『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1期の感想記事です。
どうしても旧OVA版と比較されて低評価されることが多いですけど、個人的にはそこまで悪いとは思いません。
旧OVA版でもそのまま残ってた原作の辻褄が合わないところを修正したり、原作に無い部分を補ったりしてますので。
また旧OVA版を見たこと無い方は純粋に楽しめると思います。
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話「永遠の夜の中で」の感想 「各個撃破で帝国軍の完全勝利目前のはずだったのに」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話「アスターテ会戦」の感想 「ヤンの指揮で一矢報いる」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話「常勝の天才」の感想 「姉の奪回、そして宇宙を手に入れる」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第4話「不敗の魔術師」の感想 「手ぶらのヤンからエルファシルの英雄へ」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第5話「第十三艦隊誕生」の感想 「昇進した代わりに困難な任務を任された」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話「イゼルローン攻略(前編)」の感想 「難攻不落の要塞に対する攻略戦が始まる」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第7話「イゼルローン攻略(後編)」の感想 「難攻不落の要塞は内側から占領すべし」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第8話「カストロプ動乱」の感想 「キルヒアイスが本気を出す」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」の感想 「新旧キルヒアイス(の中の人)の共演見れただけで満足かも」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話「それぞれの星」の感想 「権力者に問い続ける政治家ジェシカの戦いが始まる」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第10話「幕間狂言」の感想 「同盟の天才軍師フォーク准将登場です!!」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第11話「死線(前編)」の感想 「物資不足で弱体化した同盟軍に帝国軍が迫る!!」
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話「死線(後編)」の感想 「苦戦する同盟軍!!3倍の敵を前にヤンはどうなる?」
- 補給艦隊を全滅させてキルヒアイスのよるお膳立て終了
- 同盟軍第10艦隊、そして他の艦隊も敵襲を受ける
- 同盟軍の空戦エース「オリビエ・ポプラン」がやっと登場
- 第10艦隊は半数の艦隊の撤退に成功!しかし艦隊司令は戦死
- 逃亡に成功したヤンを待ち構えていたのは?
- 無能な総司令官(ロボス元帥)の命令でアムリツァ恒星系へ
- ホ―ウッド中将の捨て身の攻撃でヤンは逃亡成功
- 同盟と帝国の両軍はアムリツァ星系へ
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話を視聴し終わって
- 今回のまとめ三行
- 『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話の補足説明「旧OVA版とDIE NEUE THESEの該当シーンの比べてみたら、違いが結構あった」
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話「永遠の夜の中で」の感想 「各個撃破で帝国軍の完全勝利目前のはずだったのに」
感想(ネタバレあり)
いよいよ放送が開始となった新銀河英雄伝説。
ストーリー的には旧OVA版とさほど変わりませんが、今回の新銀英伝は原作により忠実に描かれているようです。
包囲されたのではなく同盟軍を各個撃破する好機
ゴールデンバウム朝銀河帝国、自由惑星同盟、そしてフェザーン自治領。
この3つの勢力が拮抗した世界。
ってもうすでにここからおかしい。
帝国と同盟はともかく、フェザーンの国力考えても同列に並べるのはどうかと。
それに形式的にはフェザーンは帝国の自治領ですし。
私のような原作ファンの多くはここでツッコミを入れたではないでしょうか?
さてそんな情勢の最中、ローエングラム伯ラインハルトが率いる帝国軍遠征艦隊は同盟領であるアスターテ星域へ進軍中です。
アスターテ星域にはすでに敵である同盟軍が待ち構えており、その数3個艦隊約4万隻。
これに対して帝国軍は2万隻あまり。
数では同盟軍が圧倒的に有利であり、さらに同盟軍は数を生かして帝国艦隊を包囲殲滅しようとしているのです。
これは過去、帝国軍が同盟軍に大敗を喫したダゴンの殲滅戦と同じ形。
銀河英雄伝説第1話より引用
それを踏まえてラインハルト旗下に配属されている提督たちはラインハルトに意見具申ためにやってきます。
ラインハルト自身、提督たちがどういう意見具申をするかだいたい予想しているようですね。
戦力と布陣の状態を考えれば、戦わず撤退すべきと考えるのが普通ですから。
案の定、口火を切ったシュターデン中将は撤退すべきとラインハルトに具申します。
このまま戦端を開いても殲滅されるだけ。
だったら退却した方がマシ。
そして退却してもその責任はすべて艦隊司令官が被るもの。
今回一時的に配属された自分には関係ない。
シュターデンはそこまで考えているのかもしれません。
しかしラインハルトはこの進言を却下します。
なぜから、現在の状況は包囲殲滅される危機ではなく、各個撃破する好機と考えているからです。
確かに同盟軍の方が数が多い。
しかし包囲殲滅するため艦隊毎に行動しており、その数の優位を戦術面で使えない状態。
艦隊毎の連携が取れていない状態、つまり1個艦隊VS1個艦隊で戦えば、数的に同盟軍各艦隊1万数千VS帝国艦隊S2万。
帝国軍の方が数が多いのです。
もちろん戦闘で何が起こるかわかりません。
今は分散していても、戦闘が始まったら同盟軍も作戦を変更して一か所の戦力を糾合するかもしれませんから。
撤退案を却下された提督たちは明らかに不満タラタラ。
でも指揮官であるラインハルトの命令に背くだけの度胸がある奴もいないようです。
所詮その程度の奴らということでしょう。
ファーレンハイト少将以外は不満を抱えたまま帰っていきます。
正面から激突した同盟軍第4艦隊を帝国艦隊が撃破
3個艦隊4万隻の兵力で帝国軍を包囲殲滅する。
これが同盟軍の基本戦略です。
帝国軍は包囲殲滅を逃れるために撤退するか、一定の宙域に留まり守りを固めるはず。
用兵の常識から考えればそうするはずなのですが、各個撃破を図る帝国軍は直進。同盟軍第4艦隊に攻撃を仕掛けます。
銀河英雄伝説第1話より引用
まだ戦闘に突入しない。
そう考えていた同盟軍第4艦隊はポカーン状態。
さらに帝国軍の妨害電波のために思うように迎撃できません。
もう戦いは一方的。
第4艦隊は妨害電波のためにデータリンクを潰されシールドさえ張れない状態。
そのため次々に撃沈されていく同盟軍の艦艇。
銀河英雄伝説第1話より引用
ラインハルトが意図した通り、1個艦隊VS1個艦隊の戦い。
そして正面からぶつかった以上駆け引きは関係なし。純粋に数の勝負となります。
第4艦隊だけだと数で劣り、それに加えて戦う準備ができてなかったのですからすぐに決着がつきました。
第4艦隊は敗退。
銀河英雄伝説第1話より引用
第4艦隊旗艦レオニダスもご覧の通り、宇宙を浮遊する鉄くずに。
当然生存者なんていません。
たぶん司令官たるパストーレ中将も…。
これにて第1戦目終了。
帝国軍の完勝です。
次は後ろから同盟軍第6艦隊を攻撃して殲滅させる
当初の予定通りの行動を取る第6艦隊。
艦隊司令のムーア中将は呑気に飯を食っています。
銀河英雄伝説第1話より引用
そこに敵が意外な方向から現れたとムーア中将に報告するラップ少佐。
しかしムーア中将はその情報を信用しません。
ムーア中将の予想では帝国軍は第4艦隊と戦っているはず。
こんなに早くこっちに来るはずがないと。
確かに一般的な戦いだったら、敵を撃破後すぐに掃討戦に移り、一隻でも多くの敵艦を撃破するのが常識です。
だからその常識から考えると帝国軍がこっちに来るはずがない。
ムーア中将的にはそういう結論に至ったのでしょう。
でも帝国軍は同盟軍の想定を超える行動を取って第4艦隊と戦端を開いたのですから、その常識とやらで予想すること自体間違っているのですけどね。
帝国軍の砲火で旗下の艦隊が大損害を受けてようやく本当に敵が来たことを認識したムーア中将。
ここでラップ少佐は混乱を避けるために時計回りで艦隊を動かし、敵の後背に付くべきだと具申しますがムーア中将はその具申を却下。
艦隊を反転させてこの宙域で戦おうとします。
しかしこんな戦闘宙域で反転しようとすれば混乱するだけ。
反転しようとしてさらに混乱した第6艦隊はまともな反撃ができず、旗艦以下多くの艦隊を失い敗退しました。
ホント同盟軍の提督たちって無能揃いですわ。
よく艦隊司令まで出世できたなぁと思います。
完全勝利は目前!そのためラインハルトは調子に乗ってフラグ立てちゃった
第4、第6と2つの艦隊を撃破した帝国軍。
後は第2艦隊を撃破すればほぼパーフェクト勝利です。
艦数で言えば、帝国軍遠征艦隊約2万隻に対し、同盟軍第2艦隊は約15000隻。正面からぶつかれば数が多い帝国軍が負ける訳ありません。
だからこそラインハルトもかなり余裕があるです。
銀河英雄伝説第1話より引用
しかしキルヒアイスはまだ浮かない様子。
確かに帝国軍は勝ちつつある。
でもラインハルトのような天才が同盟軍の中にいたら…。
そんなことあるはずはない。
そう言わんばかりにラインハルトは軽口を叩きますが、それ完全にフラグですから。
さて同盟軍第2艦隊は旗艦パトロクロスが損傷し、艦隊の指揮を次席幕僚のヤン准将が取ることになります。
ヤンが艦隊に向けたスピーチを傍受し、それを聞くラインハルトとキルヒアイス。
「自分の命令に従えば負けない」というヤンのスピーチを聞いたラインハルトはそれを大言壮語と評価。
そしてさっさと勝負を決めるために陣形を再編させます。
ラインハルトが新たに取った陣形は紡錘陣形。
艦隊を密集させて敵艦隊の中央突破を図るのに使われる陣形です。
紡錘陣形に再編された帝国艦隊は同盟軍第2艦隊に突入します。
この攻撃により中央突破が成功。
第2艦隊は二つに分断されます。
でもここでラインハルトの頭に嫌な予感が浮かびます。
そして…。
銀河英雄伝説第1話より引用
今回はここで終了です。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話を視聴し終わって
第1話はここで終了。
アナウンスされていた通り、原作準拠でしたね。
旧OVA版との違い(キャラデザなど以外)を簡単に列挙すると以下の通り。
- 同盟軍の各艦隊の数が均一ではなかった(旧OVA版では各艦隊1万3000隻ずつだった)
- フォーゲル中将にセリフがあった
- 第4艦隊の旗艦レオニダスが艦橋付近が大破して漂っている描写があった
- ラップが戦死するシーンがなかった(ペルガモンが撃沈するシーンのみ)
- キルヒアイスが「エル・ファシルの英雄と呼ばれた男」と「ヤン・ウェンリー准将」というキーワードを連呼しなかった
- 第2艦隊内の描写がほぼなかった
これ以外にも違うところがたくさんあるので、間違い探し感覚で見比べると面白いかもしれませんね。
総評ですが、第1話は旧OVAと比較しても十分すぎる出来だと個人的には思います。
私自身そこまで期待していなかったことも良い方に作用したのかもしれません。
この新銀英伝と旧OVA版とは別ものと考えて視聴しなければ、あら探しばっかりになってしまいますからね。
旧OVA版が好きな方も別作品として視聴することをお勧めします。
次回第2話のタイトルは「アスターテ会戦」。
たぶん少し時間が戻って同盟軍第2艦隊内の話が中心になると思います。
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 確固撃破する作戦を披露
- 第4、第6艦隊相手に完勝
- 第2艦隊に勝利しつつある
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話の補足説明
これは『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話の補足説明を目的としたものである。
原作または旧OVA版を読んだり視聴したりした方ならば、その世界感や用語などは当然頭に入っていると思う。
しかし初見の方は第1話を見てストーリーはわかっても、たくさんの疑問点が浮かんだと思う。
この記事ではできる限り、そういうった疑問点を説明できればと思う。
なお注釈を入れてない限り、内容は原作第1巻をベースにしている。
銀英伝の世界について
銀英伝の世界は、熱核戦争で滅亡しかけた人類が、地球から宇宙に進出し、戦争や内部抗争を繰り返しながら3つの陣営を構成するようになった。
すなわち、ゴールデンバウム朝銀河帝国、自由惑星同盟、そしてフェザーン自治領である。
銀河英雄伝説第1話より引用
原作によると、帝国:同盟:フェーザーンの国力比は48:40:12。
人口は帝国:250億人、同盟:130憶人、フェザーン:20億人。
亜人や悪魔や宇宙人などは存在せず、純粋に人類だけである。
また帝国領と同盟領の間には航行不能宙域があり、辛うじ航行可能な場所はイゼルローン回廊とフェザーン回廊の2つだけ。
フェザーン回廊は帝国の自治領ながら、同盟との交易のために中立を宣言しており、帝国軍艦艇の通行を許可していない。
そのため帝国軍が同盟領に侵攻する場合は、イゼルローン回廊経由となる。
第1話の戦いの舞台であるアスターテ星域はイゼルローン回廊の同盟側出口付近に位置する星域となる。
なおイゼルローン回廊には、帝国軍が誇る要塞があり、その要塞があるため、同盟軍は帝国領へ侵攻することができない。
ゴールデンバウム朝銀河帝国
皇帝を頂点とする専制主義国家。
開祖はルドルフ・フォン・ゴールデンバウム。
自由惑星同盟を対等の相手とみなしておらず、叛乱軍と呼ぶ。
自由惑星同盟
民主共和制国家。
銀河帝国の圧政を逃れた人々が建国。
帝国とは150年戦争を続けている。
フェザーン自治領
形式的には帝国の自治領だが、同盟との交易も許可されている。
互いに対等な相手とみなしていない帝国と同盟はフェーザーンを介在させることによって、事実上の取引が可能となっている。
地球出身の大商人レオポルド・ラープが多額の賄賂と情熱をもって帝国に自治領の設置を認めさせたと言われている。
なお、ラープがその賄賂に使った資金をどこから調達したかは不明(意味深)。
アスターテ星域に侵攻した帝国の目的は?
原作ではラインハルトが「叛乱軍を足下に拝跪(はいき)させ、その功績によって自ら地位を確立するためである」という記述がある。
ただし当然ラインハルトの意向で出兵が決定された訳ではない。
帝国騎士のミューゼル家出身にすぎないラインハルトが、銀河帝国の名門ローエングラム伯爵家を継ぐことになり、そのお披露目のためという目的もある。
そして本当にローエングラム家を継ぐだけの実力があるか、敵と戦うことで試験するという面も。
ラインハルト自身の力を見るため、軍首脳部から評価が高かった、ミッターマイヤー、ロイエンタール、そしてメックリンガーがラインハルト旗下から移動となり、代わりに軍首脳部から煙たがれていたメルカッツたちが配属された。
「劇場版新たなる戦いの序曲」ではその辺の事情が細かく描かれている。
またラインハルトの戦死を望むフレ―ゲル男爵の手により、帝国軍の戦力に関する情報が自由惑星同盟に流出しており、そのため同盟軍は帝国軍遠征艦隊の2倍にあたる3個艦隊4万隻を動員した。
ラインハルトとキルヒアイスの関係は?
ラインハルトの副官を務めるキルヒアイス。
銀河英雄伝説第1話より引用
ラインハルト一家がキルヒアイス家の隣に引っ越してきてからの幼馴染であり、ある目的達成のための盟友でもある。
ラインハルトと一緒に幼年学校に入学。
そして卒業してこれまでずっと同じ部隊に配属されてきた。
ラインハルトはどうして若いのに上級大将という地位にあるの?
一応幼年学校を卒業して5年、ほぼ前線に立ち続け(途中で憲兵隊に配属されたこともあったが)軍功を揚げた結果、ここまで出世した。
もちろんそれだけでなく、ある事情も作用しているが、それはストーリーにも関わるので今回は書かない。
アスターテ会戦にはどれくらいの兵士が参加したの?
帝国軍2万隻、同盟軍4万隻。
その艦数にびっくりした初見の視聴者は多いだろう。
しかしビックリするのはそれを動かしている兵士の数である。
原作第1巻によると、アスターテ会戦に参加した同盟軍の将兵406万5900名、帝国軍の将兵244万8400名という記述になっている。
つまり1隻あたり100人強で動かしていることになる。
あれだけ派手に沈んでいるだから、当然戦死者も桁違い。
よく人的資源が枯渇しないものだわ。
戦闘に関する疑問点について
銀英伝の世界では、レーダー透過装置や妨害電波が発達しており、それに加えてレーダーを無力化する材料が出現した結果、索敵装置としてレーダーは焼く絶たない状態になっている。
そのため索敵は有人の偵察艇や監視衛星で行わなければならず、そのデータを元に敵戦力や規模などを予想することになる。
銀河英雄伝説第1話より引用
なぜ第4艦隊は攻撃を受けた時シールドを張れなかったのか?
原作では第4艦隊がシールドを張れなかったという記述はない。
また旧OVA版にもないので、新銀英伝のオリジナルと思われる。
直前にデータリンクが作動しない旨のセリフがあるので、各艦の管制が第4艦隊旗艦であるレオニダスで一括運用されていたと考えられ、レオニダスと各艦のデータリンクが妨害されたため張れなかったと推測される。
第6艦隊が後方から攻撃を受けた原因は?
前述したようにこの銀英伝の世界での索敵は基本有人偵察頼りである。
つまり有人偵察を出していなければ敵の位置を察知できない。
第6艦隊の司令官であるムーア中将は、帝国軍は第4艦隊とまだ交戦中と考えており、第6艦隊の後方方面に対する索敵を疎かにしていたため、攻撃を受けるまで気付かなかったと推測される。
旧OVA版との違いについて
旧OVA版を見たことある方は、今回の新銀英伝といくつか違うところに気付いたと思う。
それに関してここで記述する。
ラインハルトやキルヒアイスはヤンのことを知らない?
旧OVA版第1話を視聴したことがある方は、あるフレーズが頭に残っているはずである。
それはキルヒアイスが何度も口にした「エル・ファシルの英雄と呼ばれた男」、そして「ヤン・ウェンリー准将」の2つのフレーズである。
旧OVA版ではラインハルトとキルヒアイスはヤンのことを知っている設定であり、そのため戦闘が開始されるまで、ラインハルトとキルヒアイスはヤンのことを警戒していた。
しかしこの新銀英伝では、ヤンのことを警戒するどころか、ヤンの存在自体を知らないそぶりである。
実はアスターテ会戦前、ラインハルトとキルヒアイスがヤンのことを知っていたという記述は原作には全くないのだ。
つまりあれは旧OVA版のオリジナルの設定だったのである。
旧OVA版の前に制作された「劇場版 我が征くは星の大海」。
この中でラインハルトとキルヒアイスがヤンを知る機会があり、それがそのまま旧OVA版にも引き継がれたという訳。
まあその知る機会も原作が改変されたオリジナルなのだが。
だからラインハルトとキルヒアイスがヤンのことを知らないという設定が原作準拠となる。
ラップが戦死するシーンがなかったことについて
旧OVA版で鮮烈に印象に残るシーンとしては、ヤンの親友であるラップ少佐が戦死するシーンを上げる方も多いだろう。
確かに沈みゆく第6艦隊旗艦ペルガモンの中で、婚約者のジェシカを想いながらラップが戦死するシーンは、旧OVA版屈指の名シーンであろう。
しかし、あれ、原作には一行もないのだ。
つまりあれも旧OVA版のオリジナル。
だから今回の新銀英伝で描かれないのはある意味仕方ないし、当たり前なのだ。
ただし次回第2話で描かれる可能性もあるのでまだ断定はできないが。
終わりに
簡単に書いたが、まだまだ疑問点はたくさんあると思う。
気になる方は是非原作を読んでほしい。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話「アスターテ会戦」の感想 「ヤンの指揮で一矢報いる」
感想(ネタバレあり)
帝国軍の2倍の戦力を集めた同盟軍。
しかしラインハルトの各個撃破戦法の前に第4、第6の両艦隊は撃破され残る第2艦隊も中央突破戦法の餌食になりかけてところで終わった前回。
今回はこの続きから。
第2艦隊の指揮権を引き継いだヤンはどうやってこの窮地を脱するのでしょうか?
