旧OVA版の銀英伝2期。
イゼルローン回廊で繰り広げられた要塞VS要塞の戦いの決着までの感想記事まとめです。
本当に旧OVA版は見せ方が上手いです。
要塞主砲の打ち合い、白兵戦、そしてドッグファイトまで。
迫力ある演出のおかげでこっちは大興奮です。
ただ1期と比べて作画のクオリティがちょっと落ちているのが残念な点。
DVD化される時にだいぶん修正されてますが、それでも1期に比べるとまだまだな感じかと。
第1期後半の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第17話~第26話の感想「ラインハルトが得たもの失ったもの」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第27話「初陣」の感想 「ユリアンの活躍ばっかりに目がいってしまいます」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第28話「肖像」の感想 「帝国の双璧がメインと思ったらフェザーンの策略の話でした」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第29話「細い一本の糸」の感想 「粛清されるか、権力者にとって代わるかだったら絶対に前者を選ぶでしょう。普通は」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第30話「失われたもの」の感想 「フラグ乱立し過ぎです」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第31話「査問会」の感想 「査問会やる意味が今ひとつわからん」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第32話「武器なき戦い」の感想 「ヤン無双よりホワンルイの名言に注目すべき」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第33話「要塞対要塞」の感想 「主砲の打ち合いから、白兵戦、ドッグファイト、そして艦隊戦まで見どころしかない回です」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第34話「帰還」の感想 「ヤンとラインハルト、考えることは一緒です」
- 銀河英雄伝説【旧OVA版】第35話「決意と野心と」の感想 「キルヒアイスが生きていれば」
銀河英雄伝説【旧OVA版】第27話「初陣」の感想 「ユリアンの活躍ばっかりに目がいってしまいます」
感想(ネタバレあり)
区分で言えば今回から第2期となります。
今回はユリアンがメインで活躍する回。
それに加えて強力になった帝国軍と弱体化した同盟軍の差が出ている回でもあります。
帝国都同盟、同じ内戦を経たのにどうしてこうなった?
まあ、政治を行う人材の差なんですかね?
新兵訓練のためにイゼルローン回廊へ出撃したら帝国軍と遭遇してしまった
帝国と同盟両方の内戦が終わった結果、帝国ではラインハルトの独裁体制が成立。
一方同盟では政府や軍部に睨まれたヤンが苦労を強いられています。
特にヤンの元から精鋭を引き抜き新兵を代わりに送ってきたので、ヤン艦隊の力は激減。
このままでは帝国の主力とは戦えません。
そのため訓練の一環でヤン艦隊旗下のアッテンボロー分艦隊はイゼルローン回廊に出撃します。
しかし運悪くアッテンボロー分艦隊は帝国のアイヘンドルフ少将の艦隊と遭遇。
否応なく新兵を率いて戦うことに。
でもどうして訓練するならばイゼルローン回廊の帝国側でやるのですかねえ。
同盟領側でやれば帝国軍と遭遇することないのに。
さて戦闘は同盟軍側の奮戦…ではなく、帝国軍側が積極的な攻勢に出なかったため、
何とか均衡を保っています。
この状態にアッテンボロー曰く、「ヤン艦隊という名前に敵がビビっている」そうです。
そりゃあ、ヤンが艦隊司令官になって以降帝国軍は苦戦の連続でしたから、ビビりますよね。
普通なら新兵相手なのでですぐに圧倒できるのに、なまじ相手がヤン艦隊の一部だから、何か策があるのかと疑ってしまう。
そんな中、軍人になったユリアンもこの戦いにスパルタニアンのパイロットとして参戦します。
元々才能があったのか次々の敵機を撃破、最終的には一人で巡航艦も一隻沈めることに。
やっぱりできる人間は違います。
ただユリアンの場合、欠点がなさ過ぎてキャラとしての魅力がイマイチないのですよねえ。
ヤンは天才的な軍事的才能を持っている一方、生活力ゼロ。そういう欠点を持っているからこそ、そのギャップでキャラも魅力が加算されているように思えます。
ヤン艦隊の増援が間に合った
戦闘は続き、次第に同盟軍が圧倒されていきます。
どうやら帝国軍も相手がまともに戦ができない新兵だと気付いたようです。
ユリアンの母艦である空母アムルタートも撃沈。
不十分な補給状態で宇宙に放り出されたユリアン。
まさかの万事休すか?と思ったらレーダーに多数の艦影が。
アッテンボロー分艦隊からの緊急通信で、残りの艦隊全力で出撃したヤンが救援に駆けつけたのです。
ここで兵力を出し惜しみしていたら双方の援軍が逐次投入されて消耗戦になっていたかもしれませんが、さすがに1万隻も救援に来られたら、3000隻前後しかいないアイヘンドルフ分艦隊なんてすぐに撃破させられます。
数の不利を悟った帝国軍は撤退を開始。
ヤンは何とかアッテンボロー分艦隊の敗走を防ぐのに成功しました。
そして最後のシーンはヤンとユリアンの再会。
ヤンが意外と親馬鹿なのがわかってちょっとほっこりしました。
笑顔に包まれるヤン艦隊の面々。
いつまでも笑っていられればいいのですけど、ここは最前線。
この中からどんどん退場者が出てくるのを考えると少し悲しくもなってきます。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第27話を視聴し終わって
今回はここで終了。
ユリアンの活躍が目立つ回でしたね。
戦闘シーンもドッグファイトが多く、いつもの艦隊戦とは違う迫力があってよかったです。
次回以降はしばらく戦闘シーンはなし。
