感想(ネタバレあり)
今回はラインハルトが難しい問題に直面する回です。
そして結果的に今回の話がラインハルトを変えてしまう切っ掛けになります。
ラインハルトが明確に阻止命令を出していれば、キルヒアイスと言い合いになることはなかったでしょう。
そしてキルヒアイスだけに許された銃携帯の特権を奪うことも。
銃さえあれば暗殺者を簡単に止めることができたのに。
まあ、これは25話と26話のお話。
気になる方はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第25話「運命の前日」の感想 「親友との間の隙間風が仇に」
銀河英雄伝説【旧OVA版】第26話「さらば遠き日」の感想 「一番失ってはいけないものを失いました」
前回第22話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第22話「勇気と忠誠」の感想 「貴族ってほんと身勝手ですね」
甥っ子が殺されたから報復で熱核兵器を使って殲滅だ!
前回の貴族連合軍の敗北で貴族たちの力がかなり低下してしまいました。
その結果貴族たちの領地では反乱が起こっているみたいです。
ブラウンシュバイク公の領地であるヴェスターラントもその一つで、公爵を甥っ子を殺害して駐留軍を追い出しました。
これに公爵は大激怒。
ヴェスターラントの領民を殺戮するため熱核兵器での地上攻撃を腹心のアンスバッハ准将に命じます。
地上で熱核兵器を使うのは過去人類が滅亡に瀕して以来ご法度となっており、アンスバッハも公爵に再考を促します。
ただ身内を殺されたら怒り狂うのは当然ですからね。
それにブラウンシュバイク公は領民なんて虫けら以下ぐらいにしか思っていないでしょうし、いくら再考を促しても無駄でしょう。
また多くの貴族の前で言ったことを家臣の進言で撤回すると威信が低下すると思ったのかもしれません。
結局公爵は発言を撤回せずヴェスターラントへの熱核兵器での攻撃が決定します。
公爵の決断は当然とばかりにほくそ笑むフレーゲル男爵がめっちゃムカつく。
決定の後アンスバッハはひとり呟きます。
「ゴールデンバウム王朝もこれで終わった。自らの手足を切り取ってどうして立っていられるだろう」と。
ごく当然の言葉ですが言ってはいけない言葉でもあります。
こんなもん誰かに聞かれたら密告の対象になりますし、士気が落ちる可能性だってありますから。
案の定すぐに密告されアンスバッハは幽閉されてしまいます。
ただでさえ低能揃いの貴族連合軍の中でマシな部類だったアンスバッハの幽閉で混乱するのは必至でしょうね。
ラインハルトが明確に阻止命令を出していれば歴史は変わったかもしれない
ヴェスターラントへの攻撃の件はラインハルトの耳にも入ります。
さすがにラインハルトもこの攻撃を阻止しようとしますがそれをオーベルシュタインが反対。
オーベルシュタイン曰く「このまま攻撃させれば貴族連合軍を支えていた層の離反を促すことができ、ガイエスブルク要塞攻略が容易になる」と。
オーベルシュタインの言っていることも正しいですけど、民衆を切り捨てると後が怖いですからねぇ。
実際この後の話で取り返しのつかないことになりますし。
結局ラインハルトは判断を留保し、直前まで考えることにします。
結果論ですが、ここでラインハルトは明確に阻止命令を出すべきだったと想います。
ラインハルトの支持基盤は一般市民です。
一般市民は自分達を守ってくれる英雄の味方。
一般市民を守らなければ、一般市民は英雄を英雄とは思わず離反していくことでしょう。
それをよくわかっていたのが一般市民階級出身のキルヒアイスです。
後にキルヒアイスはこのヴェスターラントの一件でラインハルトと口論することになります。
そしてそれが切っ掛けで…。
ラインハルトが阻止するか攻撃を見逃すか迷う。
こうなることはオーベルシュタインの想定の範囲内。
オーベルシュタインは嘘の攻撃時間をラインハルトに教えることでラインハルトが攻撃阻止できないようにしていたのです。
こうしてヴェスターラントは熱核兵器で焼き払われ、数百万の民衆が犠牲になりました。
この惨劇はオーベルシュタインが派遣していた強行偵察艦によってばっちり撮影。
むごい映像が帝国全土に配信されて、オーベルシュタインの予想通り貴族連合軍を支えていた層は一気に離反、ガイエスブルク要塞は孤立してしまいました。
こんなことするとラインハルトのオーベルシュタインに対する評価下がり、下手をすると粛清の対象になってしまう恐れがあるに、ラインハルトのために敢えてやってしまうオーベルシュタイン。
覇者を支えるためには自分を犠牲にするのをいとわないと勤まらないのでしょうね。
リップシュタット連合軍の落日
孤立したガイエスブルク要塞では形勢逆転を狙って艦隊戦で雌雄を決するべきという意見が大勢を占めます。
籠っていてもジリ貧ですからこの意見は正しい個人的には思いますわ。
出撃してもラインハルトの敵では無いですけど。
結果的に軽くあしらわれた貴族連合軍は終了のお時間。
フレーゲル男爵は腹心のシューマッハ大佐を殺害しようとして逆に大佐を慕う兵士たちに射殺されますし、行き場を失ったメルカッツはシュナイダー少佐の進言を受け入れ、自由惑星同盟への亡命を決意します。
たぶんここでメルカッツが降伏していれば、ファーレンハイトみたいにラインハルトは自分の旗下に加えていたでしょう。
ただこの状態ではラインハルトがどういう処遇をするか分かりませんから、亡命という選択肢を選ぶのは仕方ありませんね。
そしてブラウンシュバイク公。
悪運強くガイエスブルク要塞に逃げ込みます。
ここに至って公爵はラインハルトとの和平をお考えの様子。
終いには自分娘をラインハルトに差し出すことまで言いだします。
ラインハルトが公爵を許す訳ないのですけど、悪あがきしてくれるブラウンシュバイク公は見ていて滑稽ですね。
最後はアンスバッハに毒入りにワインを無理やり飲まされあえないご最期。
アンスバッハは公爵の遺体に何か細工をするようです。
「ゴールデンバウムは倒れた、だが次にくる王朝がローエングラム朝とまだ決まった訳では無い」。
アンスバッハの言ったこの言葉。
気になります。
時代が変わることをミッターマイヤーとロイエンタールが認識する
すべての戦闘が終わり、特殊EDへ。
ガイエスブルク要塞に続々とラインハルトの艦隊が進駐していきます。
一番に乗り込み貴族たちが持ち込んだ美術品の類を兵火から守ろうとする髭の紳士(メックリンガ中将)はさすが芸術提督の二つ名を持つ男。
仕事が早いです。
要塞に残っていた貴族たちは根こそぎ拘禁され、少しでも心証を良くするつもりかミッターマイヤーやロイエンタールに愛想笑いをする始末。
こんな性根だから貴族たちの時代が終わるのです。
ロイエンタールの言ったように
「奴らの時代は終わった。これからは俺たち(ラインハルト陣営)の時代だ」になるのでしょうね。
何事も無く進むのだったら…。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第23話を視聴し終わって
ここで今回のお話は終了。
帝国側の内戦はこれで終わりですが、本当の悲劇はここから始まります。
ヴぇスターラントの攻撃を阻止していれば、そしてアンスバッハの降伏を認めなければ。
まあこれらは後のお話ですが。
次回第24話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第24話「誰ための勝利」の感想 「このクーデターの勝利者は結局トリューニヒトかも」
今回のまとめ三行
- ヴェスターラントに熱核攻撃
- ブラウンシュバイク公が自裁
- リップシュタット連合軍(貴族連合軍)が壊滅す