感想(ネタバレあり)
今回ラインハルトは大事な家臣をテロで失ってしまいます。
正直提督たちの1人を失うより銀河帝国に与えるダメージは大きいはず。
でもラインハルトは止まりません。
ラインハルトの意識はヤン討伐だけに向いているので。
第76話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第76話「祭りの前」の感想 「特殊EDのヤン艦隊側のイメージだけが残る」
帝国側の話がメインでしたが、特殊EDを挟んだヤン艦隊側のイメージだけが残る稀有な回だったと思います。
将来の帝国宰相がテロで死亡
武官が上位を占めるローエングラム朝銀河帝国。
しかし敵武力討伐の対象も残すはヤン一党のみ。
ヤン一党を屈服させればもう武官は用無しとなり、あとは文官の時代が来る。
そして将来的に帝国宰相になるのは俺。
これが工部尚書シルヴァーベルヒが思い描いた未来です。
野心が大きいという訳ではありません。
シルヴァーベルヒがやりたいことをやるには帝国宰相ぐらいの権力がないと効率的に進めることができないという意味で帝国宰相の地位が欲しいのでしょう。
人類が未だ見たことないような社会を作る。
それこそがシルヴァーベルヒの野望と言えます。
しかしシルヴァーベルヒがその野望を成就させる日は来ませんでした。
テロでシルヴァーベルヒ自身が死亡したからです。
正直な話、帝国軍の元帥や上級大将の1人や2人が死んだところで、その代わりはすぐに出てくるでしょう。
それくらいラインハルトの旗下の提督たちの陣容は厚い。
でも文官は別。
シルヴァーベルヒのように自分の才覚で社会を変革できるような文官がいないのです。
シルヴァーベルヒの死を知った時のラインハルトはかなり冷静だったような気がします。
シルヴァーベルヒの死は残念とは思っているでしょう。
でもたぶん意識がヤン一党に向いていたのだと思います。
何よりも優先すべきはヤン一党の討伐。
ラインハルトはヒルダの進言を入れてヤン一党の討伐を一時中断してフェザーンに戻るべきだったかもしれませんね。
ヤン一党を野放しにしてもこれ以上戦力を増やす手段はないのですし。
フェザーンにラインハルトが戻れば混乱もすぐに収まるでしょうしね。
そして何よりラインハルトが戻れば82話のような展開もなかったでしょうから…。
オーベルシュタインはやっぱり嫌われる
テロによってオーベルシュタイン、ルッツ、そしてフェザーンの代理総督であるボルテックが負傷します。
義手の不具合で会場入りが遅れテロに合わなかったワーレンは彼らのお見舞いをしますが、そこでワーレンの心情の一端がわかります。
まずはボルテックに関しては自分でお見舞いせず、副官を自分の代わりに向かわせました。
もともとボルテックとは面識がなく、自分がわざわざ行く必要がないと判断したのでしょう。
次にオーベルシュタイン。
さすがに軍務尚書であるオーベルシュタインを知らんぷりする訳にもいかず、一応自分でお見舞いに行きますが、形式的なことしかしません。
まあ、オーベルシュタイン相手に喋ることもないですからね。
そしてルッツ。
ワーレンからすれば同僚であり、リップシュタット戦役ではキルヒアイスの副将として共に戦った間柄。
そりゃあいろいろ話すことがありますが、オーベルシュタインとの差がありすぎ。
何よりルッツのオーベルシュタインに対する悪口を嗜めるようなことも言いませんでしたからね。
そこにワーレンのオーベルシュタインに対する心情が現れていると思います。
他の提督たちと同じくオーベルシュタインが嫌いという心情が。
まあ、テロが発生する前に義手の調子が悪くなった時、オーベルシュタイン云々の軽口叩いていたので、オーベルシュタインに対する印象は悪いとわかっていましたけどね。
しかしまあ、提督はたくさんいるのにオーベルシュタインに融和的な人は一人もいないとは。
オーベルシュタインの場合は意図的に敵意を集めているフシもありますが、さすがに可愛そうに思えてきました。
地球教が廃物利用を画策する
同盟軍が2000万の将兵を失った帝国領侵攻作戦。
その作戦を立案した男が再び再起するチャンスを得ます。
男の名前はアンドリュー・フォーク。
ただ再起のチャンスと言っても地球教の人形として地球教の用意した台本通り動くだけですけど。
地球教の目的は帝国とヤン一党の共存を阻止すること。
現在の状況で帝国とヤン一党が共存する可能性があると認識しているのは流石としか言えません。
当事者でなければ今後も殺し合いが続くと思うでしょうから。
地球教としては帝国とヤン一党の殺し合いが続くことが望ましい。
殺し合いが続くことで地球教が蠢動するチャンスが生まれるのですから。
そしてそのためのコマとしてフォークを使うのです。
どういう風にフォークを使うのかは後のお楽しみ。
82話で明らかになります。
ビッテンフェルトはやっぱりビッテンフェルトだった
ヤン一党を倒すためにどうするべきか?
被害を最小限にするならヤンをおびき出して騙し討ちにするのが一番です。
現にこの方法をビッテンフェルト艦隊の幕僚の一人がビッテンフェルトに進言しました。
まあ、その進言の結果は多くの視聴者の予想通りとなりましたが。
この騙し討ちを進言した幕僚って自分の指揮官の性格を全く理解してませんでしたね。
ビッテンフェルトがその手の方法を嫌うってビッテンフェルトの言動見てればわかるでしょうに。
どこの世界にも空気読めないというか自分のアイデアが回りにどう受け止められるか考えない奴っているもんですね。
仮にビッテンフェルトがこの幕僚の騙し討ちアイデアを採用していればどうなったでしょうか?
たぶんビッテンフェルトはラインハルトの信頼を失い、閑職に回されるくらいのことはあったかもしれません。
その点ビッテンフェルトはラインハルトの意図をしっかりと認識していたと言えます。
ラインハルトの意図はヤンを武力で屈服させること。
騙し討ちでヤンを倒すなんてこと1ミリも考えていないのです。
そんな方法でヤンを倒しても虚しさしか残らないでしょうから。
ただヤンを実際に戦う帝国軍の将兵からすればたまったものではないですけどね。
魔術師ヤンと戦う以上、いつ自分がその魔術の犠牲になるかわからないのですから。
できればビッテンフェルトの幕僚が進言した騙し討ちでヤンを倒して、自分達が命を張る事態を避けて欲しいと考えるでしょう。
まあ、実際にヤン一党と戦い、ビッテンフェルトもファーレンハイトも酷い目に合うのですけどね。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第77話を視聴し終わって
今回はここで終了。
テロが起こって将来の帝国宰相が死んでもラインハルトの親征は中断しません。
あくまでヤンとその一党を屈服させるためイゼルローン回廊へ向かいます。
次回はヤン一党側の話がメイン。
次回も楽しみです。
第78話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第78話「春の嵐」の感想 「決戦目前!二人で語りあった最後の夜」