ヤンの作戦案は却下
Ⅹ時間前、自室で本を読んでいるヤンは第2艦隊司令のパエッタ中将から呼び出しを受けます。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
呼び出しの内容はヤンが提出した作戦案について。
どうやら消極的な内容だったようでパエッタ中将はご不満のようです。
現在の戦況は同盟軍が圧倒的に有利。
この機に及んで負けない作戦など必要ないのです。
パエッタ中将的には。
できることならこの会戦で帝国軍に打撃を与える。
そうすれば自分の昇進は確実。
宇宙艦隊司令長官、いや、統合作戦本部長でさえ夢ではない。
それぐらいは考えていそうですよね。
劇場版「銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲」の設定おいて、パエッタはパストーレ、ムーアと共に国防委員長ヨブ・トリューニヒトのお気に入りという設定があったので、勝利できれば確かに夢ではないでしょう。
トリューニヒトとしても自分と反目する軍人より媚びを売ってくる軍人をトップに添える方がいろいろと都合がいいでしょうから。
まあ劇場版の設定はこの新銀英伝においては全部リセットされているみたいなので、トリューニヒトのお気に入りという設定もなかったことにされているでしょうけど。
パエッタ中将に作戦案を却下されたヤンは自室に帰ろうとしますが、途中で幕僚の1人であるラオ少佐に呼び止められます。
ラオはいろいろ言ってましたが結局のところ、作戦案を却下されたヤンを元気づけようとしたのでしょうね。
結構いい奴ですわ。
ヤンの悪い予感は最悪の形で当たる
3方向から包囲してタコ殴りにする。
それが同盟軍の作戦で、同盟軍の予想では帝国軍はある地点で前進を止めて守りを固めるはずでした。
しかし同盟軍が予想した宙域に帝国軍の艦隊はいません。
そして同盟軍第4艦隊との通信が妨害されてしまい…。
以上のことから考えられるのは、帝国軍は包囲される危機を逆用して確固撃破を始めたということ。
そして帝国軍の最初の目標は第4艦隊になったということです。
これは事前にヤンが予想したことであり、ヤンはこうなることを危惧し、パエッタ中将に提出した作戦案を作ったのですが。
作戦案を読んだパエッタ中将もそれを覚えていたらしく、ヤンにどうするべきか意見を求めます。
ヤンはパエッタ中将に対して、一刻も早く第6艦隊と合流を果たし、帝国軍を数で圧倒できる状態にするべきと意見具申します。
第2艦隊と第6艦隊を合わせれば2万8000隻。
2万隻の帝国軍遠征艦隊に十分に対抗できます。
しかしこの意見具申をパエッタ中将は受け入れません。
なぜならこの案だと第4艦隊を見捨てることになるからです。
今戦っている味方を放置できない。
確かに言っていることは筋が通っています。
しかし同盟軍の目的は帝国軍の撃退です。
そのためには帝国軍から戦いの主導権を奪い返す必要があるはず。
そしておそらく正面からぶつかった以上、第4艦隊は既に敗退している可能性が高い。
以上からヤンの案を採用すべきですがパエッタ中将は意見を変えません。
頑固な上司を持つと苦労するのは現代と変わりませんね。
ただ第2艦隊だけが第6艦隊との合流を望んでも第6艦隊も合流しようとしないとどうしよもありません。
第4艦隊とは通信できませんが第6艦隊とはまだ通信できるようでヤンは士官学校で同期だったラップ少佐を善後策を練るため通信で話し合います。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
ラップ少佐もヤンと同じく、合流すべきという意見らしく、第6艦隊司令のムーア中将を説得すると言ってますけど、結果は第1話でもうわかっているのですよね。
ヤンの通信でフラグを立てたラップ少佐は第6艦隊旗艦ペルガモンと運命を共にして戦死。
これで残りは第2艦隊だけとなってしまいました。
ヤンの準備と指揮のおかげで帝国軍に一矢報いる
とうとう第2艦隊と帝国軍遠征艦隊との戦端が開かれます。
これまでの戦闘でいくらかは目減りしているでしょうけど、それでも帝国軍の数の優位は動きません。
そうこうするうちに第2艦隊旗艦パトロクロスが被弾。
そしてパエッタ中将も重傷を負います。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
どうやらヤンとラオ以外の幕僚も戦死もしくは負傷したようで、パエッタ中将は指揮権をヤンに預けます。
すでに負け掛けている所での指揮権委譲。
どう考えても普通は貧乏くじです。
しかしここで何とかしないと第2艦隊が第4、第6両艦隊と同じ運命を辿ってしまいます。
まずは通信で指揮権を委譲されたことを第2艦隊の将兵に伝え、各個に戦うよう命令します。
それだとジリ貧な感じがしますがヤンはラインハルトが積極策に用いることを待っていたのです。
実はヤン、事前にラインハルトが中央突破戦法を使ってくるかもしれないと予想。
その対処法を考え、さらにその対処法について戦術システムに入力していたのです。
そして予想どおりラインハルトが中央突破戦法を使ってくると、味方に戦術システムに打ちこんだ対処法通りに動くように命令すれば終わり。
そしてラインハルトはハメられたことの気付きます。
ここで第1話のラストに時間軸が追い付きました。
帝国軍の中央突破戦法で2つに分断されたと見せかけた同盟軍。
全速前進して帝国軍遠征艦隊の後方で再合流。
その後は転進して帝国艦隊の後方にしがみ付いて攻撃を始めます。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
一気に形勢逆転。
このままではせっかく2個艦隊を撃破した武勲が傷ついてしまう。
ラインハルトはこのまま前進して途中でカーブして第2艦隊の後方に食らいつくことにします。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
旧OVA版ではこの状態を指して、2匹の蛇が互いの尻尾に食らいつく状態と説明してましたがその説明が一番わかりやすいと思います。
この状態が長く続くと両軍とも戦力を消耗するだけ。
それを察したらラインハルトは撤退を指示し、帝国艦隊は撤退を始めます。
最後の最後で完勝を逃す。
悔しくないはずはありませんが敢えてラインハルトはヤンに伝文を送ります。
内容的には「次に戦う時まで無事でいろよ」というもの。
キザですねえ(死語)。
帝国軍が撤退したことでアスターテ会戦は終結しました。
同盟軍が被った被害は帝国軍の10倍以上。
最後の最後でヤンが一矢報いた形ですが大敗北には違いありません。
一応アスターテ星域から帝国軍を撤退させたので、戦略的に勝利したと言えなくはありませんが、犠牲の多さを考えると、犠牲に見合った戦果とは言えないでしょうね。
ラインハルトが元帥に昇進
第1話と異なり、EDの絵が同盟から流れてびっくりしたと思ったら、何とCパートありました。
銀河帝国皇帝フリードリヒ4世が出席して行われるのは元帥号授与の式典。
銀河英雄伝説第2話より引用
今回元帥号を授与されるのはもちろんラインハルトです。
アスターテ星域で2倍の同盟軍を撃破したという武勲は並ぶものがない大きなもの。
昇進は当然です。
元帥号は軍人の最高位。
しかし元帥もラインハルトの野望にとっては通過点に過ぎません。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
まあ、ラインハルトの野望については次回当たりに説明があると思います。
どうしても先に知りたい方は原作を読みましょう。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話を視聴し終わって
今回はここで終了。
一応原作準拠のはずですがところどころ違うところがありましたね。
まず1つ目、原作では第4艦隊に所属していたはずのフィッシャー准将が第2艦隊の分艦隊司令になっていたこと。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
まあこれは、第2艦隊の作戦行動が一糸乱れぬ状態でやり切るにはそれなりの運用責任者が必要ということでフィッシャーを第2艦隊の所属にしたのでしょう。
2つ目はエルラッハ少将の戦死のシーンがなかったことです。
これは単に尺の問題でしょうか?
ラインハルトの元帥号授与のシーンをCパートに入れ込むために削ったのしれかませんね。
次回のタイトルは「常勝の天才」。
この言葉はラインハルトの2つ名。
次回は帝国サイドの話になりそうです。
今回のまとめ三行
- ヤンの作戦案は却下
- ヤンが艦隊指揮を引き継ぎ、引き分けに持ち込む
- ラインハルトが元帥に
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話の補足説明
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話でも疑問に思うような箇所や原作を知らないとわからないような箇所がいくつかありました。
この記事は第2話の補足説明のようなことを勝手にやる記事です。
肩ひじ張らず、暇つぶしに眺めてください。
真面目に読むような記事でもないので。
ヤンはラインハルトを知っていた?
旧OVA版ではお互いのことを知っていたヤンとラインハルト。
しかしラインハルトがヤンをことをアスターテ会戦前に知っていたのは旧OVA版のオリジナルと以前別の記事に書きました。
ではヤンの方はラインハルトのことを事前に知っていたのでしょうか?
第2話ではローエングラム伯(ラインハルト)の戦略構想についてパエッタ中将に説明しようとするセリフがあったので、たぶん知っていたと推測できます。
ただラインハルトは帝国軍遠征艦隊の司令官。
ヤンも一応第2艦隊の次席幕僚ですから事前にその情報を得ていたでしょう。
だからヤンがラインハルトを知っていてその戦術を研究してても不思議ではありません。
実は原作においてヤンがいつの時点でラインハルトのことを知ったか明確な記述はないのです。
ただしヤンとラインハルトはお互い名前を知らない状態で第6次イゼルローン要塞攻略戦と第4次ティヤマト会戦で戦ってます。
その辺に興味がある方は外伝1巻と3巻を読んでください。
どうして第6艦隊との通信ができた?
帝国軍遠征艦隊の妨害電波のため、第4艦隊は第2、第6両艦隊との通信が途絶してしまいました。
その一方、帝国軍と第4艦隊が戦端を開いた後でも第2艦隊と第6艦隊の通信が辛うじてできた描写が。
銀河英雄伝説第2話より引用
この点に関して、原作には通信できたという記述はありません。
つまりこれは新銀英伝のオリジナル要素です。
たぶん帝国軍の妨害電波は第4艦隊に向けて発せられて、それにより第2、第6艦隊と第4艦隊との通信が途絶したと推測されます。
そのためまだ第2、第6艦隊の間の通信は邪魔されなかったと。
またこの第2艦隊と第6艦隊の通信ができたことで話の辻褄が合うようになりました。
よく考えてみましょう。
ヤンはできるだけ早く第6艦隊と合流すべきとパエッタ中将に意見具申しましたが、第2艦隊だけ合流しようとしても第6艦隊にその旨伝えないと当然合流なんかできませんよね。
普通なら第6艦隊も第4艦隊を救援すべく第4艦隊のいる宙域に向かうはずなので。
原作ではどうやって第6艦隊と連絡を取るか全く記述がなかったのでこの辺が曖昧だったのですが、この新銀英伝のおかげで何とか辻褄が合うようになりました。
どっちにしろ、パエッタ中将もムーア中将も頑固だったので通信できても合流は幻に終わりましたけどね。
パストーレ中将の遺体が艦内に漂っていたシーンはオリジナル
ヤンが第4艦隊救援は間に合わないと主張したのに対して、パストーレ中将は百戦錬磨。
だから間に合うとパエッタが主張して譲らず、第4艦隊救援に向かうことになりました。
そしてその直後、撃沈された第4艦隊旗艦レオニダスが映し出されて、その内部にパストーレ中将の遺体が漂っているシーンが流されましたね。
これはヤンの主張が正解だったことを視聴者に教えるためのシーンなのでしょう。
そして原作でもパエッタ中将がパストーレ中将を百戦錬磨と称えた後、パストーレ中将が戦死したとわかる記述があるのです。
ただし原作の記述によると、パストーレ中将の肉体は帝国軍の攻撃で艦橋に亀裂が入り、そこから真空の宇宙に吸い出されたとされており、パストーレ中将の遺体は艦内に残っていないことになっています。
この辺は劇場版「新たなる戦いの序曲」が原作通りの描写になっているので気になる方はそちらを参照してください。
では新銀英伝ではなぜパストーレ中将の遺体が漂うオリジナルとなったのか。
個人的な推測ですが、宇宙空間に遺体を漂わせてもそれがパストーレの遺体だと視聴者が判別できないと監督以下スタッフ陣が考えたのかと。
だってパストーレの顔をしっかりと覚えている視聴者はそれほど多くはないとはずですから。
だから敢えて帝国軍に撃沈されたレオニダスを最初に映し、その内部に遺体を漂っていることにしたのだと思います。
あくまで推測ですが。
どうしてエルラッハ少将の戦死のシーンがなかったのか予想してみた?
ラインハルトを気に食わないことでファーレンハイト以外一致していた提督たち。
その中でもエルラッハ少将はラインハルトを特に嫌っており、原作では命令無視して戦死しています。
しかし新銀英伝ではエルラッハ少将が命令無視するところも戦死するところも無し。
原作ファンや旧OVAファンとしてはちょっと残念でした。
ではどうして削られたのでしょうか?
一番可能性があるのは尺が足らなかったからだと思います。
第2話ではラインハルトが元帥になるシーンまであり、細かいところは削るしかなかったのでしょう。
それにラインハルトを嫌っている無能な軍人はエルラッハだけではありません。
貴族に近い無能な軍人たちの多くはエルラッハ同様ラインハルトを嫌っているので、ここでエルラッハの件を削っても他で無能な軍人がラインハルトを嫌っているという描写を入れれば良いと考えたのかも。
もちろんこれは個人的な推測ですけどね。
さすがに3話でエルラッハ少将の戦死を触れるようなことないと思いますわ。
ラインハルトの元帥号授与式に参加していたのは誰?
まさか2話に入るとは思ってなかったラインハルトの元帥号授与式。
多くの文官、軍人が出席していましたが確実に名前がわかるのはメルカッツ以外だとツイッターでキービジュアルが発表されているミッターマイヤーとロイエンタールぐらい。
では他の人達は誰なんでしょうか?
銀河英雄伝説第2話より引用
まず後ろにいる背の高い男。
頬に紫色の傷が見えるのでおそらく装甲擲弾兵総監のオフレッサー上級大将でしょう。
原作1巻に紫色の傷があるという記述があるので。
これは自信があります。
一方前の4人、ラインハルトと同じ軍服ですのでたぶん4人とも元帥です。
原作第1巻の記述を見ると、元帥でこの式典に出席したのは以下の4人。
- 軍務尚書のエーレンベルク元帥
- 統帥本部総長のシュタインホフ元帥
- 幕僚総監のクラーゼン元帥、
- 宇宙艦隊司令長官のミュッケンベルガー元帥
一応ブラウンシュバイク公も元帥号を貰ってますが、あの人は軍首脳ではないので。
このうち、エーレンベルク元帥は原作2巻で旧式の片眼鏡を掛けているという記述があるので、一番右の人物がエーレンベルク元帥で間違いないでしょう。
そうすると、そのまま、隣はシュタインホフ、その隣がクラーゼン、そして一番左がミュッケンベルガーだと思います。
あとあのシーンで異彩を放っていたのはこの人物。
銀河英雄伝説第2話より引用
軍服とはちょっと違うデザインですよね。
となると国務尚書のリヒテンラーデ侯の可能性が大でしょうか?
もちろんブラウンシュバイク公という可能性もありますが。
ただブランシュバイク公はこっちの長髪のような気が。
銀河英雄伝説第2話より引用
しっかりと元帥の軍服着ているし。
でもそうなると隣の人がわからん。
普通だったらリッテンハイム侯でしょうけど、あの人はたしか上級大将止まりだったので元帥の軍服着れないはずだし。
たぶん第3話でこの元帥号授与式について詳しく描かれるでしょうから、答え合わせは第3話を待つことにしましょう。
終わりに
解説というよりは個人的な予想を書き殴っただけになってしまいましたね。
次回以降、
作るかどうかはわかりません。
それなりに読んでくれる人がいれば作るかもしれませんのであんまり期待しないでお待ちください。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話「常勝の天才」の感想 「姉の奪回、そして宇宙を手に入れる」
感想(ネタバレあり)
今回は帝国側のお話。
アスターテ会戦勝利の功績によりラインハルトが元帥に昇進します。
そして今回、ラインハルトの姉であるアンネローゼも初登場。
このアンネローゼの境遇がラインハルトとキルヒアイスに大きな影響を与えることになります。
帝国と同盟の歴史について
OP前のアバン。
今回も第2話同様前回の振り返りと思ったら、銀河帝国と自由惑星同盟の成立について軽く触れる内容でした。
地球から宇宙に飛び出した人類はアルデバラン星系第2惑星テオリアを首都とする銀河連邦を成立させます。
しかし時を経るごとに停滞と不安が人類を覆うように。
そんな時出現したのがルドルフ・ゴールデンバウムという人物でした。
政界で力を増したルドルフは銀河連邦の首相と国家元首を兼ねる形で政治権力をすべて掌握。
自らを皇帝とするゴールデンバウム朝銀河帝国の成立を宣言します。
一人の人間に権力を集中させるとろくなことがありませんが、まさにこれは典型例ですね。
現実でも大統領と首相を兼任して総統に就任し、第2二次世界大戦を引き起こした人物もおりますし。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
さて、ルドルフが作り出した銀河帝国。
ルドルフ死後もその支配体制が揺らぐことがありませんでしたが、専制政治に不満を持つ一部の人々がアーレ・ハイネセンを指導者として帝国領を脱出に成功します。
そして半世紀の航行を経て、ある惑星に到着。
ここで自由惑星同盟の成立を宣言し、宇宙歴を復活させることに。
それ以降、帝国と同盟は150年間ずっと戦争をしているのです。
これが簡単な人類の歴史。
この部分を詳しく描くだけでたぶん2話分ぐらいの尺が必要だと思いますわ。
ラインハルトが帝国元帥に昇進
OP開けのAパート。
前回のCパートに続きです。
皇帝フリードリヒ4世から元帥杖を授与されるラインハルト。
これでラインハルトは帝国元帥となります。
そしてそれに相応しい地位として帝国宇宙艦隊副司令長官に任命され、宇宙艦隊の半分を自分の指揮下に置くことが認められることに。
副司令長官って基本司令長官を補佐する役と思ってましたがラインハルトの場合は、司令長官から宇宙艦隊の半分の指揮権を委譲されましたね。
つまり宇宙艦隊を半分ずつ分け合った形になり、実質的にラインハルトの権力は宇宙艦隊司令長官とほぼ同じ。
これには宇宙艦隊司令長官たるミュッケンベルガー元帥も内心面白くないですよね。
自分よりずっと若い奴に自分の権力の半分奪われたのと同じですので。
それを知ってか知らずか、ラインハルトのことをあしざまに罵る装甲擲弾兵総監のオフレッサー上級大将。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
オフレッサーの場合は、ミュッケンベルガーに対する追従というより本気でラインハルトが嫌いな感じです。
旧OVA版と同じく、ラインハルトが気に食わないという設定は同じようですね。
オーベルシュタイン初登場
一方式典に出席できない者たちが控えている部屋。
ラインハルトに引っ張られる形で昇進することになったキルヒアイスに対するやっかみを言う者が。
まあそうなりますよね。
キルヒアイス自身、ラインハルトのおかげで昇進している自覚がありますから。
ただこういうやっかみを嗜める軍人がいました。
それがアンスバッハ准将です。
このアンスバッハ准将は帝国随一の貴族ブラウンシュバイク公の家臣。
アンスバッハがいるということはブラウンシュバイク公が式典に出席しているということなんでしょうね。
このアンスバッハ、キルヒアイスの運命を変えたキーパーソン。
原作や旧OVA版をみたことある方ならここでのアンスバッハの登場はいろいろ思うところがあることでしょう。
さて部屋の片隅にたたずむキルヒアイス。
そこの一人の大佐がやってきます。
彼の名前はオーベルシュタイン大佐。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
ラインハルトを褒めるオーベルシュタインにキルヒアイスは表面上普通に接しますが、内心警戒していることをオーベルシュタインに言い当てられてしまいます。
そしてラインハルトがやってくると挨拶をした上でその場を立ち去るオーベルシュタイン。
一体何の目的でキルヒアイスに近づいたのでしょうか?
銀河帝国の開祖であるルドルフ大帝の批判を口にするのは当然ご法度のはず。
それを初対面のキルヒアイスの前で言うなんて。
まあキルヒアイスでなくても警戒するのが当たり前でしょう。
ラインハルト一家とキルヒアイスの出会い
夜、ラインハルトと共に外を歩くキルヒアイス。
そこでラインハルトは彼の姉であるアンネローゼの元を明日訪問するとキルヒアイスに伝えます。
そしてキルヒアイスはラインハルトたちとの出会った時のことを思い出します。
楽しい日々
キルヒアイスとラインハルトの出会い。
それはラインハルト一家がキルヒアイス家の隣に引っ越してきた翌日の朝。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
ラインハルトに名前を聞かれるキルヒアイス。
素直に名前を言ったら「ジークフリードなんて俗な名だ」といきなり悪口を。
もちろんその後に「キルヒアイスという苗字は良い」と言われてもですねぇ。
初対面でこれでは印象最悪なはず。
でもそこで悪い印象を持たないのがキルヒアイスの良いところです。
そしてすぐ後にキルヒアイスは運命の出会いをすることになります。
それがラインハルトの姉、アンネローゼとの出会い。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
アンネローゼの美しさに見とれ赤くなってしまうキルヒアイス。
アンネローゼから弟と仲良くしてと言われてそれをあっさり受け入れます。
それからは楽しい時間が始まりです。
ヤンチャなラインハルトと優しいアンネローゼ。
二人と接する時間はキルヒアイスにとってこの上ない幸せな時間だったことでしょう。
しかしまさかここでラインハルトとキルヒアイスのサービスシーンがあるとは。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
確かに喧嘩して噴水に入って服についた血を洗い流すという記述はあったと思いますが、まさかそれをこう結び付けるとは監督やりますねえ。
この辺を見ると新銀英伝がどの層をメインターゲットにしているかよくわかりますわ。
幸せな時間の終わり
さて永遠に続くと思われた幸せな時間。
それは唐突に終わりを迎えます。
アンネローゼが皇帝に見初めれて後宮に入ることを求められたのです。
この申し入れにラインハルトは猛反対。受け入れた父親を非難します。
でもこれは皇帝直々の申し出。これを拒絶する選択肢はラインハルトの父親にはないのです。
迎えの車に向かうアンネローゼ。
彼女はキルヒアイスにラインハルトのことを頼みます。
何気ない普通の言葉。
でもこの時の頼みがキルヒアイスの運命を変えてしまうのですよね。
後にアンネローゼが後悔したこの言葉。
たぶんそのシーンが描かれるのはずっと後になると思いますが、是非映像化して欲しいですわ。
演技力が問われるシーンですけど、アンネローゼ役の坂本真綾さんなら上手く演じてくれると思うので。
軍人になって姉を救出することが目的(この時点では)
しばらくしてキルヒアイスの前に現れるラインハルト。
何とラインハルトは幼年学校に入学したのです。
目的は早く一人前になるため。
そしてアンネローゼを皇帝の元から救い出すため。
幼年学校は軍人を養成する学校であり、卒業すればすぐに軍人になれます。
軍人になって出世すれば軍事力を握ることができ、その軍事力を使えば…。
姉を救出する。
それは皇帝に反逆するのと同義です。
普通こんなことを聞けば躊躇しますが、キルヒアイスに迷いはありません。
アンネローゼにラインハルトのことを頼まれたから。
そして自分自身、大好きなアンネローゼを助けたいから。
キルヒアイスも幼年学校に入学します。
そこで貴族たちを腐敗をみながら軍人になるために切磋琢磨する二人。
その結果卒業時はラインハルトが首席でキルヒアイスが次席。
やっぱり能力が高かったのですね。
最終目標は宇宙を手に入れること(簒奪)
そして時間が現在へ。
グリューネワルト伯爵夫人という称号を得ているアンネローゼの元を訪れるラインハルトとキルヒアイス。
アンネローゼの前だとラインハルトも笑顔ですねえ。
二人きりになるアンネローゼとキルヒアイス。
アンネローゼは再びラインハルトのことをキルヒアイスに頼みます。
どれだけ弟のことが心配なんだ。
少しはキルヒアイスの気持ちを考えろよ。
そう思わずにはいられません。
そして夜、キルヒアイスは幼年学校を卒業したあの夜のことを思い出します。
最初はアンネローゼを救うために軍人を目指したラインハルト。
しかしそれに加えてさらに大きな目標を得たようです。
それはルドルフがやったことをラインハルトが再現するということ。
まあ要するに簒奪する(皇帝の地位を奪う)ということです。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話より引用
そりゃあアンネローゼを救うためには皇帝倒さなきゃいけませんのでそうなるでしょう。
そしてそれを宇宙を手に入れると表現するキルヒアイス。
まだまだ先が長いですがこの二人ならやりそうな気がしますね。
この時点ではそう思ってました。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話を視聴し終わって
今回はここで終了。
うん、今回もよくできていましたわ。
今回の話は旧OVA版第4話「帝国の残照」のストーリーと同じになりますがあれよりスッキリしていたと思います。
あっちは舞踏会に乱入してブラスターで貴族を脅したりしてちょっと現実離れ感が強すぎましたから。
さて次回のタイトルは「腐敗魔術師」。
次はヤンの方の担当回。
タイトルからするとエル・ファシルの英雄となった時のお話とフレデリカが出てきそうな感じがしますがどうなんでしょうか?
