感想(ネタバレあり)
今回は前半がドーリア星域におけるヤン艦隊と第11艦隊の激突。
そして後半では「スタジアムの虐殺」と呼ばれる最悪の事態が描かれます。
この虐殺はヤンにも同盟にも大きな傷を残します。
あの人が死ななければ、同盟のトップとなって同盟の命数がもうちょっと伸びたかもしれませんので。
そしてヤンと再婚するという未来だってありえたかもしれないのに。
第20話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第20話「流血の宇宙」の感想 「頭を使って石器時代の勇者を罠に嵌めます」
第11艦隊を脱出したバグダッシュが重要な情報を持ってくる
反乱鎮圧のため首都星ハイネセンを目指すヤン艦隊。
行き掛けの駄賃ではありませんが、そのままにしておけば補給線を断たれる恐れがあった惑星シャンプールの反乱部隊を撃滅します。
と言ってもほとんど陸戦隊のお仕事ですので、働いたのはシェーンコップ率いるローゼンリッターばかり。
でもシェーンコップって確か要塞防御指揮官になっていたはず。
あんたは要塞に残らなきゃいけなかったんんじゃなかったの?と思わずにはいられません。
おまけに反乱部隊鎮圧のご褒美たくさんもらっているし。
色男は爆発しろ。
さてそのシェーンコップらが艦隊に帰還するのと同時期、第11艦隊からバクダッシュ中佐が脱出しヤン艦隊に合流します。
そのバクダッシュは重要な情報をヤンに伝えます。
「ヤン艦隊を迎撃するため第11艦隊がハイネセンを出撃した」と。
重要な情報を持っていたバグダッシュ。
そんなバグダッシュをシェーンコップは疑います。
確かにタイミングが良すぎますからね。
いくら出撃でバタバタしているとはいえ、出撃した第11艦隊から脱出ってできるのでしょうか?
ヤン艦隊を奇襲するために極秘に出撃したでしょうに。
結局クロと判定したシェーンコップはバクダッシュが仮眠を取っている隙に冷凍睡眠モードにベッドを設定し、何もできないようにします。
第11艦隊が片付くまでは。
さすがシェーンコップ良い仕事をします。
ヤンと話さなくても意思疎通できている感じがしますね。
ドーリア星域でヤン艦隊と第11艦隊の艦隊決戦が発生する
ヤン艦隊と第11艦隊はドーリア星域で激突することになります。
ヤンと第11艦隊司令のルグランジュ中将は、交戦前に士気を上げるためそれぞれ演説しますが、これが両極端。
ヤンは個人に重きを置いた演説をした一方、ルグランジュは国家を重視した演説をします。
両方の演説とも聞くべき点はあったと思いますが、やっぱり両方とも極端すぎると思いますね。
人がいなければ国家は成り立たないし、国家が無ければ人の生活は不便になりますから。
まあ、戦絶の目的は士気の向上。
その点に絞ればヤンの方に軍配が上がると思いますわ。
会戦自体は奇襲に成功したヤン艦隊の独壇場。
グエンバンヒューの中央突破により艦隊を2分された第11艦隊は、各個撃破の対象になってしまいます。
元々同盟最大級の機動戦力を誇るヤン艦隊です。
その数を生かした戦いを許した時点で勝敗は決していました。
第11艦隊は2桁にまでうち減らされてしまい万事休す。
ルグランジュ自身は責任を取り拳銃で自決しました。
潔ぎよいと思われる方もおられるかもしれませんが、まだ部下が残っている以上自決するべきでは無かったと個人的には思います。
グリーンヒル大将の人選ミス!クリスチアン大佐の愚行がスタジアムの虐殺を引き起こす
第11艦隊敗北の知らせはすぐにハイネセンに伝わります。
唯一の機動戦力だった第11艦隊を失った救国軍事会議はかなり追い詰められることに。
そしてさらにダメ押しというべきことが。
なんとハイネセンスタジアムに市民数万人が集まり、救国軍事会議を非難する集会が開かれるようなのです。
集会の首謀者は評議会議員のジェシカ・エドワーズ。
そうヤンの親友だったラップの元婚約者であり、たぶんヤンの想い人。
こんな時期に反政府集会が開かれたら暴動に発展する可能性があります。
救国軍事会議としては集会を開かせないようにしなければいけません。
ここで話が分かる人間を派遣すればよかったのですけど、救国軍事会議はクリスチアン大佐を派遣。
でもこの人、話が全く通じない頭が固い典型的な軍人。
こんなやつ派遣しても穏便にすむわけがありません。
グリーンヒル大将は派遣する人選を間違えました。
こいつ派遣するくらいならトリューニヒトと裏で繋がっていたベイ大佐の方がまだマシだったのかも。
クリスチアンの非道に怒った市民たちは立ち上がり、集会はそのまま暴動に発展。
最終的に死者の数は2万人に達しました。
そしてその死者の中にはジェシカも…。
でもこの暴動、ジェシカたち集会を開こうとした側にも問題があったような気がします。
確かに集会の自由は同盟憲章で保証されているようですけど、救国軍事会議は明確に「同盟憲章の無期限停止」を公言していました。
また軍人って市民の方を向いていませんから、救国軍事会議を非難するようなことをすれば救国軍事会議側が武力鎮圧してくることも容易に想像できるはず。
そう考えると私はジェシカがやったことを素直に称賛はできません。
ただ一つだけはっきりしたことがあります。
市民からも懐疑的な目で見られていた救国軍事会議は完全に弾圧者となってしまったということです。
どれだけ崇高な理想を掲げてもこうなってしまってはもう終わりです。
ハイネセンで起こった暴動とジェシカの死はヤン艦隊にも伝わります。
ヤンの胸中を考えると…。
今回はここで終了。
来週は帝国側のお話に移ります。
第22話の感想記事はこちらからどうぞ。
銀河英雄伝説【旧OVA版】第22話「勇気と忠誠」の感想 「貴族ってほんと身勝手ですね」
今回のまとめ三行
- ヤンを暗殺するためスパイが潜入
- ドーリア星域でヤン艦隊と第11艦隊が激突
- スタジアムの虐殺でジェシカが死亡