銀河英雄伝説【旧OVA版】第35話「決意と野心と」の感想 「またキルヒアイスが生きていれば…か」

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感想(ネタバレあり)

 

久しぶりの銀英伝の感想です。

今期はちょっと忙しくて銀英伝を視聴し直す時間がなかったので。

 

前回は確かガイエスブルク要塞をヤンが破壊。

そして退却する帝国軍残存艦隊をグエンバンヒューとアラルコンが追撃したところからです。

 

第34話の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。

銀河英雄伝説【旧OVA版】第34話「帰還」の感想 「ヤンとラインハルト、考えることは一緒です」

 

 

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引き際でわかる帝国と同盟の提督の差

 

帝国軍の誇るガイエスブルク要塞を破壊し意気上がる同盟軍。

さらなる戦果を求めて同盟軍のグエンバンヒュー少将とアラルコン少将が帝国軍の残存艦隊を追って帝国領方面に向かいます。

 

ヤン自身は追撃しないように命令したみたいですけど、グエンバンヒューとアラルコンはどちらかというと猛将タイプ。

たぶん命令違反を冒してもそれ以上の戦果を上げれば、ヤンも命令違反を不問に付すだろうと思っていたのかもしれません。

考え方が旧日本陸軍そっくり。

 

ただヤンの性格から言うと、どんな戦果を上げてもグエンバンヒューとアラルコンはヤンから命令違反で責任取らされたでしょうけどね。

 

ヤンは追撃して得られる戦果よりも近くまで来ているかも知れない帝国軍の増援が怖かったのだと思います。

戦線が膠着しているのなら増援を送るのが普通。

ラインハルトでなくても標準以上の指揮官ならそうするでしょうから。

 

 

案の定帝国軍の残存艦隊は増援に向かっていたミッターマイヤー、ロイエンタールと合流。

同盟軍が追撃してきているのを探知した両将は同盟軍に一撃を加えてすぐに撤退することを決めます。

 

この時ミッターマイヤーとロイエンタールはミュラーから同僚であるケンプの死を知らされますけど、ミッターマイヤーは同僚の死を悼むような顔をする一方、ロイエンタールは顔色一つ変えません。

 

こういうところがミッターマイヤーとロイエンタールの性格がよく現れますけど、実際この時ロイエンタールはどのように思ったのでしょうか?

 

表情は変わらなかったけどケンプの死を悼んだのか?、それともケンプは使い捨てにされたと思ったのか…。

キルヒアイスの死によってラインハルトの性格が変わる前だったら前者の可能性もありますけど、個人的には後者だと思います。

ロイエンタールの中でラインハルトに対する不信感がだいぶん高まっているように感じられますので。

 

 

グエンバンヒューとアラルコンが率いる同盟軍5000隻はミッターマイヤーとロイエンタールの前では赤子同然。

瞬く間に艦隊は全滅。

グエンバンヒュー、アラルコン両人とも戦死します。

 

その後ヤン率いるヤン艦隊本体が到着しますが、帝国軍の残存艦隊の収容と追撃部隊に痛手を負わせるという戦術目標を達成したミッターマイヤーとロイエンタールはサッサと退却。

この引き際は見事です。

 

おそらくミッターマイヤーとロイエンタールの艦隊は合わせて2万隻はいるでしょうから、1万隻のヤン艦隊と五分以上に戦えることでしょう。

しかし相手はヤン・ウェンリー。

どんな奇策を用いてくるかわかりません。

またラインハルトからの命令はガイエスブルク要塞の救援。

それが達成できない以上、ヤン艦隊と戦っても戦略的な意味はないのです。

 

考えるだけだったら誰でもできますけど、こういう状態で撤退できるのは流石というべきです。

普通ならグエンバンヒューとアラルコンのようにさらなる戦果を求めるはずですから。

 

だからこそさっさと撤退したミッターマイヤーとロイエンタールをヤンは賞賛するのでしょうね。

 

これでガイエスブルク要塞がイゼルローン回廊に侵入して起こった要塞対要塞の戦いは終了です。

 

親子は似るもの。しかし能力まで同じとは限りません

 

場面が変わってフェザーン。

補佐官のケッセルリンクがルビンスキーに同盟の経済の報告を行っています。

ケッセルリンク曰く、同盟の軍事費がGNPの30%を超えたと。

 

GDPではなくGNPで表現するところが時代を感じさせますけど、それは置いておいて。

 

軍事費が30%って結構な数字です。

軍事費自体そこから経済的利益はほぼ生まれません。

実質持ちだし状態。

それが国民総生産の3割を超えるとなると経済自体長く持つはずはありませんよね。

フェザーンの思惑通りです。

あとは同盟の経済を名実ともに乗っ取り、その権益を帝国に認めさせる。そのためにフェザーンは何かをやるようです。

おそらくその何かのためにランズベルク伯とシューマッハ大佐を使うのでしょうけど。

 

さてルビンスキーはケッセルリンクに休暇を与えます。

明日はケッセルリンクの母親の命日なので。

これにはケッセルリンクも驚きます。

そう、ルビンスキーがケッセルリンクの母親のことを知っている、つまりケッセルリンクが自分の子供であることをルビンスキーが知っているということですから

 

でも普通に考えてここでケッセルリンクが驚くのおかしいですよね。

 

ルビンスキーはフェザーンの最高権力者。

ケッセルリンクはその最高権力者の補佐官ですからしっかりと身辺調査されることを認識しているはずです。

当然その調査から自分がルビンスキーと血が繋がっていることだってバレていると考えるのが普通なのに。

もしかしてケッセルリンクって馬鹿なの?

