感想(ネタバレあり)
帝国軍の2倍の戦力を集めた同盟軍。
しかしラインハルトの各個撃破戦法の前に第4、第6の両艦隊は撃破され残る第2艦隊も中央突破戦法の餌食になりかけてところで終わった前回。
今回はこの続きから。
第2艦隊の指揮権を引き継いだヤンはどうやってこの窮地を脱するのでしょうか?
この記事で書けなかった補足説明などについて別に記事を作っております。
興味のある方はどうぞ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話の補足説明(みたいな)記事はこちらから
また第1話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第1話「永遠の夜の中で」の感想 「各個撃破で帝国軍の完全勝利目前のはずだったのに」
ヤンの作戦案は却下
Ⅹ時間前、自室で本を読んでいるヤンは第2艦隊司令のパエッタ中将から呼び出しを受けます。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
呼び出しの内容はヤンが提出した作戦案について。
どうやら消極的な内容だったようでパエッタ中将はご不満のようです。
現在の戦況は同盟軍が圧倒的に有利。
この機に及んで負けない作戦など必要ないのです。
パエッタ中将的には。
できることならこの会戦で帝国軍に打撃を与える。
そうすれば自分の昇進は確実。
宇宙艦隊司令長官、いや、統合作戦本部長でさえ夢ではない。
それぐらいは考えていそうですよね。
劇場版「銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲」の設定おいて、パエッタはパストーレ、ムーアと共に国防委員長ヨブ・トリューニヒトのお気に入りという設定があったので、勝利できれば確かに夢ではないでしょう。
トリューニヒトとしても自分と反目する軍人より媚びを売ってくる軍人をトップに添える方がいろいろと都合がいいでしょうから。
まあ劇場版の設定はこの新銀英伝においては全部リセットされているみたいなので、トリューニヒトのお気に入りという設定もなかったことにされているでしょうけど。
パエッタ中将に作戦案を却下されたヤンは自室に帰ろうとしますが、途中で幕僚の1人であるラオ少佐に呼び止められます。
ラオはいろいろ言ってましたが結局のところ、作戦案を却下されたヤンを元気づけようとしたのでしょうね。
結構いい奴ですわ。
ヤンの悪い予感は最悪の形で当たる
3方向から包囲してタコ殴りにする。
それが同盟軍の作戦で、同盟軍の予想では帝国軍はある地点で前進を止めて守りを固めるはずでした。
しかし同盟軍が予想した宙域に帝国軍の艦隊はいません。
そして同盟軍第4艦隊との通信が妨害されてしまい…。
以上のことから考えられるのは、帝国軍は包囲される危機を逆用して確固撃破を始めたということ。
そして帝国軍の最初の目標は第4艦隊になったということです。
これは事前にヤンが予想したことであり、ヤンはこうなることを危惧し、パエッタ中将に提出した作戦案を作ったのですが。
作戦案を読んだパエッタ中将もそれを覚えていたらしく、ヤンにどうするべきか意見を求めます。
ヤンはパエッタ中将に対して、一刻も早く第6艦隊と合流を果たし、帝国軍を数で圧倒できる状態にするべきと意見具申します。
第2艦隊と第6艦隊を合わせれば2万8000隻。
2万隻の帝国軍遠征艦隊に十分に対抗できます。
しかしこの意見具申をパエッタ中将は受け入れません。
なぜならこの案だと第4艦隊を見捨てることになるからです。
今戦っている味方を放置できない。
確かに言っていることは筋が通っています。
しかし同盟軍の目的は帝国軍の撃退です。
そのためには帝国軍から戦いの主導権を奪い返す必要があるはず。
そしておそらく正面からぶつかった以上、第4艦隊は既に敗退している可能性が高い。
以上からヤンの案を採用すべきですがパエッタ中将は意見を変えません。
頑固な上司を持つと苦労するのは現代と変わりませんね。
ただ第2艦隊だけが第6艦隊との合流を望んでも第6艦隊も合流しようとしないとどうしよもありません。
第4艦隊とは通信できませんが第6艦隊とはまだ通信できるようでヤンは士官学校で同期だったラップ少佐を善後策を練るため通信で話し合います。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
ラップ少佐もヤンと同じく、合流すべきという意見らしく、第6艦隊司令のムーア中将を説得すると言ってますけど、結果は第1話でもうわかっているのですよね。
ヤンの通信でフラグを立てたラップ少佐は第6艦隊旗艦ペルガモンと運命を共にして戦死。
これで残りは第2艦隊だけとなってしまいました。
ヤンの準備と指揮のおかげで帝国軍に一矢報いる
とうとう第2艦隊と帝国軍遠征艦隊との戦端が開かれます。
