感想(ネタバレあり)
少将への昇進、そして第13艦隊の艦隊司令就任がほぼ決まったヤン。
ただその代わりに難攻不落と言われたイゼルローン要塞の攻略を命じられてしまいます。
銀河英雄伝説第5話より引用
シトレ元帥の前で「微力を尽くします」と言葉を濁したヤン。
何か攻略を成功させる秘策があるのでしょうか?
第5話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第5話「第十三艦隊誕生」の感想 「昇進した代わりに困難な任務を任された」
第6話の補足記事はこちらから。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話の補足説明(みたいな)記事を作ってみた
ユリアンの意見を尊重して家に残ることを許可する
第13艦隊司令官の内示を受けてヤンはキャゼルヌと共に艦隊幕僚の人事に取り掛かります。
人事部の人間でもないキャゼルヌがどうしてヤンの艦隊編成の手伝いをするのかちょっと意味わかりませんが、たぶん第13艦隊の編成は統合作戦本部長シトレ元帥の直接的な命令。
だからシトレの次席副官であるキャゼルヌがヤンの手伝いをしている。
辻褄を合わせるならこんな感じでしょうか?
まあこれでもかなり苦しいですよねえ。
それは置いておくとして。
人事以外でもヤンはキャゼルヌに頼み事をします。
1つ目は帝国軍の巡航艦と帝国の軍服40着を用意すること。
まあ何に使うかは後でのお楽しみということで。
そして2つ目はユリアンに関してです。
憂国騎士団に一度襲われた以上、奴らがヤン不在の時を狙ってまたヤンの家を襲撃する恐れがあります。
そのため自宅周辺のMPの巡回をキャゼルヌに頼むことにしたのです。
旧OVA版の時はヤンがトリューニヒトに直談判した描写がありましたが、こっちではそんなシーンなかったのでトリューニヒトとヤンの手打ちはなし。
だから憂国騎士団の再襲撃の可能性は否定できないのです。
ヤンは当初、自分が不在の間ユリアンをどこかに預けることを考えたのですがユリアンはそれを拒絶。
結局ヤンが折れてユリアンに好きにさせることにしました。
ヤンとしては後顧の憂いなくイゼルローン要塞攻略に取り組みたいところですが、ユリアンのプライドというか意地も尊重しなければいけないと思ったのでしょうねえ。
何せこの年代の男の子は傷つきやすいので細心の注意しなければ後々面倒ですから。
ヤンも大変ですね。
第13艦隊幕僚の人事ほぼ終了
副官以外の人事が終わり、第13艦隊の幕僚に任命された者たちがヤンの執務室に出頭してきます。
まず艦隊副司令官はフィッシャー准将。
フィッシャー准将は第2艦隊の分艦隊司令として、ヤンの命令を忠実に実行した人物。
艦隊運動の指揮に定評があり、第4、第6艦隊の生き残りと新兵の寄せ集めで統制が取りにくい第13艦隊の動かすにはモッテコイ。
だから必要な戦力と考え、副艦隊司令にしたみたいです。
次に参謀長はムライ准将。
銀河英雄伝説第6話より引用
旧OVA版とキャラデザが変わり過ぎてびっくり。
このムライ准将はエコニアの収容所の一件で知り合った人物。
今ヤンがこうして軍人やっているのもあの時ムライが公正に処理したおかげです。
もしムライが無能だったら、今頃ヤンは囚人やっていたかもしれません。
まあこの辺は原作の外伝2巻を読むか、旧OVA版の外伝を視聴してください。
丁度ヤンがエル・ファシルの英雄になった直後のお話になるので。
そして最後の副参謀長に任命されたのがパトリチョフ大佐。
銀河英雄伝説第6話より引用
微妙に旧OVA版のイメージを踏襲しています。
このパトリチョフ大佐もエコニアで知り合った仲。
ヤンより3次元チェスが弱いのでヤンとしてはそっちの面も考慮して幕僚に任命したのかもしれませんね。
ヤンの新副官は記憶力抜群
さて残りは副官人事。
副官人事はキャゼルヌに丸投げしてヤンは関知しません。
副官に関してはそれほど期待していないのかも。
そんなヤンの元を訪れる1人の女性士官が。
彼女の名前はフレデリカ・グリーンヒル中尉。
銀河英雄伝説第6話より引用
キャゼルヌによって選出されたヤンの副官です。
実はこの子、ある場所で一度ヤンに会っているのですが、ヤンはそれを全く思い出さず、グリーンヒルという苗字に方に反応してしまいます。
実はフレデリカの父であるドワイト・グリーンヒルは同盟軍の大将であり、総参謀長という高級幹部でもあるのです。