そう思わずにはいられません。

 

ルビンスキーは自分の後継者になりたいのなら実力と人望を得るために時間を掛けるようにケッセルリンクに諭します。

でもケッセルリンクは聞く耳を持ちません。

もちろんルビンスキーの前で大人しくしていましたけど。

 

ケッセルリンク自身、ルビンスキーが自分の栄達のためにケッセルリンクの母を捨てたと思っているようです。

たぶんルビンスキーに取り入っているのも自分がルビンスキーにとって代わってルビンスキーに復讐するためなんでしょうね。

 

しかしケッセルリンクが思っていることぐらいルビンスキーにもお見通し。

それなりの用心もたぶんしていることでしょう。

ここはルビンスキーの言う通り時間がかけるべきだったと思います。

 

ケッセルリンクみたいに自分が一番賢く、他のやつは馬鹿と思うような性格の場合、たぶんダメでしょうね。

 

 

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またキルヒアイスが生きていれば…か

 

帝都オーディン。

ラインハルトはヒルダと昼食中。

またラインハルトは物騒なことを言っています。

そんなこと言うからロイエンタールに不信感持たれるのですけど。

そこにオーベルシュタインが報告のために部屋に入ってきます。

 

オーベルシュタインの報告で、

 

  • ガイエスブルク要塞が破壊される
  • ケンプが戦死
  • 15000隻の艦艇の喪失

 

以上のことをラインハルトが知ることに。

 

でもケンプの死より15000隻の喪失に関して反応するのってどうよ。

少しはケンプの死に関しても何か思えよと言いたいです。

 

怒り心頭で別室に行くラインハルト。

短気な性格は変わっていません。

以前だったらすかさず赤毛の親友が正論言ってラインハルトの怒りを鎮めるのですけど、その親友はもういませんから。

 

そんな時親友の幻がラインハルトの怒りを鎮めます。

結局ラインハルトは親友がいないとダメ。

それが現れているシーンです。

 

以前ロイエンタールが言った、「ジークフリード・キルヒアイスは特別だった」という言葉。

これは本当だったと感じますね。

 

怒りを鎮めたラインハルト。

生き残ったミュラーを処分しないことを決めます。

この時ミュラーを処分しなかったことがバーミリオン会戦の時にラインハルトの命を救うことになりますけど、ホント上手く繋がっていますわ。

 

ミュラーの療養、いろいろ悪事を働いていたシャフト技術大将の逮捕が決まった後、オーベルシュタインはミュラーの助命をヒルダが諫言したのか尋ねます。

その真意は余計なことをするなと言ったところでしょうか?

オーベルシュタインとすれば失敗したミュラーを切り捨て綱紀粛正に繋がればよいと考えていたのかも。

 

またヒルダが諫言してそれをラインハルトが受け入れたとすれば、今後ヒルダが国政に口出して面倒なことになるとも考えたのでしょう。

 

オーベルシュタインからすれば、ラインハルトなんぞは自分の理想の国家を作る道具ぐらいにしか思っていないのかもしれません。

 

それを危険視するヒルダ。

ここでヒルダはオーベルシュタインに対抗すべきという結論に達します。

ラインハルトのためというよりはラインハルトを第2のルドルフ大帝にしないためですけど。

 

そしてなぜかラインハルトの姉であるアンネローゼに会う必要があるということになりますけど、どうしてアンネローゼに会う必要があるのかイマイチぴんときませんね。

 

 

ミッターマイヤーとロイエンタールはまた二人で飲んでいます。

ケンプに対するラインハルトの配慮を喜ぶミッターマイヤーに対して、ロイエンタールの発言はいつものように皮肉でいっぱい。

キルヒアイスが死んだ後のラインハルトに対してロイエンタールは不信感しか無いご様子です。

 

それに気付かないふりをするミッターマイヤーの口から出た言葉、「キルヒアイスが生きていれば」。

 

結局みんな思うことは同じです。

どれだけキルヒアイスが偉大であったか、どれだけキルヒアイスに依存していたかがわかります。

 

 

ユリアンが正規の軍人になることをヤンがしぶしぶ承認する

 

イゼルローン要塞内のヤンの宿舎。

ユリアンはずっと考えていたことをヤンに伝えます。

正式な軍人になりたい。自由と平等を守る軍人に。

 

普通の親だったら子供が軍人になりたいと言って来たら良い顔はしません。

軍人はいつ死ぬか分からない職業ですから。

当然ヤンも同じです。

 

でもヤンはユリアンが軍人になることを容認します

ユリアンの軍人になりたい理由に曇りがなかったからでしょう。

その後軍人とは?歴史とは?という話に。

 

これが次の次のシーンのキュンメル男爵のところに繋がります。

ここら辺の繋がり方は見事ですね、

しっかり話がリンクしています。

最初ヤンの話を聞いたとき、このシーンいるのかなと思いましたけど、キュンメル男爵がある決意をするのに繋がっているのですから後から考えると重要なシーンだと分かりました。

こういうところが至るところにあるので銀英伝は見てて楽しいですよね。

 

 

最後の場面は宇宙港。

フェーザーンの意を受けたランズベルク伯とシューマッハ大佐がどこかへ出発しようとしてます。

果たしてこの二人は何をしでかすのか?

次回以降も楽しみですわ。

 

次回36話の感想記事はこちらからどうぞ。

銀河英雄伝説【旧OVA版】第36話「雷鳴」の感想 「フェザーンよりもラインハルトの方が一枚上手」

 

今回のまとめ三行

  • 引き際が肝心
  • ルビンスキーとケッセルリンクは親子
  • ユリアンが正式な軍人に