帝国や同盟内での駆け引きなどがメインになってきます。
今回のまとめ三行
- 新兵訓練のためにイゼルローン回廊へ
- 帝国軍との遭遇戦
- 初陣のユリアン大活躍
銀河英雄伝説【旧OVA版】第28話「肖像」の感想 「帝国の双璧がメインと思ったらフェザーンの策略の話でした」
想(ネタバレあり)
今回はミッターマイヤーとロイエンタールの性格などが詳しく描かれる一方、シャフトの提案でガイエスブルクの機動要塞化計画も始まります。
ガイエスブルク要塞に関わるとロクなことにならないような気がしますが。
権力を持ったラインハルトの元には屑な人材と優秀な人材どっちも集まってくる
権力を握ったラインハルトの元にいろいろな人間が集まってきます。
もちろんシュトライトみたいに優秀で清潔な人間ならいいのですけど、そういう人間ばかりではありません。
憲兵総監のくせに賄賂を贈ろうとする奴、副官なのに機転が利かない奴など。
まあラインハルトの目が曇っていないので、使えない人間はすぐに排除されるようですけど。
そんなラインハルトがまだ権力を握る前に目を付けた最初の人材が、「帝国の双璧」と呼ばれるミッターマイヤーとロイエンタール。
今回はこの二人についてフォーカスされました。
ミッターマイヤーとロイエンタールは正反対の性格だからこそウマが合う
ミッターマイヤーは恋に関して生真面目というか不器用というかそんなタイプ。
周りがお膳立てしているのにエヴァンゼリンに告白するのに数年かかるヘタレです。
疾風ウォルフの名が泣きますわ。
でも誠実だから奥さんはいろいろ心配する必要はありませんね。
一方のロイエンタール。
こっちはミッターマイヤーとは真逆で次々に女をとっかえひっかえします。
チャラ男というより孤高な感じで女性をメロメロにするタイプですかね。そして飽きたら簡単に女性を捨てる。
まさにモテない男の天敵のような男です。
ただそうなったのは親のせいですけど。
親がまともだったらロイエンタールはどうなっていたのでしょうかねぇ。
女癖が良いロイエンタール。
何からしくないですわ。
この性格が正反対の二人。
なぜかウマが合ってずっと親友同士に。
まあ、同じ性格の奴って自分を見ているようで嫌になってくることが多いですからね。
その逆に性格が違う同士が仲良くなっているのかも。
シャフトの提案がラインハルトを動かす
ラインハルトの元へ珍しい人物がやってきます。
それが科学技術総監のシャフト技術大将。
指向性ゼッフル粒子以外目立った功績がない技術屋ですけど、トンデモナイ提案をラインハルトにしてきたのです。
それは忌まわしきガイエスブルク要塞をイゼルローン回廊に移動させ、イゼルローン要塞を攻撃させようという壮大な計画。
大きいことが大好きなラインハルトはこの提案に飛びついてしまいます。
でもこれって帝国と同盟を疲弊させようとするフェーザーンが仕組んだ策略。
ラインハルトさえも手の平で転がすルビンスキーすげーです。
ここら辺がルビンスキーの絶頂期でしょうかねえ。
あとは落ちていくだけですけど。
さてこの計画。
ラインハルト以外からの評判は最悪。
ラインハルトの秘書官になっているヒルダは元より、帝国の双璧も乗り気ではありません。
しかし最高権力者が決めたことには従う必要があります。
かくて総司令官にケンプ、副司令官にミュラーが任命され、この計画が実行に移されることに。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第28話を視聴し終わって
今回はここで終了。
後にいろいろやらかすレンネンカンプや沈黙提督のアイゼナッハが初登場した回でもありましたけど、インパクトがイマイチ。
メインであるミッターマイヤーとロイエンタールの話しか印象に残りませんね。
次回以降ガイエスブルク要塞の移動とフェーザーンの策謀の話が続くことになります。
艦隊戦はありませんけど、結構見どころがたくさんあって興味深いですよ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第28話のまとめ三行
- 帝国の双璧の人となり
- ガイエスブルク要塞の活用方法
- フェーザーンの策謀
銀河英雄伝説【旧OVA版】第29話「細い一本の糸」の感想 「粛清されるか、権力者にとって代わるかだったら絶対に前者を選ぶでしょう。普通は」
感想(ネタバレあり)
今回は陰謀回。
フェザーンの利益、というかルビンスキ―の野望のためにある計画が始まります。
巻き込まれたヤンはいい迷惑ですわ。
フェザーンが計画変更!帝国に加担して同盟を潰す
今回はフェーザーンから。
自治領主府を場違いな坊主が訪れます。
普通ならルビンスキーと面会なんてできないでしょうけど、前から順番を待っている人間を差し置いて面談することに。
これって実際されたら頭に来るでしょうねぇ。
それも得たいも知れない坊主が優先されるなんて。
絶対噂になるでしょうね。たぶん噂流したやつ消されるでしょうけど。
さて、ルビンスキーと面談した坊主は地球教の主教であるデグスビィ。
そのデグスビィにルビンスキーは、帝国と同盟を共倒れさせるというこれまでの計画を変更し、帝国に加担して同盟を潰し、帝国と共存するという新しい計画を提示します。
実際、どんどん改革が進む帝国に対し、どんどん腐敗が進む同盟。
到底同盟が帝国に勝てるとは思えません。たとえヤン・ウエンリーが同盟にいても。
だからこそ今のうちにフェザーンが帝国に加担しようというルビンスキーの計画は優れていると思います。
でもデグスビィは乗り気ではありません。
だって新しい計画を実行すると今まで同盟に投下した資金が無駄になるから。
またこっちの方が大きいのかもしれませんけど「デグスビィはルビンスキーが信用できない」。
実際ルビンスキーは地球教のことなんて全く考えていませんからねえ。
デグスビイって意外と洞察力優れています。
そういえばデグスビィの声やっているのは納谷六郎さん。
メルカッツ役の納谷悟朗さんの実弟さんです。
クレヨンしんちゃんの幼稚園の組長園長先生が広く知られていますけど、個人的には劇場版のアラスラーン戦記のカーラーン役が印象に残っています。
テレビアニメ版の大川透さんも良かったのですけど、どうしても大川さんだとカッコ良すぎるのですよね。
