感想(ネタバレあり)
第20話の内容をまとめると以下の通りとなります。
- キフォイザー星域会戦でキルヒアイスが勝利
- ガルミッシュ要塞でリッテンハイム侯が死亡
- ラインハルトがブラウンシュバイク公たちを挑発
- 貴族たちとメルカッツの間に亀裂が生じる
- おびき出されたブラウンシュバイク公たちの艦隊に大損害が生じる
- ブラウンシュバイク公の領地ヴェスターラントで反乱が発生
- ブラウンシュバイク公がヴェスターラントへ熱核兵器攻撃を命じる
- ラインハルトがオーベルシュタインの意見を入れてヴェスターラントへの攻撃を見逃す?
- キルヒアイスがラインハルトに疑念を抱く
今回はちょっと詰め込み過ぎな感じでした。
旧OVA版で1.5話かけて消化したストーリーを1話に入れ込むのは無理ですよ。
そこがちょっと残念でした。
あとヴェスターラントへの攻撃をラインハルトは見逃したのかどうか?
旧OVA版ではオーベルシュタインに騙された結果、ヴェスターラントへの攻撃を阻止できなかったことになってましたが、この「DIE NEUE THESE」では明確に見逃したのかどうかは描かれておりません。
ただ結果から考えるとラインハルトは攻撃を見逃したと考える方が普通だと思います。
第19話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第19話「ドーリア星域の会戦」の感想 「スタジアムの虐殺で同盟は有能な政治家を失う」
第19話は同盟サイドのお話。
ドーリア星域でクーデター派の第11艦隊を打ち破ったヤンでしたが、ヤンの元にスタジアムの惨劇の情報が伝わることに。
キルヒアイスに敗北してリッテンハイム侯が無残な最期
キルヒアイス艦隊とリッテンハイム侯の艦隊がキフォイザー星域で激突します。
数ではリッテンハイム侯の艦隊の方が多かったのですが、所詮は貴族の指揮。
キルヒアイスが直接率いるわずか800隻の艦隊に横合いから攻撃されて、リッテンハイム侯はすぐに逃亡します。
前線の味方を置き去りにし、後方に控えていた味方の補給艦隊を攻撃して逃亡する姿は醜悪としか言えません。
そりゃあリッテンハイム侯を恨み、亡き者にしようとする奴らは出てきますよ。
最終的にリッテンハイム侯は部下の兵士の(ゼッフル粒子を使った)自爆に巻き込まれて死亡。
味方を攻撃するバカ貴族にふさわしい最期となりました。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第20話より引用
このキフォイザー星域会戦からリッテンハイム侯死亡の件は旧OVA版でも描かれていますが、こっちの「DIE NEUE THESE」版は駆け足過ぎましたね。
旧OVA版ではリッテンハイム侯の艦隊の不備を看破しキルヒアイスの優秀さが際立つ描き方だったのですが、この「DIE NEUE THESE」版ではその辺が薄かったです。
貴族たちとメルカッツの間に亀裂が生じる
メルカッツを総指令に迎えるに辺り、メルカッツは条件を出しますが今回それが反故にされてしまいました。
そりゃあメルカッツの軍人としての統制なんて、これまで好き勝手やってきた貴族たちが守れる訳ありません。
そしてメルカッツから処分すると言われると三文芝居で自分達を正当化する。
まあこうなることはメルカッツもわかっていましたけど、やっぱり酷いですわ。
メルカッツの権限を無視して出撃した貴族たち。
ラインハルト陣営の艦隊の苛烈な攻撃で大損害を出したあげく、救援に駆けつけたメルカッツを非難するブラウンシュバイク公って本当にアホですわ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第20話より引用
結果的にブラウンシュバイク公とメルカッツの間には大きな亀裂が入ったと思います。
味方同士が連携できなくなった時点でこの戦いの帰趨は決したと言ってもいいでしょう。
あとはラインハルト側がどのだけ被害を少なくして勝つかということが大事になってくるかと。
ヴェスターラントへの核攻撃が実行される
ブラウンシュバイク公の領地であるヴェスターラント。
このヴェスターラントで反乱が起こり、ブラウンシュバイク公の甥っ子であるシャイド男爵は鎮圧に失敗し後に死亡します。
貴族って自分の領地の領民が死んでも何とも思いませんが、親族が死んだ場合は別。
ただでさえラインハルトの艦隊に敗北してイライラしているところに自分の甥が殺されたという報告が来たのです。
ブラウンシュバイク公は怒り狂い、領民全員を皆殺しにしようと思っても不思議ではありません。
重臣のアンスバッハの諫言も聞かず、ブラウンシュバイク公はヴェスターラントへの核攻撃を決定。
そしてその情報はラインハルトの元にも。
ラインハルトは当然この核攻撃を防ごうと艦隊の派遣を決定しますが、それにオーベルシュタインが異を唱えます。
オーベルシュタインが異を唱えた理由。それは攻撃させた方がラインハルトにメリットが生じるから。
ブラウンシュバイク公がヴェスターラントを核攻撃すれば、人心は貴族から離れます。
そうなれば兵士たちは我先に逃げだすことでしょう。
残虐な貴族に仕えていても先が見えてますからね。
兵士が少なくなればリップシュタット貴族連合軍の本拠地たるガイエスブルク要塞攻略も容易になります。
そりゃあオーベルシュタインも攻撃を見逃すように進言しますわ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第20話より引用
攻撃は実行されてヴェスターラントは壊滅しました。
ラインハルトは攻撃を故意に見逃した?
旧OVA版ではラインハルトは最後まで攻撃を見逃すかどうか悩みます。
そして結果的にオーベルシュタインに騙されて攻撃阻止ができませんでした。
では今回の「DIE NEUE THESE」版ではどうだったか?
ラインハルトが故意に攻撃を見逃したかどうかは明確には描かれませんでしたね。
だから真相はわかりません。
ただヴェスターラントの惨劇の模様は銀河帝国中に流れて、それにより人心は完全にブラウンシュバイク公たちから離れてしまいました。
明確に阻止した描写がなく、メリットだけを受けている現状を考えるとラインハルトはオーベルシュタインの進言を聞き入れ「攻撃を故意に見逃した」と考える方が自然でしょうね。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第20話より引用
20話の最後のシーン。
ラインハルトが寂しそうに見えるのは私だけでしょうか?
阻止命令を出していたならばラインハルトがこんな姿をすることはなかったように思います。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第20話「惨劇」を視聴し終わって
ブラウンシュバイク公とメルカッツの間に亀裂が生じましたが、ラインハルトとキルヒアイスの間にも亀裂が生じそうな気配となってきました。
キルヒアイスとしてはラインハルトを信じたいでしょうね。
状況証拠が揃っている以上ラインハルトが攻撃を見逃したという結論になりそうだとわかっていても。
次回のタイトルは「誰ための勝利」。
次回で同盟の救国軍事クーデターに決着がつきます。
結果はわかってますが、どんな風に描かれるのか今から楽しみです。
第21話の感想記事はこちらからどうぞ。
『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』第21話「誰ための勝利」の感想 「救国軍事会議崩壊」