感想(ネタバレあり)
最初から原作のエピソードが大幅に削られるのはわかってました。
だって2時間で原作ラノベ6冊分を消化しなければいけませんので。
さらに今回は倫也と加藤のメインルートが主に描かれるのはわかっていたので、えりりと詩羽先輩のエピソードがかなり削られるのは覚悟してました。
でもね、まさか原作8巻から10巻ぐらいまでのエピソードをほぼ全部削りまくってしまうとは。
えりりの本気の絵を見てスランプに陥る出海も、紅坂朱音にケチョンキョンにされて自信喪失し倫也のゲームの自分のルートを見てデレデレになる詩羽先輩も、えりりと加藤の友情が復活するシーンも全部カット。
まあ、えりりと加藤の仲直りのシーンはアニメ2期の最終話で改変されたので、削られても仕方ないのですが。
映画を鑑賞して原作読んでない方で原作8巻から10巻の内容を知りたい方はこちらのリンク先をご覧ください。
大雑把ですが、原作8巻から10巻の内容がわかりますので。
あと詩羽先輩に関しては倫也と二人きりで話す原作13巻の大事なシーンもカット。
おいおい丸戸(原作者で今回の映画の脚本も担当した丸戸史明先生)よ、詩羽先輩派を全員敵にしやがったな!!とEDの後のエピローグを見るまで本気で思いました。
ただEDの後のエピローグを見た後は、神様仏様丸戸様と本気で思いましたわ。
詩羽先輩推しのファンはみんな思っていたのです(たぶん)。
加藤が存在する世界で、加藤に勝利する詩羽先輩を見たいと。
それが見れただけでも感無量です。
ツイッターの呟き見ていると詩羽先輩のショートが以外と好評だったみたいですね。
確かに大人の女性の雰囲気が存分に漂っていたから多くの方が満足するのはわかります。
ただ私は黒髪ロングの先輩が好きなので、あの姿を見て正直複雑でした。
あらすじは原作+オリジナルのエピローグ
映画のあらすじはほぼ原作11巻以降をなぞっております。
もちろん改変されたところもありますけどね。
例えばアバンのライブから打ちあげのシーン。
あのシーンで8巻から10巻までの内容を削った帳尻合わせが行われております。
特に大事なのは加藤が倫也と詩羽先輩がキスしたことを知ったところ。
原作では合宿に向かう途中で加藤が知ることになったのですが、合宿自体が削られたので、あのシーンに入れこまれてました。
まあ、あれは加藤が後々嫉妬するための大事なエピソードだったので、わざわざ入れたのでしょう。
あと加藤と伊織の確執もしっかりあの打ちあげシーンに入ってましたね。
あれも正妻戦争の始まりという大事なシーンなので入って良かったです。
その後は倫也と加藤のイチャイチャ、ハプニング、倫也のありえない決断、倫也と加藤の間にヒビが入る、倫也と加藤の仲が復活、えりりと詩羽先輩の敗北宣言、倫也と加藤のキス、ED、完全オリジナルのエピローグとなります。
倫也と加藤のイチャイチャの破壊力が凄すぎる
ゲームのシナリオ作りという名目でイチャイチャする倫也と加藤。
今回の映画のメインはこれと言っても過言ではないでしょう。
舞台挨拶で出海役の赤﨑千夏さんが言ってましたけど、電車を待つシーンで倫也と加藤が手を繋ぐところ、あそこの破壊力が凄すぎです。
加藤の方から手を絡ませて恋人繋ぎになるのですが、もうね、指の動きでリアルでエッチです。ホントにここは絶対に見てほしいところです。
そして一緒に思いましょう、「倫也爆ぜろ!!」と。
あと終盤の倫也と加藤がキスするシーン。
1回失敗して仕切り直しをしようとするところで一気にキスしちゃう二人。
劇場版冴えカノWEB予告より引用
まさかPVのこのシーンの後にあんなことをするなんて。
感情がフラットだった加藤。
倫也に関心がなかったと思ってた加藤。
いつも一歩引いてた加藤。
それが加藤の方が積極的にキスするなんて反則だろ。
貯めに貯めて一気に爆発する。
その破壊力を感じた良いシーンだったと思いますわ。