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- ラインハルトが帝国元帥に昇進
- ラインハルトとキルヒアイスの出会い
- 現在の目標は宇宙を手に入れること
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第4話「不敗の魔術師」の感想 「手ぶらのヤンからエルファシルの英雄へ」
感想(ネタバレあり)
前回帝国サイドのお話でラインハルトとキルヒアイスがなぜ高みを目指している理由が明らかになりました。
それは「奪われた自分達の一番大事なものを奪還するため」。
そりゃあ一生懸命頑張って上に行こうとしますよ。
さて今回は同盟サイドのお話。
ヤンの過去が明らかになります。
父親の考え方がヤンに大きな影響を与えた?
どんな書物を読んでもルドルフは悪党とした書いていない。
でもルドルフが悪党だったらどうして民衆はルドルフに従ったのか?
まだ子供であるヤン・ウェンリーにはその答えがわかりません。
そこでヤンは父親であるヤンタイロンに質問してみます。
銀河英雄伝説第4話より引用
こんな面倒な質問、普通の親だったら「悪党だったから民衆が騙された」とか言うのでしょうけど、ヤンタイロンは違います。
彼の答えは「民衆が楽をしたかったから」。
誰でも面倒なことを嫌います。
だからこそ、何でも簡単に解決してくれる英雄を待ち望むのです。
そして英雄が現れたら英雄に権限を与えて面倒事を全部押し付ける。
でもその英雄が悪党だったら?
つまり民衆はルドルフを英雄だと思って権力を与えたら、ルドルフは悪党だったからその権力を使って悪党になったということ。
ルドルフ=悪党という図式は変わりませんが、いきなりルドルフは悪党だったからと説明されるよりは理解しやすいですね。
ヤンタイロンのこういう考え方がヤン・ウェンリーにもかなり影響を与えたと思います。
まあ、16歳になるまでずっと宇宙船でヤンタイロンと一緒に生活していたので嫌でも影響を受けているでしょうけどね。
「手ぶらのヤン」がジェシカと出会う
成長したヤンは士官候補生となって士官学校に入学します。
本当は大学で歴史を学びたかったのですが、父親が死んで学費が工面できず、タダで学ぶことができる士官学校に入学したという訳。
もちろん士官学校に進学すれば軍人にならなくてはいけませんが。
何か日本の防衛大学校の制度に似てますね。
さて士官候補生になったヤンは読書するために図書館へ。
そこの屋上から聞こえてくるバイオリンの音を魅かれ屋上に上がるとそこには1人の女性が。
銀河英雄伝説第4話より引用
そして彼女はなぜかヤンをことを知っています。
ヤンが手荷物無しで寮に入ったことから付けられた「手ぶらのヤン」という異名まで。
実は彼女はヤンの親友であるラップの幼馴染だったのです。
名前はジェシカエドワーズ。
すぐにヤンと打ち解けるとラップを含めて3人で遊ぶ仲に。
16歳までほぼ宇宙船暮らしだったヤンにとってはいろいろと新鮮だったことでしょうね。
楽しい士官学校生活の終わり
士官学校では艦隊を指揮するシミュレーションの講義があり、今回ヤンも講義の中で艦隊を指揮することに。
ヤンの相手は学年主席のワイドボーン。
下馬評ではワイドボーン圧倒的有利でしたがヤンはワイドボーン艦隊の補給部隊を潰して後は自滅するを待つ戦法を用いて簡単に勝利します。
まあ戦闘って正面から殴り合うだけではありませんからね。
補給部隊を潰して相手を行動不能にするのが一番こちらの被害が少なくて済むし効果は絶大。
さすがはヤンと言ったところでしょう。
しかしこの勝利がヤンには不本意なことを呼び込むことになります。
士官学校の事務次長であるキャゼルヌ大尉から呼び出しを受けるヤン。
銀河英雄伝説第4話より引用
出頭したヤンは戦略研究科への転科を命じられます。
学年の首席の勝つぐらいの逸材を腐らせるのは勿体ないということなんでしょう。
歴史を学ぶため士官学校に入ったのに。
まさか勝利がこんな結果を呼び込むなんて。
でもヤンが勝利して不本意な結果を呼びこむのはこれだけではありませんからね。
さて年末、みんな帰省する中、一人寮に残るヤン。
そして図書館で同じく帰省しなかったジェシカと再会します。
そこでジェシカはヤンにこう言います。
「私は未来を見つめていたい」。
いろいろ意味がありそうな言葉です。
そして時が経過してヤンとラップが士官学校を卒業します。
最後の思い出に3人で写真を取ることに。
銀河英雄伝説第4話より引用
この写真は第2話で登場したものですよね。
晴れ晴れとした写真なのになぜか悲しく見えてきます。
現在の時間軸(アスターテ会戦終結後)だともうラップはいないので。
エルフェシルの英雄爆誕
士官学校を卒業して1年後、ヤンは前線勤務を命じられ、エルファシル星系の駐留艦隊の配属されます。
そして運悪く、エルファシル星系の駐留艦隊は銀河帝国の艦隊と交戦して敗北。
同盟軍の駐留艦隊はエルファシル本星に逃げ帰ります。
この機に乗じてエルファシル星系を銀河帝国の版図に組み入れるべく、帝国艦隊もエルファシル本星へ。
エルファシル本星の住民は300万人。
当然この住民たちを安全なところに避難させる義務が軍にあります。
そこで避難計画の責任者に任命されたのがこの人、
銀河英雄伝説第4話より引用
ヤン・ウェンリー中尉です。
え?マジ?
士官学校出て1年しか経ってないぺーぺーに避難計画の責任者にするなんて。
ヤンは住民を避難させるべく一生懸命努力します。
その頑張りが通じたのか、一人の少女がヤンに差し入れとしてコーヒーを持ってきます。
銀河英雄伝説第4話より引用
ヤンはありがたくコーヒーを貰います。
まあ、ここで終われば良かったのですけど、コーヒーは嫌いだから紅茶の方が良かったと言ってしまうヤン。
それ言ってはいけないセリフ。
たぶん疲れていて頭が回ってなかったのでしょう。
そうだ、そう思いたい。
さてヤンの元に悲報が飛びこみます。
何とヤンの上司であるエルファシル駐留艦隊の司令官であるリンチ少将が、住民を見捨てて自分達だけで脱出を図ったのです。
軍人が住民を見捨てる。
軍人としてはやってはいけない行為。
でもヤンはこれを待っていました。
帝国軍としては戦力で劣るエルファシル駐留艦隊は住民を護衛しながら撤退を図るはず。
だからエルファシル星系から脱出しようとするのを待ち構えていたのです。
その一方、まさか住民を見捨てて軍人たちだけで逃げるんて予想していないから、駐留艦隊相手で手一杯ですし、そもそもエルファシル星系に対する警戒が緩んだのでしょう。
ヤンはこの機に乗じて300万人の住民の避難を成功させます。
この功績を高く評価されたヤンは大尉に昇進、そして数時間後には少佐に昇進させます。
それぐらいヤンのやったことは凄いことだったのです。
まあ、駐留艦隊の司令官が住民置いて逃亡しようとしたことを隠すためにもヤンの功績を大々的に認めなければいけないという事情もあったのですけどね。
ヤンは独身なのに養子ができた
少佐に昇進したヤンは引っ越しをします。
そこは士官学校で事務次長をしていたキャゼルヌが住んでいるところの近く。
久しぶりに再会する二人ですが、ヤンはキャゼルヌからトラバース法の話を聞きます。
トラバース法とは「戦争で親を亡くした孤児を軍人の家庭に預け養育させる法律のこと」。
孤児は路頭に迷うことがなく、国としても軍人の家庭で孤児を養育させることで軍人に憧れを抱かせ、あわよくば未来の軍人となる人材を確保できる。
まさに一石二鳥の法律です。
まあ、養育に使ったお金は奨学金のようなもので孤児が軍人にならない場合は返済しなければいけません。
そのため孤児の未来を縛る酷い法律とも言えなくはありませんが。
ちなみに養親には独身でもなれるそうです。
つまりキャゼルヌがこんな話をしたということは…。
その日の夜、テレビ電話でラップと話すヤン。
そこでラップからジェシカと婚約することを聞かされます。
ヤンにハッパを掛けられ再度チャレンジしてようやくOKを貰ったのですね。
一人酒を飲みながら物思いにふけるヤン。
一体何を思っているのでしょうか?
しばらくしてヤンの家を1人の少年が訪問します。
銀河英雄伝説第4話より引用
タイミング的にこの少年がヤンの家を訪問したのは丸わかりですね。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第4話を視聴し終わって
今回はここで終了です。
おいおい、まさか過去の話だけで1話分使ってしまうとは。
今回は最低でも第十三艦隊の誕生までストーリーが進むと思ってましたが見事に予想が外れましたよ。
このペースで進むと第1期はアムリツァ会戦終わって、ラインハルトとヤンが新しい地位に就くところで終わりそうな気がします。
丁寧に描いてくれるのはファンとして嬉しいですけど、これだと原作全部消化するには10年以上掛かるかもしれませんね。
次回のタイトルは「第十三艦隊誕生」。
ヤンがその能力に相応しい役職に就き、ある人物と再会することになります。
まあある人物って今回出てましたけどね。
エルファシルの場面で。
今回のまとめ三行
- ルドルフが皇帝になった理由
- 「手ぶらのヤン」がジェシカと出会う
- エルファシルの英雄となる
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第5話「第十三艦隊誕生」の感想 「昇進した代わりに困難な任務を任された」
感想(ネタバレあり)
今回はアスターテ会戦の慰霊祭での出来事と新しい艦隊と艦隊司令が誕生するお話です。
ヤンがその能力に相応しい地位に就くことになります。
その代わりムチャぶりされますけどね。
国防委員長ヨブ・トリューニヒトの晴れ舞台
統合作戦本部に出勤してきたヤン。
今日はアスターテ会戦における戦没者の慰霊式があるのです。
銀河英雄伝説第4話より引用
アスターテ会戦に出撃し生き残ったヤンも当然出席しなければいけません。
アスターテ会戦は帝国軍のアスターテ星域への侵攻を食い止めるのが目的。
一応その目的を達成したのだから勝利と言えなくもないでしょう。
しかしアスターテ会戦の同盟側戦死者は150万人。
辺境の恒星系を守るための損失としては割にあいません。
国民の中にもそう思う人がたくさんいるでしょう。
これによって反戦機運などが盛り上がっては大変なことになります。
だから損害の大きさから国民の目を逸らす必要がある。
そこで同盟軍はヤンを英雄に祭り上げることにしたのです。
帝国を撃退した英雄。
犠牲は大きかったが英雄の活躍で勝つことができた。
英雄がいれば帝国軍なんぞ恐れるに足りず。
そんな感じでしょうか?
キャゼルヌが言った通り、エル・ファシルの時と同じ手法。
同盟軍も進歩がないですねえ。
さて慰霊祭はヨブ・トリューニヒト国防委員長のありがたいお話で始まります。
銀河英雄伝説第5話より引用
戦没者を悼むような振りして内容は戦意高揚。
要は帝国は悪でありこれは正義の戦いなのだ。
だから議性が大きくても止める訳にはいかないということ。
まあこうやって扇動しないとやっていけないのでしょうねえ。
なんせもう帝国とは150年戦っているのです。
事あるごとに戦意を高揚しないと厭戦気分が高まるのかも。
つ~か、150年の戦争続けて経済が崩壊しないのが凄いですわ。
まあ、至るところで同盟はガタガタなんですけどね。
さて国防委員長のありがたい演説を聞いたヤン。
わざと周りに聞こえるように批判するような言葉を吐きます。
それを聞いて近隣の席の軍人たちが一斉にヤンを睨みます。
まあ国防委員長の演説を聞いて気分が高揚している時に冷や水を浴びせるようなこと言われたら睨みますよ。
さらにヤンは周りの軍人たちが国防委員長にスタンディングオベーションしている時に一人座ったままの状態を貫きます。
それを見た軍人がヤンに「どうして立たないのか?」と聞いてきます。
聞いてきたのはクリステアン大佐。
まさかこいつがここで登場するとは。
こいつ、ある悲劇を引き起こす張本人なのですが、まさかトリューニヒトを賛美するような役割をここで演じるとは。
原作や旧OVAのことを知っている旧来ファンの多くは驚いたと思いますわ。
トリューニヒトのメンツ丸潰れ
トリューニヒトの演説が終わると一人の女性がトリューニヒトの前に立ちます。
その女性の名前はジェシカ・エドワーズ。
銀河英雄伝説第5話より引用
彼女はそう名乗り、アスターテ会戦で戦死したジャン・ロベール・ラップの婚約者という身分を明かします。
トリューニヒトはジェシカが自分の演説を聞いて自分を称賛するような言葉を発すると考えたのでしょう。
SPを制止して彼女にそのまま話の続きをすることを許します。
しかしこれがまずかった。
ジェシカがその後話したのは完全なトリューニヒト批判。
戦争を賛美して兵士の戦意を高揚させたトリューニヒトは今どこにいる?
あんたは戦場から遠く離れた安全な場所で好き勝手言ってるだけだろ。
私は婚約者を失った。あんたの家族はどうなの?
痛烈な批判。
トリューニヒトの面目丸潰れです。
あわててジェシカを退場させようとしますが、ヤンがジェシカの手を取って一緒に逃げだします。
ヤンとしてもこんなツマラン式典に時間を費やしたくなかったのでしょう。
そしてあれだけトリューニヒトを批判したのですから、ジェシカが報復されるかもしれないと考えたのでしょうね。
そして報復が早くも現実に。
統合作戦本部を出たヤンとジェシカが乗る車の背後から大きなトレーラーが。
銀河英雄伝説第5話より引用
後ろから横から追突されて危うく前方に止めてあった車に衝突しそうになるくらいまで追い込まれましたが、それで十分目的を達したのかトレーラーは走り去ります。
あの式典は国家行事。
おそらく同盟中に中継されていたでしょうから、もしあの式典でトリューニヒトを罵倒したジェシカが事故死したらトリューニヒトも反戦派に糾弾されるでしょうからね。
今回はあくまで警告、そんな感じなんでしょう。
ヤンがまともな大人に見える
自宅に帰宅したヤンは同居しているユリアンが作った料理に舌鼓します。
このユリアンは第4話の最後にヤンの家を訪問した少年です。
ユリアンは家事は何も完璧超人。
ズボラなヤンの正反対のような存在で、彼のおかげでヤンは人並みの生活を送ることができるのです。
さてそのユリアンもそろそろ進路を考える時期。
ユリアンはどうやら軍人になるつもりのようです。
元々ユリアンがヤンのところに来たはトラバース法という法律のため。
トラバース法は戦争孤児を軍人の家で養育する代わりに大人になったら軍人になってお礼奉公してもらうもの。
養育に掛かる費用は国が支出します。
もちろん軍人にならない自由も保証されていますが、そういう場合は養育に掛かったお金を国に返還しなければいけないのです。
前回の感想記事に書いたように日本の防衛大学校に似たような制度ですね。
ただヤンはユリアンが軍人になるのがあんまり好ましいと思っていない様子。
ヤン自身、軍人なんてまともな職業と思っていないのでしょうね。
でもそしたら養育費どうするの?と思ったら、ヤンが自分のお金で返すそうです。
ユリアンには自由に将来を考えてほしいのでしょう。
ヤンは歴史を学びたかったのに親父が死んで士官学校に行くしか選択肢がなかったですよね。
同じような思いをユリアンにさせたくないのでしょう。
でもユリアンの場合は自分から軍人になりたいと言っているのでヤンの時と事情が違うのですけどね。
憂国騎士団ショボすぎ
ユリアンと夕食を食べている最中、家のアラームが鳴ります。
家の敷地に不審者が大勢侵入したようです。
銀河英雄伝説第5話より引用
彼らの名前は憂国騎士団。
まあ簡単に言えば、戦争を賛美し戦争遂行に邪魔になるような人物にリンチを加える奴らです。
どうやら慰霊祭でのヤンの行動が反国家的な行為に映ったようですね。
それを聞いてヤンを批判するユリアン。
まあ、ああいう式典では長い物に巻かれろでいれば一番無難ですからね。
ユリアンの言うこともわかります。
ただヤンは捻くれていますからね。
そういう普通のことができないのですよ。
外に出て来いという憂国騎士団の勧告を無視するヤン。
業を煮やした憂国騎士団はとうとう実力行使に出ます。
何と小型の手りゅう弾みたいなものをヤンの家に投げ込みそれが爆発したのです。
おそらくこれも警告でしょうけど、さすがにこれはあかん。
ヤンも当然切れて反撃開始です。
散水機を使って憂国騎士団を撃退するのに成功。
つ~か、あれくらいで撤退するなんて憂国騎士団ショボすぎですわ。
少将に昇進したけど無茶振りされた
キャゼルヌから出頭命令を受けて、統合作戦本部に出頭するヤン。
ヤンを呼び出したのはキャゼルヌの直接の上司である同盟軍統合作戦本部長のシトレ元帥です。
銀河英雄伝説第5話より引用
統合作戦本部長とは同盟軍制服組のトップ。
つまり同盟軍の軍人の中で一番偉い人。
そんな人に呼び出しくらうとは。ヤンも内心何事か?と思ったことでしょう。
シトレがヤンを呼び出した理由。
それはヤンの少将への昇進の決定を伝え、同時にヤンを第13艦隊の司令官に任命するという内示をするためでした。
つ~か、それ言うためだったらチェスなんかする必要ないやろ。
でもこれはまだ前座のようなもん。
メインはその第13艦隊の最初に任務。
何とシトレ元帥はヤンに第13艦隊を率いてイゼルローン要塞を攻略してこいと無理難題を突きつけてきたのです。
イゼルローン要塞は同盟領と帝国領の境界に建造された帝国軍の人工天体。
銀河英雄伝説第5話より引用
この要塞があるため同盟軍は帝国領に侵攻できず、これまではずっと帝国軍の侵攻を妨げるという消極的な方法しか取れなかったのです。
一応これまで同盟軍は6回に渡りイゼルローン要塞を攻略するために大軍を派遣しましたが全部失敗。
それなのに通常の半分の戦力しかない第13艦隊で落として来いとは。
こんな話断ればいいのになぜか受託するヤン。
まあヤンとしても攻略できる当てがあるから引き受けたのですけどね。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第5話を視聴し終わって
今回はここで終了。
ようやくヤンがその能力に相応しい地位に就くことができそうです。
今回はあのカーチェイスの場面以外はほぼ原作通り。
旧OVA版とかなり変わっていて楽しめました。
ただ残念だった点が1つ。
旧OVA版に比べてトリューニヒトのキャラデザに太々しさがなくなった点が気になりましたね。
ちょっとスマートな印象になりすぎな気がします。
まあ、扇動政治家の権化みたいな奴なのでさわやかなデザインの方が原作通りなのかもしれませんけど。
さて次回のタイトルはイゼルローン攻略(前編)。
第13艦隊の幕僚たちがいよいよ登場です。
次回も楽しみですわ。
今回のまとめ三行
- トリューニヒトを事実上罵倒したジェシカ
- 憂国騎士団を撃退
- 第13艦隊で難攻不落の要塞を落とせと命令される
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話「イゼルローン攻略(前編)」の感想 「難攻不落の要塞に対する攻略戦が始まる」
感想(ネタバレあり)
少将への昇進、そして第13艦隊の艦隊司令就任がほぼ決まったヤン。
ただその代わりに難攻不落と言われたイゼルローン要塞の攻略を命じられてしまいます。
銀河英雄伝説第5話より引用
シトレ元帥の前で「微力を尽くします」と言葉を濁したヤン。
何か攻略を成功させる秘策があるのでしょうか?
ユリアンの意見を尊重して家に残ることを許可する
第13艦隊司令官の内示を受けてヤンはキャゼルヌと共に艦隊幕僚の人事に取り掛かります。
人事部の人間でもないキャゼルヌがどうしてヤンの艦隊編成の手伝いをするのかちょっと意味わかりませんが、たぶん第13艦隊の編成は統合作戦本部長シトレ元帥の直接的な命令。
だからシトレの次席副官であるキャゼルヌがヤンの手伝いをしている。
辻褄を合わせるならこんな感じでしょうか?