まあ、ヤンも一応軍人。
自分の上司にあたる人の苗字に敏感なのは仕方ありませんね。
さてヤンはフレデリカに今回の作戦が成功するか聞いてみます。
自分の作った作戦案に対する率直な意見を聞きかったのと、たぶんどういう意見を言うかでフレデリカの値踏みをするつもりだったのでしょうね。
士官学校の成績が優秀な人物であっても、実戦で役立つような人物でないと意味ありませんので。
ヤンの質問に対し、フレデリカは成功すると断言します。
その根拠を尋ねるヤン。
フレデリカ曰く、ヤンはエル・ファシルの時も成功したからと。
この答えにヤンはかなり失望したことでしょう。
前回成功したから次も成功するなんてそんな法則存在しません。
こんなこと言う奴を副官にする訳にはいかない。
ここまで考えてもおかしくはないでしょう。
しかしその後、フレデリカが言ったことでヤンは考えを改めることに。
実はフレデリカ、あの時エル・ファシルにいたのです。
そしてヤンを近くで見ていて、ヤンがサンドイッチを喉に詰まらせるとコーヒーをヤンに手渡しました。
そう、第4話に出てきたあの少女こそ、フレデリカだったのです。
銀河英雄伝説第4話より引用
あの時のことを正確に話すフレデリカ。
このことでヤンはフレデリカに対する評価を変えることになったみたいです。
8年前のことをここまで正確に話せるということは凄い記憶力の持主だということ。
おそらく軍事に関するいろいろな情報を記憶しているはず。
つまり自分が作戦を立案する時にフレデリカの記憶力は大いに役立つはずなのです。
まあ、パソコンがあればいいと思いますけど、断片だけで答えを出す場合はパソコンよりも人間の記憶力の方が使いやすいので。
これで副官の人事も終了。
残りは出撃だけ…と思ったら、まだ実行部隊の人事が残ってました。
イゼルローン要塞攻略実行部隊のスカウトへ
ヤンの作戦の肝となるのは作戦を実際に行う実行部隊です。
ヤンはある部隊に目星をつけます。
それが「薔薇の騎士(ローゼンリッタ―)」連隊。
帝国からの亡命者の子弟で編成された陸戦部隊であり、その戦闘能力は同盟軍の陸戦部隊の中でもトップクラス。
ただしある噂が流れており、どこの艦隊も使おうとしないそうです。
その噂というのが第13代目の連隊長が裏切るかもしれないというもの。
まあ確かに戦闘中に裏切られたらまずいですからね。
他の艦隊が使わないのも頷けます。
でもローゼンリッタ―の戦闘能力は捨てがたい。
そこでヤンはフレデリカを連れてローゼンリッタ―の連隊長であるシェーンコップ大佐に会うことにします。
ローゼンリッタ―連隊の本部にやってきた二人。
そこでは訓練の真っ最中。
ヤンとフレデリカの場違い感がハンパありません。
銀河英雄伝説第6話より引用
そしてこんな男の集団の中に女性士官がくれば…。
チョッカイ出す奴はいるとは思いましたがフレデリカ強い。
まさかローゼンリッタ―の隊員を投げ飛ばすなんて。
銀河英雄伝説第6話より引用
まあフレデリカの反応を見るための演技だったようですけど、それでも投げ飛ばしたフレデリカはやっぱり怖いですわ。
さてヤンと話すことになったシェーンコップ。
銀河英雄伝説第6話より引用
シェーンコップ自身はこの作戦に肯定的。
そしてシェーンコップは「どうしてイゼルローン要塞攻略という難しい作戦を引き受けたのか?」をヤンに尋ねてみます。
ヤンの答え次第ではこの作戦の参加を取りやめるつもりかも。
しかしヤンの答えにシェーンコップは驚愕します。
だって答えが予想の斜め上だったからです。
ヤンが求めるのはたかだか数十年の平和。
それを実現するためにイゼルローン要塞を攻略するのです。
イゼルローン要塞を落とせば帝国軍は同盟領内に攻めてこれなくなります。
そしてこれを好機として同盟は帝国と和平条約を結べるかもしれない。
もちろんこれが恒久的続くとは限りません。
しかし少なくとも数十年は平和が続くはず。
そうなればユリアンが兵士として戦場に立つ姿を見ずに済む。
とても軍人が言うようなことではありません。
でもシェーンコップはこの話を気に入ったらしく、ヤンに協力することを決めます。
後日、フレデリカとシェーンコップ以外の幕僚に今回の作戦案を説明するヤン。
先に教えておいて二人と比較すると煮え切れないような感じですが、それでも反対意見は出ず、この作戦で行くことになります。
これで準備が整いました。
銀河英雄伝説第6話より引用