忘れてましたけど、ストーリー前半で倫也のために恵が作ったサンドウィッチ。
倫也が食欲がないと一口食べて残したサンドウィッチを平気で口に入れる恵のシーンがありました。
台本では「勿体ないから」みたいな感じでト書きされてたそうですけど、加藤役の安野さんか誰かが言ってた通り、勿体なくても普通は躊躇なく食べたりできませんよ。
もうすでにあの時点で恵は気持ち的に倫也の恋人、いや正妻だったのでしょうね。
何か無性に腹が立ってきたわ。
倫也が羨ましすぎて。
空気が読めないえりりと空気が読め過ぎる詩羽先輩
今回の映画でほぼずっとタッグを組んでいたえりりと詩羽先輩。
でも二人が演じた役周りは真逆でしたね。
劇場版冴えカノWEB予告より引用
紅坂朱音が倒れてすぐに倫也に頼ろうとしたえりり。
ホントこいつ空気読めなさ過ぎろと映画見ててずっと思ってました。
まあ、でも最終的には詩羽先輩の説得を受け入れて倫也を諦めるのは良かったですが。
一方の詩羽先輩。
倫也と加藤の仲が深まっていることを注意深く確認し、事実を受け入れる感じが見てて心が痛くなってきました。
本当に損な役回りです。
自分も敗北し失恋したのに、えりりに敗北したことと失恋したことをわからせることまでやらなければいけないのですから。
そしてその上で13巻の倫也と詩羽先輩が二人で話すシーンもカット。
えりりの方はしっかり13巻のシーン描かれていたのに。
詩羽先輩ばかりに貧乏くじを引かせ過ぎだろ。
オリジナルのエピローグはファンの理想の世界
さて今回の映画。
真骨頂はED終わった後のエピローグです。
そこに描かれたのは原作でも描かれなかった13巻の終わりから数年過ぎた世界。
ええ、ここで詩羽先輩推しのファンは報われましたわ。
詩羽先輩が作った作品の中だけでもいいんです、大事なのは加藤に詩羽先輩が勝ったという事実なので。
ここ、本当にTVアニメ化してくれませんかね?
これがアニメ化されたらファンもお金落とすと思いますよ。
案外詩羽先輩推しのファンもいますので。
妄想(?)の詩羽先輩の作品の世界が描かれた後、現実の数年後の世界へ。
倫也と加藤は二人で会社を立ち上げ、まだまだゲーム制作を続けている様子。
美智留、出海、えりり、詩羽先輩、そして恵。
倫也の夢に協力する仲間がいる。
そして最愛のパートナーがいる。
現実になって欲しいと思っていた世界。
それがオリジナルのエピローグに描かれています。
是非このエピローグは見てほしいです。
このエピローグだけで映画代を出す価値があります(断言)。
そしてエピローグはあるキャラの指にも注目。
ツイッターの呟き見て私も知りました。
こりゃあ続編は作れませんわ。
少なくともこの世界線では。
終わりに
普通のヒロインが特別なヒロインたちに勝利する世界。
アニメ作品ではあり得ないはずなのにそうなっちゃうのが冴えカノの魅力なんでしょうねえ。
まあ手が届かない存在よりも身近な何とかなりそうな相手で満足することは現実世界ではありそうですけど、アニメの主役は普通やりませんよ。
ただえりりも詩羽先輩も特別になったので敗北したことをわかっていますが、倫也だったら必ず自分達のところまでやってくることを確信しているようです。
二人とも倫也の特別じゃなくなる、つまり自分達もまだワンチャンあると思っていそうで怖いです。
でもそういう諦めが悪い性格もえりりと詩羽先輩の魅力なんですけどね。
これで冴えカノも終わり。
寂しい気持ちもありますが、同時に大満足な終わり方で良かったという気持ちの方が大きいです。
こんなに楽しめる映画を作って頂き本当にありがとうございました。
時間があれば2回目3回目を見にいきたいと思います。
※追記
いよいよBD&DVDが発売されます。
冴えカノファンだったら大満足する内容だった劇場版。
付録物も豪華なので、購入を検討してみてくださいな。