銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話「急転」の感想 「あと一歩でラインハルトを討ち取れたのに」

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感想(ネタバレあり)

 

前回帝国軍の総旗艦ブリュンヒルトを追い詰めたヤン。

あと一撃でラインハルトを討ち取れる。

そこまでラインハルトを追い込んだのにこんな結果になるなんて。

 

 

第52話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。

銀河英雄伝説【旧OVA版】第52話「バーミリオンの死闘(後編)の感想 「ラインハルト撃破まであと一歩」

 

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ヤンが政府の停戦命令を無視したら?

 

ヤンがブリュンヒルトに対する攻撃命令を出そうとしたまさにその時、通信兵が首都星ハイネセンからの超高速通信を受信してヤンに伝えます。

その内容は停戦命令

あと一歩、いやあと半歩で同盟軍が勝てる状況にあるのに。

 

ここでヤンの判断に注目が集まりますが、ヤンはハイネセンからの停戦命令に従います。

 

フレデリカとユリアン以外はたぶん内心不満でしょうけど、ヤンの命令に不服を言うような者は…一人いました。

不良中年のシェーンコップ。

 

ここぞとばかりにヤンを扇動しようとします。

ここで政府の命令を無視すれば、ラインハルトの命、宇宙、そして未来の歴史を手にすることができると。

 

悪魔のささやきのようなシェーンコップの言葉。

ヤンでなければシェーンコップの言葉に従ったかたもしれません。

でもヤンは違います。権力に興味が無いヤンはやんわり拒絶しました。

 

 

仮にヤンがシェーンコップの提案を受け入れてラインハルトを討ち取ればどうなっていたのでしょうか?

 

おそらく帝国軍は本国に帰るより、まず仇であるヤンの討ち取ろうとする可能性が高いと思います。

だって帝国軍の将帥たちはラインハルトのおかげで今の地位にあるのですから、冷静な判断より私情を優先させることでしょう。

ロイエンタール以外は。

 

そして仮にヤンが帝国軍の将帥たちを全部打ち破っても今度は同盟政府が立ちはだかります。

 

帝国軍の脅威が無くなった以上、ヤンに軍権を預ける必要はありません。

どうにかしてヤンの追い落としを謀るでしょう。

 

権力者って自分の地位を脅かす者を極度に恐れますし、何とか排除しようとしますから。

 

例えば前漢を建国した劉邦は、項羽撃破に功があった名将の韓信を情け容赦なく粛正してますし。

たぶんヤンも政府から粛正されると思います。

 

で、ヤンが政府を返り討ちにしたとして今度は地球教がチョッカイ出してくるでしょう。

 

結局ラインハルトを倒してもヤンの未来は明るくはありません。

ヤン自身が望まない血まみれの戦いがさらに続いていただろうと個人的には思います。

 

帝国軍で一番優秀な戦略家はヒルダかも

 

バーミリオン星系でヤン艦隊が有利に戦いを進めている。

この情報はたぶんハイネセンにも伝わっていたはずです。

だってハイネセンからの通信をヤン艦隊が傍受できるのですから、当然逆にヤン艦隊から発信された通信だってハイネセンで受信できるはず。

 

ではどうしてハイネセンの同盟政府は帝国軍との停戦を決断したのでしょう。

 

実は3日前、ミッターマイヤー艦隊をヒルダが訪れたのがすべての始まりでした。

 

ヒルダ曰く、このままだとラインハルトは一生で一度の経験(たぶん死ぬこと)を体験することになるだろう

今からバーミリオン星系に向かっても4日かかり、到着した時には戦闘は終了している。

そしてヤン艦隊はいずれかに逃げ去った後である可能性が高い。

 

しかし今ミッターマイヤー艦隊がいるところから同盟の首都星ハイネセンは2日の距離しかない。

だったら同盟政府を脅してヤン艦隊に停戦を命令させた方が良い、と。

 

臣下のくせにラインハルトは負けると言い放ったばかりか、ラインハルトの命令に背けと言ってのけるヒルダって豪気ですよねえ。

 

ヒルダの提案にミッターマイヤーは納得。隣の星系にいるロイエンタールと共にハイネセンに向かうことにします。

 

ロイエンタールは、その心に中で野心が見え隠れしていましたが、少なくともそれを外に漏らすようなことはしませんでした。

でも何人かはロイエンタールの叛意に気付いていたらしく、ヒルダとミッターマイヤー旗下のバイエルラインはあからさまにロイエンタールを警戒感を出していましたね。

 

まあヒルダは洞察力に優れたキャラですのでロイエンタールの野心に気付いていてもおかしくはありませんけど、何でバイエルラインは気付いたのでしょうねぇ。

それがホントに不思議です。

武人特有の勘なんでしょうか?