まあこれでもかなり苦しいですよねえ。
それは置いておくとして。
人事以外でもヤンはキャゼルヌに頼み事をします。
1つ目は帝国軍の巡航艦と帝国の軍服40着を用意すること。
まあ何に使うかは後でのお楽しみということで。
そして2つ目はユリアンに関してです。
憂国騎士団に一度襲われた以上、奴らがヤン不在の時を狙ってまたヤンの家を襲撃する恐れがあります。
そのため自宅周辺のMPの巡回をキャゼルヌに頼むことにしたのです。
旧OVA版の時はヤンがトリューニヒトに直談判した描写がありましたが、こっちではそんなシーンなかったのでトリューニヒトとヤンの手打ちはなし。
だから憂国騎士団の再襲撃の可能性は否定できないのです。
ヤンは当初、自分が不在の間ユリアンをどこかに預けることを考えたのですがユリアンはそれを拒絶。
結局ヤンが折れてユリアンに好きにさせることにしました。
ヤンとしては後顧の憂いなくイゼルローン要塞攻略に取り組みたいところですが、ユリアンのプライドというか意地も尊重しなければいけないと思ったのでしょうねえ。
何せこの年代の男の子は傷つきやすいので細心の注意しなければ後々面倒ですから。
ヤンも大変ですね。
第13艦隊幕僚の人事ほぼ終了
副官以外の人事が終わり、第13艦隊の幕僚に任命された者たちがヤンの執務室に出頭してきます。
まず艦隊副司令官はフィッシャー准将。
フィッシャー准将は第2艦隊の分艦隊司令として、ヤンの命令を忠実に実行した人物。
艦隊運動の指揮に定評があり、第4、第6艦隊の生き残りと新兵の寄せ集めで統制が取りにくい第13艦隊の動かすにはモッテコイ。
だから必要な戦力と考え、副艦隊司令にしたみたいです。
次に参謀長はムライ准将。
銀河英雄伝説第6話より引用
旧OVA版とキャラデザが変わり過ぎてびっくり。
このムライ准将はエコニアの収容所の一件で知り合った人物。
今ヤンがこうして軍人やっているのもあの時ムライが公正に処理したおかげです。
もしムライが無能だったら、今頃ヤンは囚人やっていたかもしれません。
まあこの辺は原作の外伝2巻を読むか、旧OVA版の外伝を視聴してください。
丁度ヤンがエル・ファシルの英雄になった直後のお話になるので。
そして最後の副参謀長に任命されたのがパトリチョフ大佐。
銀河英雄伝説第6話より引用
微妙に旧OVA版のイメージを踏襲しています。
このパトリチョフ大佐もエコニアで知り合った仲。
ヤンより3次元チェスが弱いのでヤンとしてはそっちの面も考慮して幕僚に任命したのかもしれませんね。
ヤンの新副官は記憶力抜群
さて残りは副官人事。
副官人事はキャゼルヌに丸投げしてヤンは関知しません。
副官に関してはそれほど期待していないのかも。
そんなヤンの元を訪れる1人の女性士官が。
彼女の名前はフレデリカ・グリーンヒル中尉。
銀河英雄伝説第6話より引用
キャゼルヌによって選出されたヤンの副官です。
実はこの子、ある場所で一度ヤンに会っているのですが、ヤンはそれを全く思い出さず、グリーンヒルという苗字に方に反応してしまいます。
実はフレデリカの父であるドワイト・グリーンヒルは同盟軍の大将であり、総参謀長という高級幹部でもあるのです。
まあ、ヤンも一応軍人。
自分の上司にあたる人の苗字に敏感なのは仕方ありませんね。
さてヤンはフレデリカに今回の作戦が成功するか聞いてみます。
自分の作った作戦案に対する率直な意見を聞きかったのと、たぶんどういう意見を言うかでフレデリカの値踏みをするつもりだったのでしょうね。
士官学校の成績が優秀な人物であっても、実戦で役立つような人物でないと意味ありませんので。
ヤンの質問に対し、フレデリカは成功すると断言します。
その根拠を尋ねるヤン。
フレデリカ曰く、ヤンはエル・ファシルの時も成功したからと。
この答えにヤンはかなり失望したことでしょう。
前回成功したから次も成功するなんてそんな法則存在しません。
こんなこと言う奴を副官にする訳にはいかない。
ここまで考えてもおかしくはないでしょう。
しかしその後、フレデリカが言ったことでヤンは考えを改めることに。
実はフレデリカ、あの時エル・ファシルにいたのです。
そしてヤンを近くで見ていて、ヤンがサンドイッチを喉に詰まらせるとコーヒーをヤンに手渡しました。
そう、第4話に出てきたあの少女こそ、フレデリカだったのです。
銀河英雄伝説第4話より引用
あの時のことを正確に話すフレデリカ。
このことでヤンはフレデリカに対する評価を変えることになったみたいです。
8年前のことをここまで正確に話せるということは凄い記憶力の持主だということ。
おそらく軍事に関するいろいろな情報を記憶しているはず。
つまり自分が作戦を立案する時にフレデリカの記憶力は大いに役立つはずなのです。
まあ、パソコンがあればいいと思いますけど、断片だけで答えを出す場合はパソコンよりも人間の記憶力の方が使いやすいので。
これで副官の人事も終了。
残りは出撃だけ…と思ったら、まだ実行部隊の人事が残ってました。
イゼルローン要塞攻略実行部隊のスカウトへ
ヤンの作戦の肝となるのは作戦を実際に行う実行部隊です。
ヤンはある部隊に目星をつけます。
それが「薔薇の騎士(ローゼンリッタ―)」連隊。
帝国からの亡命者の子弟で編成された陸戦部隊であり、その戦闘能力は同盟軍の陸戦部隊の中でもトップクラス。
ただしある噂が流れており、どこの艦隊も使おうとしないそうです。
その噂というのが第13代目の連隊長が裏切るかもしれないというもの。
まあ確かに戦闘中に裏切られたらまずいですからね。
他の艦隊が使わないのも頷けます。
でもローゼンリッタ―の戦闘能力は捨てがたい。
そこでヤンはフレデリカを連れてローゼンリッタ―の連隊長であるシェーンコップ大佐に会うことにします。
ローゼンリッタ―連隊の本部にやってきた二人。
そこでは訓練の真っ最中。
ヤンとフレデリカの場違い感がハンパありません。
銀河英雄伝説第6話より引用
そしてこんな男の集団の中に女性士官がくれば…。
チョッカイ出す奴はいるとは思いましたがフレデリカ強い。
まさかローゼンリッタ―の隊員を投げ飛ばすなんて。
銀河英雄伝説第6話より引用
まあフレデリカの反応を見るための演技だったようですけど、それでも投げ飛ばしたフレデリカはやっぱり怖いですわ。
さてヤンと話すことになったシェーンコップ。
銀河英雄伝説第6話より引用
シェーンコップ自身はこの作戦に肯定的。
そしてシェーンコップは「どうしてイゼルローン要塞攻略という難しい作戦を引き受けたのか?」をヤンに尋ねてみます。
ヤンの答え次第ではこの作戦の参加を取りやめるつもりかも。
しかしヤンの答えにシェーンコップは驚愕します。
だって答えが予想の斜め上だったからです。
ヤンが求めるのはたかだか数十年の平和。
それを実現するためにイゼルローン要塞を攻略するのです。
イゼルローン要塞を落とせば帝国軍は同盟領内に攻めてこれなくなります。
そしてこれを好機として同盟は帝国と和平条約を結べるかもしれない。
もちろんこれが恒久的続くとは限りません。
しかし少なくとも数十年は平和が続くはず。
そうなればユリアンが兵士として戦場に立つ姿を見ずに済む。
とても軍人が言うようなことではありません。
でもシェーンコップはこの話を気に入ったらしく、ヤンに協力することを決めます。
後日、フレデリカとシェーンコップ以外の幕僚に今回の作戦案を説明するヤン。
先に教えておいて二人と比較すると煮え切れないような感じですが、それでも反対意見は出ず、この作戦で行くことになります。
これで準備が整いました。
銀河英雄伝説第6話より引用
第13艦隊の出撃です。
目標はイゼルローン要塞。
同盟軍にとって実に7度目となる攻略戦の開始です。
イゼルローン要塞攻略作戦開始
帝国軍が誇るイゼルローン要塞。
この要塞ある限り、同盟軍は帝国領に侵攻できません。
イゼルローン要塞には二人の司令官がいます。
1人は要塞の防御を担当する要塞司令官であるシュトックハウゼン大将。
そしてもう一人は要塞に駐留している艦隊を率いる駐留艦隊司令官のゼークト大将。
同じ職場に同じ階級の人間が2人。
普通なら協力しなければいけないのですけどこの二人仲が最悪で、事ある毎に対立するのです。
でもなぜか同盟軍が攻めてくると相手に負けないよう頑張るため、予想以上に戦果をあげてしまう。
犬猿の仲であることがこの時は上手く作用するのです。
切磋琢磨ということなんでしょうかねえ。
ただこういう関係だと要塞と駐留艦隊が連携しなければいけない場面でも連携できずに各個撃破される恐れがあります。
戦果に目をくれず、さっさと司令官職を一本化しておけば今回のイゼルローン攻略戦も違いった展開になっていたかもしれません。
さてイゼルローン要塞内でもここ数日、異変を察知しているようです。
銀河英雄伝説第6話より引用
宇宙人が攻めてくる訳ないのでおそらく同盟軍が侵攻しているのでは?
このことに関してはシュトックハウゼンもゼークトも異論ないでしょう。
でもどう対処するかで意見が対立します。
出撃を主張するゼークトと様子を見るべきと主張するシュトックハウゼン。
そこにある通信が入ってきます。
同盟領内でスパイ活動をしていた帝国軍の巡航艦が攻撃を受け、イゼルローン要塞に退却中であると。
救援のためにも出撃するとさらにボルテージを上げるゼークトに対し、彼の幕僚であるオーベルシュタイン大佐は敵の罠であると主張し、出撃に反対します。
さらにシュトックハウゼンがオーベルシュタインの肩をもったことでゼークトが意固地に。
そして出撃する駐留艦隊。
シュトックハウゼンが見送りますが味方に痛い目にあえばいいとまで言うのかよ。
同じ帝国軍なのに。
ほどなくして同盟領内から逃げてきた巡航艦がイゼルローン要塞の近くまでやってきます。
おい、さっき出撃した駐留艦隊と出会わなかったのかよ。
捜索が雑すぎるわ。
シュトックハウゼンは要塞の攻撃準備を整えますが同盟軍は要塞の攻撃範囲内に入ってきません。
そのため巡航艦は安全圏に逃げ込むことに成功します。
そこで巡航艦の艦長からシュトックハウゼンに通信が入ります。
銀河英雄伝説第6話より引用
あれ?
この艦長の声、さっきどこかで聞いたような気が…。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話を視聴し終わって
今回はここで終了。
タイトルに(前編)と付いていたので良いところで終わるのがわかってましたが。
今回の話、原作読んだことある人ならわかると思いますけど、原作でいえばたった15ページぐらいの内容を丸々1話使ったことになります。
ここまで丁寧に描くのかとちょっとびっくりです。
さすがにすべて原作通りに描くと尺が余るのでオリジナル要素も結構入ってました。
ヤンとフレデリカがローゼンリッタ―連隊の本部に行く件は、原作にも旧OVA版にもなかったですからね。
あと巡航艦が来る方向に関してもしっかりとフォローされていました。
原作や旧OVA版では帝国本土からやってきたはずなのにどうして同盟軍に追撃されるの?同盟軍はイゼルローン要塞があるから帝国領内に入れない設定だろと容赦ないツッコミが入ったところです。
そこで本作では帝国本土からやってきたという設定を変えて同盟領内でスパイ活動をしていたというものに変えたのです。
この変更はグッジョブと言いたいですね。
さて次回のタイトルは「イゼルローン攻略(後編)」。
原作通り、シェーンコップが手際よく、要塞を占領するのか?
旧OVA版のように要塞中心部を占拠するため白兵戦をするのか?
はたまたオリジナルになるのか?
次回も楽しみですわ。
今回のまとめ三行
- 第13艦隊の幕僚人事終了
- 副官はエル・ファシルで出会ったあの少女
- イゼルローン攻略が始まる
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話の補足説明
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話は説明がないとわからない部分が他の話より多かった気がします。
そこで2話以来となる補足説明記事を作ることにしました。
是非内容の把握にご活用ください。
なぜイゼルローン要塞を攻略しなければいけないのか?
同盟領と帝国領に間には航行不能な宙域があり、それぞれ相手の領内に侵攻する進撃ルートはイゼルローン回廊とフェザーン回廊の二つしかありません。
銀河英雄伝説第1話より引用
このうちフェザーン回廊は中立を宣言しているフェザーン自治領の統制下にあります。
フェザーンに国債を購入してもらって国の財政を維持している同盟はフェザーン回廊を無理やり通ってフェザーンを敵に回すことができないのです。
そのため進撃ルートはイゼルローン回廊経由となりますが、そこで問題となるのがイゼルローン要塞の存在です。
銀河英雄伝説第5話より引用
この要塞を無視して帝国領内に侵攻できない訳ではありません。
しかし放置したままだと後方を遮断され、同盟領との連絡と補給が滞る可能性があるのです。
そこで同盟軍としてはこの要塞を攻略しなければいけないという訳。
実は同盟軍、これまで6回に渡って要塞の攻略作戦を実行しているのですけどすべて失敗しています。
今回で7回目。
7度目の正直となるのでしょうか?
第13艦隊の幕僚の選出理由は?
ヤンとキャゼルヌによって選ばれた第13艦隊の幕僚達。
どうして彼らが選ばれたのでしょうか?
フィッシャーの選出理由:艦隊運用の腕を買われて
艦隊運用が上手いことで
名前が知られているフィッシャー准将。
彼が選ばれたのは
彼の艦隊運用の腕がないと
イゼルローン要塞の攻略ができないからです。
ヤン自身が言う通り、
第13艦隊は第4艦隊と第6艦隊の敗残兵に
新兵を加えたもの。
つまり艦隊としての一体性が
ないに等しいのです。
ある程度訓練しないと
まともに戦うことができないでしょう。
しかし時間がないのです。
イゼルローン要塞の攻略を成功させて
その功績で本部長の再任を狙っている
シトレ元帥としては
自分の任期が切れる前にイゼルローンを
攻略してもらわなければいけません。
ヤンが第13艦隊司令の内示を受けた時点で
シトレの人任期が70日余り。
まともに訓練する時間は
ほぼ取れないはず。
そこで白羽の矢が立ったのが
フィッシャーだったという訳。
アスターテ会戦で
ヤンの指示を忠実に実行して手腕を
イゼルローン要塞攻略戦でも
期待しているのだと思います。
パトリチョフの選出理由:ヤンを補佐した経験があるから?
初登場からヤンと面識があるような口調だった
パトリチョフ。
実は昔ヤンの部下だったことがあるのです。
それがエコニアの捕虜収容所。
エコニアの収容所に
参事官として派遣されたヤンを
参事官補として補佐した経験を買われ
副参謀長に任命されたのでしょう。
また原作第8巻で明らかになる事項ですが
ヤンが三次元チェスで勝てる可能性がある
数少ない1人がこのパトリチョフ。
第6話でも三次元チェスの話を
ヤンがしていたので
案外それも選出の理由なのかも?
ムライの選出理由:エコニアの一件でヤンが惚れ込んだから
ムライの選出理由は
キャゼルヌが言った通り、
ヤンがムライの能力に
惚れ込んでいるから。
銀河英雄伝説第6話より引用
実はムライも
ヤンがエコニアの捕虜収容所で
知己を得た人物。
ある陰謀に巻き込まれて
ヤンとパトリチョフが
犯罪者に仕立てられようとしたのです。
そこでヤンが本当に犯罪を犯したのか
調査にやってきたのが
当時のムライ中佐。
実はエコニアに
来る前にある程度調査をして
ヤンがシロである確証を得ていたムライ。
後は現地で聞き取り調査をして
ヤンの嫌疑を晴らします。
この時の手際の良さを
ヤンがいたく気に入ったのです。
参謀長に求められるのは
作戦の立案能力だけでなく、
司令官の命令を実行するために
段取りをすることも大事。
ヤンとしては後者の目的のために
ムライを選出したのだと思います。
エコニア時代のお話を知りたい方は
原作の外伝2巻を読むか、
または旧OVA版の螺旋迷宮の
7話から12話を視聴してください。
シェーンコップが裏切るかもしれないと言われる根拠
戦闘能力だけで言えば
同盟軍内でも指折りの
ローゼンリッタ―連隊。
しかし現在のローゼンリッタ―の連隊長である
シェーンコップは裏切るかもしれないという
噂が同盟軍内に広がっていました。
銀河英雄伝説第6話より引用
その噂の根拠と言われているのが
シェーンコップが
ローゼンリッタ―の13代目の連隊長だから。
本作ではここまでしか
語られていませんでしたが
原作ではなぜ13代目ということだけで
裏切るかもしれない
ということになっているか
説明があります。
共通しているのは13という数字が
不吉だからということ。
1つ目は人類が滅亡の淵に立たされた
熱核戦争が13日間続いたから。
もう1つは古い宗教の教祖が
13人目の弟子に裏切られたから。
どちらにしても馬鹿馬鹿しい理由です。
まあ、シェーンコップの太々しい態度から
絶対あいつ裏切るぞと周りから思われて
13という数字は不吉だという理由が後から
付けられたっていうのが真相な気がします。
ちなみにローゼンリッタ―の連隊長は
シェーンコップの前に12人いました。
このうち2人は将官に昇進、
4人は帝国との戦闘で戦死、
そして残りの6人は帝国に亡命。
歴代連隊長の裏切り率50%!!
噂の原因はこっちかも。
イゼルローンに二人の司令官がいる理由
イゼルローン要塞は二人の司令官がいます。
1人は要塞司令のシュトックハウゼン大将。
もう1人が要塞駐留艦隊司令のゼークト大将。
同じ任地に同じ階級の司令官が二人。
競争心が生まれるのは当然です。
今まではそれがプラスに作用して
莫大な戦果を挙げてきました。
戦果を挙げている以上、
1人だけ外すことができない。
これが同格の司令官が2人のままの理由の1つでしょう。
また後1つ考えられるのが
司令官職を1つに統合すると
高級軍人の席が1つ減ってしまうから。
司令官職は大事な特権の1つ。
減少させてしまうと
その席を狙っている者から
反発を受けますからね。
これもたぶん理由になっていると思います。
旧OVA版や原作から変わったところ
今回の第6話、
旧OVA版や原作と
変わった箇所がいくつかあります。
例えばシェーンコップとヤンが
初対面を果たすシーンは大幅に変わっています。
旧OVA版では
民間人に鉄拳制裁しようとした
トリューニヒト派の士官に
シェーンコップが
毅然とした態度で接するのを見て
ヤンがシェーンコップを知ったということに
なっていました。
ちなみにこのシーンは原作にない
旧OVA版のオリジナルとなります。
シェーンコップの人となりがよくわかりますし、
トリューニヒト派の軍人の横暴さも印象に残る
良いシーンだったと個人的には思います。
本作ではそれが改変され
ヤンが元々シェーンコップを知っていた
という設定に。
そしてシェーンコップと話し合いをするために
ヤンがローゼンリッタ―連隊の本部に
赴くことになりました。
また大きく変わった箇所として
もう1点、
同盟軍に攻撃された帝国軍の巡航艦が
どこにいたかの設定が旧OVA版や
原作から改変されています。
元々原作と旧OVA版では
帝国本土から
機密情報をイゼルローン要塞に伝えるために
やってきたという設定だったのですが、
帝国領からやってきたのなら
どうして同盟軍の追撃を受けているんだと
ファンから激しいツッコミが入ったところ。
本作では同盟領でスパイ活動をしていたという
設定に改変して
同盟軍が追撃してもおかしくない設定になりました。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第7話「イゼルローン攻略(後編)」の感想 「難攻不落の要塞は内側から占領すべし」
感想(ネタバレあり)
幹部人事も終わり、ようやく成立した同盟軍第13艦隊。
この第13艦隊最初の任務は帝国軍が誇るイゼルローン要塞攻略です。
原作では6度に渡り攻略戦を行い、そのすべてで失敗してきた同盟軍。
この7度目の攻略作戦でイゼルローン要塞を攻略できるのでしょうか?
作戦のメインは内部潜入
難攻不落の要塞を外から攻略しようとしても
撃退されるだけ。
そのためヤンはイゼルローン要塞を落とすには
内から攻めるしかないという結論に達したのでしょう。
内から攻める、
つまり工作員を要塞内部に潜入して
要塞の指令室を抑えてしまうというのが
今回の作戦の骨子。
確かに堅固な要塞に籠っているという
安心感が帝国軍にはあるでしょうから、
意外と内部は脆いかもしれません。
それに指令室を抑えれば
要塞主砲も軍港の開港も
自由にできますから。
そしてこの内部潜入という
重大な役目を与えられたのが
ローゼンリッタ―という訳です。
ローゼンリッタ―の指揮官である
シェーンコップは自ら
帝国艦の艦長に変装、
同盟領内で重大情報を入手したと
出まかせで要塞の中に入れて貰い、
要塞司令官シュトックハウゼン大将に
面会しようと画策します。
一介の艦長が
要塞司令官と面会することなんて
まずないでしょう。
でも同盟から入手した重要情報という
キーワード、
さらに肝心の要塞駐留艦隊との通信途絶が
シュトックハウゼンから冷静さを
奪ったようです。
帝国軍の大将でも名誉より命が大事
今回の作戦の実施にあたり、
ヤンとフレデリカは
3つの関門があると考えていました。
1つ目は要塞への侵入。
これは同盟軍に追跡されている
という状態を作り出し、
さらに偽造したIDのおかげもあって
関門の突破に成功します。
そして2つ目の関門は
指令室の所在地を
同盟軍は掴んでいないということ。
イゼルローン要塞は人口天体であり
原作では直径60キロという設定です。
そんな広大な要塞内で指令室の場所が
わからないなんて。
まあだからこそ、
同盟領内で重大情報をゲットしたと嘘をつき、
シュトックハウゼンの興味を引こうとしたのです。
結果的に見事シュトックハウゼンの
興味を引くことに成功し、
帝国軍に指令室まで案内してもらえることに。
そして最後の第3関門、
それはボディチェックです。
これがあるために指令室内にシェーンコップたちは
武器を持ち込むことができません。
だったらどうするか?
そこで考えたのが敵の武器を強奪すること。
当然シュトックハウゼンは
武器を携帯しているはずですから
それを奪えばいいだけ。
銀河英雄伝説第7話より引用
でもここで問題があります。
もしシュトックハウゼンを計画通りに
人質にすることが成功しても
シュトックハウゼンが
自分の命より名誉を重要と考えて
自分と一緒にシェーンコップたちを
撃つように命じたら?
そこでヤンとシェーンコップが出した結論は
気体爆薬のゼッフル粒子を利用するという
方法です。
ゼッフル粒子とは銃のエネルギーに反応して
爆発する厄介な気体。
それを指令室に充満させてしまえば
シュトックハウゼンの護衛も
銃で攻撃できなくなります。
下手に攻撃したら自分だって
爆発に巻き込まれてしまいますからね。
まあここまで用意していたのですけど、
シュトックハウゼンは
名誉より命を取ることを選んだので
ゼッフル粒子を撒く必要は
なかったかもしれませんね。
催眠ガスを使って平和的に要塞占領
シュトックハウゼンを降伏させて
指令室を占拠したシェーンコップたちは
すぐにヤンに連絡。
第13艦隊は無事イゼルローン要塞に
入港します。
いきなり同盟の艦隊が軍港に入ってくれば、
指令室の占拠を知らない
軍港の帝国軍が攻撃してくるかも?と
思いましたが
全く攻撃を受けません。
どうやらシェーンコップが要塞内の空調に
催眠ガスを流して
要塞内の帝国軍の軍人50万人を
眠らせたようです。
催眠ガスなんて流せば
すぐに警報とかなりそうな気がしますが
警報とかも指令室で制御できたのでしょうねえ。
それはともかく、
イゼルローン要塞はこれで
同盟軍の手に落ちました。
旧OVA版では
シェーンコップたち3人の
見せ場がありましたが、
こっちは原作準拠のため
ちょっと物足りなさが感じましたね。
でもその代わりに
シェーンコップとその祖父との話が。
銀河英雄伝説第7話より引用
シェーンコップの祖父は
他人に騙されて私財を失い、
さらに冤罪を擦り付けられそうに
なったので同盟に亡命したみたいです。
もし祖父が同盟への亡命をしなければ
今回の作戦の結果も変わっていたかもしれませんね。
オーベルシュタインの意見に耳を傾けていれば・・・
要塞との通信が途絶したいた
イゼルローン要塞駐留艦隊。
ようやく通信が回復したと思ったら、
要塞で反乱が起こったので
戻ってきて欲しいとの通信が入ってきます。
それを聞いた駐留艦隊司令のゼークトは
要塞への帰投を艦隊に命じます。
要塞が反乱を起こした者たちに
占拠されると面倒ですし、
駐留艦隊が反乱を鎮めれば、
シュトックハウゼンに大きな顔ができる。
こういうことを考えた上で
帰投を命じたのでしょうけど、
この命令に幕僚のオーベルシュタインが
異を唱えます。
オーベルシュタイン曰く、
これは罠であると。
しかしオーベルシュタインと
そりが合わないゼークトはこの進言を
受け入れません。
さらに説明しようとしたオーベルシュタインを
制止します。
銀河英雄伝説第7話より引用
もしここでオーベルシュタインが
これまで通信途絶状態だったのに
いきなり回復して
丁度要塞から通信が来るのは
出来過ぎている。
こんな風にちゃんと理由を説明できていれば
ゼークトも翻意したかもしれません。
しかしこの説明を
オーベルシュタインにさせなかったことで
ゼークトの運命は尽きました。
ここでオーベルシュタインは
ゼークトを見捨てたようです。
好き嫌いで部下の説明を
聞かないような無能な上司には
つき合ってられない。
そんな感じでしょうか?
