感想(ネタバレあり)
今回でイゼルローン要塞VSガイエスブルク要塞の戦いがほぼ決着します。
結局戦術家としてのケンプはヤンの敵ではありませんでした。
仮にラインハルトがガイエスブルク要塞の指揮を取っていたら、ヤンが帰ってくる前に決着がついたでしょうね。
第33話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第33話「要塞対要塞」の感想 「主砲の打ち合いから、白兵戦、ドッグファイト、そして艦隊戦まで見どころしかない回です」
ミュラーの独断がケンプを怒らせ結果的に大魚を逃す
ヤンが要塞にいないという情報を得たミュラーは、ケンプに報告しないままヤンを捕えるために自分の艦隊を勝手に再配置します。
しかし司令官はあくまでケンプ。
当然ケンプは激おこです。
ミュラーもやっちゃいましたねえ。
どんな優秀な上司でも自分の面子を潰されると意固地になるのはいつの世も一緒。
ケンプもその例外ではありません。
結局ミュラーは自分の出した命令を撤回します。
小説ではこの時の決断をミュラーが悔いたという記述がありましたが、副司令官としては命令を撤回する以外の選択肢はこの時なかったと思います。
ヤンやラインハルトレベルの戦術家になると考えることは同じのようです
さて、戦線が膠着状態に陥ったことを知ったラインハルトはロイエンタールとミッターマイヤーを増援としてイゼルローン回廊に送りこみます。
ケンプでは荷が重いことにラインハルトはようやく気付いたようです。
今回の作戦目的はあくまでイゼルローン回廊の奪取。
イゼルローン要塞の奪取ではないのです。
ですから極端な話、イゼルローン要塞にガイエスブルク要塞をぶつけて両方潰せば、あとは戦力の勝る帝国軍の独壇場。
要塞なんて必要無いのです。
そして同じことをヤンも考えていました。
自分が帝国軍の司令官なら要塞ぶつけて後から別の要塞を運んでくると。
やっぱり戦争の天才たちは戦略目標達成のために
一番確実な戦術を考えだすのですね。
凡人だったらガイエスブルク要塞を上手く使って、イゼルローン要塞を奪取することばかり考えてしまうでしょうから。
ケンプみたいに。
その頃フェザーンではマスオさん、じゃなかった同盟の高等弁務官ヘンスロー氏がフェザーン側に激おこです。
そりゃあフェザーンの勧告に従って査問会開いたらイゼルローン回廊へ帝国軍が攻めてきたのですから。
まあ怒るのはいいのですけど、簡単に言いくるめられるのちょっと。
弁務官は駐在大使みたいなものなんですからもうちょっと優秀でないと。
ガイエスブルク要塞大爆発!これにより同盟の勝利はほぼ決定したけど
場面は再びイゼルローン回廊へ。
同盟軍の救援が気ていることを知ったケンプはこれを利用して救援艦隊とヤン艦隊の各個撃破を目論みます。
ただこの策をイゼルローン要塞にいたユリアンは看破。
そのユリアンのげんに従い艦隊を動かすメルカッツ。
ここはちょっと唐突な感じもしますけど、メルカッツも帝国軍の動きをおかしいと思っていたのでしょう。
そしてユリアンの言ったことがおかしいところと合致したので採用したのだと思います。
結果的に各個撃破するはずの帝国艦隊はヤンが指揮する救援艦隊とヤン艦隊の挟み撃ちにあって壊滅状態。
追い込まれたケンプはようやくガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞にぶつけることをここで思いつきます。
この辺のシーンについて。
今回の前半でラインハルトやヤンが考えていた「要塞に要塞をぶつける」と戦術。
その戦術は追い詰められないと凡人では思いつくことではないということを対比したかったのだと思います。
こういうところが良くできていると思いますね。
要塞に要塞をぶつけられた一大事。
でもヤンがいるから大丈夫。
考慮した戦術である以上、その対処法もすでにヤンは考えていたのです。
ガイエスブルク要塞の推進エンジンを一つだけ潰して前進できないようにした上でトールハンマーでトドメを刺します。
ガイエスブルク要塞はケンプを道ずれに大爆発。
ここに同盟軍の勝利が確定・・・と言いたいところですけど、逃げ出した帝国艦隊の残党をグエンバンヒュー少将とアラルコン少将の艦隊が勝手に追撃。
ヤンが慌てて追いかけます。
その一方帝国領からは帝国の双璧が。まだまだ予断を許しません。
次回も楽しみです。
第35話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第35話「決意と野心と」の感想 「またキルヒアイスが生きていれば…か」
今回のまとめ三行
- 戦争の天才は発想することも一緒
- 各個撃破するはずが挟撃されたでござる
- ガイエスブルク要塞は爆発しケンプも戦死する