第13艦隊の出撃です。
目標はイゼルローン要塞。
同盟軍にとって実に7度目となる攻略戦の開始です。
イゼルローン要塞攻略作戦開始
帝国軍が誇るイゼルローン要塞。
この要塞ある限り、同盟軍は帝国領に侵攻できません。
イゼルローン要塞には二人の司令官がいます。
1人は要塞の防御を担当する要塞司令官であるシュトックハウゼン大将。
そしてもう一人は要塞に駐留している艦隊を率いる駐留艦隊司令官のゼークト大将。
同じ職場に同じ階級の人間が2人。
普通なら協力しなければいけないのですけどこの二人仲が最悪で、事ある毎に対立するのです。
でもなぜか同盟軍が攻めてくると相手に負けないよう頑張るため、予想以上に戦果をあげてしまう。
犬猿の仲であることがこの時は上手く作用するのです。
切磋琢磨ということなんでしょうかねえ。
ただこういう関係だと要塞と駐留艦隊が連携しなければいけない場面でも連携できずに各個撃破される恐れがあります。
戦果に目をくれず、さっさと司令官職を一本化しておけば今回のイゼルローン攻略戦も違いった展開になっていたかもしれません。
さてイゼルローン要塞内でもここ数日、異変を察知しているようです。
銀河英雄伝説第6話より引用
宇宙人が攻めてくる訳ないのでおそらく同盟軍が侵攻しているのでは?
このことに関してはシュトックハウゼンもゼークトも異論ないでしょう。
でもどう対処するかで意見が対立します。
出撃を主張するゼークトと様子を見るべきと主張するシュトックハウゼン。
そこにある通信が入ってきます。
同盟領内でスパイ活動をしていた帝国軍の巡航艦が攻撃を受け、イゼルローン要塞に退却中であると。
救援のためにも出撃するとさらにボルテージを上げるゼークトに対し、彼の幕僚であるオーベルシュタイン大佐は敵の罠であると主張し、出撃に反対します。
さらにシュトックハウゼンがオーベルシュタインの肩をもったことでゼークトが意固地に。
そして出撃する駐留艦隊。
シュトックハウゼンが見送りますが味方に痛い目にあえばいいとまで言うのかよ。
同じ帝国軍なのに。
ほどなくして同盟領内から逃げてきた巡航艦がイゼルローン要塞の近くまでやってきます。
おい、さっき出撃した駐留艦隊と出会わなかったのかよ。
捜索が雑すぎるわ。
シュトックハウゼンは要塞の攻撃準備を整えますが同盟軍は要塞の攻撃範囲内に入ってきません。
そのため巡航艦は安全圏に逃げ込むことに成功します。
そこで巡航艦の艦長からシュトックハウゼンに通信が入ります。
銀河英雄伝説第6話より引用
あれ?
この艦長の声、さっきどこかで聞いたような気が…。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第6話を視聴し終わって
今回はここで終了。
タイトルに(前編)と付いていたので良いところで終わるのがわかってましたが。
今回の話、原作読んだことある人ならわかると思いますけど、原作でいえばたった15ページぐらいの内容を丸々1話使ったことになります。
ここまで丁寧に描くのかとちょっとびっくりです。
さすがにすべて原作通りに描くと尺が余るのでオリジナル要素も結構入ってました。
ヤンとフレデリカがローゼンリッタ―連隊の本部に行く件は、原作にも旧OVA版にもなかったですからね。
あと巡航艦が来る方向に関してもしっかりとフォローされていました。
原作や旧OVA版では帝国本土からやってきたはずなのにどうして同盟軍に追撃されるの?同盟軍はイゼルローン要塞があるから帝国領内に入れない設定だろと容赦ないツッコミが入ったところです。
そこで本作では帝国本土からやってきたという設定を変えて同盟領内でスパイ活動をしていたというものに変えたのです。
この変更はグッジョブと言いたいですね。
さて次回のタイトルは「イゼルローン攻略(後編)」。
原作通り、シェーンコップが手際よく、要塞を占領するのか?
旧OVA版のように要塞中心部を占拠するため白兵戦をするのか?
はたまたオリジナルになるのか?
次回も楽しみですわ。
第7話の感想記事はこちらからどうぞ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第7話「イゼルローン攻略(後編)」の感想 「難攻不落の要塞は内側から占領すべし」
今回のまとめ三行
- 第13艦隊の幕僚人事終了
- 副官はエル・ファシルで出会ったあの少女
- イゼルローン攻略が始まる