ゼークトを見捨てたオーベルシュタインは
旗艦の艦橋から退去し、
さらに旗艦が攻撃を受ける前に
からシャトルで脱出します。
ゼークトの性格を考えて
たぶんゼークトは特攻すると
予想したのでしょう。
ホント頭がきれますわ。
要塞間近まで戻ってきた駐留艦隊。
そこに要塞主砲が直撃します。
ヤンの好意で
艦隊の端っこへの攻撃となりましたが
この攻撃によりゼークト以下
駐留艦隊の将兵が受けたショックは
凄かったと思いますわ。
特攻したけど返り討ちにあった
要塞が同盟の手に落ち、
自分達を攻撃してきた。
この事実にゼークトは驚愕・・・というよりは
絶望したことでしょう。
イゼルローン要塞は帝国軍の要衝です。
ここが落ちた以上、
誰かが責任を取る必要があります。
普通なら
イゼルローン要塞の要塞司令官である
シュトックハウゼンに一番の責任があり、
こいつが詰め腹を切らされることになるはず。
しかし現在のところ
シュトックハウゼンの安否は不明ですので、
仮にシュトックハウゼンが責任を負うことが
できない状態だったとすれば、
次に責任を取らされるのは
当然ゼークトになります。
まだ責任問われて予備役編入ならば
いいでしょう。
しかし艦隊率いて要塞を離れた揚げ句、
要塞を奪われた間抜けな艦隊司令官を
予備役編入ぐらいで許すほど
帝国軍は甘くありません。
このままだと自分は
処刑されるかもしれない。
おそらくゼークトはこう思ったことでしょう。
もう自分は死ぬ。
だったら、
ここで艦隊を要塞に突入させて
要塞を奪回できるかも?
という奇跡に掛けようと思っても
不思議ではありません。
ただゼークトはそれでいいでしょうけど、
部下は気の毒です。
責任取らされるのは
ゼークトや一部の幕僚だけであり、
一般の兵士が責任問われることは
まずありえませんからね。
オーベルシュタインみたいに
さっさとゼークトに見切りをつけて
逃げだすことができればいいのですけど、
下手したら逃亡の罪に問われる可能性が
ありますからね。
オーベルシュタインみたいにしろと
いうのが無茶でしょう。
艦隊を率いて要塞に肉薄するゼークト。
しかしゼークトの賭けは見事に失敗しました。
イゼルローン要塞の主砲が
ゼークトの旗艦を瞬時に消滅させて
戦闘終了。
武人の心云々とヤンに返答したことが
ヤンを怒らせて主砲で
ゼークトの旗艦を集中的に狙わせる契機に
なったのは確かでしょうね。
銀河英雄伝説第7話より引用
まあ一番の理由はゼークト倒せば
部下たちは逃げるだろうと考えたのでしょうけど。
残存艦は帝国領へ逃げ込み、
これで第7次イゼルローン要塞攻略戦は
終了しました。
フェザーンの黒狐がここで登場
イゼルローン要塞の陥落。
その情報はフェザーン自治領の自治領主
アドリアン・ルビンスキーの元へも伝えられます。
銀河英雄伝説第7話より引用
まさかここでルビンスキーが出てくるとは。
原作ではアスターテ会戦の直後に
出てくるのですけど、
尺の関係もあってここで
初登場になったのでしょうか?
しかしまあ、
前作の太々しさがなくなり、
代わりにずる賢い小悪党風な
印象になりましたね。
原作では
フェザーンの黒狐という二つ名がある
ルビンスキーですが
その二つ名に寄せた感じですわ。
終わりに
今回はここで終了。
案外楽にイゼルローン要塞落しましたね。
これで帝国軍は同盟領に侵攻する橋頭保を失い、
逆に同盟軍は帝国領へ侵攻する拠点を
得たことになります。
第6話でヤンがシェーンコップに話したように
ここで平和条約を帝国と結ぶことができれば、
数十年ぐらいの平和を享受し、
ユリアンが戦場に出る姿を
見なくても良かったですが・・・。
結局楽にイゼルローン要塞を奪取できたことが
逆に同盟軍が補いきれない大損失を被る
呼び水になるとはさすがのヤンも
予想できなかったことでしょう。
次回は久しぶりに帝国サイドの
お話となります。
旧OVA版でイゼルローン要塞の失陥前の
出来事とされていたカストロプの動乱。
本作では原作通り、
イゼルローン要塞攻略終了後にやるようです。
また今回1人だけ脱出に成功した
オーベルシュタインですが、
駐留艦隊の幕僚として
生き残ったという事実だけで
今後処罰されそうになります。
この事態をオーベルシュタインは
どうやって切り抜けるつもりなんでしょうか?
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 要塞陥落
- オーベルシュタインだけ生き残る
- フェザーンの黒狐が登場
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第8話「カストロプ動乱」の感想 「キルヒアイスが本気を出す」
感想(ネタバレあり)
久しぶりに帝国側のお話です。
ずっと同盟側の話が続いて本作の主人公はヤンじゃね?と思った視聴者は多いはず。
大丈夫です。
本作の主人公はあくまでラインハルトですから。
まあ、そうは言っても今回のメインはラインハルトではなく、その親友兼腹心であるキルヒアイスの方なんですけどね。
ラインハルトの影に隠れてその実力を発揮する機会がなかったキルヒアイス。
今回はその実力を余すことなく発揮します…と言いたかったのですが、今回だけ見るとそれほど優秀とは思えないかも。
カストロプ公領で動乱が起こった原因
フリードリヒ4世の元で15年間財務省書を務めたカストロプ公オイゲン。
この人物が事故死したことで大規模な横領をしていたことが発覚。
そりゃあ財務省書という帝国の財政を預かる省庁の長を15年も務めていれば帝国の国庫を好き勝手できたでしょうからね。
横領が発覚した以上、帝国としては放っておく訳にはいきません。
帝国はすぐにカストロプ公の領地へ調査のための人員を送りこます。
しかしオイゲンの息子であるマクシミリアンはこれに激怒。
帝国に反旗を翻します。
まあ、貴族のボンボンが父が死んだ途端、役人が派遣されて不正に得た財産の調査をすると言われたら反発しますわ。
この手のボンボンって甘やかされて育っているでしょうから、自分は何をやっても許されると思っているのでしょうね。
勅命がキルヒアイスの下った訳
カストロプの動乱を収めるため、ラインハルト旗下のキルヒアイスに勅命が下ります。
銀河英雄伝説第8話より引用
実はこれには裏があり、ラインハルトがキルヒアイスに勅命が下る様に国務尚書のリヒテンラーデ侯に依頼したのです。
リヒテンラーデ侯とすれば、ラインハルトの願いを聞き入れることで恩を売ることができます。
また仮にキルヒアイスが動乱の鎮圧に失敗してもそうなったら改めてラインハルトに討伐を命じればいい。
ラインハルトも一度部下が失敗していますから鎮圧に成功してもデカい顔をできない。
どっちに転んでもリヒテンラーデ侯は損をしない。
さすが実務家貴族として国政を取りし切る人物。大層な狸野郎ですわ。
キルヒアイス以外のラインハルトの部下達は不満タラタラ
皇帝の命令である勅令が下る。
これは帝国軍人としては名誉なことであり、勅命が下るだけで箔が付きます。
だからこそ、ラインハルトの部下達はキルヒアイスに勅令が下ったことに非難半分ヤッカミ半分って感じ。
特に猛将の誉れ高いビッテンフェルトは不満を隠そうとしません。
銀河英雄伝説第8話より引用
ただ不満は他の提督たち、ケンプ、ルッツ、ワーレン、そしてメックリンガーにもあるようです。
元々平民や下級貴族出身の者たちばかり。
出世欲も旺盛でしょう。
だからこそ今回の件が余計に悔しいのです。
一方、ラインハルト旗下の中で十分な武功をあげてきた二人、ミッターマイヤーとロイエンタールはさすがにヤッカミや非難みたいなことは言いません。
二人にはわかっているのです。
今回の勅令はキルヒアイスに武功を上げさせてローエングラム元帥府のナンバー2にするためであると。
ミッターマイヤーとロイエンタールは以前ラインハルトに助けられており、その時以来ラインハルトの忠誠を誓い、ラインハルトの目的(帝位の簒奪)もある程度知っています。
だからこそ、キルヒアイスをナンバー2にすることも納得しようとしていますが、やっぱりに何か引っかかるようですね。
何しろ自分達より席次が上になるのです。
自分達より優秀でないと困るって感じでしょうか?
カストロプの動乱あっさり終了
帝都オーディンを出撃したキルヒアイス率いる討伐艦隊5000隻は迎撃してきたカストロプ艦隊1万隻と交戦に入ります。
銀河英雄伝説第8話より引用
数の上では圧倒的に不利な状態。
それにも関わらずカストロプ艦隊を包囲しようとするキルヒアイス。
用兵の常道からは外れていますがこれはカストロプの旗艦に近づき通信を旗艦に聞こえるようにするため。
通信の内容は今回の目的はマクシミリアンの捕縛だけ。
マクシミリアンの部下たちは降伏さえすれば捕虜として正当に扱うというもの。
普通ならこんな通信を聞いても降伏しようなんて奴は出て来ないでしょう。
だってカストロプ軍の方が圧倒的に有利なんですもん。
しかしこのマクシミリアンってすぐに部下を殴る暴君タイプ。
ずっとこんな男に仕えるの嫌と思う部下が多かったらしく、マクシミリアンさん、見事部下に裏切られて無念の退場です。
銀河英雄伝説第8話より引用
わずか10日で動乱を鎮圧したキルヒアイスの手腕にビッテンフェルト達も脱帽の様子。
まあこれだけの手並みを披露されたら納得するしかありませんわ。
めでたく中将に昇進したキルヒアイスはリヒテンラーデ侯から「皇帝に忠誠を誓う」ようにとのありがたいお言葉を貰います。
皇帝に忠誠?
なんてバカなことを。
キルヒアイスから忠誠の対象の1人を奪い去ったのは皇帝だろうに。
さて、そんなことを思っているであろうキルヒアイスの元にイゼルローン要塞が陥落したという情報が伝えられます。
オーベルシュタインが売り込みにやってきた
イゼルローン要塞失陥。
この知らせに帝国軍三長官(軍務尚書、統帥本部総長、宇宙艦隊司令長官)は唖然呆然。
誰にこの責任を押し付けるか考え始めます。
一方ラインハルトはこの事態を嘲笑します。
だってこれだけの一大事、帝国軍三長官だってタダではすみません。
現在帝国軍ナンバー4の地位にあるラインハルトは、上の3人が責任とって辞任すれば労せずに帝国軍のトップに立てるのですから。
さてそんなラインハルトの元にオーベルシュタイン大佐がやってきます。
イゼルローン要塞駐留艦隊の幕僚で唯一帰還した男。
そのことだけで詰め腹切られそうになっているオーベルシュタインはラインハルトの庇護を求めて訪問してきたのです。
銀河英雄伝説第8話より引用
オーベルシュタイン曰く、自分は義眼であり、劣悪遺伝子排除法が有効ならば自分も劣悪遺伝子保持者として抹殺されていたはず。
だからこの法律を作ったルドルフ大帝とそのルドルフ大帝の作ったこの帝国を憎んでいる。
本当ならば自分で滅ぼしたいけど、自分には力がないので、力のある人、つまりラインハルトの役に立ちたいと。
まあ、これは本心でしょうけど、今のオーベルシュタインの立場からすると眉唾ものですよねえ。
ラインハルトに守ってもらうために媚びを売っているようにも見えますから。
でも結局ラインハルトはオーベルシュタインを自分の庇護下に置くことにします。
それはラインハルトがオーベルシュタインに利用価値を見出したからです。
オーベルシュタインが言ったように光には影が従う。
ラインハルトが覇業を成すには汚い仕事、つまり謀略を指揮する者が必要。
キルヒアイスは優秀だけど、正直すぎるその性格は汚い仕事には向かない。
その点、このオーベルシュタインならばやってくれそう…な気がする。
そんな感じでしょうねえ。
キルヒアイスはオーベルシュタインの登用に批判的ですが、ラインハルトはオーベルシュタインを助けることにします。
後々のことを考えれば、この時がラインハルトとキルヒアイスの意見のすれ違いの始まりだったのかもしれません。
皇帝はラインハルトの叛意に気付いている?
皇帝の元のやってきたラインハルト。
そして皇帝フリードリヒ4世から帝国軍三長官のうちどれが欲しいか尋ねられます。
しかしこれを固辞するラインハルト。
ゼークトは戦死し、シュトックハウゼンは囚われの身。
これ以上責任を負う人間は必要ないと。
この殊勝な意見にリヒテンラーデ侯も同調して帝国軍三長官の責任問題はなくなりました。
皇帝のお情けという形で自分達が助かったのにオーベルシュタインだけに責任を負わせる訳にはいきません。
ここでオーベルシュタインも無罪放免となり、晴れてローエングラム元帥府への転属が決まります。
フリードリヒ4世が薔薇の世話をしているところにやってくるリヒテンラーデ侯。
リヒテンラーデ侯はフリードリヒ4世に進言します。
ラインハルトに皇帝が甘すぎると。
そしてこのままだとラインハルトが増長していつかは簒奪を企てるかもしれないと暗に匂わせます。
しかしフリードリヒ4世は動じません。
それどころか不滅の国家などない。
ゴールデンバウム朝が自分の代で終わってもいいとさえ思っているようです。
銀河英雄伝説第8話より引用
案外このフリードリヒ4世はラインハルトの本当の目的に気付いているのかもしれませんね。
凡庸に見えてホントに優秀って人はアニメでは結構いますので。
終わりに
今回はここで終了。
今回は旧OVA版の第5話「カストロプ動乱」と第8話「冷徹なる義眼」を合わせた内容でしたね。
旧OVA版を見たことなる方はイゼルローン要塞失陥の話の後にカストロプ動乱が入ってきて違和感を覚えるかもしれませんが原作はこの順番なので。
今回後半部分はほぼ原作通りで文句はありませんが、前半部分はいけませんわ。
旧OVA版では1話使った話を半分の尺に収めなければいけなかったのでかなりカットしたのでしょうけど、カットし過ぎで意味不明です。
どうして冒頭にマリーンドルフ伯が捕らえられたか説明がなかったし、どうしてカストロプが迎撃に出撃したか説明なし。
おまけに説得するために包囲しようとしたのは意味わからん。
第7話まではかなりよくできていたので今回の前半の出来にはホント残念ですわ。
今回のまとめ三行
- キルヒアイスがカストロプの動乱を鎮圧する
- オーベルシュタインが自分を売り込みに来た
- 皇帝は全部御見通し?
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第8話の補足説明
第8話を視聴して思ったこと。
後半部分は原作に準拠しており出来は良い。
でも問題は前半部分。
こっちは今までの話の中で最悪の出来だと思います。
その理由はカットし過ぎで意味がわからなくなっていること。
唐突にマリーンドルフ伯が捕縛されるシーンがあったけど、あれはどんな意味があったのか?
少なくとも8話を見ただけではわかりません。
というか、どうして捕まったか初見の方には全くわからないはず。
たぶん旧OVA第5話「カストロプ動乱」と第8話「冷徹なる義眼」の内容を1話分に圧縮しなければいけなくなった。
監督も苦渋の決断をして「冷徹なる義眼」の方を生かすために「カストロプ動乱」の方を非難覚悟で削りに削ったのだと思います。
ただあれだけ削るなら旧OVA版みたいに特殊OPや特殊EDを使って、できる限りわかりやすくして欲しかったですわ。
前置きが長くなりました。
今回は原作の該当箇所を引用しつつ、カストロプ動乱の内容をちょっとだけ解説しようと思っています。
カストロプ動乱の原因
カストロプ動乱の発端は、
カストロプ公オイゲンが
事故死したことに始まります。
オイゲンはフリードリヒ4世の元、
15年も財務省書の職に就いていました。
財務省書は帝国の財政を掌る役所であり、
ちょっとぐらい横領しても
わからなかったのでしょうし、
部下達も文句を言えなかったのでしょう。
しかしそのオイゲンが事故死したことで
事態は急変します。
15年間に横領した金額は莫大。
これを回収すれば
軍事費の増大で財政が圧迫されている
帝国の財政も一息付けるのです。
そのため不正に横領した財産が
どれくらいあるか
惑星カストロプへ帝国は調査官を派遣します。
そしてこれに怒ったのが
オイゲンの息子のマクシミリアンです。
銀河英雄伝説第8話より引用
父オイゲンが生きていた時には
文句を言わなかったのに、
父が死んだ途端この仕打ち。
帝国に舐められていると思ったのでしょう。
マクシミリアンは調査官を追い返して
しまいます。
しかしこれは帝国の威信を傷つけることに。
そりゃあ帝国から派遣された調査官は
皇帝の代理人に当たりますので
これを追い返すということは
帝国に対する挑戦になるのです。
これがカストロプ動乱の直接の原因となります。
マリーンドルフ伯はどうして捕らえられた?
第8話の冒頭で捕まったこのおっちゃん。
銀河英雄伝説第8話より引用
旧OVA版の視聴者や原作ファンならば、
このおっちゃんがヒルダのお父さんだと
わかりますが、
ではなぜこのマリーンドルフ伯は
マクシミリアンに捕まったのでしょうか?
実はこのマリーンドルフ伯と
カストロプ公爵家は縁続き。
つまり親戚です。
温和で人が良いマリーンドルフ伯が
調査官を追い返して窮地に陥っている
マクシミリアンを見捨てることができず、
帝国との間を取り持とうとした訳。
しかしマリーンドルフ伯を疑う
マクシミリアンはこれに従わず、
逆にマリーンドルフ伯を捕まえてしまいます。
以上がマリーンドルフ伯が捕らえられた理由です。
これ説明しないと
何が何だかわからないと思いますわ。
原作ではカストロプ軍を壊滅状態に追いやった
第8話では
自分達からは一回も攻撃せず、
内部分裂でマクシミリアンを潰した
キルヒアイス。
しかし原作では
躊躇なくカストロプ艦隊を攻撃して
壊滅状態に追いやったのです。
一連の流れを説明すると、
カストロプ討伐軍を2回撃破した
マクシミリアンは、
捕らえているマリーンドルフ伯の領地も
自分の勢力圏に入れてしまおうと考え、
マリーンドルフ伯の領地に侵攻します。
それを知ったキルヒアイスは
マリーンドルフ伯の領地へ
援軍に向かうという偽情報を流します。
しかしキルヒアイスの狙いは
カストロプ公の本拠地。
キルヒアイス艦隊が
カストロプ本星に向かったことを知った
マクシミリアンは
急いで本星に引き返しますが
実はこれも欺瞞。
小惑星帯に潜んでいた
キルヒアイス艦隊は
カストロプ本星に急ぐ
カストロプ艦隊の後背から攻撃して
大打撃を与えます。
その後は第8話と同じく
マクシミリアンは部下に殺害されます。
ちなみに部下に暴力を奮う描写は
原作にはありません。
たぶん旧OVA版のマクシミリアンが
部下をぶん殴っていた描写を
オマージュしたのでしょうね。
どうしてキルヒアイスは攻撃しなかった?
カストロプ艦隊に全く攻撃を仕掛けなかった
キルヒアイス。
たぶん攻撃しないことで
自分達の目的が
マクシミリアンの捕縛だけという言葉に
説得力を持たせようと考えたのでしょうね。
後わざわざマクシミリアンの旗艦の前まで
自分の旗艦を移動させたのは
そうしないとマクシミリアンの旗艦が
音声通信を伝えることができなかったのかも
しれません。
まあ、第1話で
ヤンの演説を遠く離れた帝国艦隊が
傍受できていたし、
第2話でも
やっぱり遠く離れた
ヤンとラップが通信できていたので、
この設定には無理がありそうな気もしますが。
バルバロッサを乗艦にしていた整合性について
今回の話の中で
キルヒアイスは
バルバロッサを旗艦として
出撃しました。
OPにブリュンヒルトと一緒に出てくる
赤い戦艦です。
キルヒアイスの旗艦として
勇名を馳せることにある船ですが
この段階でキルヒアイスが乗艦にすることに
違和感があります。
それはキルヒアイスがまだ
この段階で少将だからです。
原作の外伝1巻に記載があるのですけど、
ラインハルトがブリュンヒルトを
貰ったのは大将への昇進時。
皇帝の側室の弟という地位にある
ラインハルトでさえ
大将にならないと貰えなかった
カスタムメイドの旗艦。
それを少将に過ぎない
キルヒアイスがもう乗艦にするなんて
明らかにおかしいです。
まあ、原作と本作は
違うということなんでしょうけど。
でも同じ少将だった
ファーレンハイトは第1話で
アースグリムではない
別の戦艦を乗艦にしていましたよね。
バルバロッサは見栄えの良い艦なので
早く出したいという希望があったのでしょうけど、
ちと残念です。
まあ、ビッテンフェルトが
勅命が下ったことに
不平を言うシーンがありましたが
そこに一言、
「旗艦まで貰いやがった」とか
入れればまだ整合性取れたかもしれませんけど。
終わりに
次の第9話は銀英伝の特別番組の放送のため
1週お休み。
万策尽きたという訳でなく、
4月に収録しているので
当初から予定されていたのでしょう。
でもそんな余裕があるなら
カストロプ動乱にもうちょっと
尺を割いてほしかったです。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」の感想 「新旧キルヒアイス(の中の人)の共演見れただけで満足かも」
アニメ本編は1回お休み。
という訳で今回は特別篇の放送です。
万策尽きたと考える人が多いと思いますけど、もともと本作は1クール12話の予定。
このままだと1週分余ってしまうので今回の特別番組で埋めたのだと思います。
現にこの番組は4月のうちに撮られてますし、本編も作画が崩れてませんからね。
他の万策尽きたと言われている作品の多くは作画が酷いことになっているものがたくさんあるので。
さてこの番組はキルヒアイス役の梅原裕一郎さんがコラボカフェを訪問するという内容。
一応コラボ商品の紹介と共に作品の紹介も一緒にするそうですけど。
果たしてどのような中身になっているのでしょうか?