その点納谷さんの声だとずる賢さがまず前面に出ているので、劇場版のカーラーンにぴったりだったと思います。
劇場版の方はどうしてもカーラーンが裏切り者感が前面に出ていたので、カッコい声よりも憎まれるような声が合っていたのですよね。
まあテレビ版の方がカーラーンの苦悩もよく描かれていたので、大川さんの方が合ってますけど。
同盟の高等弁務官にヤンの悪口を吹き込む
デグスビイとの面談が終わった後、ルビンスキーはケッセルリンクに命じて帝国が有利になるように工作を始めます。
その手始めが同盟の高等弁務官ヘンスロ―へ「ヤンに関する悪い噂を吹き込むこと」。
同盟の高等弁務官って名誉職になっていて能力は2の次。
だからケッセルリンクの示唆にすぐに乗ってしまいます。
まあ、国債の借り換えを提示されているので、弁務官が少しばかり優秀だったとしても結論は変わらなかったかもしれませんけど。
トリューニヒトは怖い
その一方イゼルローン要塞。
前々回の活躍でユリアンが曹長に昇進。そのお祝いを兼ねてキャゼルヌ家へヤンとユリアンが招待されます。
実際はキャゼルヌがヤンと話したかったみたいですけど。
そのキャゼルヌがヤンに吐露します。「トリューニヒトが怖い」と。
救国軍事革命にしろ、帝国領侵攻作戦にしろ、トリューニヒトは失脚してもおかしくないのに、そのピンチのたびに自分の権力を強くしていく。
まあ確かにその通りですよね。
実際こんな政治業者がいたら怖いですよ。
でも同じことヤンも思っていたのですよね。何話が忘れましたけど。
ヤンの方もトリューニヒトを嫌っていますけど、トリューニヒトの方もヤンを何とかして失脚させたい。
しかし帝国と戦争している以上ヤンを粛清することはできない。
要はヤンの存在は帝国のおかげで保証されているということ。
皮肉なものです。
ヤン自身はさっさと軍人辞めたいと思っているのに。
でもヤンは武勲を獲得し過ぎました。
もうここまで来たら粛清されるか、自分が権力者にとって代わるかのどちらかを選ぶことになってしまいます。
ルビンスキーが言っているように。
実際の歴史でもこの選択することを強要された軍人って結構いますからねぇ。
例えば韓信とか、トハチェフスキーとか、
どっちも行動が遅くて粛清されてしまいましたけど。
果たしてヤンはどうするのでしょうか?
さてフェーザーンからの示唆に応じて
同盟はヤンを査問会に掛けることを決定します。
その一方帝国ではガイエスブルク要塞の改造が着々と進む。
またまた同盟がピンチになりそうですね。
今回のまとめ三行
- フェーザーンが共倒れから計画変更
- トリューニヒト怖い
- ヤンが査問会に掛けられることに
銀河英雄伝説【旧OVA版】第30話「失われたもの」の感想 「フラグ乱立し過ぎです」
あらすじ&感想(ネタバレあり)
今回はフェーザーンの策謀とキルヒアイスの死の影響は大きかったという内容です。
ただその一方、フラグも結構乱立した感じがします。
フラグ1:キュンメル男爵
フラグその1はキュンメル男爵です。
この人はヒルダの従兄弟に当たるのですけど、病弱すぎて何にもできない。
そんな従兄弟のためにヒルダは男爵が崇拝するメックリンガーとの面談をセッテイングしてあげます。
でもメックリンガーもヒルダも何か嫌な感じがしたと。
まあ、第3期でこのキュンメル男爵がやらかすのですけど、
改めて見たらここですでにフラグが立っていたのですね。
フラグその2:ヤンとユリアン
次のフラグはヤンとユリアン。
国防委員長の命令で査問会へ出ることになったヤン。
キャゼルヌをはじめ、周りはひどく心配していますが、ヤン自身はどこ吹く風です。
ヤン自身、今の状況から考えて、政府が自分に危害を加えることはないと思ってのかもしれません。
そして変な疑いをもたれないために最低限の随員で行くことになります。その随員に秘蔵っ子のユリアンを入れず。
フレデリカは連れていくのにユリアンを連れていかないことに少なからず周りは気にしているようです。
フレデリカがヤンのことを想っているのは周知の事実らしいですけど、ユリアンはフレデリカに憧れているようで。
ユリアンは後にヤンの元を一時的に離れて某惑星に行くことになりますけど、ここがそのフラグになっているような気がします。
ユリアンはフレデリカに憧れがありますけど、それ以上にヤンを慕っていますからね。
フラグその3:ケンプ
フラグその3はケンプ一家です。
ガイエスブルク要塞の通常航行を成功させたケンプは、自宅で家族団らん。
翌朝またガイエスブルク要塞に赴きますけど、子供からはお土産強請られるし、奥さんからは生きて帰ってきてって言われるし、死亡フラグがこれでもかというくらい乱立状態です。
さらにケンプ自身も「自分が帰ってこなかったことがあるか」とか、「作戦が成功して昇進すれば、妻の実家への仕送りが増やせる」とか、もうダメなことばかり言っています。
視聴者としては「あんたそんなに死にたいのか」と言いたくなります。
もうフラグが露骨過ぎて呆れますわ。
フラグその4:フェザーン
フラグその4はフェザーンです。
帝国と同盟の共倒れを放棄し、帝国に恩を売る方へ舵を切ったフェザーン…というか自治領主のルビンスキ―
この段階で何をやるのか分かっていませんけど、シューマッハやランズベルク伯を何かの実行犯とすることになります。
まあこれ自体はフラグとは言えませんけど、ラインハルトとヒルダが幼い皇帝のことを話していたことと繋げると…もうこれもフラグと言っていいでしょうね。
このフェザーンの策謀が銀河を大きく揺り動かすことになります。
よくもそういうこと考えますわ。
フラグその5:ロイエンタールとミッターマイヤー
最後はロイエンタールとミッターマイヤー。
この二人、「キルヒアイスが生きていたら」という仮定の話を再びしていますけど、その中で語られたロイエンタールのセリフがこちら。
「失うべからざるものを失ったのち、人は変わらざるをえんのだろうよ」。
後の展開を知っている人間からすれば、キルヒアイスを失ったせいであんたも変わらざる得なかったのかと思ってしまいます。
まあこれも十分フラグと言えるでしょう。
30話を視聴し終わって
- 果たしてシューマッハたちは一体に何の実行犯になったのか?