 

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アイランズもビュコックもトリューニヒトを止めることができず

 

ミッターマイヤー艦隊とロイエンタール艦隊合計3万隻は同盟の首都星ハイネセンに殺到。

その制宙権を確保します。

 

同盟はラインハルト打倒のため戦力をすべてヤンに預けたのが裏目に出ました。

 

しかし冷静に考えたらランテマリオ会戦に参加した第1艦隊の残存戦力ってヤン艦隊に加わっていませんよね。

ヤン艦隊がハイネセンを出発する時、同行したのは第14第15両艦隊の残存戦力だけみたいな描写があったと思いますけど。

 

ランテマリオ会戦で半壊したとしてもまだ第1艦隊って7000隻あまりが健在なのでは?

まあ、結局7000隻いても相手がミッターマイヤーとロイエンタールならば焼け石に水でしたけどね。

 

ミッターマイヤーは同盟政府に対して即時停戦するように要求。

またそれを飲ませるために同盟軍の統合作戦本部を攻撃してこれを破壊します。

 

ミッターマイヤーが言うには、為政者(政治を行う者)は市民の家を焼かれても眉ひとつ動かさないが政府関係の建物を壊されると大人しくなると。

 

ヒルダは同盟政府の決断を促すため、最高責任者の罪は問わないということを付けたすようミッターマイヤーに進言します。

 

これは威力ありますよねえ、特に政治権力維持にしか興味が無いトリューニヒトみたいな輩には。

 

そして案の定、トリューニヒトは飛びつきます。

一応体裁のために市民の命を守るためだと言いますけど、トリューニヒトの言葉を会議に出席している人間誰一人として信じていないでしょうね。

 

停戦を受諾するといったトリューニヒトに再考を促すアイランズ。

覚醒した政治家は元のボスに対しても容赦ありません。

否、元のボスだからこそ、

その晩節を汚さないようにと再考を促したのかもしれませんね、表面上は。

 

これに対してここぞとばかりにアイランズが最低の政治業者であったことの言い放つトリューニヒト。

嫌な野郎です。

アイランズはあんたのためを思って忠告しているのに(表面上は)。

 

トリューニヒトの罵倒に対して怯むアイランズですけど、それでも説得を止めません。

自分たちが帝国軍に殺されてもラインハルトを倒したヤンが同盟を再建してくれると。

 

まあね、確かに戦いがあのまま推移したら少なくともラインハルトを討ち取ることはできたでしょうけど、果たしてヤンは同盟を再建しようとしたでしょうか?

 

ヤン自身は以前政治を汚水処理場に例えて、無くては困るが近寄りたくないと言い放った御仁です。

到底自分から同盟を再建しようとはしないのではないでしょうか?

 

最低限政治を動かす人間が必要になりますけど、主な政治家ってたぶんハイネセンに集まっているでしょうし。

果たしてヤンと上手くやっていけて、なおかつ同盟を再建をやってのける人材が眠っているのかちょっと疑問です。

 

アイランズがヤンの名前を出した途端、トリューニヒトはヤンの非難を言い始めます。

ヤンがアルテミスの首飾りのうちいくつかを壊さないで残していればこういう事態にならなかっただろうと。

 

もしヤンがアルテミスの首飾りを一気に壊して救国軍事会議のやる気を奪わなければとっくの昔にテメーは最高評議会議長の地位を追われていただろうに。

 

トリューニヒトの責任転嫁に対して今まで黙っていたビュコックが言葉は発します。

 

政治家は権力を持て遊び、軍人はアムリッツアのような投機的な冒険にのめり込んだ。

そして市民すら政治を政治業者に任せて主体的に参加しようとしなかった。

その結果、同盟は命数を使い果たしたと。

また民主国家が崩壊するのはすべての市民の責任であると。

 

たぶんビュコックはこの言葉の中に「一回同盟が滅んでヤンに再生してもらう方が良い」という自分の本心を含ませていたのではないでしょうか?

個人的にはそう思います。

 

演説の時は終わった。

今は行動する時、ビュコックはトリューニヒトの決断を覆すために物理的手段に訴えます。

 

でもこれはたぶんトリューニヒトに読まれていたのでしょう。

ビュコックがトリューニヒトを捕まえる前に兵士と地球教徒が部屋に侵入。

ビュコックたちを拘禁します。

 

しかしまあ、地球教はどこまで政権中枢に入りこんでいるのでしょう。

いくらトリューニヒトとコネクションがあってもそう簡単に同盟の運命を決する会議をしている施設に入りこめないでしょうに。

 

そしてハイネセンからヤン艦隊に停船命令が発せられました。

 

 

楽をしたいはずなのにどんどん厄介ごとを背負いこむヤン

 

