銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話「急転」の感想 「あと一歩だったのに・・・」

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感想(ネタバレあり)

前回帝国軍の総旗艦ブリュンヒルトを追い詰めたヤン。

あと1撃でラインハルトを討ち取れる。

しかし・・・

停戦命令を無視したら?

ヤンがブリュンヒルトに対する攻撃命令を出そうとした

まさにその時、

通信兵が首都星ハイネセンからの超高速通信を受信してヤンに伝えます。

その内容は停戦命令

あと1歩、

いやあと半歩で同盟軍が勝てる状況にあるのに・・・

ここでヤンの判断に注目が集まりますが

ヤンはハイネセンからの停戦命令に従います。

フレデリカとユリアン以外は

たぶん内心不満でしょうけど、

ヤンの命令に不服を言うような者は・・・

一人いました。

不良中年のシェーンコップ。

ここぞとばかりに

ヤンを扇動しようとします。

ここで政府の命令を無視すれば、

ラインハルトの命、

宇宙、

そして未来の歴史

手にすることができると。

当然権力に興味が無いヤンは

やんわり拒絶しますけど。

でも、もしここでヤンがシェーンコップの提案を受け入れて

ラインハルトを討ち取ればどうなっていたのでしょうか?

おそらく帝国軍は本国に帰るより

まず仇であるヤンの討ち取ろうとする可能性が高いと思います。

だって帝国軍の将帥たちはラインハルトのおかげで

今の地位にあるのですから、

冷静な判断より私情を優先させることでしょう。

ロイエンタール以外は。

そして仮にヤンが帝国軍の将帥たちを全部打ち破っても

今度は同盟政府が立ちはだかります。

帝国軍の脅威が無くなった以上、

ヤンに軍権を預ける必要はありません。

どうにかしてヤンの追い落としを謀るでしょう。

権力者って自分の地位を脅かす者を極度に恐れますし、

何とか排除しようとしますから。

例えば前漢を建国した劉邦は、

項羽撃破に功があった名将の韓信を情け容赦なく粛正してますし。

たぶんヤンも政府から粛正されると思います。

で、ヤンが政府を返り討ちにしたとして

今度は地球教がチョッカイ出してくるでしょう。

結局ラインハルトを倒しても

ヤンの未来は明るくはありません。

ヤン自身が望まない血まみれの戦いがさらに続いていただろうと

個人的には思います。

帝国軍で一番優秀な戦略家はヒルダかも

バーミリオン星系でヤン艦隊が有利に戦いを進めているという情報は

たぶんハイネセンにも伝わっていたはずです。

だってハイネセンからの通信をヤン艦隊が傍受できるのですから、

当然逆にヤン艦隊から発信された通信だってハイネセンで受信できるはず。

ではどうしてハイネセンの同盟政府は帝国軍との停戦を決断したのでしょう。

実は3日前、

ミッターマイヤー艦隊をヒルダが訪れたのがすべての始まりでした。

ヒルダ曰く、

このままだとラインハルトは

一生で一度の経験(たぶん死ぬこと)を体験することになるだろう

そして今からバーミリオン星系に向かっても4日かかり、

到着した時には戦闘は終了しており、

ヤン艦隊はいずれかに逃げ去った後である可能性が高い。

しかし今ミッターマイヤー艦隊がいるところから

同盟の首都星ハイネセンは2日の距離しかない。

だったら同盟政府を脅して

ヤン艦隊に停戦を命令させた方が良い、と。

臣下のくせに

ラインハルトは負けると言い放ったばかりか

ラインハルトの命令に背けと言ってのける

ヒルダって剛毅ですよねえ。

ヒルダの提案にミッターマイヤーは納得し、

隣の星系にいるロイエンタールと共に

ハイネセンに向かうことにします。

ロイエンタールは、

その心に中で野心が見え隠れしていましたが、

少なくともそれを外に漏らすようなことはしませんでした。

でもどうやら何人かは気付いていたらしく、

ヒルダとミッターマイヤー旗下のバイエルラインは

あからさまにロイエンタールを警戒感を出していましたね。

まあヒルダは洞察力に優れたキャラですので

ロイエンタールの野心に気付いていてもおかしくはありませんけど、

何でバイエルラインは気付いたのでしょうねぇ。

それがホントに不思議です。

武人特有の勘なんでしょうか?