- 査問会に赴くヤンはどうなるのか?
- ガイエスブルク要塞はヤンがいないイゼルローンに向かうのか?
- 何かを決心したヒルダは具体的に何をするのか?
いろいろな話が同時並行して進んでいますけど、今回はここで終了。
次回も楽しみですわ。
今回のまとめ三行
- 後の〇〇人キュンメル男爵が登場
- ヤンが査問会に出席するためハイネセンへ
- ガイエスブルク要塞が羽ばたいた
銀河英雄伝説【旧OVA版】第31話「査問会」の感想 「査問会やる意味が今ひとつわからん」
感想(ネタバレあり)
今回は全編通してヤンに対する査問会の話です。
ヤンのファンには胸糞悪い話の連続。
本当に同盟の首脳部は腐ってますわ。
トリューニヒト政権は査問会の結論ってどうするつもりだったんでしょうか?
国防委員長命令で首都星ハイネセンに赴いたヤン一行。
あらぬ疑いを持たれないため徹底したヤンに対し、政権側(国防委員長側)は全く配慮しません。
副官のフレデリカとヤンを引き離し、ヤンを事実上の軟禁状態において
査問会を開きます。
でもこの話見るときはいつも思うのですけど、
ヤンを査問会にかけて政権側は何を得たいのでしょうか?
もちろん査問会を開くきっかけはフェーザーンからの圧力ですけど、目的もなく査問に掛けても何ら効果が出ないでしょうに。
仮にヤンが軍人辞めたらすぐに帝国軍が攻め込んでくるかもしれませんし、ヤンが軍人辞めた後政界に提出したら、それこそ自分たちの権力が奪われる危険が生じるでしょう。
またヤンをそのままイゼルローンに帰って今回のことで完全に愛想を尽かし帝国に亡命したら?
どう考えても同盟政府、というか今のトリューニヒト政権にプラスになること全くないと思うのですけど。
まあ査問会自体はヤンが完全論破してしまい査問会の委員たちの面子を潰しただけですけどね。
でもこのことが第3期に話に繋がるかのですから、ヤンも程々にして置けばよかったのかもしれません。
頼りになるのはビュコックだけ
ヤンと引き離されたフレデリカ。
ヤンを助けるためにいろいろ手立てを講じますけど、それが政権側の気に障ったらしく、ビュコック大将に会うために訪れた宇宙艦隊司令本部の駐車場で憂国騎士団に襲われてしまいます。
間一髪駐車場にビュコックじいさん一行が現れたために難を逃れましたけど。
ちなみにここは小説版には無いアニメオリジナル。
小説では憂国騎士団に襲われること無く、フレデリカの昔なじみを通じてビュコックと面談できています。
まあ憂国騎士団に襲われたという演出にした方が政権側の悪辣さが際立ちますけど、ちょっとやり過ぎな感じがします。
だって宇宙艦隊司令部の施設内ですよ。
トリューニヒト政権に批判的なビュコックの本拠地なのに。
逆に考えると、ビュコックの本拠地にも政権側の憂国騎士団が入り込めると視聴者にアピールすることで、ビュコックの力も意外と弱いと知らせたかったかも。
イゼルローン回廊にあの要塞が侵攻してきた
ビュコックと面談して協力を取り付けたフレデリカ。
これでやっとヤンたちにも光が見えてきたと思ったら、今度はイゼルローン回廊に異変が。
そうあの要塞がイゼルローン回廊にワープアウトしていきたのです。
いきなり要塞がワープアウトしてきたら誰だってビックリ仰天しますわ。
今回はここで終了。
良いところなのに。
査問会は次回で終わり。
次回32話はホワン・ルイの名言に注目です。
今回のまとめ三行
- ヤンを事実上軟禁
- フレデリカ奔走
- イゼルローン回廊にあの要塞が
銀河英雄伝説【旧OVA版】第32話「武器なき戦い」の感想 「ヤン無双よりホワンルイの名言に注目すべき」
感想(ネタバレあり)
今回で査問会は終わり。
まさか帝国軍の侵攻がヤンを救ることになるなんて。
ただしヤンが戻る前にイゼルローン要塞が落ちている可能性もありますが。
また今回ホワン・ルイが言った言葉。
すべての政治家は肝に銘じて欲しい言葉だと思います。
ガイエスブルク要塞の侵攻でイゼルローン要塞は大混乱
イゼルローン要塞はガイエスブルク要塞がワープアウトしてきたことで大混乱に陥ります。
ただでさえ要塞が侵攻してきて度肝を抜かれたのに、それに加えて無敗の魔術師が要塞にいないのですから。
そしてヤンが戻ってくるとしても最低4週間。
それまではヤン不在でイゼルローン要塞を守り切らなければいけません。
司令官代理になったキャゼルヌは胃に穴が開くほどストレスがたまるでしょうね。
あくまで平時だからこそ、後方支援や補給が専門のキャゼルヌが司令官代理に命じられたのですから。
帝国軍の侵攻がヤンが解放される契機に
さて首都星ハイネセンは未だにヤンに対する査問会が開かれてます。
ヤン自身はもう半ば飽きていていつでも辞表を出す準備をしていますけどね。
その一方副官であるフレデリカは東奔西走。
ビュコックの伝手でジョアンレべロから情報を入手したりしてヤンの救出のために働いています。
もう副官という職務以上に働いている感じです。
まあフレデリカ自身ヤンに対する人並み以上の想いがあるから仕方ありません。
そういえばヤンとフレデリカが不適切な関係にあるとゴシップ新聞に記載されていましたけど、
フレデリカ自身そういう関係になりたいと思っているのかもしれませんから、フレデリカにはあの記事は何の効果もないでしょうね。
査問会はまだ続きます。
でもヤンに論破され続けていますから、査問する側の血圧が上昇して、ヤンに対するヘイトが高まるだけな感じがしますわ。
ヤンって見た目ヘタレな二枚目って感じですけど、意外と毒舌。
そのギャップのためにさらに査問する側のヘイトが溜る感じ。
ヤン自身もう軍人辞めるつもりでいるので、相手のヘイトはいくら溜めてもいいと思っているのかもしれませんけど。
そうこうしているうちにイゼルローン要塞から超高速通信がようやく来ます。
イゼルローン回廊に帝国軍侵攻!!
