感想(ネタバレあり)
ほぼ1年ぶりの銀英伝の感想です。
感想記事を書く予定だった2020年春アニメのほとんどが延期となってしまったので、銀英伝の感想記事を書くことにしました。
1週間に1本のペースで書く予定です。
さて74話は前振り回って感じの内容でした。
ヤン一党討伐問題、シェーンコップ家の親子関係、フェザーンと地球教、民主主義と専制政治、ヤンの本音、ある男に不穏な動きあり。
よくもまあ、これだけ詰め込んだものです。
普通なら描き切れなくなって破たんしてもおかしくない内容ですが、すべて描き切ってしまうのが本当に凄い。
旧OVA版の出来の良さにはホント敬服しますわ。
第73話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第73話「冬バラ園の勅令」の感想 「自由惑星同盟滅亡のお知らせ」
第73話ではラインハルトが同盟領を併呑し、ラインハルトに服していないのはエル・ファシルとヤン一党が籠るイゼルローンだけとなりました。
ヤン一党討伐はしばらく延期
自由惑星同盟を滅ぼし、残りはヤン一党のみ。
ラインハルトは一気にヤン一党と決戦したいようですが、重臣たちはこぞって反対します。
仮にラインハルトがヤンに破れて死んでしまえば帝国は大混乱に陥ってしまいますので。
まあ、ヒルダもミッターマイヤーもロイエンタールも心の中でこう思っているのでしょう。
「戦術家としてはラインハルトよりヤンの方が上」と。
実際にバーミリオン会戦では戦術レベルでラインハルトはヤンに敗北しましたからね。
仮にヒルダの進言でミッターマイヤーとロイエンタールがハイネセンに侵攻しなければ、確実にラインハルトは死んでいたことでしょう。
それを考えたら、ヤン一党殲滅のためラインハルト自身が出撃することを認める訳にはいきません。
まあ、数話後に結局ラインハルト自身出撃することになるのですけどね。
シェーンコップ家の親子問題にポプランが首を突っ込む
シェ―ンコップの娘であるカリン。
初めて父親であるシェーンコップと対面することになります。
ただやっぱり歳の差に起因する経験の差を埋めることができません。
女を口説くかのように簡単にカリンを言いくるめるシェーンコップはちょっと大人げない感じもしますが。
カリンはポプランと一緒にシェーンコップと対面すべきでしたね。
1対1は早すぎました。
まあ、カリンが他人のポプランを巻き込むことを良しとしなかったのかもしれませんが。
後でポプランはカリンを慰めることになりますけど、例示としてユリアンの名前を出したのは迂闊でしたわ。
なぜかカリンってユリアンに対抗心持ってますからねぇ。
ヤンのそばにいるユリアンに嫉妬みたいなものを感じているのかもしれませんけど。
フェザーンと地球教の繋がりが判明してヤンが困惑
ヤンの基本方針1つはラインハルトに対抗するため、旧フェザーンの自由商人たちと連携して戦費をねん出すること。
ただそれを揺るがすような事実が判明します。
ユリアンが地球から持ち帰ったディスクによって「フェザーンと地球の繋がり」をヤンたちが知ってしまったのです。
フェザーンと手を組めば漏れなく地球教が付いてくるかもしれない。
ヤンとしては警戒せざるえません。
ここまでのところ、ヤン自身は地球教から被害を被っていません。
ただ地球教の噂は知っているでしょうし、何より地球での出来事をユリアンから聞いているでしょうから、少なくとも手を組んでよい相手だとは思っていないでしょう。
本当に困りましたねえ。
ラインハルトと妥協するにも戦うにしても戦力の維持は不可欠。
そして戦力維持のためには金が掛かります。
数万隻の艦隊を維持するためにはエル・ファシルの経済力だけではたぶん無理。
でもフェザーンと手を組んだら…。
ヤンも戦略の練り直しが必要でしょうね。
このフェザーンと地球教の繋がり。
歴史家志望であるヤンとしては興味深いとも思ったことでしょう。
だってフェザーンが自治領として独立する時の資金をどこから持ってきたのかずっと謎だったのですから。
それを知って歴史家(志望)のヤンとしては嬉しくないはずはありませんから。
まあ、今は歴史家志望という側面よりヤン一党の司令官としての立場で対応しなければいけないのですけどね。
ヤンの本音「ラインハルトを討ちたくなかった」
いつまでも言われる「バーミリオン会戦でヤンがラインハルトを討っていれば」。
ヤン自身はもう聞くのも嫌になっていることでしょう。
しかし今回あの時のヤンの気持ちをヤン自身が話します。
ヤン曰く、「ラインハルトを殺したくなかった」。
ラインハルトは敵であり、同盟の存続を目指すのならば絶対に戦場で倒さなければいけませんでした。
そのためにヤンは戦っているのであり、兵士たちはヤンに従っているのです。
しかし一方でラインハルトは歴史上稀に見る名君でもあります。
仮にラインハルトを殺せばそれは人類の損失ではないかとヤンは思ったようなのです。
ヤンって思想的に国や政府に固執してませんからねえ。
あくまで国や政府は個人の自由を保護するための仕組みに過ぎず、個人の自由を守る手段が他にあるのなら別に国や政府は潰れてもいいと考えていそうな感じがします。
ヤンが同盟政府を存続させようと頑張ったのは年金が欲しかっただけですからえねえ。
結局政府からの命令で一番安心したのはヤン自身だったというオチ。
ただ命令がなければヤンは私情を捨ててラインハルトを討ったでしょうけどね。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第74話を視聴し終わって
今回はここで終了。
とはいきません。
最後の最後でトンデモナイ事態が明らかになりました。
ロイエンタールに不穏な動きあり。
あ~あ、とうとう来ちゃった。
キルヒアイスが死んでから言動がちょっときな臭くなったロイエンタールですが、そのロイエンタールを疑う者が出て来たようです。
まあ、ルビンスキ―が匂わせていたんで気付いた人は気付いたでしょうけど。
次回はロイエンタールとラインハルトのお話がメイン。
次回も楽しみです。
第75話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説(旧OVA版)第75話「雷動」の感想 「ロイエンタールに不穏な動きあり?」