ミッターマイヤー艦隊とロイエンタール艦隊合計3万隻は

同盟の首都星ハイネセンに殺到し、

その制宙権を確保します。

ラインハルト打倒のため

戦力をすべてヤンに預けたのが裏目に出ました。

でも冷静に考えたら

ランテマリオ会戦に参加した

第1艦隊の残存戦力って

ヤン艦隊に加わっていませんよね。

ヤン艦隊がハイネセンを出発する時、

同行したのは第14第15両艦隊の残存戦力だけ

みたいな描写があったと思いますけど。

ランテマリオ会戦で半壊したとしても

まだ第1艦隊って7000隻あまりが健在なのでは?

まあ、結局7000隻いても相手がミッターマイヤーとロイエンタールならば

焼け石に水でしたけどね。

ミッターマイヤーは同盟政府に対して

即時停戦するように要求します。

またそれを飲ませるために

同盟軍の統合作戦本部を攻撃して

これを破壊します。

ミッターマイヤーが言うには、

為政者(政治を行う者)は市民の家を焼かれても眉ひとつ動かさないが

政府関係の建物を壊されると大人しくなると。

またヒルダはさらに決断を促すために

最高責任者の罪は問わないということを付けたすよう

ミッターマイヤーに進言します。

これは威力ありますよねえ、

特に政治権力維持にしか興味が無い

トリューニヒトみたいな輩には。

そして案の定、

トリューニヒトは飛びつきます。

一応体裁のために市民の命を守るためだと言いますけど、

たぶん会議に出席している人間誰一人として信じていないでしょう。

停戦を受諾するといったトリューニヒトに再考を促すアイランズ。

覚醒した政治家は元のボスに対しても容赦ありません。

否、元のボスだからこそ、

その晩節を汚さないようにと再考を促したのかもしれませんね、

表面上は。

これに対してここぞとばかりに

アイランズが最低の政治業者であったことの言い放つトリューニヒト。

嫌な野郎です。

アイランズはあんたのためを思って忠告しているのに(表面上は)。

トリューニヒトの罵倒に対して怯むアイランズですけど、

それでも説得を止めません。

自分たちが帝国軍に殺されても

ラインハルトを倒したヤンが同盟を再建してくれると。

まあね、

確かに戦いがあのまま推移したら

少なくともラインハルトを討ち取ることはできたでしょうけど、

果たしてヤンは同盟を再建しようとしたでしょうか?

ヤン自身は

以前政治を汚水処理場に例えて、

無くては困るが近寄りたくないと言い放った御仁です。

到底自分から同盟を再建しようとはしないと思います。

最低限政治を動かす人間が必要になりますけど、

主な政治家ってたぶんハイネセンに集まっているでしょうし。

果たしてヤンと上手くやっていけて、

なおかつ同盟を再建をやってのける人材が眠っているのかちょっと疑問です。

アイランズがヤンの名前を出した途端、

トリューニヒトはヤンの非難を言い始めます。

ヤンがアルテミスの首飾り16機のうちいくつかを壊さないで残していれば

こういう事態にならなかっただろうと。

もしヤンがアルテミスの首飾りを一気に壊して

救国軍事会議のやる気を奪わなければ

とっくの昔にテメーは最高評議会議長の地位を

追われていただろうに。

トリューニヒトの責任転嫁に対して

今まで黙っていたビュコックが言葉は発します。

政治家は権力を持て遊び、

軍人はアムリッツアのような投機的な冒険にのめり込んだ。

そして市民すら政治を政治業者に任せて主体的に参加しようとしなかった。

その結果、同盟は命数を使い果たしたと。

また民主国家が崩壊するのはすべての市民の責任であると。

たぶんビュコックは

この言葉の中に

だから一回同盟が滅んでヤンに

再生してもらう方が良いという

自分の本心を含ませていたのではないでしょうか?