フレデリカやビュコックやジョアンレベロがいろいろ努力しましたけど、ヤンを査問会から救出したのは帝国
だったなんてひどい皮肉です。
ヤン自身辞めるタイミングを失ったのが残念な様子ですけど、ここで本当に辞めたらこのアニメ面白く無くなりますから。
ホワン・ルイのセリフが深すぎる
ヤンが査問会の会場から退場した後、査問会の委員の一人がヤンを非難しますがそれに対してホワン・ルイが以下のように諭します。
「政治家というのはそれほど偉いものかね。
私たちは社会の生産に何ら寄与している訳では無い。
市民が納める税金を公正にかつ効率よく再配分するという任務を託されていてそれに従事している存在だよ。
彼(ヤンのこと)の言う通り、私たちは社会機構の寄生虫でしかないのさ。
それが偉そうに見えるのは宣伝の結果としても錯覚にすぎんよ」
これは政治家というものの本質を表わす名言だと思います。
本来政治家はこういうことを心に刻んで政治をして欲しいところですけど、そんな政治家いないでしょうね。
査問会は中止。
この査問会が原因でイゼルローン要塞が失陥するかもしれない。
当然この責任を誰かが取らなければいけません。
普通ならこの査問会開催を決めた最高評議会議長様が責任を取るべきですけど、もちろん我らがトリューニヒト閣下が責任を取る訳ありません。
責任の全てを国防委員長に押し付けて知らん顔。
さすがですわ。
場面は変わってイゼルローン回廊。
とうとうガイエスブルク要塞がイゼルローン要塞正面に到達。
その主砲ガイエスハーケンが発射されるところで今回は終了です。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第32話を視聴し終わって
次回は要塞対要塞。
白兵戦あり、ドッグファイトあり、艦隊戦あり、と見どころ満載ですので今から楽しみですね。
メルカッツがいなければイゼルローン要塞は帝国軍の手に落ちていたかもしれませんわ。
今回のまとめ三行
- 帝国軍の侵攻でヤンが査問会から解放される
- ホワン・ルイの名セリフは聞く価値あり
- ついに始まる要塞対要塞
銀河英雄伝説【旧OVA版】第33話「要塞対要塞」の感想 「主砲の打ち合いから、白兵戦、ドッグファイト、そして艦隊戦まで見どころしかない回です」
あらすじ&感想(ネタバレあり)
とうとう来ました。
イゼルローン要塞VSガイエスブルク要塞。
第2期前半の山場です。
ヤン不在を悟られないために
イゼルローン要塞正面に到着したガイエスブルク要塞。
引っ越し祝い代わりに主砲ガイエスハーケンをイゼルローン要塞にぶち込みます。
さすがは要塞主砲。
一発でイゼルローンの流体金属層をぶち破り、4000人の兵士を消失させました。
呆然自失の同盟軍。
いくら優秀でもこれではいけません。
そんな中唯一まともだったシェーンコップの進言を受け、キャゼルヌはガイエスブルク要塞にこちらも要塞主砲トールハンマーをぶち込みます。
主砲を撃ちあえばこちらもやられる。
そういう恐怖を与えるためには躊躇してはいけませんから。
そこで一時の小康状態。
ヤンが帰ってくるまでの3週間。
何としてでも要塞を死守しなければいけません。
でもヤンがいないためどうしても受け身になってしまい、今度は帝国軍の工兵がイゼルローン要塞表面に取り付くのを許してしまいます。
すぐに迎撃のために出撃するローゼンリッター。
こういう仕事は連隊長のリンツさんのお仕事ですけど、未だに連隊長気分のシェーンコップは自ら指揮します。
某映画のエピソード6に出てくる乗りものに似たやつに乗って白兵戦をする帝国軍とローゼンリッター。
温度が極端に低い世界ですので、切られて血が吹きだしても一瞬で固まってしまいます。
リアルな感じがします。
ホントにリアルかどうかは知りませんけど。
まあ、結果は当然ローゼンリッターの快勝。
つ~か、ローゼンリッター強すぎです。
満ち潮で同盟軍最大のピンチに
さてまたここで小康状態。
同盟軍側も何か仕掛ければいいのですけど、そんな策を思いつく人極端にいませんからねえ。
シェーンコップも白兵戦関係ではいろいろ思いつくみたいですけど、門外漢の艦隊戦は…。
でもこの小康状態のうちに準備を整えた帝国軍。
艦隊を出撃させた後、ガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞に接近させながらガイエスハーケンをぶち込み始めます。
当然イゼルローンもトールハンマーをぶち込みますけど、第2射以降それほどダメージを与えられないばかりか、肝心のトールハンマーが流体金属層の海に水没。
そう、帝国軍はガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞に近づけることによって、引力による満ち潮を人工的に作りだしたのです。
これは原作にはないアニメオリジナル。
流体金属に覆われているという設定を上手く活用しております。
個人的にここまで設定を上手く使ったアニメって記憶にありませんわ。
引力に導かれた流体金属がどこから来ているかというとガイエスブルクに面していないイゼルローンの背面部から。
その背面部に攻撃を始めるさっき出撃していた帝国艦隊。
流体金属層がなくなったイゼルローン要塞にレーザー水爆ミサイルで穴をあけることに成功。
そして制宙圏を確保するためワルキューレが出撃です。
ここら辺の同盟軍の危機感はハンパありません。
同盟軍も空戦隊を出撃させて迎撃させますけど、同盟軍絶体絶命の状態に変化なし。
ここでようやくあの御人が動きます。
そう客員提督のメルカッツさん。
メルカッツはキャゼルヌに艦隊の指揮権を預かりたいと具申します。
