イントロダクション
ビュコック率いる最後の同盟宇宙艦隊が帝国軍迎撃のためハイネセンを出撃。
それと同じころ、ヤンが後方から指揮するイゼルローン要塞再奪取作戦が開始されます。
内部潜入によってイゼルローン要塞を落としたことがあるヤンですが、現在の要塞司令官であるルッツは当然その警戒をしているはず。
ヤンはどのような方法でイゼルローン要塞を奪うつもりなんでしょうか?
第69話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第69話「イゼルローン再奪取作戦」の感想 「見どころはED前の90秒間」
Aパート:二つの命令でルッツは大混乱
新年が明けて帝国軍もヤン艦隊もお祝いムード。
これから戦いに望む雰囲気ではありませんね。
まあ、次の戦闘で戦死するかもしれないので生きているうちに楽しみたいという気持ちがあるのかもしれませんが。
相反する二つの命令で大混乱に陥らせる
新年のお祝いが終わったところでヤン艦隊はイゼルローン攻略作戦を開始します。
と言ってもまずは下準備です。
現在イゼルローン要塞にはルッツ艦隊が駐留しています。
その数1万5000隻。
寄せ集めな上に数でも負けているヤン艦隊が正面からぶつかってもこれに勝てる見込みはありません。
そこでヤンが考えたのは「艦隊を要塞から引き剥がす作戦」。
ルッツは標準以上の能力を持った提督です。
以前ヤンがペテンにハメたシュトックハウゼンやゼークトのように単純な馬鹿ではありません。
そこでルッツを誘導して「ヤンを罠にハメよう」とルッツが考えるように仕組んだのです。
ルッツに元に相反する二つの偽の命令を送るバグダッシュ大佐。
出撃命令と出撃不可命令。
普通なら一方がラインハルトからの命令、もう一方がヤンの偽の命令と考えるはず。
そしてヤンにとってどっちがメリットが多いかと考えれば当然出撃させた方。
という訳でルッツは「出撃命令がヤンの偽の命令」と決めつけてしまったのです。
だったらそのまま出撃しなければ良かったのですけど、ヤンを倒す絶好のチャンスと誘導されたルッツの選択肢は一つだけ。
ヤンを逆に罠にハメようとあえて艦隊を出撃させることにしました。
ルッツ艦隊が出撃して、隠れているヤン艦隊が出てきたらルッツ艦隊は反転。
そしてルッツ艦隊とイゼルローン要塞のトールハンマーでヤン艦隊を挟み討ちにする。
まさに負ける訳がない手堅い作戦。たぶんルッツはそう思ったのでしょうねえ。
でもルッツはもう少し考えるべきでしたわ。
例えルッツ艦隊が出撃してもトールハンマーは健在。
ヤンがトールハンマーの存在を無視する訳ないと。
「ヤンならばきっと何か策を仕込んでいるはず」とルッツは考えるべきでしたね。
なまじ頭が良いからヤンに術中に嵌ってしまった感じですわ。
Bパート:ヤンを罠にハメるつもりがヤンにハメられた
イゼルローン要塞の正面に現れたヤン艦隊。
ノコノコ出てきた間抜け共はトールハンマーで殲滅だ!
とルッツは思っていたのでしょうけど、ヤン艦隊が意味わからん通信をイゼルローン要塞に送ったら、何とイゼルローン要塞がロックされちゃった。
そう、これこそがヤンの置き土産。
ヤンがイゼルローン要塞を放棄した時、あるメッセージを要塞が受信するとロックが掛かるように細工していたのです。
まあ、ヤンが無策で要塞攻略しようとする訳ありませんからね。
ルッツがしまったと思ってももう手遅れですわ。
要塞の制御を奪取成功
要塞内に侵入したヤン艦隊の面々は陸戦で帝国軍をバッタバタと倒していきます。
ローゼンリッタ―が活躍するのはわかりますけど、ポプランも結構白兵戦で活躍できるのですね。
地球教の施設でもそれなりに活躍していたし、パイロット首になってもローゼンリッタ―に入れてもらえそうです。
要塞に侵入を果たしたユリアンたちは要塞の第4制御室を占拠します。
司令室を奪われた訳ではないので帝国軍はまだまだ余裕でしたが、実はヤン艦隊の目的地は指令室ではなくこの部屋だったのです。
実は第4制御室からイゼルローン要塞のロックを解除した上で要塞を制御できるように細工しており、解除のパスワードを入れてロックを解除。
これでトールハンマーの制御も全部頂き。
そしてトールハンマーが急いで戻ってきたルッツ艦隊を直撃。
これにて勝負ありです。
しかしまあ、ここまでいろいろ仕込んでいるなんて。
ホント酷いペテンです。
騙されたルッツが可哀想に感じます。
ヴェーラー中将の自決ですべて終了
要塞内部にはまだヤン艦隊以上の帝国軍兵士が残っていましたが、要塞の制御を奪われ、頼りの味方艦隊は要塞主砲で要塞に近づけない。
士気がどん底に落ちた以上、もう勝てる見込みはなくなりました。
ルッツ配下でルッツから要塞の防御を預かったヴェーラー中将は、それを感じとり、帝国軍の兵士の安全な退去を条件に降伏を申し出ます。
そして全責任を負ってヴェーラー中将は要塞の指令室で自決しました。
血で席が汚れないようにシーツを敷いて自決。
これは中々できることではありません。
よほど几帳面だったんでしょうね。
ヴェーラー中将自身は要塞から艦隊を出撃させることに反対したのにその責任を取って自決しなければいけないなんて…。
不条理ですが誰か責任を取らなければいけませんからね。
銀河英雄伝説第70話を視聴し終わって
今回はここで終了です。
策士としてはルッツよりヤンの方が一枚も二枚も上手でしたね。
つ~か、イゼルローン要塞を放棄した時点でこんな仕掛けしてとは。
確かロイエンタールは爆弾以外に何かやっているかも?と言ってましたが、その通りだったという訳です。
イゼルローン要塞を奪われ、そしてトールハンマーで艦隊を叩かれ、ルッツはホントついてませんね。
これでヤンにやられた帝国軍の提督の中にルッツも入ることになりました。
これでまだヤンに負けてないのは、メックリンガーとファーレンハイト、そしてケスラーだけとなりました。
ケスラーもう艦隊の指揮を取ることはないでしょうから除外するとして、メックリンガーとファーレンハイトはこのままヤンに負けることはないのでしょうか?
そっちの方も気になります。
さて次回のタイトルは「マル・アデッタの会戦(前編)」。
同盟軍と帝国軍の最後の会戦となります。
帝国軍の勝利は動かないでしょうけど、同盟軍は一矢報いることができるでしょうか?
次回も楽しみです。
第71話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第71話「マル・アデッタ星域の会戦(前編)」の感想 「自由惑星同盟軍最後の戦いが始まる」
今回のまとめ三行
- イゼルローン要塞攻略戦始まる
- 罠にハメるつもりがハマっていた
- イゼルローンが元の持主のものに