これまでの戦闘でいくらかは目減りしているでしょうけど、それでも帝国軍の数の優位は動きません。
そうこうするうちに第2艦隊旗艦パトロクロスが被弾。
そしてパエッタ中将も重傷を負います。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
どうやらヤンとラオ以外の幕僚も戦死もしくは負傷したようで、パエッタ中将は指揮権をヤンに預けます。
すでに負け掛けている所での指揮権委譲。
どう考えても普通は貧乏くじです。
しかしここで何とかしないと第2艦隊が第4、第6両艦隊と同じ運命を辿ってしまいます。
まずは通信で指揮権を委譲されたことを第2艦隊の将兵に伝え、各個に戦うよう命令します。
それだとジリ貧な感じがしますがヤンはラインハルトが積極策に用いることを待っていたのです。
実はヤン、事前にラインハルトが中央突破戦法を使ってくるかもしれないと予想。
その対処法を考え、さらにその対処法について戦術システムに入力していたのです。
そして予想どおりラインハルトが中央突破戦法を使ってくると、味方に戦術システムに打ちこんだ対処法通りに動くように命令すれば終わり。
そしてラインハルトはハメられたことの気付きます。
ここで第1話のラストに時間軸が追い付きました。
帝国軍の中央突破戦法で2つに分断されたと見せかけた同盟軍。
全速前進して帝国軍遠征艦隊の後方で再合流。
その後は転進して帝国艦隊の後方にしがみ付いて攻撃を始めます。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
一気に形勢逆転。
このままではせっかく2個艦隊を撃破した武勲が傷ついてしまう。
ラインハルトはこのまま前進して途中でカーブして第2艦隊の後方に食らいつくことにします。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
旧OVA版ではこの状態を指して、2匹の蛇が互いの尻尾に食らいつく状態と説明してましたがその説明が一番わかりやすいと思います。
この状態が長く続くと両軍とも戦力を消耗するだけ。
それを察したらラインハルトは撤退を指示し、帝国艦隊は撤退を始めます。
最後の最後で完勝を逃す。
悔しくないはずはありませんが敢えてラインハルトはヤンに伝文を送ります。
内容的には「次に戦う時まで無事でいろよ」というもの。
キザですねえ(死語)。
帝国軍が撤退したことでアスターテ会戦は終結しました。
同盟軍が被った被害は帝国軍の10倍以上。
最後の最後でヤンが一矢報いた形ですが大敗北には違いありません。
一応アスターテ星域から帝国軍を撤退させたので、戦略的に勝利したと言えなくはありませんが、犠牲の多さを考えると、犠牲に見合った戦果とは言えないでしょうね。
ラインハルトが元帥に昇進
第1話と異なり、EDの絵が同盟から流れてびっくりしたと思ったら、何とCパートありました。
銀河帝国皇帝フリードリヒ4世が出席して行われるのは元帥号授与の式典。
銀河英雄伝説第2話より引用
今回元帥号を授与されるのはもちろんラインハルトです。
アスターテ星域で2倍の同盟軍を撃破したという武勲は並ぶものがない大きなもの。
昇進は当然です。
元帥号は軍人の最高位。
しかし元帥もラインハルトの野望にとっては通過点に過ぎません。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
まあ、ラインハルトの野望については次回当たりに説明があると思います。
どうしても先に知りたい方は原作を読みましょう。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第2話を視聴し終わって
今回はここで終了。
一応原作準拠のはずですがところどころ違うところがありましたね。
まず1つ目、原作では第4艦隊に所属していたはずのフィッシャー准将が第2艦隊の分艦隊司令になっていたこと。
銀河英雄伝説DIE NEUE THESE第2話より引用
まあこれは、第2艦隊の作戦行動が一糸乱れぬ状態でやり切るにはそれなりの運用責任者が必要ということでフィッシャーを第2艦隊の所属にしたのでしょう。
2つ目はエルラッハ少将の戦死のシーンがなかったことです。
これは単に尺の問題でしょうか?
ラインハルトの元帥号授与のシーンをCパートに入れ込むために削ったのしれかませんね。
次回のタイトルは「常勝の天才」。
この言葉はラインハルトの2つ名。
次回は帝国サイドの話になりそうです。
第3話の感想記事はこちらからどうぞ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第3話「常勝の天才」の感想 「姉の奪回、そして宇宙を手に入れる」
今回のまとめ三行
- ヤンの作戦案は却下
- ヤンが艦隊指揮を引き継ぎ、引き分けに持ち込む
- ラインハルトが元帥に