メルカッツはもともと帝国の軍人。
そのメルカッツに艦隊の指揮権を渡すにはかなりの勇気が必要でしょう。
でもキャゼルヌは躊躇することなくメルカッツに艦隊の指揮権を渡します。
メルカッツのこれまでの行動が信頼を作り上げたのでしょうけど、キャゼルヌの決断力を褒めるべきだと思います。
普通の軍官僚ならば自分が責任を取らなければいけないようなことは絶対に認めないでしょうから。
その点、キャゼルヌは肝が座っています。
ヤンは司令官代理に適任者を選んでいたことになりますね。
さて帝国艦隊の隙をついて出撃したメルカッツ指揮するヤン艦隊。
帝国艦隊を指揮するミュラーを捻ってこの最大の危機を脱します。
さすがはメルカッツと言ったところでしょう。
その一方、敗北したミュラーにケンプは叱責。
ミュラーとしては面白くありませんけど、失敗した身ですので後方に下がって艦隊の再編をすることに。
そしてその後ミュラーはある情報を得ます。捕虜にした同盟軍の軍人曰く、「要塞にヤン提督は不在である」と。
果たしてこの情報をどう判断するのか、
ミュラーが思案するところで今回は終了。
第33話を視聴し終わって
もう文句なく神回です。
見せ場しかない回と言っても過言ではないと思います。
銀英伝好きな人なら「アニメはちょっと」と思っている原作ファンでも絶対に見るべきです。
それぐらいの良い回です。
さて次回はヤンが帰還します。
果たしてガイエスブルク要塞はどうなってしまうのか?
まあイゼルローンはどうなってしまうのかと書かない時点で察しが付くかもしれませんけどね。
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 戦闘のフルコース
- 受け身のイゼルローン要塞側
- メルカッツは老練で優秀な用兵家です
銀河英雄伝説【旧OVA版】第34話「帰還」の感想 「ヤンとラインハルト、考えることは一緒です」
感想(ネタバレあり)
今回でイゼルローン要塞VSガイエスブルク要塞の戦いがほぼ決着します。
結局戦術家としてのケンプはヤンの敵ではありませんでした。
仮にラインハルトがガイエスブルク要塞の指揮を取っていたら、ヤンが帰ってくる前に決着がついたでしょうね。
ミュラーの独断がケンプを怒らせ結果的に大魚を逃す
ヤンが要塞にいないという情報を得たミュラーは、ケンプに報告しないままヤンを捕えるために自分の艦隊を勝手に再配置します。
しかし司令官はあくまでケンプ。
当然ケンプは激おこです。
ミュラーもやっちゃいましたねえ。
どんな優秀な上司でも自分の面子を潰されると意固地になるのはいつの世も一緒。
ケンプもその例外ではありません。
結局ミュラーは自分の出した命令を撤回します。
小説ではこの時の決断をミュラーが悔いたという記述がありましたが、副司令官としては命令を撤回する以外の選択肢はこの時なかったと思います。
ヤンやラインハルトレベルの戦術家になると考えることは同じのようです
さて、戦線が膠着状態に陥ったことを知ったラインハルトはロイエンタールとミッターマイヤーを増援としてイゼルローン回廊に送りこみます。
ケンプでは荷が重いことにラインハルトはようやく気付いたようです。
今回の作戦目的はあくまでイゼルローン回廊の奪取。
イゼルローン要塞の奪取ではないのです。
ですから極端な話、イゼルローン要塞にガイエスブルク要塞をぶつけて両方潰せば、あとは戦力の勝る帝国軍の独壇場。
要塞なんて必要無いのです。
そして同じことをヤンも考えていました。
自分が帝国軍の司令官なら要塞ぶつけて後から別の要塞を運んでくると。
やっぱり戦争の天才たちは戦略目標達成のために
一番確実な戦術を考えだすのですね。
凡人だったらガイエスブルク要塞を上手く使って、イゼルローン要塞を奪取することばかり考えてしまうでしょうから。
ケンプみたいに。
その頃フェザーンではマスオさん、じゃなかった同盟の高等弁務官ヘンスロー氏がフェザーン側に激おこです。
そりゃあフェザーンの勧告に従って査問会開いたらイゼルローン回廊へ帝国軍が攻めてきたのですから。
まあ怒るのはいいのですけど、簡単に言いくるめられるのちょっと。
弁務官は駐在大使みたいなものなんですからもうちょっと優秀でないと。
ガイエスブルク要塞大爆発!これにより同盟の勝利はほぼ決定したけど
場面は再びイゼルローン回廊へ。
同盟軍の救援が気ていることを知ったケンプはこれを利用して救援艦隊とヤン艦隊の各個撃破を目論みます。
ただこの策をイゼルローン要塞にいたユリアンは看破。
そのユリアンのげんに従い艦隊を動かすメルカッツ。
ここはちょっと唐突な感じもしますけど、メルカッツも帝国軍の動きをおかしいと思っていたのでしょう。
そしてユリアンの言ったことがおかしいところと合致したので採用したのだと思います。
結果的に各個撃破するはずの帝国艦隊はヤンが指揮する救援艦隊とヤン艦隊の挟み撃ちにあって壊滅状態。
追い込まれたケンプはようやくガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞にぶつけることをここで思いつきます。
この辺のシーンについて。
今回の前半でラインハルトやヤンが考えていた「要塞に要塞をぶつける」と戦術。
その戦術は追い詰められないと凡人では思いつくことではないということを対比したかったのだと思います。
こういうところが良くできていると思いますね。
要塞に要塞をぶつけられた一大事。
でもヤンがいるから大丈夫。
考慮した戦術である以上、その対処法もすでにヤンは考えていたのです。
ガイエスブルク要塞の推進エンジンを一つだけ潰して前進できないようにした上でトールハンマーでトドメを刺します。