銀英伝にちなんだメニューがいっぱい
台東区上野にある
イゼルローンフォートレス。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」より引用
今回はこのお店を
キルヒアイス役の梅原裕一郎さんが
訪問してレポートするという内容のようです。
店舗の外に掲げられている国旗と
ヤンとラインハルトの盤を見れば
「DIE NEUE THESE」ではなく、
旧OVA版を意識しているのがよくわかります。
店内は銀英伝のグッズが
至るところに置いてあり、
ファンならこれだけでも嬉しいですね。
さらにメニューも当然
銀英伝にちなんだものばかり。
例えばこちら。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」より引用
イゼルローン要塞と言えば、
もちろんトールハンマー。
トゥールハンマーでないところからも
旧OVA版を意識しているのが
よくわかりますわ(大事なことなので)。
さてこの料理、
これで完成ではなく、
完成するためにもう一手間必要。
そう、同盟艦隊を撃滅するために
トールハンマーを発射しなければいけないのです。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」より引用
トールハンマーに見立てたガスバーナーが
シュールですわw
ちなみに発射する時は
店員さんと共に「ファイエル」という
決めセリフをお客さんは
言う必要があります。
うん、これまんまメイドカフェだわ。
当然これ以外にも
料理が登場しました。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」より引用
お店のサイトを見てみると
リーズナブルな価格の料理が多いようですね。
新旧キルヒアイスのCVの共演!!さらに先生まで来ちゃった
さて料理を食べてご満悦の梅原さん。
さらにメニューを持ってくるように
お願いしますが、
飲み物を持ってきたのは・・・、
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』特別番組「キルヒアイスのイゼルローン訪問記」より引用
旧OVA版でキルヒアイスを演じた
広中雅志さんじゃないですか。
旧OVA版で多くのファンを魅了し、
キルヒアイス=広中さんだと
思っている方は結構多いと思います。
旧OVA版が大好きな方には
大きいサプライズですわ。
新旧キルヒアイスの揃い踏みなんて
去年のイベントに行った人しか
見れなかったのに。
ホントこの番組作ってくれてありがとう
とスタッフさんに言いたいですわ。
まあ、喜んでいるのは
私みたいな旧OVA版だけ
なんでしょうけどね。
広中さんが登場したことで、
ここから新旧銀英伝のお話に。
旧OVA版では途中から一同に会して
アフレコすることがなくなったので、
同盟サイドのお話がどうなっているか
全くわからなかったこと。
旧OVA版と新版両方に
関わっている三間音響監督のこと。
そして広中さんから
プレッシャーが大きいであろう
梅原さんに対するエール。
どれも素晴らしいお話ばかり。
旧OVA版のファンの方は是非見てほしいですね。
さらに終わりの方では
原作者の田中芳樹先生まで登場!!
まさか先生まで動員するなんてw
田中先生が登場するまでは
梅原さんが広中さんに質問して、
それに広中さんが答えるという
パターンが多かったですけど、
田中先生が登場すると
広中さんが田中先生に質問することが
多くなってました。
梅原さんファンとしては
その点はちょっと残念かもしれませんね。
個人的に興味深かったのは、
田中先生はアニメ版の解釈を
すべてアニメスタッフに任せているというお話。
これはこれでアリの方法ですよね。
同じ作品でも
人によって解釈は違います。
だから旧OVA版とも違った解釈を
この新版で味わうことができるのです。
もし田中先生が
旧OVA版も今回の新版両方とも
関わって解釈していたら
同じものを見せられて
それこそ何で
「DIE NEUE THESE」を
作ったの?
となりますから。
そして最後は
3人が新メニューを
考えることに。
これ実際の
メニューなるのですかねえ。
終わりに
今回はこれで終了。
旧OVA版からのファンには
ホントに嬉しい番組でしたわ。
新旧キルヒアイスの声優さんの共演が見れるなんて。
まあ逆に言えば、
旧OVA版に思い入れがない人や
声優さんに興味がない人には
ちょっとつまらない内容だったかもしれませんね。
さて、
この番組が収録されたのは
4月中旬とのこと。
梅原さんが病気療養に
入る前ですね。
キルヒアイスは活躍する期間は
短いですけど、
最重要キャラの1人です。
是非来年の劇場版の収録前に
病気を治して
再びキルヒアイス役を熱演して欲しいと
思いますわ。
この番組を見ながら
そんなこと考えてました。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話「それぞれの星」の感想 「権力者に問い続ける政治家ジェシカの戦いが始まる」
感想(ネタバレあり)
イゼルローン要塞を落とせば帝国との和平が成立するかもしれない。
そういう想いもあってイゼルローン要塞を攻略したヤン。
しかしヤンの願いとは逆に自由惑星同盟はイゼルローン要塞を足掛かりとして帝国領侵攻を決めてしまいます。
ヤン、考えが甘かったですね。
そしてジェシカが教師を辞めて政治家へ転身します。
権力者に問い続けるジェシカの孤独な戦いの開幕です。
政権維持のために帝国領への出兵が決定
自宅を出る前、
ヤンはユリアンへ
今日外食をすることを伝えます。
ヤンの思惑通りなら
今日ヤンは軍隊から解放される予定。
それをユリアンと一緒に
お祝いするつもりなんでしょう。
国民の生活より政権維持が大事
自由惑星同盟最高評議会。
民主国家である同盟は
国民から選出された政治家によって
国家の意思決定がされます。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
今回議題に掛けられているのは
帝国領への侵攻計画。
イゼルローン要塞を奪取したため、
これまで侵攻される側だった同盟が、
初めて帝国領への侵攻が可能となったのです。
この機を逃す手はない。
そういう思惑なんでしょう。
しかし当然これに反対する政治家もいます。
最高評議会の財務委員長である
ジョアン・レベロもその一人。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
レベロは財務委員長という立場から
このままだと経済が破たんしてしまうと
訴えます。
アスターテ会戦の戦死者の遺族年金、
さらにイゼルローン奪取に捕虜にした
帝国軍人も食べさせなければいけないので
その費用。
現状でも財政は火の車なのに
帝国領侵攻なんて無理。
そういうロジックで
他の閣僚を説得するつもりのようです。
さらに踏み込んで戦争自体を止めるべきとまで。
ヤンがイゼルローン要塞を奪取したおかげで
帝国軍は同盟領への橋頭保を失いました。
イゼルローン要塞ある限り、
同盟領は安全なのです。
つまり軍事的に今は同盟が有利。
この機会を逃さず、
帝国と交渉すれば、
同盟に有利な講和条約が結べるかもしれない。
ヤンが考えたことと同じことを
レベロたちも考えていたのです。
そして戦争が終われば
当然帝国領への侵攻もなくなる。
またレベロと同じく出兵に反対である
人的資源委員長のホアン・ルイは
人的資源が軍部に取られすぎて
社会機構が維持できないことを訴えます。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
最低でも400万人を
軍部から社会に戻して欲しいと。
でもこれは無茶な要望でもあります。
現在帝国と戦争している以上、
軍部から一度に400万人も引き抜いたら
後方支援がむちゃくちゃになり、
帝国との戦争は続けられない。
そう主張する
トリューニヒト国防委員長の
言葉にも説得力がありますね。
ただ戦争できるのは
同盟の社会基盤が存続しているからであり、
その社会基盤が崩れれば
戦争どころではありません。
戦争反対派が優勢かな?
というところで
戦争継続派の
情報交通委員長のウインザー夫人が
巻き返しを図ります。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
彼女は帝国との戦争は大義の戦争であり、
国民が窮乏しても止めるべきではないと
主張します。
確かに国民に犠牲を強いることも
時として政治家は決断しなければいけません。
でも戦争はすでに150年も続いており、
その結果経済が破たん一歩前の状態なのです。
大義云々と言っている時では
ないと思いますけどね。
出兵賛成派と反対派の意見が対立し、
結論が出せないまま休憩に入ろうとした時、
最高評議会議長であるサンフォードはある
指標を閣僚に示します。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
最高評議会への国民の支持率は31%強。
一方不支持率は約56%。
でもここ100日以内に
帝国軍に軍事的勝利をすれば
支持率は確実に15%上昇すると。
来年選挙があり、
当然支持率は選挙に影響します。
損得感情丸出しの閣僚たち。
さすがにまずいと思ったレベロは
政権維持のために出兵の可否を決める権利は
自分達にはないと叫びますが、
選挙のことで頭がいっぱいになった
閣僚たちには届きません。
そしてウインザー夫人に冷笑されてしまうレベロ。
投票の結果は
賛成8票、
反対3票。
ここに帝国領への侵攻作戦が
決定しました。
以外だったのは
トリューニヒトが反対票を投じたこと。
機を見るに敏なはずなのに
なぜ反対したのでしょう?
もしかして
今回の出兵計画は失敗すると
予想してる?
ヤンの辞表は却下
統合作戦本部長であるシトレ元帥に
辞表を提出するヤン。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
しかし元帥は
すんなりと辞表を受理しません。
そりゃあそうです。
イゼルローン要塞を味方の犠牲を出さずに
奪った天才用兵家を失う訳には
いきませんからね。
でもヤンの決意は固そう。
そこでシトレが持ちだしたのが
第13艦隊の存在。
結成されたばかりのヤンの艦隊です。
寄せ集めとかいろいろ言われていた艦隊。
その艦隊を捨てて退役するのは
司令官として無責任すぎるんじゃね?
とシトレ元帥は言外に込めて
ヤンに話します。
この論法はヤンの予想外だったのでしょう。
結局ヤンは積極的な反論ができません。
本部長室を退出し、
エレベーターに乗り込むヤン。
そこで偶々統合作戦本部を訪問していた
シェーンコップと出くわします。
シェーンコップはヤンが
辞表を出してきたことを察し、
またシトレ元帥がそれを受理しない
という予想をヤンに話します。
シェーンコップ自身、
今回の作戦でヤンに心酔したようで
以後もヤンの元で戦いたいと
直に伝えます。
軍人辞めて
歴史家になる。
ヤンのささやかな夢は
残念ながら叶わないようです。
不本意なグリーンヒル親子との会食
ユリアンと合流したヤンは
とあるレストランを訪れます。
退職に失敗した以上、
やけ食いしようとでも思っていたのでしょうか?
しかし運悪く店は満席。
仕方なく他の店に行こうとした時、
ヤンを呼ぶ声が。
ヤンを呼んだのは
ヤンの副官であるフレデリカ・グリーンヒル中尉でした。
何でも父親と一緒に食事をしていたとか。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
この展開、
ヤンとしては御免被りたいところでしょう。
軍を退職できなかった上に
楽しみにしていた食事を
上司と一緒にしなければいけないなんて。
でもここで逃げたら
失礼に当たります。
ヤンとユリアンは
フレデリカと
その父親である
統合作戦本部次長の
ドワイト・グリーンヒル大将と
会食することに。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
初対面のはずのグリーンヒル大将とユリアン。
でもグリーンヒル大将は
ユリアンをしているみたいです。
何でもユリアンはフライングボールという
スポーツの選手であり、
ハイネセンポリスではちょっとした
有名人であるとか。
もちろんそんなことを
全く知らないヤン。
保護者失格ですわ。
少しは被保護者に興味を持たんと
ユリアンが拗ねますよw
ジェシカが評議会議員に
同盟では帝国領への侵攻が決まり、ヤンがグリーンヒル親子と食事をしている頃、フェザーンではある計画が進んでいます。
新銀河帝国ってそれフラグ?
愛人であるドミニクの家でくつろぐ
フェザーンの自治領主アドリアン・ルビンスキー。
ルビンスキーはテレビ電話で
補佐官であるボルテックから
報告を受けます。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
軍事力を持たず
経済力だけで自立するフェザーン自治領。
その経済力を武器に
帝国と同盟の経済を牛耳るため
いろいろなところに手を回していたのです。
帝国や同盟の奴らが気付いた時には
経済を握るフェザーンに対抗できなくなる。
そのために日夜頑張る
フェザーンと言ったところでしょうか?
しかしドミニクが言うように
どれだけ経済を握っても
帝国にルドルフ大帝のような
カリスマと能力を兼ね備えた人物が出現し、
新帝国のようなものが成立すれば、
フェザーンの小細工は
すべて水泡に帰すかもしれない。
その可能性を思案するルビンスキー。
うん、これフラグですね。
まさかこんなところで
新帝国成立のフラグが立つとは…。
ジェシカが反戦政治家へ
会食が終わり、
グリーンヒル親子と別れる
ヤンとユリアン。
その際、
グリーンヒル大将は
ヤンに結婚をする気があるか
質問されます。
その質問に
反応してしまうフレデリカ。
わかりやすいですねえw
でも平和になったら考えると
ほぼゼロ回答したヤンに
フレデリカはしょんぼり。
まあ、ラップとジェシカのことを
考えたら結婚に二の足を踏むのも
わかります。
退役できていたならともかく、
このまま軍人を続ける場合、
結婚しても自分がいつ戦死するかわかりません。
そして戦死すれば
結婚相手をジェシカのように
悲しませてしまう。
そんな風にヤンは考えているのでしょう。
タクシーの中でニュースを見るヤン。
そこでジェシカが最高評議会の議員に当選し、
就任演説することを知ります。
つ~か、
ヤンはジェシカが選挙に出て、
当選したこと知らなかったのかよ。
あとユリアン、
ジェシカがヤンを訪ねてきたことを
ヤンに話さなきゃいけないでしょ。
アバンのシーンは
この時のものだったのですね。
回想シーンの中で
ジェシカはユリアンに
軍人になりたいか質問します。
軍人になりたいと素直に答えるユリアン。
続けてヤンがユリアンが軍人になる頃には
平和になっていると言っていたことを
ジェシカに話します。
それを聞いて優しい顔になるジェシカ。
ヤンは戦争を終わらせるために頑張っている。
そんな風にジェシカは確信したのでしょう。
そして自分も戦争を終わらせるために
頑張ると決意したのかも。
交通管制の不具合により
タクシーを降りて歩くヤンとユリアン。
一緒に星空を見上げますが
ヤンはつぶやきます。
「お前は私と一緒の星を見上げる必要はないんだよ。
…人は自分だけの星を掴むべきなのだ。
例えどのような兇星であっても。
このセリフは原作そのまま。
ユリアンは自分とは違う道を進んで欲しいという
ヤンの想いが含まれているのでしょうね。
そして同時に政治家としての道を進み始めた
ジェシカへのエールだったのかも。
聴衆の前で演説するジェシカ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第9話より引用
歴史とは自分達で作るものである。
今生きている私たちが。
正義の戦争とか
崇高な義務であると
主張する人がいるが
それを決めるのは私たちである。
戦地から遠く離れたところで
主戦論を唱える奴らではなく、
戦争で大事な人を失った私たちだと。
そして私は権力者たちに問い続ける。
あなたたちはどこにいるのかと。
後方で戦争を美化する政治家に
対する痛烈な皮肉。
この問いに
待っ正面に答えることができる
政治家が
同盟にどれくらい
いるのでしょうかねえ。
ジェシカの戦いはここから始まりました。
政界は正義の戦争の名の元、
戦争遂行派の方が多いはず。
強い決意を持ったジェシカも
きっと難儀することでしょう。
でもジェシカはおそらく
挫けたりしないはずです。
だってヤンも戦争を終わらせるために
頑張っていると知ったから。
終わりに
今回はここで終了。
ジェシカの最後の演説が全部持っていきましたねえ。
前半でウインザー夫人が話したことに対比になっていて、よりジェシカの言っていることが正しいと認識できるような演出だったのでしょうねえ。
戦争に対するジェシカの認識はその通りだと思いますけど、政治家は戦争のことだけ考えればいいのではないですからね。
ジェシカの他の分野の政策、例えば経済とか教育とかはどう考えているのか興味がありますわ。
まあ、本題がから離れているので原作では書かれていませんし、この新版でも描かれないでしょうね。
さて次回のタイトルは「幕間狂言」。
とうとう同盟の正軍師たるフォーク准将登場か?と思ったら、タイトル画面の上の方に帝国の紋章が。
帝国の話なのか?
同盟の話なのか?
それとも両方やるのか?
どれにしても次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 政権維持のために出兵が決まる
- フェザーンがじわじわと帝国と同盟の経済を牛耳る
- ジェシカが政治家になる
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第10話「幕間狂言」の感想 「同盟の天才軍師フォーク准将登場です!!」
感想(ネタバレあり)
同盟政府が政権維持のために決めた帝国領侵攻。
その決定が帝国、同盟、フェザーンへどのような影響を与えるかが今回のメインテーマとなっております。
そして同盟軍にヤンの超えるスーパー軍師、フォーク准将がいよいよ登場です(棒読み)。
旧OVA版(石黒版)ではフレ―ゲル男爵と並ぶネタキャラだったフォーク准将。
本作でもネタキャラのままなんでしょうか?
同盟軍の侵攻をラインハルトに防がせる?
帝国宰相代理を務めるリヒテンラーデ侯の元へ、フェザーン駐在の高等弁務官レムシャイド伯よりある情報がもたらされます。
それは「同盟軍が帝国領への侵攻を準備している」というもの。
情報元はフェザーンのルビンスキー。
イゼルローン要塞が落ちて軍事的なバランスが同盟側に傾き過ぎたので今度は帝国側に勝たせるために情報を横流ししたようですね。
この情報にリヒテンラーデ侯は頭を抱えたことでしょう。
イゼルローン要塞を同盟に奪取されて、一番恐れていた事態になったのですから。
さらに帝国内にイゼルローン要塞が落ちたと情報が流れ、平民の間に不穏な動きがあるとか。
まさに内憂外患ってやつですね。
ただ同盟軍の侵攻をとん挫させ、同盟軍に勝利すれば平民の間に蔓延している革命の雰囲気も消し去るとリヒテンラーデ侯は考えている模様。
どちらにしろ、誰に同盟軍迎撃の命令を与えるかが重要となってきます。
銀河英雄伝説第10話より引用
リヒテンラーデ侯の腹心であるゲルラッハ財務省書は、金髪の孺子がいいのではないかとリヒテンラーデ侯へ進言。
それに対してリヒテンラーデ侯はもしラインハルトが勝てばさらに図に乗って自分達の地位を危うくするかもしれないと危惧します。
まずは同盟軍に勝てなければいけないのに、その後のことを考えるなんて。
また、もしラインハルトが負けてしまえば、同盟軍の士気が大いに上がり、それを討伐するのは大変とも。
おいおい、それでは勝っても負けてもダメってことになるんじゃね~の?
そんなに心配なら宇宙艦隊司令長官であるミュッケンベルガー元帥に指揮させろよ。
一応宇宙艦隊の半分はまだミュッケンベルガーの指揮下にあるのだから。
それにラインハルトは宇宙艦隊の副司令長官であり、まずはミュッケンベルガーに目以来するのが常道だろ。
同盟軍は3000万人という大軍を動員するのだから、宇宙艦隊司令長官直々に迎撃の指揮を取るべきだと思いますけどねえ。
いろいろ悩むリヒテンラーデ侯にゲルラッハは助言します。
ラインハルトは無能じゃないのでたとえラインハルトが負けても同盟軍も相応の被害を出しているはず。
それを倒すのは容易であるし、仮にラインハルトが勝てば、良い気にさせて増長させればいい。
そして増長しきったところを…。
ゲルラッハよ、お主も悪よのう。
たぶん水戸黄門ならリヒテンラーデ侯はこう言ったでしょうね。
悪代官と越後屋の会話って感じなので。
天才軍師フォーク准将がようやく登場
同盟軍統合作戦本部では帝国領遠征作戦のために会議が開催されています。
遠征軍の総司令官には宇宙艦隊司令長官のロボス元帥、総参謀長にはドワイト・グリーンヒル大将が就任。
そして実戦部隊として
- ルフェーブル中将の第3艦隊
- ビュコック中将の第5艦隊
- ホーウッド中将の第7艦隊
- アップルトン中将の第8艦隊
- アル・サレム中将の第9艦隊
- ウランフ中将の第10艦隊
- ボロディン中将の第12艦隊
- ヤン中将の第13艦隊
以上8個艦隊が動員される予定。
独立部隊の人員も含めて総兵力数は3000万以上。
政権維持のための出兵なのに完全に本気モードです。
この事態に浮かない顔のヤン。
イゼルローン要塞を落とせば講和が成立するかもしれないとヤンは思っていたのに。
まさか逆の事態になるなんてほとんど考えていなかったのでしょうね。
それも選挙目当ての出兵なんて。
会議の主役はフォーク准将
会議はシトレ元帥の言葉で開始されます。
提督たちに活発な討議をさせて作戦を煮詰めていくというのがシトレの考えなんでしょう。
無難な方法ですが、場の空気を乱すような者が1人でもいれば討議ではなく罵倒の場になってしまう恐れがありますけどね。
シトレの言葉の後、一人の将官が発言します。
その将官の名前はアンドリュー・フォーク准将。
来たよ、来ましたよ、同盟軍が誇る天才軍師様が(棒読み)。
銀河英雄伝説第10話より引用
でも何か顔が普通。
旧OVA版では陰気な顔で性格をよく表していたのに。
今回のフォークはどちらかというと美男子じゃん。
全く誰得だよ。
さて、会議はこのフォーク准将が他の提督たちの質問に回答する形で進んでいきます。
まあフォークは作戦参謀の1人なので当然といえば当然ですが、たかが准将の癖に目立ち過ぎ!!
たぶんこの会議に出席しているフォーク以外の人達、多かれ少なかれそういう風に思っていることでしょう。
ウランフ中将に続き、ヤンが質問しますが、フォークの回答は大雑把。
何というか、こっちは大軍なので帝国軍に負ける訳はないという固定観念を前提に話をしています。
それに対してビュコックがアスターテでは敵より大軍だった同盟軍が負けたことを例に挙げてフォークに反論。
しかしフォークはアスターテ会戦は帝国軍の侵攻を阻止したから戦略的には勝利したと言い放ちます。
確かにフォークの言う通りですがアスターテ会戦では出撃した兵力の半分を喪失。
政府はアスターテ会戦の戦死者遺族に対する遺族年金の支払で困っていることを考えれば、到底勝利したとは言えないと思いますけどねえ。
さらにおそらく迎撃の任に出てくるであろうラインハルトを高く評価したヤンに対し、フォークは利敵行為であると非難します。
フォーク自身が考えた作戦案にケチをつけられて怒ったのでしょうかねえ。
それに対してなぜかビュコックが怒り出し、ビュコックとフォークの言い争いに。
その言い争いを聞き流しながら考え事をするヤン。
銀河英雄伝説第10話より引用
シトレ元帥に慰留された時に強引に辞めておけばこんな風にならなかったのに。
後悔先に立たずってやつでしょうね。
出世欲の塊であるフォークのライバルはヤン?
