるのですけどね。
さて戦い終わってヤンとラインハルトは会談することになりました。
たぶんここが今回のメインです。
でもこのシーンは是非ご自身で視聴してほしいのであんまり詳しく書きません。
是非有料動画配信サイトかDVDなどでご視聴ください。
で、この会談の内容を掻い摘んで書くと以下のようになります。
- ラインハルトがヤンを帝国元帥の階級でヘッドハンティングしようとする
- ヤンはラインハルトの誘いを拒絶
- ラインハルトが民主政治の欠点をあげつらう
- ヤンが反論、でもラインハルトを論破できず
- ラインハルトが友人(キルヒアイス)との約束をヤンに話す
- キルヒアイスが生きていれば死んだヤンと対面することになっただろうと強気な発言
- ヤンが退役することをラインハルトに話す
こんなところでしょうか。
民主政治に関するヤンとラインハルトの認識は絶対に交わることがなさそうな感じがします。
あとちょっとこの部分だけは説明臭くなり過ぎているとも思いましたね。
ヤンが絶対にラインハルトの部下にならないことを示す大事なシーンですが、余韻や仕草を使って説明をもうちょっと軽くできなかったのかなあと思います。
まあ原作通りなのでここをアニメのスタッフだけで削るのは勇気がいるでしょうけど。
トリューニヒトがラインハルトの庇護を求める
会談の後、ラインハルトは同盟の首都星ハイネセンに赴き、同盟と正式な停戦条約を締結します。
いわゆるバーラトの和約というやつです。
あくまで停戦条約であり、終戦条約でないというのは結構重要な気がします。
だって停戦って戦闘の一時的な終了を意味するものであって、この先ずっと戦闘を行わないという意味ではありませんからね。
戦闘を恒久的に終わらせるならば、終戦条約なり、和平条約を締結しますから。
帝国としては今は同盟を生かしておいてやるが時期が来れば同盟を完全併呑できるよう停戦条約にしたのでしょうね。
武力を使わないで併呑できればベストですけど、一応武力を使う場合も想定しているのでしょう。
あとこの条約の調印に同盟側は元首たるトリューニヒトが出席したのに、帝国側の代表はなぜか帝国軍総参謀長に過ぎないオーベルシュタイン。
普通国と国との条約を締結するなら地位が高い文官同士が結ぶと思いますが、帝国側の代表が軍人であるオーベルシュタインにすることで同盟が格下であると見せつけることを狙ったのでしょうね。
トリューニヒトはこのバーラトの和約の締結の後、すぐに最高評議会議長を辞任してラインハルトに助けを求めます。
祖国を捨てて数日前まで敵だったラインハルトに助けを求めるとはさすがトリューニヒトと言わざるを得ません(嫌味)。
まあヒルダが同盟に停戦を強いるときに最高責任者の罪は問わないと勝手に約束してしまったので、トリューニヒトを助ける義務が帝国にはあるのですけどね。
結局トリューニヒトは帝国本土で生活することになりますが絶対にこれ帝国に災いを起こすフラグだと、最初見た時は思ったものです。
まあ、その予想は半分あたりましたけどね。
災いは帝国ではなく、〇〇〇〇〇ー○個人に来た感じですから。
フラグが乱立過ぎて今後が怖い
フラグといえば、トリューニヒトが議長を辞任後、その職を引き継ぐことになったのはジョアンレべロもフラグといえばフラグです。
気難しい性格ですが同盟を存続させるために本人はやる気満々。
ただこの人、以前結構ヤンのこと危険視してましたからね。
果たしてどうなるやら。
そして同盟には帝国の代理人として高等弁務官が置かれることに。
最初この職はロイエンタールに任せる予定でしたが、オーベルシュタインの反対で断念。
変わってレンネンカンプが高等弁務官になることに。
高等弁務官って帝国の不利益にならないように同盟に介入する必要がありますので軍人よりも視野が広い文官に任せた方がいいと思いますけどね。
それにレンネンカンプってヤンに2回負けているし。
オーベルシュタインが言っていたように絶対ヤンに恨み抱いてますよ。
こういうタイプって自分の部下はとことん可愛がりますけど、一度敵だと認識した相手は徹底的に虐めますので。
まあこれもフラグです。
あとこのシーンでは、オーベルシュタインがロイエンタールを危険視していることも明らかになりました。
やっぱり野心があることがわかりやすいのですかねえ。
これもフラグになります。
それと今回は地球教の総大主教も久しぶりに出てきました。
ついでにユリアンの宿敵(?)になるド・ヴィリエも。
総大主教が前回出てきたのはルビンスキーと超高速通信することころだったでしょうか?
銀英伝の世界では辺境となっている地球にいる癖にいろいろ中央の情報に精通していて不気味です。
その地球教ですが、総大主教とド・ヴィリエとの会話から、
- トリューニヒトは使える奴と一定の評価をしている
- ルビンスキーを警戒している
- 帝国内に手駒を作っており、その人物は重病人である
ということが明らかに。
帝国内で重病人といえば、あの人の従兄弟ぐらいでしょうねえ。
これもフラグになりますね。
ホント今回はフラグ立ち過ぎるだけ立っている感じがします。
まあ死亡フラグでないだけマシですけど。
皇帝ラインハルト1世が即位
同盟を事実上の属国にした後、ラインハルトは帝国に戻り、最後の仕上げにかかります。
それは皇帝に即位すること。
まずゴールデンバウム朝最後の皇帝(まだ赤ん坊)の親権者に帝位の譲渡を要求し、書類上の簒奪をした後、たぶんノイエ・サンスーシで戴冠式を行います。
武官と文官が整列する中、自分で王冠を頭に乗せるラインハルト。
やはりこういうシーンだと美形のラインハルトは映えますねぇ。
でも同時に寂しさも感じます。
一番この戴冠式を見て欲しかった二人の人間がいないのですから。
こうして宇宙歴799年、新帝国歴1年、ローエングラム王朝が成立して今回はエンドです。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第54話を視聴し終わって
いや~ようやく一区切りとなる54話の感想を書くことができました。
でも残り56話(本伝だけ)残っていますからねえ。
ここで投げ出す訳にもいきませんのでもうちょっと時間が掛かりますけど、最終話である110話を目指して感想を書いていこうと思っております。
今回乱立したフラグ。
第3期でほぼ回収されます。
まあその過程で結構犠牲が出たりするのですけどね。
次回以降も見逃せませんわ。
今回のまとめ三行
- ヤンとラインハルトが会談
- バーラトの和約で同盟が帝国の属国化
- ラインハルトが帝位に就く