ガイエスブルク要塞はケンプを道ずれに大爆発。
ここに同盟軍の勝利が確定・・・と言いたいところですけど、逃げ出した帝国艦隊の残党をグエンバンヒュー少将とアラルコン少将の艦隊が勝手に追撃。
ヤンが慌てて追いかけます。
その一方帝国領からは帝国の双璧が。まだまだ予断を許しません。
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 戦争の天才は発想することも一緒
- 各個撃破するはずが挟撃されたでござる
- ガイエスブルク要塞は爆発しケンプも戦死する
銀河英雄伝説【旧OVA版】第35話「決意と野心と」の感想 「キルヒアイスが生きていれば」
感想(ネタバレあり)
前回はガイエスブルク要塞をヤンが破壊。
そして退却する帝国軍残存艦隊をグエンバンヒューとアラルコンが追撃したところからです。
追撃しなければ同盟軍の完勝だったのに。
引き際でわかる帝国と同盟の提督の差
帝国軍の誇るガイエスブルク要塞を破壊し意気上がる同盟軍。
さらなる戦果を求めて同盟軍のグエンバンヒュー少将とアラルコン少将が帝国軍の残存艦隊を追って帝国領方面に向かいます。
ヤン自身は追撃しないように命令したみたいですけど、グエンバンヒューとアラルコンはどちらかというと猛将タイプ。
たぶん命令違反を冒してもそれ以上の戦果を上げれば、ヤンも命令違反を不問に付すだろうと思っていたのかもしれません。
考え方が旧日本陸軍そっくり。
ただヤンの性格から言うと、どんな戦果を上げてもグエンバンヒューとアラルコンはヤンから命令違反で責任取らされたでしょうけどね。
ヤンは追撃して得られる戦果よりも近くまで来ているかも知れない帝国軍の増援が怖かったのだと思います。
戦線が膠着しているのなら増援を送るのが普通。
ラインハルトでなくても標準以上の指揮官ならそうするでしょうから。
案の定帝国軍の残存艦隊は増援に向かっていたミッターマイヤー、ロイエンタールと合流。
同盟軍が追撃してきているのを探知した両将は同盟軍に一撃を加えてすぐに撤退することを決めます。
この時ミッターマイヤーとロイエンタールはミュラーから同僚であるケンプの死を知らされますけど、ミッターマイヤーは同僚の死を悼むような顔をする一方、ロイエンタールは顔色一つ変えません。
こういうところがミッターマイヤーとロイエンタールの性格がよく現れますけど、実際この時ロイエンタールはどのように思ったのでしょうか?
表情は変わらなかったけどケンプの死を悼んだのか?、それともケンプは使い捨てにされたと思ったのか…。
キルヒアイスの死によってラインハルトの性格が変わる前だったら前者の可能性もありますけど、個人的には後者だと思います。
ロイエンタールの中でラインハルトに対する不信感がだいぶん高まっているように感じられますので。
グエンバンヒューとアラルコンが率いる同盟軍5000隻はミッターマイヤーとロイエンタールの前では赤子同然。
瞬く間に艦隊は全滅。
グエンバンヒュー、アラルコン両人とも戦死します。
その後ヤン率いるヤン艦隊本体が到着しますが、帝国軍の残存艦隊の収容と追撃部隊に痛手を負わせるという戦術目標を達成したミッターマイヤーとロイエンタールはサッサと退却。
この引き際は見事です。
おそらくミッターマイヤーとロイエンタールの艦隊は合わせて2万隻はいるでしょうから、1万隻のヤン艦隊と五分以上に戦えることでしょう。
しかし相手はヤン・ウェンリー。
どんな奇策を用いてくるかわかりません。
またラインハルトからの命令はガイエスブルク要塞の救援。
それが達成できない以上、ヤン艦隊と戦っても戦略的な意味はないのです。
考えるだけだったら誰でもできますけど、こういう状態で撤退できるのは流石というべきです。
普通ならグエンバンヒューとアラルコンのようにさらなる戦果を求めるはずですから。
だからこそさっさと撤退したミッターマイヤーとロイエンタールをヤンは賞賛するのでしょうね。
これでガイエスブルク要塞がイゼルローン回廊に侵入して起こった要塞対要塞の戦いは終了です。
親子は似るもの。しかし能力まで同じとは限りません
場面が変わってフェザーン。
補佐官のケッセルリンクがルビンスキーに同盟の経済の報告を行っています。
ケッセルリンク曰く、同盟の軍事費がGNPの30%を超えたと。
GDPではなくGNPで表現するところが時代を感じさせますけど、それは置いておいて。
軍事費が30%って結構な数字です。
軍事費自体そこから経済的利益はほぼ生まれません。
実質持ちだし状態。
それが国民総生産の3割を超えるとなると経済自体長く持つはずはありませんよね。
フェザーンの思惑通りです。
あとは同盟の経済を名実ともに乗っ取り、その権益を帝国に認めさせる。そのためにフェザーンは何かをやるようです。
おそらくその何かのためにランズベルク伯とシューマッハ大佐を使うのでしょうけど。
さてルビンスキーはケッセルリンクに休暇を与えます。
明日はケッセルリンクの母親の命日なので。
これにはケッセルリンクも驚きます。
そう、ルビンスキーがケッセルリンクの母親のことを知っている、つまりケッセルリンクが自分の子供であることをルビンスキーが知っているということですから。
でも普通に考えてここでケッセルリンクが驚くのおかしいですよね。
ルビンスキーはフェザーンの最高権力者。
ケッセルリンクはその最高権力者の補佐官ですからしっかりと身辺調査されることを認識しているはずです。
当然その調査から自分がルビンスキーと血が繋がっていることだってバレていると考えるのが普通なのに。
もしかしてケッセルリンクって馬鹿なの?