会議終了後、会議室にシトレと共に残るヤン。
どうやらシトレもイゼルローン要塞を落とせば、戦争は終結すると考えていたようです。
だからこそ、現在の事態は不本意ということなんでしょう。
そしてシトレはフォークを危険視しています。
フォークは出世欲が強い。
でも会議で見たとおり、才能を示すために実績ではなく弁舌を利用する傾向にある。
さらに他者を貶めて自分を偉く見せようとするクズだから、あんな奴に3000万将兵の命を預けるのは不本意であると。
まあフォークの方から見ると今回の作戦を成功させなければライバルに勝てませんからね。
ライバルというのは当然ヤンのこと。
アスターテ会戦で同盟軍の全面崩壊を防ぎ、さらに難攻不落と言われたイゼルローン要塞を味方の損失を全く出さず奪取しちゃった。
ヤンは士官学校を卒業し武勲も立ててますし、普通にこのまま出世を果たせば、宇宙艦隊司令長官や統合作戦本部長になるのは確実。
確か原作ではフォークはヤンの後輩であるアッテンボローのさらに後輩だったというニュアンスの記述があったと思うので、士官学校の卒業年度はそれほど離れてないはず。
卒業年度が近いと当然軍の幹部になる時期がヤンと被りますからね。
出世欲の塊であるフォークが焦っても不思議ではありませんわ。
シトレはヤンに出世してもらって軍の最高幹部になって欲しいと考えているようです。
銀河英雄伝説第10話より引用
ただヤンが軍のトップになっても同盟は文民統制。
今回のように政治が決めたら軍人は何にもできませんからね。
シトレはそのことを考えているのでしょうか?
同盟軍に対するラインハルトの作戦は?
帝国ではラインハルトが旗下の提督を集めて会議を開催します。
内容は同盟軍の侵攻をどうやって迎撃するかについてです。
近いうちにラインハルトに同盟軍迎撃に勅命が下りるらしく、そうなれば矢面に立つのはラインハルト旗下の提督たち。
ただこれは厄介な任務であるのと同時に出世するまたとない機会でもあります。
それを認識した提督たちは不敵な笑みを浮かべます(オーベルシュタイン以外は)。
銀河英雄伝説第10話より引用
帝国軍の提督たちはフォークに負けず劣らずの出世欲の持主のようです。
まあフォークと違って実績があるからこそ、ローエングラム元帥府の所属になったのですけどね。
さてラインハルトは今回、同盟軍を徹底的に殲滅するつもりのようです。
そのためイゼルローン回廊の帝国側出口付近で迎撃するのではなく、帝国の奥に侵攻させて潰すと。
そして具体的な作戦内容をオーベルシュタインに説明させます。
ラインハルトの意図を知らず、帝国領への侵攻を開始する同盟軍。
果たして勝つのは帝国軍と同盟軍、どちらなんでしょうか?
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第10話を視聴し終わって
今回はここで終了。
ほぼ原作通りの展開でしたね。
政権維持のための出兵であることがみえみえ。
そのため提督たちが士気が低い同盟に対し、出世のチャンスと認識し提督たちの士気が高い帝国。
もうこの時点で原作読んでない視聴者さんでも帝国領侵攻作戦の結果はだいたい予想できると思いますわ。
次回のタイトルは死線(前編)。
ラインハルトが採用した作戦で消耗した同盟軍に対し、帝国軍の猛攻が始まります。
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- フェザーンが情報を横流し
- 同盟の天才軍師フォーク准将登場
- ラインハルトに迎撃命令が下る
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第11話「死線(前編)」の感想 「物資不足で弱体化した同盟軍に帝国軍が迫る!!」
感想(ネタバレあり)
銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE第1期の山場、いわゆるアムリツァ星域会戦が始まります。
準備万端で士気も高い帝国軍に対し、ラインハルトの作戦で食料不足に陥り士気が低下した同盟軍は窮地に立たされます。
さあ、コンディションが天と地の差がある両軍。
勝利するのはどちらでしょうか?
まあ、実際に戦果を交えるのは次回に持ち越しですが結果は予想できますけどね。
同盟軍の快進撃で多くの星系を占領したが…
帝国領へ侵攻した自由惑星同盟軍。
銀河英雄伝説第11話より引用
帝国軍の邪魔が全くないのでイケイケドンドンで占領地を増やしていく結果に。
同盟の占領地が増えればそれだけ帝国の国力が落ちます。
そして何より帝国からの解放軍であることを自称している同盟からすれば、自尊心も大いに満たされることになりますからね。
でも占領地が増えるということはそこのいる住民の世話を同盟軍が請け負うことになります。
実は帝国軍、住民たちから食料などを接収し自分達だけ逃亡してしまったのです。
ホント酷い奴らですねえ。
たぶん同盟軍の将兵はそう思ったことでしょう。
多くの同盟軍の将兵は自分たちは帝国の圧政から住民たちを解放するためにやってきた。
その使命に燃えていたはずですが、住民たちが欲しいのは自由ではなく食料だった。
これでは同盟軍の将兵も拍子抜けでしょうね。
食料供給のためキャゼルヌ少将奮闘す
飢えている住民へは当然食料を供給しなければなりません。
各艦隊は占領地への食料補給のため、物資の請求をイゼルローン要塞へ送ります。
これに困ったのは後方主任参謀として同盟軍の補給一切を取り仕切るキャゼルヌです。
同盟軍の将兵3000万人に対する補給計画と補給は完璧に用意していましたが、住民への食糧補給までは考えていなかったのです。
キャゼルヌもここまで早く占領地が増えると予想していなかたのでしょうね。
帝国軍は迎撃に出てくる。
そういう先入観で補給計画を考えていたのかもしれません。
さすがにイゼルローン要塞にある程度物資を備蓄してますが、それだけでは全然たりない。
そこでキャゼルヌは同盟本国へ物資の催促をしなければなりませんが、催促するには総司令官であるロボス元帥の決済が必要。
という訳でロボスの元を訪れるキャゼルヌでしたが、ロボスの傍にはなぜか同盟の天才軍師フォーク准将の姿も。
キャゼルヌはロボスに物資の件を相談します。
銀河英雄伝説第11話より引用
しかし、事の重大性を認識できていないロボス、なぜか上から目線のフォーク。
この二人相手にキャゼルヌは悪戦苦闘。
無能を説得するのは骨が折れます。
結局キャゼルヌは退出をロボスから命じられますが、キャゼルヌの奮闘はどうにか通じたようで、同盟本国へ補給物資の催促が総司令部から行われました。
出兵賛成派のメンツのために出兵継続が決定?
総司令部からの催促に同盟の最高評議会は紛糾することに。
銀河英雄伝説第11話より引用
レベロなどの出兵反対派は主張します。
帝国は同盟の物資をどんどん住民に吸い上げさせて同盟の経済を崩壊させる気だと。
これ以上経済的損失を出さないためにも撤兵すべきだと。
これに対して出兵賛成派はここでも「正義の戦争」だと言い放ち、継戦を主張します。
ここで撤兵が認められたら出兵に賛成した責任を同盟市民に問われかねませんからね。
例え間違っているとわかっても後には引けないということだと思います。
そして投票の結果、出兵賛成派が再び勝利して出兵の継続と補給物資の供出が決定。
しかし首都星ハイネセンから前線までは距離があり、物資が届くにはまだ時間が掛かります。
結局、前線では物資不足が限界に達し、総司令部は前線の各艦隊にある通達を出すことに。
ロボスが言っていたことを実践する羽目になってしまう同盟軍
補給が追い付かなくなった同盟軍。
総司令部は前線部隊へ対して物資の現地調達を命じます。
え?
帝国軍に食料を持って行かれて飢えに苦しんでいる住民たちから略奪なんてできんだろ。
仮に食料を隠し持っていたとしてもそれを調達すれば同盟軍は恨まれるだけ。
帝国の圧政から住民を救う解放者の名前が廃れてしまいます。
総司令部からの命令に憤る艦隊司令官たち。
そりゃあそうですよ。
住民の反感を受けるのは総司令部ではなく前線で体を張っている自分達なのですから。
天才軍師フォーク准将の退場
この事態にヤンはもはや撤退しかないという結論に達し、隣の星系にいた第10艦隊のウランフ中将に相談します。
銀河英雄伝説第11話より引用
ヤンの撤退案は余力があるうちに撤退すること。
余力があれば帝国軍に追撃されても何とかなるというものです。
ヤンが言うように将兵が完全に飢えてから撤退に追い込まれるより幾分かマシ。
上手く行けば追撃してくる帝国軍相手に勝利できなくもありませんからね。
ただ勝利したら、その功績はロボス元帥のものになりそうで何か嫌なんですけど。
ウランフの同意を得て、ヤンは第5艦隊のビュコック中将に総司令部への根回しを頼みます。
ビュコックは提督の中では古参の部類。
少し前に提督となったヤンよりは総司令部も説得を受け入れやすいと判断したのでしょう。
フォークVSビュコック再び!!
ところが総司令官であるロボス元帥に撤退の話を伝える前に一つの関門を通らなければならなくなりました。
そう、ロボス元帥のところに入り浸っているフォーク准将です。
銀河英雄伝説第11話より引用
フォークにしてみれば今回の作戦を成功させて出世レースのライバル(と思っている)ヤンを抜き去りたいところ。
仮に撤退すれば作戦を考えた自分の責任を問われかねません。
出世欲の塊であるフォークとしては絶対に撤退させる訳にはいかないのです。
撤退を求めるビュコックに対してそれを認めず、ロボスに取り次ごうとしないフォーク。
第10話の会議で言い争ったこの二人が今回も言い争うことになりましたが、弁舌ではなく実績で示せと言い放ったビュコックの目の前で急に苦しみだして倒れるフォーク。
銀河英雄伝説第11話より引用
実はフォーク准将、挫折を味わったり、自分の思い通りに事が進まないと発作を起こしてしまう病気だったのです。
この事実をグリーンヒル大将から聞いたビュコックはあまりのことに唖然としてしまいます。
こんな奴が同盟軍の軍師だったなんて。
帝国軍が知ったら喜び勇んで攻めてくるでしょうね。
ロボス元帥は就寝中だから起こせない
でもここでフォークが倒れてくれて幸いでした。
フォークと比べるだけ失礼ですがまともな考え方のグリーンヒル大将ならば撤退案を支持し、ロボス元帥へ取り次いでくれる。
ビュコックはそう思ったと思いますがグリーンヒルから語られた話に呆然としてしまいます。
ロボス元帥は就寝中。
戦闘以外で起こすなと言われている。
うん、総司令官も軍師も、どっちとも軍人失格だわ。
どうしてロボスみたいな無能が同盟軍のナンバー2である宇宙艦隊司令長官になれたのでしょうねえ。
嫌味を言って通信を切ってしまうビュコック。
まあその気持ちはわかりますが、ヤンから説得を頼まれたのですからしっかりとグリーンヒル大将だけでも説得して欲しかったですわ。
満を持して帝国軍が出撃す
同盟軍は限界に達した。
そう判断したラインハルトは旗下の提督たちに出撃を命じます。
銀河英雄伝説第11話より引用
前祝いとして提督たちとプロ―ジットするラインハルト。
余裕ありますねえ。
すでに一足先にキルヒアイスが出撃しており、同盟軍の補給部隊を叩き潰す算段です。
今まで待機を強いられてきた提督たちはやる気満々。
そして当然旗下の艦隊の将兵も全く飢えていません。
まさにベストコンディションでの出撃です。
帝都オーディンを出撃する帝国艦隊。
なぜかこのシーン、異様に長かったですw
まあ提督たちの旗艦を視聴者にお披露目する意味もあるので長く尺を取ったのでしょうけど、やっぱり長すぎたと思いますわ。
一方同盟軍はラインハルトの焦土戦術とそれに続く物資の現地調達で飢えた上に住民に恨まれる事態に。
当然士気はダダ下がりでまともに戦闘できる状態ではありません。
まさに状態に天と地の差がある両軍はいよいよ砲火を交えます。
終わりに
今回はここで終了です。
総司令官は無能、軍師は病気療養で入院、前線部隊は食糧不足で士気低下。
もう同盟軍はどん底の状態。
これで帝国軍に勝てたら奇跡やん。
さあ次回、帝国軍がどん底の同盟軍に襲い掛かります。
ヤンの知略で何とかできるのか?
それともヤンでも打つ手無しなのか?
次回も楽しみです。
今回のまとめ三行
- 占領地が増えて食料補給が大変
- 同盟軍が食料不足で士気低下
- 帝国軍が出撃す
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第11話の補足説明「第10艦隊と第8艦隊の旗艦の名前が旧OVA版と変わってる?」
第11話の「死線(前編)」の内容を補足説明します。
原作と比べて違う点などを指摘していきますね。
同盟軍はどれくらいの数の帝国の領土を占領したのか?
焦土戦術を採用したため、
同盟軍の帝国領遠征は順調に進みました。
序盤だけですが。
銀河英雄伝説第11話より引用
ではどれくらいの帝国領土を
同盟軍は占領したのでしょうか?
原作の該当箇所を確認すると、
500光年ほど帝国領内に侵攻し、
200あまりの恒星系をその勢力下に置く。
そしてその恒星系の中には
有人惑星もあり、
その人口を合わせると約5000万人を
帝国の圧政から解放したと。
ちなみにこれは最初の数字であり、
占領地はさらに増加し、
約1億人の人々が同盟軍の制圧下に
置かれることになります。
ただ帝国の総人口は250憶人。
1億人でも250分の1に過ぎず、
経済的には帝国に
さほど影響を与えなかったのかも
しれません。
まあ帝国臣民が事実を知れば
心理的には
大きな影響があったかもしれませんが
さすがに帝国は報道管制敷いていますよね。
キャゼルヌは占領地への補給を考えていなかったのか?
遠征軍に対する補給計画は
しっかりと立てていたキャゼルヌ。
しかし占領地の住民へ対する
補給計画は全く考えていなかったようです。
一体どうしてでしょうか?
これに関しては原作にも記述がありません。
そこでここからは勝手な想像になります。
たぶんキャゼルヌは
帝国領の入り口で帝国軍が迎撃し、
帝国領への侵攻はなかなか進まないと
考えていたのではないでしょうか?
軍人の存在理由は民間人を守ること。
まあ専制国家の帝国軍の場合は
民間人より皇帝の方が大事でしょうけど、
民間人は税金や物の生産を考えれば
なくてはならない存在。
いくら帝国でも同盟に簡単に奪われる訳には
いきません。
だから帝国軍は
同盟軍がアスターテで帝国軍を
迎撃したように、
イゼルローン回廊の入り口で
迎撃してくるはず。
キャゼルヌも論理的にそう考えたのだと
思います。
ところがどっこい、
帝国軍は住民を見捨てて
帝国の中央に逃亡。
そのためにキャゼルヌの目算が狂ったのです。
さらに住民の食糧を
帝国軍は奪っていってしまい、
同盟軍が住民に食料を供給しなければ
いけなくなったため、
到底イゼルローン要塞の蓄えだけでは
どうにもならなくなったという訳。
個人的にはこう思います。
まあこの辺は記述がないので
個人個人が好き勝手
想像するしかありませんけどね。
どうしてロボスはフォークを重用しているのか?
キャゼルヌがロボスに面会した際、
なぜかそこにいたフォーク。
どうしてヒラの作戦参謀に過ぎない
フォークをロボスは重用しているのでしょうか?
これは原作1巻に記述があります。
それによると
ロボスはフォークをグリーンヒルよりも
信任しているらしいのです。
ではどうして信任しているか
その理由を知りたいところですが
その記述はありません。
ただロボスがフォークを信頼しているというのは
結構重要ですね。
ロボスのお気に入りということで
ロボスの権力を背景にフォークが
好き勝手できるということですから。
完全にジャイアンの強さを背景に
自分も好き勝手やるスネ夫みたいな感じ。
まさに虎の威を借りる狐ですわ。
まあ自分に実力ないので
ビュコックように叩きあげの人が相手だと
自分が小物であること露呈してしまい
ああいうことになったのでしょうけど。
銀河英雄伝説第11話より引用
無能なロボスがどうして出世できた?
帝国領遠征作戦の総司令官である
ロボス元帥は同盟軍のナンバー2である
宇宙艦隊司令長官でもあります。
銀河英雄伝説第11話より引用
しかし第10話と第11話の言動を見ていると
どうしてこんな無能が司令官なんだと
思わずにはいられません。
ではどうしてロボスは出世できたのでしょうか?
原作によると40代まではロボスは
優秀だったそうです。
しかしそれ以降は何が原因かわからないけど、
急激に無能になったと。
その原因について
いくつかの噂があるらしいですけど、
その一つがこれ。
女好きのロボスが
一夜を共にした女性から
悪い病気を移されて、
急激に無能になったという説。
そしてその女性は帝国のスパイだったという話も。
荒唐無稽な感じもしますが
案外ありそうで怖いですわ。
第10艦隊と第8艦隊の旗艦の名前が変わってる?
旧OVAを何度も見返した
古い銀英伝のファンの方は
おそらく違和感を覚えたでしょう。
旧OVA版の場合、
第10艦隊の旗艦の名前は盤古(バングウ)、
第8艦隊の旗艦はクリシュナ
だったのですが、
銀河英雄伝説第11話より引用
名前が変わってるがな。
実は盤古もクリシュナも旧OVA版のオリジナルの名前。
原作には名前の記述がないのです。
そこで今回新たに名前を付け直したのでしょうね。
艦隊の出撃でわかる帝国と同盟の艦艇の違い
第11話の最後、
ラインハルト旗下の艦隊の
出撃シーンがありましたが、
どの艦もオーディンの惑星上からの
出撃でしたね。
銀河英雄伝説第11話より引用
つまり帝国の艦艇は
大気圏突出入能力があることが
わかります。
一方同盟の場合は
艦艇が宇宙ドッグに収容されている
シーンがありましたし、
第11話の冒頭で
第10艦隊が地上を制圧するために
揚陸艇を用いていました。
これらのことから考えるに
同盟軍の艦艇は大気圏出突入能力は
無いと考えるのが普通でしょう。
当たり前ですが
大気圏出突入する場合は
その分エネルギーを食いますし、
装甲も耐えるようにしなければ
いけないので
艦艇のコストは上がるはず。
そう考えれば
同盟軍の方が
艦艇が安上がりで
運用にも余計な金が掛からないはず。
同盟は民主国家なので
コスト意識があるのかもしれません。
または惑星上で艦艇を動かすのは
環境的に問題があるので
大気圏出突入能力を
艦艇に付けなかった可能性も。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話「死線(後編)」の感想 「苦戦する同盟軍!!3倍の敵を前にヤンはどうなる?」
感想(ネタバレあり)
物資不足でまともに戦えない同盟軍。
その同盟軍へラインハルト旗下の帝国軍が襲い掛かります。
同盟ファンとしては見たくないシーンでもある一方、同盟軍の提督たちが活躍できる数少ないところでもありますからね。
次々に撃破される同盟軍。
約3倍の敵と対峙し絶望的な戦況の中、ヤンはどういう手を打つのでしょうか?
補給艦隊を全滅させてキルヒアイスのよるお膳立て終了
ラインハルトに命じられ、一足先に出撃したキルヒアイス艦隊。
目的は同盟軍の補給艦隊の殲滅です。
ここで補給物資が前線に届いたら、せっかくの焦土作戦が水の泡ですので。
キルヒアイス艦隊の攻撃で同盟軍の補給艦隊は壊滅。
つ~か、補給艦隊の司令官が補給の重要性を認識してなかったようですね。
重要性を分かっていたら任務中に呑気にチェスなんてやらないでしょうし、「前線で何かあったのか?」という間抜けな台詞を吐かないでしょうから。
それはともかくこれでお膳立てはできました。
あとは同盟軍を殲滅するのみ。
ラインハルトは旗下の提督たちに命令します。
「叛乱軍(同盟軍)を討て」と。
銀河英雄伝説第12話より引用
同盟軍第10艦隊、そして他の艦隊も敵襲を受ける
同盟軍第10艦隊の司令部に哨戒艇からの連絡が途絶したとの情報が伝えられます。
艦隊司令のウランフ中将はすぐに敵襲だと認識。
そして、その第10艦隊にビッテンフェルト率いる黒色槍騎兵(シュワルツランツェンレイター)が襲い掛かります。
ビッテンフェルトは自分の艦隊を黒塗りにするほどの目立ちたがり屋。
こいつ無能なんじゃね?と旧OVA版見た時は思いましたが、ところがどっこい、攻撃力は帝国軍でもトップクラス。
よりにもよってこいつがこの宙域に来るなんて。
第10艦隊のウランフ中将は総司令部と各艦隊に敵襲の通信を送ります。
ここはセオリー通りですね。
敵襲の連絡を入れれば味方の来援を期待できますから。
部下たちにはすぐに第13艦隊が援軍として駆けつけてくれると話します。
しかしウランフだけはわかってました。
おそらく第13艦隊にも帝国軍が襲い掛かり、援軍に来る余裕がないと。
同盟軍の空戦エース「オリビエ・ポプラン」がやっと登場
時を同じくして第10艦隊以外の艦隊にも帝国軍が襲い掛かります。
ただ旧OVA版では逃げる一辺倒だった同盟軍が本作では防御に徹し、持ちこたえるようにしている艦隊も。
やっぱり旧OVA版では同盟軍の描かれ方があんまりだったので修正されたのでしょうねえ。
同盟びいきの私にとっては嬉しい改変ですわ。
さて第13艦隊が駐屯している宙域にも帝国軍がやってきます。
第13艦隊は空戦隊で迎撃。
空戦隊の士官であり同盟軍のきってのエースでもあるポプランを始めとする4人が出撃します。
銀河英雄伝説第12話より引用
旧OVA版では第2話から登場するポプランですが、本作ではここでようやく登場です。
でもこれが原作通りなんですよね。
さてポプランは勇んで出撃しますが帝国軍の前に苦戦。
さらにメイン武器の照準がズレており、これでは戦闘どころではありません。
すぐに帰投しメカニックのトダ技術大尉の胸倉を掴むポプラン。
まあこれは怒って当然です。
照準がズレていたら敵の艦載機を撃墜できないのですから。
銀河英雄伝説第12話より引用
素直に謝るトダ。
実はパイロットと違ってメカニックは補給不足で飯を食べていなかったのです。
そんな状態で整備すればダメなところだって出てきて当然。
それを聞き、トダに謝罪するポプラン。
旧OVA版ではトダが故意に照準をズレさせていたのですけど、補給不足で艦隊がおかしくなっていることを表現するために改変してきましたね。
確かに女の尻ばかり追いかけるポプランを嫌ってわざと照準をズラすより、食料不足で間違って照準をズラしてしまったという方が説得力あると思います。
たぶん。
第10艦隊は半数の艦隊の撤退に成功!しかし艦隊司令は戦死
援軍も来ず、味方が物資不足で士気の低下が著しい第10艦隊。
ウランフの指揮で何とか持ちこたえてきましたが、とうとう限界に達したようです。
戦える戦力はわずか1000隻。
通常の同盟軍の艦隊は1万数千隻が定数ですので、9割以上の戦力が戦闘不能ということになります。
部下から降伏か逃亡するしかないと進言されるウランフ。
これに対してウランフは即座に逃亡することを決めます。
イゼルローン要塞攻略戦の時のゼークトとは違い、一時的に不名誉を被っても逃げて復讐戦で名誉を回復すればいいと考えたのかもしれませんね。
まあこのように考える方が合理的ですし、味方の犠牲を最小限にできますので。
逃げると決めたらすぐに行動です。
ウランフは残存戦力に紡錘陣形を取らせ、ビッテンフェルト艦隊の中央突破を狙います。
これ、アスターテ会戦でラインハルトが用いた陣形ですよね。
中央突破を図るには一番良い陣形なんでしょう。
ウランフは分艦隊司令官であるアッテンボロー准将に傷ついた艦隊の指揮を任せ、
銀河英雄伝説第12話より引用
自分は戦闘可能な艦艇の戦闘に立ち、突破口をこじ開けるため、ビッテンフェルト艦隊に突撃します。
さすがにビッテンフェルトもこれに対処する方法を持っていなかったらしく、第10艦隊は約半分の戦力が逃亡することに成功します。
しかしその逃亡に成功した艦の中にウランフ中将の旗艦はありませんでした。
銀河英雄伝説第12話より引用
味方のために先頭に立って戦う。
それこそ艦隊司令官の務め。
それを実践したウランフは名将だったと思います。
過去形にしなければいけないのが残念ですが。
逃亡に成功したヤンを待ち構えていたのは?