個人的にはそう思います。

演説の時は終わった。

今は行動する時、

ビュコックはトリューニヒトの決断を覆すために

物理的手段に訴えます。

でもこれはたぶんトリューニヒトに読まれていたのでしょう。

ビュコックがトリューニヒトを捕まえる前に

兵士と地球教徒が部屋に侵入。

ビュコックたちを拘禁します。

しかしまあ、地球教はどこまで政権中枢に入りこんでいるのでしょう。

いくらトリューニヒトとコネクションがあっても

そう簡単に同盟の運命を決する会議をしている施設に入りこめないでしょうに。

そしてハイネセンからヤン艦隊に停船命令が発せられたと。

楽をしたいはずなのにどんどん厄介ごとを背負いこむヤン

ヤン自身が停戦を受け入れたことで

艦隊内は抗戦派と停戦派にわかれて大激論。

抗戦派はヤンに再考を求めるべく直訴すると息巻きますけど、

たぶんヤンの決断は変わらないでしょうねえ。

本人は強い信念とか否定するくせに

自分が一番頑固なんですから。

さて停戦するとしてもヤン艦隊には頭の痛い問題があります。

それはメルカッツの存在。

メルカッツはリップシュタット戦役でラインハルトと敵対し、

その後同盟に亡命。

そして銀河帝国正統政府が樹立されると

その軍務尚書になった人物。

名将コレクションが趣味のラインハルトといえども

無罪放免にはできません。

せいぜい甘くして流刑、

普通なら自裁当たりが適当な処分となるでしょう。

どっちにしてもメルカッツに未来はありません。

メルカッツ自身はそれを受け入れる覚悟があるようですけど、

メルカッツ命のシュナイダーは納得できないでしょう。

どうすればいいのか?

ヤンはメルカッツに艦から降りるように言い放ちます。

もちろん宇宙服を着て文字通り艦の外に出すという意味ではなく、

何隻かの艦艇をつれて艦隊から離脱してくれと。

ヤン曰く、

ヤンは同盟政府の命令に従う義務があるが、

銀河帝国正統政府の人間であるメルカッツは同盟の命令に従う義務はない。

また同盟政府はたぶんメルカッツをスケープゴートにするだろうから

早く逃げてもらわないと困る。

そしてこのままだと同盟の軍事力は帝国の命令で削られるだろうから

その同盟の軍事力の一部をメルカッツが温存してくれ、

つまりロビンフットの冒険の動くシャーウッドの森をメルカッツに託すると。

メルカッツの身を守るためと

同盟の戦力を温存するためと二つの理由で

何かヤンが良いことやったと

思われる方が多いでしょうけど、

これは完全に業務上横領ですからね。

だって艦艇は国家の資産であって

艦隊司令官に勝手に処分できる権能はありませんから。

譲渡するにはちゃんとした契約書が必要です。

まあ、後にこういう契約書をしっかり作る人が出てきますけど

それは後のお話。

メルカッツに

いくらかの戦力と共に離脱してもらうという決断に

ヤン艦隊の幕僚たちは色めき立ちます。

ヤン自身が主体となって同盟を立て直すという意思表示したのも同然ですから。

だったらなんでさっきラインハルトを倒さなかったんだよと言いたいところですけど、

それがヤンの限界なんでしょう。

ヤンの決断に好感をもったのか、

ポプランとリンツがメルカッツと行動を共にすると発言します。

当然ポプランもリンツも自分だけで行動する訳ではありません。

リンツはローゼンリッター連隊の一部を同行させますし、

後の話でわかりますけどポプランは自分の空戦隊を同行させたようです。

上司の思いつきで付き合わされるリンツとポプランの部下たちは

可哀想な感じもしますけどねえ。

会議が終わり、

ヤンとフレデリカは二人きりに。

結局ヤンは苦労を背負いこむ決断をしましたけど、

フレデリカは好意的。

だってフレデリカはヤンがすることがどうしようもなく好きなんですから。

ホント見せつけてくれますわ。

この後二人でチューしたみたいだし。

場面代わってブリュンヒルトの艦橋。

どうしてこうなったかようやくわかったランハルト。

自虐的に私は勝利を譲られたのかと独語します。

まあ結果的にそういうことですけど、

最終的に目標を達成できた方が本当の勝者です

バーミリオン会戦自体はヤンの勝利ですけど、

帝国VS同盟という観点からは帝国が勝利したのですから、

最終的な勝者は帝国軍、

つまりその最高権力者であるラインハルトとなるのです。

ただ今回の戦いでわかったこともあります。

現状戦術面では、

ヤン>ラインハルトであるということです。

バーミリオン会戦は囮艦隊に引っかかったことは

かなり運の要素も入ってきますけど、

やっぱり結果がすべてですから。

さあ次回はとうとうラインハルトの即位です。

ここで終わればかなりキレイに終わる感じがしますけど、

それ以降も銀河の戦いは続きます。

私の感想を書く旅もまだまだ続きます(まだ半分にも到達してません110話は長すぎる)。

次回のお話も楽しみです。

今回のまとめ三行

・政府からの停戦命令

・トリューニヒトは地球教のおかげで命拾い

・ラインハルト=乞食(ラインハルト自身の感覚)

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