そう思わずにはいられません。
ルビンスキーは自分の後継者になりたいのなら実力と人望を得るために時間を掛けるようにケッセルリンクに諭します。
でもケッセルリンクは聞く耳を持ちません。
もちろんルビンスキーの前で大人しくしていましたけど。
ケッセルリンク自身、ルビンスキーが自分の栄達のためにケッセルリンクの母を捨てたと思っているようです。
たぶんルビンスキーに取り入っているのも自分がルビンスキーにとって代わってルビンスキーに復讐するためなんでしょうね。
しかしケッセルリンクが思っていることぐらいルビンスキーにもお見通し。
それなりの用心もたぶんしていることでしょう。
ここはルビンスキーの言う通り時間がかけるべきだったと思います。
ケッセルリンクみたいに自分が一番賢く、他のやつは馬鹿と思うような性格の場合、たぶんダメでしょうね。
またキルヒアイスが生きていれば…か
帝都オーディン。
ラインハルトはヒルダと昼食中。
またラインハルトは物騒なことを言っています。
そんなこと言うからロイエンタールに不信感持たれるのですけど。
そこにオーベルシュタインが報告のために部屋に入ってきます。
オーベルシュタインの報告で、
- ガイエスブルク要塞が破壊される
- ケンプが戦死
- 15000隻の艦艇の喪失
以上のことをラインハルトが知ることに。
でもケンプの死より15000隻の喪失に関して反応するのってどうよ。
少しはケンプの死に関しても何か思えよと言いたいです。
怒り心頭で別室に行くラインハルト。
短気な性格は変わっていません。
以前だったらすかさず赤毛の親友が正論言ってラインハルトの怒りを鎮めるのですけど、その親友はもういませんから。
そんな時親友の幻がラインハルトの怒りを鎮めます。
結局ラインハルトは親友がいないとダメ。
それが現れているシーンです。
以前ロイエンタールが言った、「ジークフリード・キルヒアイスは特別だった」という言葉。
これは本当だったと感じますね。
怒りを鎮めたラインハルト。
生き残ったミュラーを処分しないことを決めます。
この時ミュラーを処分しなかったことがバーミリオン会戦の時にラインハルトの命を救うことになりますけど、ホント上手く繋がっていますわ。
ミュラーの療養、いろいろ悪事を働いていたシャフト技術大将の逮捕が決まった後、オーベルシュタインはミュラーの助命をヒルダが諫言したのか尋ねます。
その真意は余計なことをするなと言ったところでしょうか?
オーベルシュタインとすれば失敗したミュラーを切り捨て綱紀粛正に繋がればよいと考えていたのかも。
またヒルダが諫言してそれをラインハルトが受け入れたとすれば、今後ヒルダが国政に口出して面倒なことになるとも考えたのでしょう。
オーベルシュタインからすれば、ラインハルトなんぞは自分の理想の国家を作る道具ぐらいにしか思っていないのかもしれません。
それを危険視するヒルダ。
ここでヒルダはオーベルシュタインに対抗すべきという結論に達します。
ラインハルトのためというよりはラインハルトを第2のルドルフ大帝にしないためですけど。
そしてなぜかラインハルトの姉であるアンネローゼに会う必要があるということになりますけど、どうしてアンネローゼに会う必要があるのかイマイチぴんときませんね。
ミッターマイヤーとロイエンタールはまた二人で飲んでいます。
ケンプに対するラインハルトの配慮を喜ぶミッターマイヤーに対して、ロイエンタールの発言はいつものように皮肉でいっぱい。
キルヒアイスが死んだ後のラインハルトに対してロイエンタールは不信感しか無いご様子です。
それに気付かないふりをするミッターマイヤーの口から出た言葉、「キルヒアイスが生きていれば」。
結局みんな思うことは同じです。
どれだけキルヒアイスが偉大であったか、どれだけキルヒアイスに依存していたかがわかります。
ユリアンが正規の軍人になることをヤンがしぶしぶ承認する
イゼルローン要塞内のヤンの宿舎。
ユリアンはずっと考えていたことをヤンに伝えます。
正式な軍人になりたい。自由と平等を守る軍人に。
普通の親だったら子供が軍人になりたいと言って来たら良い顔はしません。
軍人はいつ死ぬか分からない職業ですから。
当然ヤンも同じです。
でもヤンはユリアンが軍人になることを容認します。
ユリアンの軍人になりたい理由に曇りがなかったからでしょう。
その後軍人とは?歴史とは?という話に。
これが次の次のシーンのキュンメル男爵のところに繋がります。
ここら辺の繋がり方は見事ですね、
しっかり話がリンクしています。
最初ヤンの話を聞いたとき、このシーンいるのかなと思いましたけど、キュンメル男爵がある決意をするのに繋がっているのですから後から考えると重要なシーンだと分かりました。
こういうところが至るところにあるので銀英伝は見てて楽しいですよね。
最後の場面は宇宙港。
フェーザーンの意を受けたランズベルク伯とシューマッハ大佐がどこかへ出発しようとしてます。
果たしてこの二人は何をしでかすのか?
次回以降も楽しみですわ。
旧OVA版2期後半の感想記事はこちらから。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第36話~第54話の感想「ヤンの決断は仕方ない」
今回のまとめ三行
- 引き際が肝心
- ルビンスキーとケッセルリンクは親子
- ユリアンが正式な軍人に