第13艦隊との戦闘を続けていたケンプ艦隊ですが、あまりの被害の多さに陣形の維持もできなくなります。
副官の進言もあり、一度陣形を再編するためケンプは後退を決意。
ただこれは第13艦隊の攻勢を誘うことになる可能性がある危険な行為です。
でもなぜか第13艦隊はケンプが後退したのに合わせてそのまま逃亡してしまいます。
ここでケンプ艦隊に勝っても戦略的には意味ありませんからね。
それにもともと補給不足で満足に戦える状態ではありませんので。
ケンプ艦隊から逃げることに成功する第13艦隊。
ところがどっこい、今度は目の前にキルヒアイス艦隊が立ち塞がります。
第13艦隊の3倍の戦力を誇るキルヒアイス艦隊。
第13艦隊はダブルヘッダーの2戦目開始です。
無能な総司令官(ロボス元帥)の命令でアムリツァ恒星系へ
場面が変わってイゼルローン要塞。
既に戦闘が始まったという情報は総司令部にも届いています。
第3、第7、第10、第12の各艦隊と通信できず、第5、第8、第9、第13の各艦隊は健在だが状況がわからない。
この時点で最悪4個艦隊が敵に撃破された可能性があるのです。
これは2個艦隊を潰されたアスターテ会戦の損害の比ではありません。
でもなぜか落ち着いているロボス元帥。
銀河英雄伝説第12話より引用
そして最高評議会の対面を考え、何と再攻勢に出るためアムリツァ星系に残存艦隊を集結するように命令します。
総参謀長のグリーンヒル大将は反対しますがロボスは命令を撤回しません。
口では最高評議会云々言ってますがこのまま負けると自分が責任取らされると思って、イチかバチかの賭けに出たようにしか見えないのですけどね。
ホ―ウッド中将の捨て身の攻撃でヤンは逃亡成功
総司令部からの集結命令に頭を抱えるヤン。
目の前には自分達の3倍の戦力を持ったキルヒアイス艦隊がいるのに。
アムリツァ星系に転進しようとしたら絶対に追撃を受けて損害が馬鹿になりません。
でも命令は命令。
どんなアホな命令でも従うのが軍人なのです。
ヤンは艦隊を単縦陣に再編、最後尾に装甲の厚い超ド級戦艦を配置し、敵の攻撃を受けつつそのままアムリツァ星系に転進する作戦を立て実行に移します。
しかし敵の指揮官はキルヒアイス。
そう簡単には転進させてくれません。
追い縋るキルヒアイス艦隊の前にどんどん犠牲を出していく第13艦隊。
さすがにダメかと思った時にキルヒアイス艦隊の左方向へ第7艦隊の残存戦力が襲い掛かります。
もともとこの宙域は第7艦隊が駐屯していたところ。
それがキルヒアイス艦隊の攻撃で全軍の9割が戦闘不能となり、敗走したのです。
このままでは終われない。
第7艦隊の司令官であるホーウッド中将にも意地があったのでしょう。
銀河英雄伝説第12話より引用
そして今攻撃を掛ければ、第13艦隊が転進できるという計算も。
ホーウッド中将の攻撃でチャンスが生まれた第13艦隊。
副参謀長のパトリチョフは第7艦隊との挟撃を進言しますが、ヤンはこのまま転進することを決めます。
転進してアムリツァ星系に向かう。
それが命令であり、戦略的にはたぶんそれが正解ですので。
そしてそれこそホーウッド中将が望んだことでしょうから。
銀河英雄伝説第12話より引用
それにしてもホーウッド中将が活躍するオリジナルを入れてくるとは。
旧OVA版では第14話で出番があった第7艦隊ですが、原作ではほぼ出番ないのですよね。
だから原作準拠の本作でも出番は全くなしと思っていたのですけど。
個人的にこのオリジナル要素はグッジョブですわ。
あと今回、キルヒアイスが一言もしゃべりませんでした。
どう考えても喋るべきとこでも全く喋らなかったので、たぶんキルヒアイス役の梅原裕一郎さんが病気療養に入った後にアフレコがあったのだと思います。
非常に残念ですが仕方ありませんで。
早く病気を治し、来年の劇場版のアフレコには間に合って欲しいですわ。
同盟と帝国の両軍はアムリツァ星系へ
同盟軍の動きはラインハルトの旗艦ブリュンヒルトにも伝わります。
同盟軍はイゼルローン回廊近くのアムリツァ星系を目指している。
でもイゼルローン要塞に逃げ込むようにも思えない。
オーベルシュタインの考えを聞いたラインハルトは決断します。
銀河英雄伝説第12話より引用
艦隊をアムリツァ星系に向かわせ集結するであろう同盟軍を徹底的に叩き、アムリツァを同盟軍の墓標にしていやると。
余裕綽々のラインハルト。
そりゃあそうですよね。
旗下の提督たちが同盟軍をすでに叩けるだけ叩いてますから。
ただ同盟軍にはまだ第13艦隊が健在ですからねえ。
ラインハルトの意図通り進むとは限りませんよ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話を視聴し終わって
今回で『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1期終了でございます。
お疲れさまでした。
でもびっくりです。
まさかアムリツァ会戦の本戦の前に終わるなんて。
てっきりアムリツァ会戦を全部描いて来年の劇場版と思っていたのに。
まあ、ダイジェストになるよりはまだ劇場版に回して貰って良かったかもしれませんね。
ではここから全12話を視聴した感想などを。
私は旧OVAシリーズの大ファンであり、今回のDIE NEUE THESEに関しては期待半分心配半分でした。
そんな私から見て今回のDIE NEUE THESEは十分過ぎる出来だったと思います。
原作に忠実である一方、原作の矛盾を解消するような作りは見事としか言えません。
例えばアスターテ会戦の時、ヤンが戦場の外で第6艦隊と合流するようにパエッタに進言します。
でも通信妨害されている中、どうやって第6艦隊にそれを伝えるのか原作では記述がなかったのですけど、通信妨害されているのは第4艦隊周辺のみとすることで辻褄が合うようにしました。
またイゼルローン攻略戦でシェーンコップたちが同盟領方面からやってきたことの辻褄合わせも上手くできてたと思います。
ただその一方、残念だったところも。
例えば第8話。
他の記事にも書きましたがなぜマリーンドルフ伯を登場させたのか?
また登場させるならどうしてカストロプ公の親戚だとわかるようなセリフを入れなかったのか?
あの部分はホント残念です。
でも全体的に見れば十分良い出来であり、新しい銀英伝ファンも獲得できたと思います。
さあ来年はセカンドシーズン(2期)にあたる劇場版が公開されます。
銀河英雄伝説 DIE NEUE THESEのサイトより引用
第1期のスピードを考えると第1期で描ききれなかったアムリツァ会戦の本戦とリップシュタット戦役、そして軍事クーデターがメインとなるはず。
原作を読んだり旧OVA版を見たことない人はその展開に驚愕されることでしょう。
事前に予習してもいいですけど、初見で劇場版楽しむのもいいかも。
是非第1期同様、新規の方も旧来のファンも唸らせる作品を期待しております。
今回のまとめ三行
- 各個撃破される同盟軍
- 3倍の敵と対峙するヤン
- アムリツァに終結し決戦へ
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話の補足説明「旧OVA版とDIE NEUE THESEの該当シーンの比べてみたら、違いが結構あった」
一昨日最速放送があった『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第12話。
第12話はアムリツァの前哨戦と呼ばれる戦いであり、食料不足の同盟軍が帝国軍の猛攻にされされる内容でした。
ただ今回の第12話、旧OVA版(石黒版)とだいぶん違うような描かれ方に。
今回はDIE NEUE THESE第12話の該当部分を旧OVA版とどのように違っているか比べてみようと思います。
またいつも同様、疑問点や補足した方がわかりやすくなることも一緒に記述します。
「DIE NEUE THESE」と「旧OVA版」との比較
では本記事のメインから。
各艦隊の戦い毎に比較してみましょう。
同盟軍第10艦隊VSビッテンフェルト艦隊
同盟と帝国の猛将同士の戦い。
おそらく一番の激戦だったと思います。
各版毎に特徴を箇条書きにして見てみましょう。
旧OVA版
- 戦いの舞台は惑星リューゲン宙域と明示
- 敵艦隊を捕捉し、ウランフは総司令部と第13艦隊に連絡
- ビッテンフェルト艦隊は数で第10艦隊に勝っている
- 第10艦隊は食料不足で士気の低下が著しい
- 第10艦隊はビッテンフェルト艦隊の包囲化に置かれる
- 戦った結果、第10艦隊は半数を失い、残りの半数も戦えない状態へ
- ウランフは参謀長のチュン少将から降伏か逃亡かを選ぶしかないと言われる
- 降伏は生に合わないので逃げることをウランフは選択
- 紡錘陣形を取り、ビッテンフェルト艦隊に突撃
- ウランフの旗艦盤古は最後まで戦場に留まり味方の撤退を助ける
- 最後にミサイルをすべて打ち尽くしたが、そのミサイルの発射台に砲撃を受け、盤古は大破
- チュン少将から生き残った艦艇の半数が逃亡に成功したことを聞き、盤古は撃沈し、ウランフも戦死
DIE NEUE THESE
- 哨戒艇からの通信途絶したことでウランフが敵襲に気付く
- どこの星系で戦ったか不明
- ビッテンフェルト艦隊に地の利があることがわかる描き方
- ウランフは総司令部と各艦隊に敵襲の報を送る
- ビッテンフェルトは遠距離のミサイル攻撃を行う
- ビッテンフェルト艦隊が制宙権を握るが第10艦隊にトドメを刺せず
- 第10艦隊は戦える艦艇が1000隻あまりに
- ウランフは分艦隊司令のアッテンボローに戦えない艦の指揮を任せる
- 紡錘陣形に再編しビッテンフェルト艦隊に突撃
- ウランフの旗艦は先頭に立って突破口をこじ開けるが、旗艦は撃沈しウランフは戦死
旧OVA版の方は
ドヴォルザークの新世界のBGMに
迫力ある演出されており、
旧OVA版第1期の名シーンの1つに
数えられるところです。
それに比べるとDIE NEUE THESEの方は
淡泊過ぎるような感じでしたね。
演出の違いもあるでしょうけど、
やっぱり音楽の差が大きかったと思います。
銀河英雄伝説第12話より引用
旧OVA版では有名なクラシックの楽曲を
豊富につかえた一方、
DIE NEUE THESEは
オリジナルの曲で賄わなければいけませんからね。
同盟軍第13艦隊VSケンプ艦隊
ミラクルヤンと
かつての撃墜王だったケンプの対戦です。
旧OVA版
- ケンプ艦隊のミサイル攻撃で戦闘開始
- ヤンは艦載機を発進
- ポプランの機体のレーザー砲の射軸がズレてた
- 帰投後、ポプランがメカニックのトダ技術少佐の胸を掴む
- トダ技術少佐がポプランの腕を非難することを言ったので腹パン
- ヤンは半月陣の陣形を敷いて、ケンプ艦隊に出血を強いる
- ヤンに乗せられ陣形が乱れたため、一時後退して陣形を再編する
- 参謀長のフーセネガーが懸念を示すがケンプに説得される
- ケンプ艦隊の後退に合わせて第13艦隊は逃亡する
DIE NEUE THESE
- ポプランとコーネフだけでなく、ヒューズとシェイクリが登場
- 艦載機が出撃した時にはすでに戦闘が始まっている
- この時点で敵艦隊の司令官は不明
- ポプランの機体のレーザー砲の射軸が狂っている
- 帰投後、ポプランはメカニックのトダ技術大尉の胸倉を掴む
- トダは謝罪し、なぜ整備不良だったかポプランに弁明する
- ポプランも謝罪し和解する
- 艦載機の活躍でケンプ艦隊を圧倒
- ケンプは首席副官のルビッチ大尉の意見を聞き入れ、陣形を再編するため後退する
- ケンプ艦隊の後退に合わせて第13艦隊は逃亡する
この戦いでの違いは
やっぱりポプランとトダの件でしょう。
銀河英雄伝説第12話より引用
旧OVA版ではトダは
女癖の悪いポプランを嫌っており、
この機に乗じてポプランが戦死すればいいと
思っていたような感じに描かれています。
そのため怒ったポプランに腹パンされましたが。
一方DIE NEUE THESEでは
整備不良はトダの故意ではなく、
食料不足で満足に食べれないことが
原因となっています。
そのためポプランとトダは
和解し、
改めてトダが整備し直すことに。
食料不足が深刻であり、
それが同盟軍にボディブローのように
効いていることが
視聴者も認識できるよういする改変。
ここは純粋に上手いと思いました。
同盟軍第8艦隊VSメックリンガー艦隊
旧OVA版
- メックリンガー艦隊の襲撃を受け、艦橋で慌てているアップルトン
- 第8艦隊はメックリンガー艦隊の追撃を振り切るが全体の3割近い犠牲を出した
DIE NEUE THESE
- メックリンガー艦隊に襲撃受ける第8艦隊の描写のみ
ここは旧OVA版も
DIE NEUE THESEもあっさりしています。
旧OVA版では
第8艦隊はアムリツァに無事転進し、
他の生き残った艦隊と
帝国軍と砲火を交えることになりますが…。
同盟軍第9艦隊VSミッターマイヤー艦隊
旧OVA版
- 第9艦隊が気付かないうちにミッターマイヤー艦隊と並走する
- あまりの速さに第9艦隊の兵士が「まるで疾風だ」と呟く
- 並走したままだと攻撃できないのでミッターマイヤーは速度を緩める
- 攻撃できるぐらい距離を取ったので、ミッターマイヤー艦隊は攻撃を開始
- 第9艦隊の旗艦パルミデュースも砲撃で被弾、その衝撃で同盟軍の旗艦の名物(?)ワイヤーが外れて、それがアル・サレム中将を直撃
- 血を吐いたアル・サレムは艦隊の指揮権を副司令官であるモートン少将に委譲する
DIE NEUE THESE
- 小惑星帯で防御しつつ撤退している第9艦隊
- ミッターマイヤー艦隊が速いことがスクリーンでわかる仕様
- ミッターマイヤー艦隊の速さで、敵は「疾風ウォルフ」だとアル・サレムが気付く
旧OVA版では
ミッターマイヤー艦隊の速さが
よくわかる演出でしたし、
その速さを称して「疾風」と名付けられるところが
自然でしたね。
一方DIE NEUE THESEでは
ミッターマイヤー艦隊の速さが
スクリーンでわかるような演出でしたが
ちょっと分かりづらかったかも。
同盟軍第5艦隊VSロイエンタール艦隊
旧OVA版
- 第5艦隊はまともに戦おうとせず逃げの一手
- ビュコックは撤退準備をしていた自分の艦隊もこのザマなので、他の艦隊はダメかなと呟く
- ロイエンタールは第5艦隊の作戦を戦術的には妥当な判断だと評価する
- ただし戦略的には問題があるような物言いだが
DIE NEUE THESE
- 第5艦隊は逃げようとせず、装甲の厚い戦艦を前面に展開し、後方に下げた巡航艦を左右に展開させロイエンタール艦隊とわたり合おうとする
- ロエンタールは老練と感想を漏らす
旧OVA版ではひたすら逃げていた第5艦隊ですが、
DIE NEUE THESEの方では防御を固めて
援軍を待つ作戦でしょうか?
ただ食料不足で士気が落ちており、
他の艦隊が来援に来るかどうかわからない状態で
防御に徹してもジリ貧になるだけのように
思えますが。
同盟軍第3艦隊VSワーレン艦隊
旧OVA版
- 惑星レーシング宙域で戦闘
- ルフェーブル中将の旗艦が小惑星と被弾した巡航艦に挟まれて撃沈
DIE NEUE THESE
- 赤く輝く恒星の近くで戦闘
- ワーレンの顔が悪役顔
見せ場も何もない戦闘でした。
一応旧OVA版もルフェーブル中将が
戦死したと思われるシーンだけでしたが、
DIE NEUE THESEではそれすら無し。
銀河英雄伝説第12話より引用
「ワーレンもしっかりお仕事しているよ」と
視聴者に示すためだけのシーンだったのかも。
同盟軍第12艦隊VSルッツ艦隊
旧OVA版
- ルッツ艦隊と交戦し、第12艦隊の残存戦力は旗艦ペルーン以下数十隻を残すのみ
- それを聞いたボロディン中将は拳銃で自決
- 艦隊の指揮権を引き継いだ参謀長のコナリー少将がルッツ艦隊の降伏を申し出る
DIE NEUE THESE
- ルッツ艦隊の遠距離攻撃を受け、第12艦隊は損害を受ける
- 第12艦隊はすでに8割の損害を出しており、ボロディン中将は自分の頭に拳銃を向ける
両者の違いは
残存戦力の差と
ボロディンの自決が
はっきりと描かれたか?
匂わせるだけで終わるか?
だけの違いでしたね。
銀河英雄伝説第12話より引用
やっぱりハッキリ描くと
結構グロいシーンなるかもしれないので
あえて描かなかったのでしょうか?
同盟軍第7艦隊VSキルヒアイス艦隊
旧OVA版
- ドヴェルグ星域で戦闘
- キルヒアイスに第7艦隊が降伏
DIE NEUE THESE
- 既に戦闘が終了しておりキルヒアイス艦隊は別の宙域へ
- 第7艦隊は全軍の9割が航行不能であり、組織的抵抗が不可能
- 第7艦隊司令のホ―ウッド中将は悔しがるがまだ闘志は衰えず
旧OVA版もDIE NEUE THESEも
戦闘がまったく描かれませんでしたし、
見どころもほぼ無し。
ところがこの戦いが
まさかのオリジナル要素に繋がるとは。
同盟軍第13艦隊VSキルヒアイス艦隊
旧OVA版
- ドヴェルグ聖域に到達した第13艦隊はキルヒアイス艦隊に補足される
- キルヒアイスから降伏勧告が届く。
- ヤンは「我々だけならそれもいいのに」と言って、部下たちを唖然とさせる
- 艦隊副司令官のフィッシャー准将と話し合い、U字陣形でキルヒアイス艦隊と戦うことを決める
- ロボスからの転進命令を受け、第13艦隊は無理やり転進する
DIE NEUE THESE
- 第7艦隊が駐屯していた宙域で戦闘開始
- ロボスからの転進命令が届き、第13艦隊は艦隊を単縦陣に再編、装甲の厚い超ド級戦艦を殿に配置して転進を図る
- キルヒアイスの追撃が激しく追撃を振り切れない
- 第7艦隊が来援し、キルヒアイス艦隊の側面を攻撃し、第13艦隊が転進する時間を稼ぐ
- 第13艦隊は転進に成功
旧OVA版では
無理やり転進することに成功した
第13艦隊ですが、
DIE NEUE THESEでは
転進がなかなかできず、
第7艦隊の時間稼ぎがなければ
転進できなかったかもしれませんね。
それにしても
ここで第7艦隊が活躍するオリジナル要素を
入れてくるとは。
最初のキルヒアイス艦隊との戦いで
ホーウッド中将の闘志が衰えていない場面が
ありましたが
あれはフラグだったのですね。
旧OVA版では第14話でちょっとだけ出番のあった
第7艦隊とホーウッド中将でしたが
こういう活躍の仕方もいいですねえ。
銀河英雄伝説第12話より引用
この演出を考えた監督さんグッジョブです。
旧OVA版とDIE NEUE THESEの違いの比較は以上です。
多くの部分が変わっており、見比べてみるのも楽しいと思います。
旧OVA版はGYAO!などの有料動画サイトで視聴できるので
この機会に視聴してみるのもいいと思います。
なお今回のDIE NEUE THESE第12話に対応するのは
旧OVA版第12話「アムリツァ星域会戦」となります。
ただし、旧OVA版12話はアムリツァの本戦に関しても
描かれているので「ネタバレはOK」という方のみ
ご視聴ください。
副官なのに大佐はおかしくない
艦隊司令に副官が付くのが当たり前。
しかし艦隊司令が中将なのに
大佐が副官というのは
ちょっとおかしいのではないでしょうか?
銀河英雄伝説第12話より引用
ビッテンフェルトの首席副官オイゲン大佐。
実はこの人、
旧OVA版では副官ではなく、
幕僚(副参謀長)という設定なのです。
どうして首席副官となったのか不明。
一方ケンプの副官であるルビッチ。
銀河英雄伝説第12話より引用
こっちの階級は大尉。
どう考えてもこっちの方がしっくりきますよね。
階級の字幕を付ける人が間違えたのでしょうねえ。
なぜキルヒアイスは一言も喋らなかったのか?
第12話でも結構出番があった
キルヒアイス。
でもなぜか一言も喋らず。
ラインハルトが採用した
民衆に迷惑を掛けた焦土作戦に
納得せず、
消極的な指揮をしていることを
描くために
セリフがなかったとも
考えることができますが、
さすがにそれでも
指揮官が一言も喋らず、
幕僚のビューローが指揮するのは
おかしいとしか言えません。
実はキルヒアイス役の梅原裕一郎さんが
5月上旬から病気療養に入っていたのです。
たぶんキルヒアイスのセリフがなく、
一言も喋らなかったのは
その影響だと思います。
梅原さんの一日も早い治癒を
願っております。
2期の感想記事はこちら。