ヤン自身が停戦を受け入れたことで艦隊内は抗戦派と停戦派にわかれて大激論。

抗戦派はヤンに再考を求めるべく直訴すると息巻きますけど、たぶんヤンの決断は変わらないでしょうねえ。

ヤン本人は強い信念とか否定するくせにヤン自身が一番頑固なんですから。

 

さて停戦するとしてもヤン艦隊には頭の痛い問題があります。

それはメルカッツの存在です。

 

メルカッツはリップシュタット戦役でラインハルトと敵対し、その後同盟に亡命。

そして銀河帝国正統政府が樹立されるとその軍務尚書になった人物です。

 

名将コレクションが趣味のラインハルトといえども無罪放免にはできません。

甘くして流刑、普通なら自裁辺りが適当な処分となるでしょう。

 

どっちにしてもメルカッツに未来はありません。

メルカッツ自身はそれを受け入れる覚悟があるようですけど、メルカッツ命のシュナイダーは納得できないでしょう。

 

どうすればいいのか?

 

ヤンはメルカッツに艦から降りるように言い放ちます。

もちろん宇宙服を着て文字通り艦の外に出すという意味ではなく、何隻かの艦艇をつれて艦隊から離脱してくれと。

 

ヤン曰く、ヤンは同盟政府の命令に従う義務があるが、銀河帝国正統政府の人間であるメルカッツは同盟の命令に従う義務はない。

また同盟政府はたぶんメルカッツをスケープゴートにするだろうから早く逃げてもらわないと困る。

そしてこのままだと同盟の軍事力は帝国の命令で削られるだろうからその同盟の軍事力の一部をメルカッツが温存してくれ。

つまりロビンフットの冒険の動くシャーウッドの森をメルカッツに託すると。

 

「メルカッツの身を守るため」と「同盟の戦力を温存するため」という二つの理由でヤンの決断を評価する人は結構いるでしょう。

しかしこれは業務上横領ですからね。

だって艦艇は国家の資産であって艦隊司令官に勝手に処分できる権能はありませんから。

譲渡するにはちゃんとした契約書が必要です。

まあ、後にこういう契約書をしっかり作る人が出てきますけどそれは後のお話。

 

 

ヤンの言葉にヤン艦隊の幕僚たちは色めき立ちます。

だって「ヤン自身が主体となって同盟を立て直す」という意思表示したのも同然ですから。

だったらなんでさっきラインハルトを倒さなかったんだよと言いたいところですけど、それがヤンの限界なんでしょう。

 

ヤンの決断に好感をもったのか、ポプランとリンツがメルカッツと行動を共にすると発言します。

 

当然ポプランもリンツも自分だけで行動する訳ではありません。

リンツはローゼンリッター連隊の一部を同行させますし、後の話でわかりますけどポプランは自分の空戦隊を同行させたようです。

上司の思いつきで付き合わされるリンツとポプランの部下たちは可哀想な感じもしますけどねえ。

 

会議が終わり、ヤンとフレデリカは二人きりに。

結局ヤンは苦労を背負いこむ決断をしましたけど、フレデリカは好意的。

だってフレデリカはヤンがすることがどうしようもなく好きなんですから。

ホント見せつけてくれますわ。

この後二人でチューしたみたいだし。

 

場面代わってブリュンヒルトの艦橋。

どうしてこうなったかようやくわかったランハルト。

自虐的に私は勝利を譲られたのかと独語します。

まあ結果的にそういうことですけど、最終的に目標を達成できた方が本当の勝者です。

 

バーミリオン会戦自体はヤンの勝利ですけど、帝国VS同盟という観点からは帝国が勝利したのですから、最終的な勝者は帝国軍、つまりその最高権力者であるラインハルトとなるのです。

 

ただ今回の戦いでわかったこともあります。

現状戦術面では、ヤン>ラインハルトであるということです。

バーミリオン会戦は囮艦隊に引っかかったことはかなり運の要素も入ってきますけど、やっぱり結果がすべてですから。

 

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銀河英雄伝説【旧OVA版】第53話を視聴し終わって

 

次回はラインハルトの即位です。

ここで終わればかなりキレイに終わる感じがしますけど、それ以降も銀河の戦いは続きます。

私の感想を書く旅もまだまだ続きます(まだ半分にも到達してません110話は長すぎる)。

次回のお話も楽しみです。

 

第54話の感想記事はこちらからどうぞ。

銀河英雄伝説【旧OVA版】第54話「皇帝万歳!」の感想 「物語の一区切りですけどフラグ立ち過ぎ」

 

今回のまとめ三行

  • 政府からの停戦命令
  • トリューニヒトは地球教のおかげで命拾い
  • ラインハルト=乞食(ラインハルト自身の感覚)